むかしむかし、山間の小さな村の小さな小道に、妖怪が出るという噂が立った。 最初にそう言い始めたのは酒好きの健吉で、酔って村のはずれを歩いていたら髪の長い見知らぬ女が、 「種壺犯してけれ…」 と付きまとってくるという。 初めは気のおかしくなった女かと思って大丈夫かい、などと声をかけたが反応は無く、一向に同じ事ばかり呟くのだそうだ。 変に思ってその女の姿をよく見ると、なんとその股間には巨大な陰茎があったそうな。 気味が悪くなって健吉はその場を逃げ出したというが、村の誰もが酔っ払いの戯言だと気にも留めなかった。 だが次第に村の他の男達も似たような事を言うようになり、証言を総合するとそれは、長い髪に青白い肌、大きな乳房をしているが股間に女陰は無く、かわりに大きく着物に天幕を張るほどの一物を生やした女のような男だとされた。 何をそんな馬鹿げた事を、と見に行く者もそっくりな証言をするようになるのでそこに何かが居る事は確かだったが、女には興味が無いのか姿を見られるのは男だけだった。 子細はともかく妙な男の噂は子供たちにも広まり、夜中にこっそり抜け出して様子を見に行く子も出始めた。 すると今度は、 「魔羅扱いてけれ…」 と男児達に股間を見せては繰り返す変な男として子供たちの話題になった。 いつしかその妖怪は「魔羅壺」と呼ばれるようになり村の巷を震え上がらせていたが、ある日を境に恐怖は薄れ、代わりに妙な熱が噂に篭り始めた。 魔羅壺を犯した者が出たというのだ。 曰く、魔羅壺の尻の具合は大層良かった、曰く、並の女じゃ比にならない抱き心地だったと。 男達は口でこそ馬鹿馬鹿しい、一体誰がやったんだ、お前じゃないだろうな?などと茶化していたが、皆内心気が気ではなかった。 その浮説にただならぬ真実味を帯びさせるほど、魔羅壺の尻は大きく美しかったからだ。 こうして不自然に人通りの増えた村外れで、人目を憚りながらも若い男達が 「弟が悪さしに来ないか心配で。」「ここらで失せ物探しをしていて。」 などと心にもない事を言ってたむろするようになった。 毎夜魔羅壺も現れ、どこかから男の果てる声が聞こえては噂はさらに広まって行く。 ついには村中の男に知れ渡ったため、「見張り当番」という名の魔羅壺と交わる順番を決める互助会まで作られた。 大人達が恐れなくなればその雰囲気は子供にも伝播し、昼間にもその小道は人で賑わうようになった。 その頃には夜ごとの交わりで生気を蓄えたのか日暮れ前にも魔羅壺は姿を現すようになり、男児達に一物を扱かせていたという。 大人の男共が何をしているのか知っているませた子供には、口で性交の真似事をしてやる事もあったそうだ。 まだ年端の行かぬ子供とはいえ他人の性器への忌避感が多少はあっただろうが、魔羅壺の張りのある肉厚の魔羅は人を惑わす不思議な力を備えていた。 魔羅に触った男児達は、魔羅壺の桶をひっくり返したような射精の様子を親兄弟や友人に憚らず言って回るようになった。 困ったのは村の女衆である。 男はすっかり腑抜けになり昼間は畑仕事などにも身が入らない様子で、夜になれば家の事などどこ吹く風で魔羅壺の名前を呼びながら「見張り」の順を待つばかり。 男児達も魔羅壺の陰茎や射精の事など下品な話題で盛り上がり、濃厚な雄の匂いを漂わせて帰って来るのだ。 いくら言っても男衆は聞く耳持たず、直接文句を言おうにも女の前に魔羅壺が姿を表す事は無かった。 そんな噂を聞きつけてある若い僧が村へやってきた。 僧は人々を助けるため妖怪退治の行脚をしているという若いながらに志のある男で、話を聞くと早速準備に取り掛かった。 近くにある古いお堂を開けておくようにと言い、清めのお香を焚き、破魔のお札を持って僧は件の小道へ向かった。 女達が人払いをしたお堂の近くで不安げに待っていると、僧は事もなげに魔羅壺を連れて戻って来た。 