ノノちゃん!? ノノがやられた! ふざけんなお前らがノノの腕を奪ったんだ! 自分も一緒に戦わないと誰にも勝てないって思ってるんですか?違うならもう一緒に戦うなんてしないでくださいよ… それに聞きましたよ、私たちに内緒でイレイザーの人たちと戦って知り合いの子が腕を無くしちゃったって。その子庇おうとしたんですよね、本当にすぐ女の子の前カッコつけんですから…そのせいでもしかしたらアナタが腕とか脚とか…もっと取り返しのつかない事になってたかもしれない。いつもいつも結果オーライじゃないんですよバカ塚 ───自分たちがもっと早く外の敵を片付けてみんなに追いついていれば、あいつらの側にいられれば、彼女の腕はあんなことにならずに済んだのかもしれない あるいは先日雪奈に叱りつけられたとおり、アルカティモンの技に巻き込まれて真っ先に自分がお陀仏だったか。人からの叱りつけがここまで堪えたのは久しぶりであった 1発2発くらいはあのマモというノノの友人に殴られてやるべきだったかもしれないが果物ナイフはさすがにな…けど、それくらい大切な人だったということだ。それを守りきれなかった事実は変わらない 芝生に寝転がった鉄塚クロウの脳裏を過ぎる言葉たちが胸に重くのしかかる。裏腹になんとも晴れ模様な空をぼうっと見上げかれこれ1時間は経とうとしていたが、どうにも鮮やかな青も霞んで見えたままだ オペレーション・アルカディア───アルカディモンに寄生された黒曜将軍アルケアの救出を旨とした一大作戦。そこにクロウの姿もあった 囮となった彼等はラグナモンの砲撃から侵入部隊を護りながら超巨大デスモンとの戦いを繰り広げる…が、その物量はルドモンの究極進化形態ブリウエルドラモンを繰り出してなお強大であり討伐に多大な時間と損耗を出してしまう 超巨大デスモンを沈めたとほぼ同時、通信越しに届いた悲鳴……説得に乗り出した奈仁濡音ノノがアルケアの内で覚醒したアルカディモンのドットマトリクスに"腕を分解されてしまった"のだ 残された僅かなエネルギーをライジルドモンBMの雷速化へと、そして現着後に再び仲間たちを襲わんとするアルケアの"不可視の致命打"へ電磁バリアによる広域防御を敢行。偶然にもドットマトリクスが"不可視の電磁バリア"を相殺分解しそこねたことで一時的にアルカディモンのエネルギーを大きく損わせ仲間への被害も防げた …が、そこでBMすら維持できぬまでに消耗が限界へ。もはや負傷したノノと神崎璃奈を連れ脱出するしかできなかった 仲間たちを信頼してなかったわけではない。己の知る限り誰もが強く頼もしい歴戦のテイマーたちだった だが、だがもし超巨大デスモンたちをさっさと片付けてあの場へ自分が早く駆けつけていられたのなら?ライジルドモンの電磁バリアがドットマトリクスの阻害に効果てきめんだったと判明していたのなら? 自分たちにはあの場においてもっと賢いやり方があったのではないか? 作戦後目を覚ましたノノの謝罪の言葉を聞きそんな"たられば"が頭から離れず、だがそんな前のめりな姿勢を同じ旅路を歩む少女・霜桐雪奈からは心底の心配と共に咎められ、今の自分のやり方の限界を見た気がしたのだ 「やぁ、お悩みかな鉄塚くん」 「うおおおっ!?」 ずいと覗かせた丸い顔から投げられた穏やかな挨拶に我に帰り跳ね起きる 「豆蔵…びっくりさせやがって、久しぶりだな」 「そう無理に笑うことはないよ。何かあったのなら 「ハァー…隠し事は無理だな」 仲間を大怪我させてしまった経緯と葛藤を豆蔵は静かに聞き届け、深く頷く 「───なるほど、そして僕の力では君の悩みを助けるには力不足のようだすまない」 「気にすんなって。