はい、寝る前にフジさんの話を聞こうね。 私の兄…いまは姉のアオゾラの事なんだけどね。 亡くなる前に思い出作りでVRウマレーターを作ったら、ウマ娘になっちゃたんだよね。 レースの世界ではBCターフスプリントを勝ってるくらいすごいんだけど、夜の方もすごいんだよね。 向うでは毎日毎日ウマ娘を鳴かせてたんだよね、レースでも一番夜も一番だったんだ。 でもさ、11人も食べたら逆襲されて、三女神様に小さくされちゃったんだ。 過去の記録もそっちの姿になっていて、それはそれはそそる姿になってたよ。 そんな兄さんの体を清めるのは、妹である私の務め。 皆のにおいが付いた兄さんを絡みついた腕の中から引きずり出して、お風呂場まで背負っていくんだ。 酷いにおいだけど、後の事を考えればどうってことはないよ。 そして全身のにおいを丁寧に洗い流して、石鹸を塗りたくった私の体で洗うんだ、これでゲノムが反応しちゃういいにおいになるんだ。 もちろん、シャンプーもボディソープも香水も私と同じものを使用して、私のにおいに染め上げる。 何人愛人がいてもどれだけ兄さんが食べても、結局は私のところに帰ってくるんだから。 だからねファインさん、私に自分の使ってる物を進めるのはやめてくれないかな? いつものがアイルランドだと輸入品で高くなるし、水も違うからそっちの方がいいかもしれないけど。 これは私と兄さん、兄妹の絆で聖域、誰であっても立ち入り禁止だよ。 そういうことだから、石鹸はこっちで用意するからね、お気遣いは無用だよ。 はい、話はこれでおしまい。 寝ていいよ。 「なぁフジ、今日起きたらファインがいなかったけど」 「ん?たまには一人で寝ることもあるんじゃない?」 「そういうもんかな」 「そうだよ、あ、頭流すから目をつぶってね」 「うん」