何でも色事と縁遠い男の気配を男児と勘違いした魔羅壺は僧に陰茎を差し出して来たので、そこにお札を貼ってやったのだそうだ。 あまりの間抜けな顛末に気落ちしながらも、女達は魔羅壺に足枷を付けお堂の中に鎖で縛り付けた。 「妖怪だから放っておけば気力が尽きて消えてなくなるだろう。あとは好きにしなさい。」 と言って僧は去り、女達は腹いせに魔羅壺を引っ叩いてやる事にした。 しかし着物をはぎ取ってみればそこにはゴツゴツとした筋骨隆々の肉体があり、女達は物怖じした。 村で一番気の強い梅子が先陣を切って魔羅壺の顔を平手で打つが、魔羅壺は気味の悪いニタニタとした表情を崩すことはなかった。 それを皮切りに蹴る、棒で叩くなどの報復が行われたが相変わらずの様子の魔羅壺に根負けして、女衆はお堂を立ち去った。 それから男達もすっかり正気に戻り、魔羅壺のお堂には晩に一度の見回りが来るばかりとなった。 人を惑わせていた極太魔羅も種壺肛門もすっかり封印され効力を失い、もう誰もその肢体に惑わされる事はなかった。 いつしか肉付きの良かった魔羅壺の体もやせ細り、すっかり陰茎が大きいばかりの華奢な男のようになって行った。 ところでこの魔羅壺という妖怪だが、大層頭が悪かった。 というのも、例えば長い年月で進化し合理的な姿になった生き物とは違い降って湧いたよく分からない物なわけだから、非常に不合理なある性質を持っていたのだ。 それは魔羅壺の放つ精に特に意味が無いという事だ。 むしろ貯めこんだ気を無暗に吐き出すばかりの、極めて不都合な性質であった。 大人達から集めた生気をただ子供の前で精液として吐き出す。 村中の男を手玉に取り、村に君臨する大妖怪になる事もできた魔羅壺がちんけな男娼擬きに明け暮れていたのはこの性質による所も大きい。 もはや生気を与えられる事なく消耗するばかりの魔羅壺だったが、放精しなくなった事で溜まり続けるものもあった。 魔羅壺を生み出した源でもある、この地に流れる陰の気である。 陽の気が神霊として祀られるように陰の気もまた崇め畏れられ、悪神として祀られるべきだとされる。 知らず知らずの内に気の流れを滞らせる事となった魔羅壺の射精制限によって、望ましくない変化が起き始めていた。 張りを失っていくばかりに見えた魔羅壺の肉体だが、いつ頃からかその胸だけは以前のように膨らみ始めた。 当然村の者もそれに気付いたが、どうする事も出来ずただ「放っておけば消えるだろう。」との言に従って見守るしかなかった。 事実、魔羅壺が生気を補給する術がなければ、いずれはそうなった事だろう。 しかしそれよりも、魔羅壺の体がおぞましい変化を実らせる方が早かった。 ある晩見回りの男がお堂の戸を開けると、魔羅壺が立って檻越しにこちらを見ていた。 鎖に繋がれた足枷と、外部との触れ合いを禁じる檻以外に体の自由を封じるものが無いとはいえ、もはや抵抗は無駄だと悟り隅に蹲り睨むばかりだった魔羅壺にしては珍しい行動だった。 すっかり細くなった手足と、骨と皮ばかりの腹、そして以前のような大きくたわわな乳房に、今となっては脚より太いのではないかという股間の一物。 もはや見慣れたと思ったが、改めて目の前に立たれると異様な姿だった。 魔羅壺は何を思ったか、骨ばった長い指を大きな乳房に埋めて、揉みしだき始めた。 もう色仕掛けは通用しないぞ、とは思いながらも男は生唾を飲み鼓動を早める。 「…変な事してないで、牢の隅に戻れ。」 意味があるかは分からないが、ともかく声をかける。 魔羅壺は気にする事なく、むしろ激しさを増して胸を揉む。 「いいから戻れって!何もするな!」 男は檻の前まで近づき声を荒げる。果たしてそれは注意するためか、魔羅壺の痴態を間近で見るためだったのか。 魔羅壺はか細く喘ぎ声のようなものを上げながら、乳首のあたりを弄り始めた。 魔羅壺の乳首からポタポタと、得体の知れない汁が糸を引いて滴り始める。 