また一から鍛え直すしかねえさ…頑張らねーと」 「けれど独りで悩む必要は無さそうだよ。ほらアレを見て」 気丈に振る舞うもののイマイチ覇気が乗り切らないクロウの背を見やり、沈黙ののち豆蔵がキリッとした丸いまなこを移した先へ指差したそれは  「えっ?……な、なんだありゃあァァーーッ!」 ───しまった"胡乱"だ 「"僕らの依頼を掲示板としてまとめて皆に繋いでくれるデジモン"だよ。───なりたいと思う君の姿が心の中にあるのならまずは口にすることだよ」 「豆蔵?」 「願いを口に出して、自分の心をひらいてごらん…その時"君たちのために"手を差し伸べてくれる誰かは…やがて《必然》となってやってくるはずだよ。これは前に僕がヤエさんに言ったものだね」 小山ヤエと知り合った日、豆蔵が彼女とパートナーのコカブテリモンを奮い立たせたという言葉 かつてクロウとライジルドモンの戦いを見据え比べて己の非力さを悩んだ彼女らにかけられたそれが回り回って今度はこちらにやってきたということに気づき、同時に豆蔵の言葉を受けて今なお成長を続けるヤエとコカブテリモンの姿を思い浮かべ……決意 「俺のなりたい自分……わかったぜ豆蔵。オーイそこの掲示板待ってくれ!」 ソレに差し出されたペンを握り書き込まれた文字が情報となり電子の海へ溶けていく 「これで…よし!」 《依頼No.55 修行と新必殺ワザ》 ───平原地帯 「まずはとにかくデータだ、バーストモードで模擬試合を行ってくれ。雷速化・電磁バリア・各必殺技の特性をここにいる様々な戦術を有するメンバー相手に振るってくれ。無論俺とタイガーヴェスパモンもやる───ついでにいろいろ話を聞かせてもらおうじゃねえか…クロウ」 蜂矢明良の声に頷く、この依頼に馳せ参じた一同。しかし苦笑いと冷や汗を浮かべながらも追従するクロウがいた 「まさかこんなに来てくれるたぁ…驚いたぜ豆蔵」 先ほどまた旅立った袈裟姿の坊主頭へ驚きを独りごちる。掲示板に書いた内容はしっかりと他のテイマーらに共有されていたらしく、ものの2時間後にはこうして顔見知りやはじめましての人間がズラリ 全部自分のために時間を割いて集まってくれたのだという事実に妙な震えと緊張を覚えたクロウへ早速声がかけられる 「どうしたんですか鉄塚さん、まるで仲の良い女の子のコワイお兄さんにあったみたいな顔してますよ!」 「まるでっつーかズバリそのものなんだよなァーコレ…あんま深く聞かねえでくれ遥希」 「なんかわからないけど大変だね。ああ僕はシュヴァルツ、こっちはアスタモン」 「どうもお初にお目にかかります。アナタの噂はかねがねでさァ…人間とデジモンが同時にバーストモードになって戦う野蛮なコンビがいらっしゃると」 「バーストモードについて興味があるんだ、いろいろ教えてほしいな」 「私は華蓮。秋月さんからの紹介できたよ!殴り合いの特訓がメインじゃ無いらしいからそこまで多くは教えられないかもだけど…連携なら自信があるよ!」 「影太郎か…あんにゃろー言いたい放題しやがって。けどBVのメンツはすげー強えって聞いたな…ひとまず強力感謝するぜサンキューな」 「クロウさん僕も手伝います。というか僕も一緒に稽古をつけてください、どんなことがあっても立ち向かえるように力をつけておきたいんです」 「トウマ…ああ俺もだぜ。一緒に頑張るかァ!」 「……」 「…って、なんでオマエはそんな離れたところでこっち見てんだ雪奈」 「別にー。