… | 324/09/29(日)21:42:09No.1237969468+***
件の場所に向かうと、里から少し離れた場所にポツンと工房家屋があった。群れるのが苦手な頑固な気質と聞いたが、確かにそれらしい。 「ごめんください、グロットモンはいるだろうか?」 はーい、という軽やかな声と共に顔を覗かせたのは 「ボクはティンカーモン!ここで弟子……というかお世話役をやってます。お師匠は今作業中なので中で待っててね」 案内されるがまま家屋側の方へ。客間のようなスペースに入ると、所狭しと『作品』が並んでいた。 「おお、この刀剣類は……素晴らしいな」 「オレはよくわかんねーけど、そんなすげえのか?」 「ああ、確かな腕前だ……特にこの刀は凄いぞ、かつて父に連れられて見に行った『童子切安綱』にも劣らぬ逸品だ!」 「そうでしょうそうでしょう!そのナントカって武器は知りませんが、お師匠はカタナの腕前ではここの村長さんも凌ぐデジタルワールド有数の隠れた刀匠なのです!」 ゴブリモンにはついていけない刀剣トークに花を咲かせる2人。すると…… 「うるせえぞティンカーモン」 奥の戸から作業がひと段落したらしいグロットモンが顔を出し、珍しい来訪客をギロリと睨む。 「何の用だ、ニンゲン」 |