「おい…何だよそれ…」 男が後ずさりしながら言うが、もう遅かった。 魔羅壺の乳首から放たれた大量の白濁した液体、魔羅壺の男そのものの肉体がどのように膨れ上がらせているか一切分からない気味の悪い胸を仮に乳房とするなら母乳と呼ばれるべきそれは、放物線を描いて男の頭上から降り注ぎ全身を隈なく濡らした。 魔羅壺の放った強い粘度を持つ母乳は澱み溜まった陰の気の結晶、姦淫の気の塊であり、つまりそれは── 「うっ!?♡おっ…♡射精るぅっ…♡」 極めて強烈な、媚薬であった。 暴発した精液で着物の裾を濡らしながらも、男は慌ただしく一物を取り出し魔羅壺に向けて扱き始める。 それを見た魔羅壺はいつぶりかの気味の悪い笑みを浮かべ、地面に倒れこむようにしてうつ伏せに顔を突き出す。 体を這わせて足を繋ぐ鎖の限界まで男に顔を近づけるその姿は、床に糸引く汗と母乳も相まってまるで巨大な蛞蝓のようだった。 男は魔羅壺の顔目掛けて、二度目の精を放つ。魔羅壺は長い舌で器用に、頬に飛び散った精液までをも舐め取る。 立て続けに三度目の精を放った所で、魔羅壺は男の目をじっと見つめた。 男は何事もなかったかのように服装を正し、お堂を出て帰っていく。 ここで搾り殺しては、次の獲物が来ない。男の行動はもはや全て魔羅壺の支配下にあった。 それから毎晩、魔羅壺は男を狂わせてはその精を味わった。 魔羅壺の体液は、その全てが雄を言いなりにする強烈な色香を含むようになっていた。 ある日は同じように巨大な乳を揉む様を見せつけ誘惑し、ある日はお堂中に充満した汗の芳香で入った瞬間に男の脳を蕩かし、またある日はべた付く唾液を勢いよく吹き掛けて洗脳して見せた。 魔羅壺は楽しんでいた。 無意味な行動をただ繰り返す卑小な妖の姿はもはや無く、奇妙な術で人を誑かす卑劣で悪辣な妖がそこには居た。 手駒と化した男をこき使った完璧な隠蔽工作により、しばし生気を搾り取る理想的な環境を手に入れた魔羅壺だったが、一つ問題があった。 今の見回りは村全員の持ち回りで、つまり女が来る事もあるのだ。 痩せているうちは隅に蹲っていればごまかせただろうが、生気を蓄えかつてのような肉体を取り戻せばそうはいかない。 知恵を絞る事を覚えた魔羅壺は、そうなる前にある対策を考えていた。 ある晩、女の見回りが来る日にも関わらず魔羅壺は牢の真ん中に立っていた。 「…全く、気味が悪いったらありゃしない。いつもみたいに座ってなよ。」 女は悪態をつき、魔羅壺も女には興味がないのか不機嫌そうな顔で睨み返す。 魔羅壺は気乗りしない様子で、自らの乳房を揉み始めた。 男に見せる時のような煽情的な素振りは無く、ただ義務的に手早く乳首から一筋の母乳を女に噴きかける。 「うひぃっ!?気色悪いねぇ…何をするのかと思えば全く……男共はこれのどこが良いんだか…」 やはり女には効果がないのか、嫌がるばかりの女をつまらなそうに眺めると魔羅壺は次の作戦に移る。 母乳に濡れた袖を払う女を尻目に、魔羅壺は唇を突き出し下手くそな口笛を吹く。 訳の分からない行動に白い眼を向けながら女は帰ろうとするが、お堂の前に二人の男が立ち塞がっていた。 魔羅壺が合図し、洗脳済みの男を呼んだのだ。 男は二人がかりで女を取り押さえ、牢の鍵を開け中に放り込む。 力を蓄えるため捕まったふりをしているが、魔羅壺にはもはや牢を出るなど容易い事だった。 魔羅壺は牢に入れられた女を捕まえると、押し倒してその上に圧し掛かった。 妙に湿り気を帯びた筋肉質な肢体に圧迫され、女は気持ち悪そうにもがく。 魔羅壺は女が声を出せないよう胸や手で口を抑えながら、臭いを嗅いだり舐めまわしたりして様子を伺っていた。 しばらくすると何かを思いついたのか、魔羅壺は女を仰向けにして着物を剥ぎ取った。 封印されてなお剛直を崩すことのない巨大な一物を裸の身に向けられ、女は恐怖で縮こまる。 