相手とかできないですしアドバイスもできないんでちょっと眺めてるだけです。報酬とかもいらないですよ」 「ええ…?そ、そうか…」 「よっしゃ、先ずは誰からいく」 「はーい!弟子、じゃなかったクローくんわたしが相手だよ。あれからわたしたちもぐーーんと早くなったから追いつけるかな?」 「いいですね、なら私もご一緒に!」 「ジャザモン・ワープ進化ーっ!」 「ダブルスピリット・エボリューションっ!」 少女らの哮りに吹き荒び視界を奪う暴風。振り払い目を開けたそこに揺蕩うジェットシルフィーモン、そしてメタリックドラモンが雄々しく翼を広げてクロウらを威圧する 「空中戦か…いいぜ師匠、遥希。ライジルドモン、オマエの速さを見せてやれ!」 ───《対:ジェットシルフィーモン&メタリックドラモン》 ・高速飛行するメタリックドラモンへのタッチダウン。その後は攻守交代し回避・逃走に徹する所謂鬼ごっこ。ジェットシルフィーモンは妨害攻撃を敢行→雷速化研究要項 「そこだぁ!」 「雷の名は伊達じゃないか…だが!」 雷速化の出現ポイント。寸手の所でメタリックドラモンの羽をかすめニアミス、再び相対距離を突き放されたライジルドモンBMの下方より首をもたげた嵐の蛇が突き上がる 「チィッ!」 再加速までの僅かなチャージ時間を逃すまいと攻め立てる機械の鳥人。さらに風車の棍を大きく振り放つことで四方から圧殺するよう牙を向く包囲網に電磁バリアを拮抗させ、暴風が殺到する"目"へとライジルドモンが雷嵐の鉄拳で対消滅を狙い 「ブロウクンメッサー!」 「うそ、突破された!?」 風の繭を紫光が裂き、雲をかき乱し視界を奪う その一瞬にメタリックドラモンの頭上から太陽を背に、漆黒の影が霹靂と成り襲いかかった パチーン 「やられたっ…!」 「ぐぬぬすごいですね…けど今度はライジルドモンさんが捕まらないように逃げる番ですよ!」 「ヨッシャア!じゃあ5秒数えたらいつでもかかってきやがれ!」 ───《対アスタモン&ダークリザモン》 ・上記両名をライジルドモン&鉄塚クロウBMのコンビネーションで撃退せよ→人体バースト・格闘性能研究要項 「うぉぉおらああああっ!!」 「うっひゃー痛い!こりゃ人間ながらあっぱれでさァ鉄塚さん」 バーストデジソウルパンチをいなした右腕の異様な痺れに手をぶらつかせながら感嘆とともに引き下がるアスタモンの左背後、バチリと微かな明滅に紛れ雷速化から息も付かせぬ追撃の鋭い爪が、毛皮を掠めた……程度で済んだのは、テイマーの直感から受けた指示をダークリザモンが逡巡なくアスタモンへの直撃するか否かのタイミングで攻撃に移したことで、ライジルドモンの踏み込みを僅かに躊躇わせたことによる 強烈な割れ上がる岩の大粒を境に仕切り直しと散り散りとなる面々 「言葉も交わさずに的確な詰め方、かすめただけで完全体をひるませるいいパンチ!けど闇の炎を纏うダークリザモンは人間の君じゃ迂闊に対応できないからアスタモンを狙うしかない…まだまだ素直すぎるね」 「あっぶねえ…!」 「あっちもこっちも、危なっかしくて私はヒヤヒヤが止まりませんねェ…」 「だったらコレはどうだァ!」 「!?」 だが独り渦中へ猛進し、クロウが紫光の拳で掴み上げた岩石をダークリザモンへと叩き込みひるませたではないか 「うっそ、ダークリザモンの身体が燃えてるからってそこまでやる…!」 「まさかあの中を突っ込むなんて肝が据わってるね、秋月さんが苦い顔するわけだ」 ……そのやりとりを遠間に見つめ、ほおを微かに膨らませる少女が口を開く 「もう十分強いんだからあんな無茶して鍛える必要ないと思うんですけどねー…」 「そわそわしてんなぁお嬢ちゃん。