虚ろな目で威圧的に見下す魔羅壺はおもむろに、予想外にも女の乳房を吸い始めた。 魔羅壺の肩透かしな行動にポカンと気の抜けた様子の女だったが、すぐに異変が襲う。 魔羅壺に吸われる胸が縮み始めたのだ。 胸ばかりではない、体も徐々に縮み始め、それに気付いた女は必死で抵抗するも魔羅壺の体は動かず、ついに片乳をまっ平にした魔羅壺はもう片方の乳房にも口を伸ばす。 生気を吸い取られ、一回り体の小さくなった、まるで少年のような姿の女を見て魔羅壺は満足げに笑う。 女の股間をまさぐるも、少年に付いているはずのものが無い事に気付き落胆する魔羅壺だったが、何を考えたのか今度は女の股間に吸い付く。 身悶えする女の女陰と陰核を舌で舐り、しばらくの後に魔羅壺が顔を上げるとそこにあったはずの穴は無く、代わりにひょっとこのようにすぼめた魔羅壺の口には長い肉棒が続いていた。 ちゅぽん、と音を立てて魔羅壺の口から離れたそれは少年のような体にはやや大きめの男性器であり、その袂に可愛らしい金玉も二つ備えていた。 わけが分からないといった様子の少年に生まれ変わった女に、魔羅壺は先ほどとは一転した様子で愛おしそうに口付けをする。 押し付けられた巨大な胸に少年の陰茎が反応するのを見ると、魔羅壺は嬉しそうにしゃぶり付き長い舌で念入りに刺激した。 むず痒さに腰を浮かせる少年を優しく手で押さえ、勢いよく放たれた水っぽい精液を貪る。 魔羅壺は疲労困憊の少年を抱き上げると唇を重ねて唾液を流し込み、女は痺れるような多幸感に自らが少年である事を受け入れた。 魔羅壺がふたたび口笛を吹く仕草で合図すると、手駒の男の一人が少年を牢から出し家へと送り帰す。 あの少年も洗脳しておいたから、家では元のように振る舞う事だろう。 こうして人目を欺きながら手駒を増やして行けば良いのだとほくそ笑み、魔羅壺はもう一人の男に合図を出す。 すると男は汗や母乳で汚れた魔羅壺と牢の中を丁寧に拭き、最後に魔羅壺の口の中に精を放って帰って行く。 魔羅壺の起こした異変に気付く者は、残念ながら居なかった。 隣人がいつの間にか性転換しているなどとそう疑うものでもないし、村には公衆浴場の類も無かったので確かめようもなかった。 あるいはその夫なら正気であれば気付けたかもしれないが、男はみな魔羅壺の虜となってしまう。 村の大人達は魔羅壺の餌食であり、残るは子供だけであった。 ある日、また魔羅壺が女を少年に変え精を搾り取った後、魔羅壺が少年を一瞥すると虚ろな目でたどたどしく言葉を発した。 「息子が…三人に…娘が一人…」 それを聞いた魔羅壺は体を拭いていた男の手を止めさせる。 魔羅壺が合図を出すと、男達が足枷を外し魔羅壺は立ち上がった。 肉付きの良い体を取り戻し、それどころかさらに上背の伸びた魔羅壺の体は男達よりも頭一つ分以上高く、溜め込んだ生気の膨大さを伺わせる。 お堂を出た魔羅壺は気持ちよさそうに夜風を浴びて、全身の関節を鳴らして大きく伸びをした。 熱く湿り気を帯びた魔羅壺の腋から、一物から、肛門から、むわりと芳しい湯気が立ち上る。 大きな肢体をしならせる姿にたまらないといった様子の少年に魔羅壺は口付けで応え、言葉も交わさず少年はどこかへ魔羅壺を案内し始める。 大きく皮の厚い素足で、魔羅壺は広い歩幅の分ゆっくりと少年の後ろに続く。 見回りの提灯を掲げた少年の後ろを、月明かりに照らされた青白い巨体と虚ろな目の男がついて歩く不気味な光景は、誰かが見ればまた新たな怪談を生み出すことだろう。 少年の案内した家に着くと、魔羅壺は男に目配せをして入口を見張らせる。 頭をぶつけないよう身をかがめて魔羅壺が敷居を跨ぐと、そこには少年が女だった頃の夫と子供たちが眠っていた。 魔羅壺は夫の顔を一瞥すると、それがまだ魔羅壺の色香の餌食となっていない者である事に気付く。 大の男を軽々と持ち上げ、魔羅壺はその処遇を思案する。 夫は目を覚まし大きな声を出そうとするが、魔羅壺は蒸れた腋に押し付けて黙らせた。 太い二の腕は万力のような力で挟み込み、強烈な臭気と色香はひと吸いするごとに体から力を奪う。 夫はいつしか抵抗を止め、かわりに断末魔のように陰茎から精を僅か零した。 魔羅壺は手を放して精を拭って舐め取り、夫は虚ろな目でぼーっと立ち尽くしていた。 邪魔者を片付けた魔羅壺は、待ちきれないといった様子で川の字で寝る子供達に覆いかぶさるような恰好で品定めを始める。 如何にしてか、三人の男児がどれも精通前であることを悟った魔羅壺は、まずは一番熟した、長男の身体に目を付けた。 先ほどの夫よりも軽いその体を、ゆっくりと時間をかけて抱き上げる。 長男が目を覚まさないのを確認すると、魔羅壺はそっとその股間に顔を埋めて深く息を吸い匂いを嗅ぐ。 封印されたはずの魔羅壺の巨大な陰茎が、ずくんずくんと脈動しながら怒張する。 お札がメリメリと音を立てて引き延ばされるが、それが破れる事はなかった。 魔羅壺は残念そうな、恨めしそうな顔でお札に目線を向けた。 しばし沈黙と共にそれを睨みつけていると、母だった少年が苦しそうな怒張を労わるように滑らかな手で撫で始める。 女にとってはもはや、目の前で魔羅壺の餌食にされようとしている家族だったものよりも魔羅壺への性奉仕の方が大事だったのだ。 その様子に魔羅壺はニタリと笑って溜飲を下げると、長男との睦事に取り掛かる。 着物を脱がせ露出した陰茎を、敢えて吸い付かずに、舌で包むように刺激して勃起を促す。 未知の刺激にうなされながらも、少年は眠ったまま陰茎を立ち上がらせる。 陰嚢を舐ったり、肛門を爪で軽くなぞったりして、目を覚まさないよう緩やかに快感を与え続ける。 限界まで性感を高めてから、小さな陰茎を未熟な骨盤底筋でぴくりと揺らすのを合図にカリに吸い付く。 ねちっこい前戯でたっぷりと溜め込んだ初物精液を余さず飲み干し、魔羅壺は少年を起こさないように、ゆっくりと母乳を飲ませまた寝かしつけた。 次男と三男も同じように搾り取り、洗脳しようとした魔羅壺だったが、何かを思いついたように先に娘の方に手を伸ばす。 一番体の小さい、恐らく末の子であろう幼い娘に、魔羅壺は容赦なく股間に舌を潜り込ませた。 もごもごと、大きな口をしゃぶるように動かしてから離すと、そこには先ほどの長男より、ともすれば夫のものより立派な陰茎が聳え立っていた。 魔羅壺の力を受けた者の影響には個人差があり、それは女としての才能を男に転換させるようなものだった。 もはやどうでも良い事だが、この娘がもしそのまま育っていれば、よほど器量の良い女になれた事だろう。 思わぬ収穫に魔羅壺は息を荒げながら夢中で精を搾り取り、娘は大きな陰茎が示す通りの大量の種汁を吐き出してそれに応える。 初物とは思えない量と濃度に魔羅壺は精液塗れの顔を不気味に綻ばせながら、娘に口付けをして唾液を飲ませた。 魔羅壺は小さくゲップをしてから、最後の仕上げに取り掛かる。 眠る次男と三男を一緒に挟み込むように手を置いて四つん這いになり、二人の顔を上に向かせる。 そして魔羅壺は、そのままゆっくりと体を下に沈み込ませた。 少年達の顔の前スレスレにあった魔羅壺の両の大きな乳房が、まっすぐにその顔を飲み込むように落とされる。 すぐに異変に気付いて二人は目を覚ますが、目の前の柔らかく巨大な質量には一切の抵抗が意味を為さなかった。 魔羅壺はそんな二人を挑発するように、体を揺すったり、上下させたりして乳を動かす。 しばらく楽しんだ後、魔羅壺は全体重をかけるように二人の顔を乳房で強く圧迫した。 呼吸が制限され藻掻く二人の顔の上で、魔羅壺は自らの乳首を刺激するために激しく動く。 いつの間にか両の乳首は次男と三男の口を捉えており、その口内では甘く脳髄を刺激する臭気を放つ母乳が滴り始めていた。 