ラインは弁えてるから大怪我はしねぇしデータ取りに必要だから仕方ねえ───ってのは、正直承服しかねてるって感じだな?」 「ホントバカ塚…」 ───《対リボルモン→???》 ・トウマとリボルモンの放つ攻撃を電磁バリアで全て防げ。電磁バリア常時展開ではなく極小パリィor最大展開連続使用を繰り返しエネルギー配分・上限の操作訓練。逆に攻撃側はライジルドモン本体への直撃・ダメージアウトさせるつもりで挑むように →電磁バリア・防御性能研究要項 「ぐっ、危な…!」 「いいぞリボルモンどんどん撃って!あっそこ、そこだ!」 「フン、そいつぁ狙いが甘いなトウマぁ!」 トウマの指示に一瞬鈍った弾丸の雨をパリングしながらライジルドモンが吠え、するとリボルモンが帽子の鍔の下に一層強い眼光を宿し、速射。ライジルドモンの盾に2発、ツノに1発───それらが"たった一度に重なった銃声"の後爆ぜた 「えっ…」 「ライジルドモンの負けだ。次、電磁バリアの全力展開で長時間耐えろ」 「かーっ油断した。なんて速さだ…」 ツノをさすり悔しがる相手を前にリボルモンがほんの少し拳を握りグッと手ごたえを示す 成熟期でありながらその一撃は時として究極体と同等の相手にも届きうる…己の研鑽と技巧を噛み締める 「だが次は全力で防ぐぜ…オレの電磁バリアを破れるか?」 が、次のソレをどう穿つか…睨み据えたそこへ少年が隣に並び立つ 「───『一念岩をも通す』『涓滴岩を穿つ(けんてきいわをうがつ)』…です、ライジルドモンさん」 「難しい言葉知ってんだな。そんでお前も進化か…どんな姿になるか楽しみだな」 「はい、よろしくお願いします!」 ───《対タイガーヴェスパモンBM》 ・同じバースト体デジモン同士の決闘試合。明良は何やら個人的に話があるらしい →バーストモード・デジソウル総合出力等研究要項 「確かにヤツらの瞬間移動や雷技のキレはとんでもねぇが、どうやら純粋なパワーの押し合いじゃ俺たちのほうに分があるみてぇだぜタイガーヴェスパモン」 「強がっちゃって、ボクらの必殺技でなお電磁バリアを割るので精一杯だったのはちょっと予想外だったよ」 バーストモードに至る事でオーラで構成され人型となった四肢、その右腕部に一体化しライジルドモンのバリア・クロンデジゾイド装甲をも貫かんとするまでに猛威を振るう業物ローヤルマイスターの切先を優雅に翻し微笑む女王蜂 「森で一緒に戦った時も思った、やっぱ強えな…だがオレらもうかうかしてられねえんだ。特訓とはいえ負けてやるつもりはハナからねーのさ!」 ───《その他実戦形式戦闘訓練》 特別な上限を指定せず各々持てる技術を活かし戦う。思う存分仲間たちの力量を体感せよ 「ぜぇ…ぜぇ…こんだけ連続で何度もバーストモードひねり出してるのは初めてだぜ、さすがにキツいな」 玉のような汗を額に浮かべ膝に手をついて深呼吸。そして今一度認める 『俺たちの力は万能ではない』 雷のように速くとも、屈強な盾を繰り出そうとも、純然たる力をぶつけようとも、誰も彼もが容易く蹴散らされてくれるようなヤワな者たちではなかった。こんなに身近に縁を持った相手にこの体たらく… 「…フッ、ありがてえな」 真っ先に来たのは『安堵』、そして『感謝』 「こんなすげえ連中にケツ叩かれまくって、もっと強くなれんだろ俺たちは…サイコーじゃねぇか」 敗北と失態を飲み込んで前を向き歩むことを許してくれる猶予、ならば思い切りその胸を借りてやるのがきっと礼節なのだろう。