魔羅壺が大きく体をのけ反らせ、けれども地面に付くほどの巨大な乳房の先端は二人の口に収めたまま、思い切り母乳を噴き出す。 強烈な粘度で喉を通りきらず隙間から漏れ出しながらも水圧で無理やり胃袋にねじ込まれる奔流を、魔羅壺は延々吐き出し続ける。 その顔は絶頂した時のように歪み、ぬめった汗で輝く青白い乳房の先には母乳で腹を膨らせた二人の幼子、そしてその乳房の間から覗く依然として固く剛直した人間離れした巨大な陰茎。 それはまさに、異形の交合そのものの様相であった。 気絶して精を漏らしていた次男と三男の下半身を舌で掃除してやってから魔羅壺はお堂に戻り、また捕らえられたふりをする。 そうして次の日も、また次の日も夜ごとに手駒を増やして行き、程なくして魔羅壺は村を手中に収める。 当初は生き延びるため、ひいては解放され自由になるために村人の洗脳を始めた魔羅壺だが、力と知恵をつけた魔羅壺は、新たな目標を得ていた。 魔羅壺が村を掌握する少し前、まだ潜伏している魔羅壺の元に昼間から訪れる者が現れ始めた。 「あぁ…魔羅壺様ぁ…」 魔羅壺の名を呼びながら陰茎を扱く男達。 理性の弱い子供や性欲の有り余る若い男が、一層魅力を増した魔羅壺の体に堪えきれず人目を盗んで精を捧げに来るようになったのだ。 いずれこの村全てを支配するつもりの魔羅壺にとって最早この程度の精などどうでも良かったが、無駄に押さえつけようとして他の村人に勘付かれても困る。 人目につかないように発散しに来るというのならむしろ好都合だと考え、魔羅壺は愚かな男達の礼拝を受け入れる、ご神体の真似事を始めた。 そして村を掌握した今、魔羅壺は自由の身よりもお堂に居座る事を選んでいた。 封印された肛門や魔羅を労り撫でる者に、陰茎を大きく怒張させ礼拝に来る者、ほか多くの信者達を携えて。 考えてみれば自由の身になどならずとも、人目を気にしなくて良くなれば男を皆操り従えてしまえば良いのだ。 それに信者から一方的に精を捧げられる立場というのは実に気分が良い。 かくして魔羅壺はこの村の土地神として君臨し、男しかいない奇妙な村の奇妙なご神体として語り継がれるようになった。 ───十数年の後、一人の僧が村を訪れた。魔羅壺を封じた、あの時の僧であった。 妖怪退治の行脚の最中に村の噂を聞き、魔羅壺が力を取り戻した事を知って再びこの地に戻ったのだ。 しかし僧が目にしたのは、予想を上回るさらに異様な村の様子だった。 男ばかりという噂の通り道行く子供はみな男児である事に間違いないのだが、大人達はむしろ一様に女の恰好をしているのだ。 大きな胸と勃起した一物で着物を持ち上げる姿は、まるでかつての魔羅壺そのものだった。 敵意はないのか、妖気にあてられて正常な思考ができていないのか、僧はごく普通の旅人として迎え入れられた。 妖怪退治の支度のためにも一晩宿をとる事にしたのだが、その道中にもそこら中で女の風体の者同士が抱き合ったり、路地からは野太い喘ぎ声が聞こえていた。 妖に支配された痛ましい姿に胸を痛めながらも、僧はかつてのようにお香とお札を持って魔羅壺のお堂に向かう。 備えは変わらずとも長い年月と妖との戦いによって研ぎ澄まされた僧の法力は以前よりもはるかに強く、 「うっ…!何が…あ……あはぁ…♡」 今の魔羅壺に対してはあまりにも無力だった。 お堂の扉を開けた瞬間中から魔羅壺の淫気を伴った強烈な汗臭、陰茎臭があふれ出し、僧は腰を抜かしてしまったのだ。 お香の香りは濃厚な臭気にかき消され、その体に触れる事すら適わないまま脳が快楽に麻痺する、一瞬の決着であった。 腰を抜かした僧に魔羅壺はゆっくりと歩いて近付き、その顔を覗き込んでニタニタと笑う。 魔羅壺は後ろを向き、かつてよりも大きく実った尻を僧に突き出してこう言った。 「種壺犯してけれ…♡」