この程度でへばってはいられない……ぐわっと大きく上体を逸らし、己を一括 「ぬ、おおおお!まだまだ元気!」 「思ったより長持ちしてるな。やっぱデジソウル出力が高いなクロウは」 「デジソウル出力?」 「そもそもフツーあり得ねえんだよデジソウルバーストがバックファイアして人間がパワーアップなんてな」 「えっマジか。こないだ知り合ったミサキとか出来たっつってたぞ」 白いジョーカーモンとその傍らにオーラを激らせた、完全体デジモンのバーストという戦い方を自身の資料を見て倣ったと言う少女を思い返す ───そもそも深く考えられるタイミングが無かったが、人とデジモンが肩を並べて完全体・時には究極体相手に殴り合うというのは普通ではないと この力の在り方はきっとあの状況を共に乗り越え秋月影太郎をこの拳で共にぶっ飛ばしたいという意志がそうさせたのだろう…とは人体バーストに興味を持った者たちからは推測された 「大方いつも出来てるってワケじゃないだろ。基本的にデジソウルは注いだ分だけデジモンの力になるが、お前のはいっぺんに注ぐ量が多すぎてライジルドモンが一度に抱え切れてねえ。 ……例えばデカいバケツの水を何も考えずコップに勢いよくに注ぐと溢れるだろ、そしてライジルドモンBMはそのコップの中身でバリアや瞬間移動にドバドバ使うから結果的にガス欠が早えってトコだろ」 「おお、わかりやすくて助かるぜ…じゃあ俺はライジルドモンを通してから溢れちまったデジソウルのあまりをもらってバーストしてるんだな?」 「デジソウルの文献はDATSのモンを一度読ませてもらったがわかんねー事だらけだからな。しかもお前は文献に乗ってねえケースだ」 沈黙と思考 人としても咄嗟に戦えることはありがたく、人体バーストの即応力はこれまで様々な場面で役立ってきた。だがそれを用いても真っ向から立ち向かえぬほど危険なデジモンもまた存在したのだ 「アルカディモン…」 その時クロウは何もできない───ライジルドモンにキチンと全ての力を注いでやれぬまま立ち尽くすしれないという事実がそこにある 「俺じゃアイツに、手も足も出せねえかもしれなかった」 不意に溢れ初めて聞いたクロウの弱音に明良の眉がピクリと跳ねる 「どうだかな、俺は肩を並べて戦ったお前が弱いとは思わねえし完全体BMってイレギュラーなライジルドモンも究極体BMに負けてるとは全然思えねえ。あの雪奈って嬢ちゃんも同じ事を言ってたぜ……お前がそう思い詰めるには相当堪えることがあったんだな?」 頷く 「───なら、尚更わざわざこっちへ来た甲斐があったぜ。強くし甲斐があるじゃねーの」 「明良…」 「心配すんな。森で妹と助けてもらった件は前にチャラになったが……今度は俺から一つデカい貸しを作っておくのも悪くねえ」 「ハハッ、サンキューな」 「よし、そんじゃ飯にしようぜ。依頼内容だとお前が作ってくれるんだろクロウ……あっあんま辛いのはヤメロよ俺苦手なんだよ」 「お、おう!」 「───なるほど、話は理解しました。こういう時こそ我々の出番かと」 突如、茂みの向こうからぬるりとした笑みが彼等を出迎える 「な、誰だお姉さん」 「あっエージェントK!」 「ようこそオールマインドへ。鉄塚クロウ様は何やら興味深い訓練をなさってるご様子…どうでしょう、実地データを踏まえたVRアリーナであればより効率よく検証を行なっていただけるかと思いますが」 「おおー…その手があったか!」 「詳しく聞かせてくれねえか、エージェントKさんよ」