☆はじめに ログ保管庫(https://drive.google.com/drive/folders/1d9fFTahFUdQVa0tQkudkVhttdZGX9lRc)の「解説」のファイルに先人たちのゲーム盤の作り方が載っています 錚々たるメンツの解説でもう十分な気もしますが 自分の思考を誰かに見て欲しいって気持ちが強くて解説書くことにしました こういうのは複数人のアイデアから支持するものしないものを各々取捨選択して一人一人の作り方をブラッシュアップしていくものと思っています なので他の魔女もこういう思考開示してくれるとみんな嬉しいし私も嬉しいね ☆ゲーム盤の作り方について 誰のどの盤で言ってたかはもう定かではないのですが、屁理屈推理合戦の作り方には大きく2パターンあって 「シチュエーション先行型」と「トリック先行型」に分けられるらしいです ざっくり問題文考えてから猫箱を作るか、猫箱を作ってから問題文を作るか(厳密には違うと思う) 私自身どっちのパターンでも作問するのですが、「」壁瑞希のゲーム盤は大抵シチュエーション先行型です(例外もあります。のり子とか紗代子の時はトリック先行だった) ゲーム盤を作りたいけどどうやって作ったらいいかわからない…という人がいるなら、個人的にはこっちをお勧めしたいです シチュエーション先行でゲーム盤を作る際のメリットを挙げてみると ・問題文に沿う真相に否が応でもなるため破綻しにくい ・脳内でパターンをある程度こね回す過程があるため道中の復唱要求に対応しやすい があります デメリットも挙げると ・上手く発想を飛躍させないとイージーな問題になりやすい とかでしょうか 強固さで言えばワンアイデアを上手く塗り固めた問題文で山羊を煙に巻けるトリック先行型の方が強いと思います ちなみにどちらでもないパターンとして「単語の辞典などで常用で使わない方の意味を調べてそれを真相にする型」もあります ヱリカとかフェルンが代表系 私はこのパターンの作問はしたことないので見識ある人の文章とかもっとあるとこれも嬉しいね ☆実例 今回の「」吹可奈のゲーム盤をどういう風に作ったかをトレースしていきます まず可奈ちゃんというキャラで出題するのは確定、イベントやコミュとかから種になりそうな要素を探します これは本当に余談ですけど茜ちゃんから今回の可奈ちゃんまである法則に則ってキャラを回してます イースターエッグ要素なので明言はしないけどミリPの山羊がいたら考えてみてね 偽トリーチェがよくやっているお題目募集みたいに、緩く範囲を制限してから思考し始めた方がゴールを見つけやすいです ただ偽トのあれは膨大な知識があってできることだと思うので同じにするべきではないかも RPする魔女を決めて、その魔女の元ネタのイベントを拾って、それをゲーム盤に起こす…みたいなのが一番シンプルでやりやすいかも 私の初めての魔女の断頭台のアウラも、意識してませんでしたがまさしくそんな感じの作問をしてました 今回に限っては「15段パンケーキを何かしらに絡めたい」って思いがあったのでそこからスタート この時点では「15段」という要素を必ずしも拾おうとは考えていませんでした 何ならパンケーキも活かそうとは考えておらず、最悪プリンに置き換えても成立するような問題でもいいかーみたいな感じです 察しのいい人は気づいてるかもしれないですが、やってること本当に偽トに近い こっからは一人ブレストです 過去のゲーム盤の真相見たりパンケーキで検索して出てくるサイト眺めたり パッと思いつくのは ・「戸棚にあるパンケーキは志保がずっと見張っているのに、パンケーキを食べることができた」 ・「限定パンケーキが売っているお店は今日は定休日なのに、その日のうちに食べることができた」とか この時どういう真相にするかどうかは考えてないです 考えた方がいいとは思います 私がこういう時に使いがちなのは数字を取り入れることです 「片道1時間かかる距離を30分で移動した」とか、「3日かかる作業なのに1日でできた」といった感じですね こうすることで屁理屈推理合戦で重要な「不可能性の担保」を比較的簡単に作り出せると考えています ただそういう問題を作ったからといって、必ずしも数字にトリックの軸足を置く必要はないです 「3日かかる作業なのに1日でできた」という問題文なら、問題文にさりげなく作業の条件を設定しておいて、「その条件に沿わないような作業なら一日でできる」といった真相にしたり これを踏まえると、「パンケーキは15段未満しかなかったのに、パンケーキを15個食べることができた」という問題文が作れそうです 15段の要素も回収できて、いい感じなので、この方向で進めることにしました。 次はトリックのブレストです 現状は問題の軸をふんわり決めただけで、詳細な問題文やトリックはまだ手付かずです 私はこの後、「ある程度問題文を固める」→「トリックを決める」→「トリックに合わせて問題文を手直しする」という順番で作問を進めます でも、「ある程度って何?」と言われても、明確な基準を言語化するのは難しいです できてたらこういう解説を書いている意味もあるんだけど とりあえず、思いつくままに背景を固めていきます 当時の思考の順序としては、こんな感じでした ・「元ネタのシチュエーションが喫茶店なので、盤の現場もそれにする」 ・「登場人物はいったん可奈ちゃん、プロデューサー、配膳する店員の三人」 ・「パンケーキ以外の食べ物はトリックに使わない」 ・「パンケーキを切り分けて段数を嵩増しする系のトリックは使わない」 ・「問題文で明記しない店員の行動はトリックに関わらせない」 この時点で、問題文を固める過程で思いつくようなトリックは、あらかじめ潰しておきます ここから本腰を入れてトリックを考えていきます 初めにざっくりと真相をパターン化して羅列し、どれを選ぶかを決めます 例としては 「プロデューサーの行動Xによって、どこかからパンケーキを持ってきた」 「要因Xによって、パンケーキが自動発生した」 「15段≠15枚だったので、10段パンケーキでも15段食べたことになった」 こんな感じで選択肢を頭に浮かべながら、ちょうどよさそうなものを選んでいきます この中で、「15段≠15枚」というアイデアは、実は問題文を考えている時に一度はボツにした真相でしたが、「10段>10枚」であれば、割と強固なアイデアではないかと思い、これを主軸にすることにしました 復唱要求「10段パンケーキはパンケーキが10枚ある」という問いに対しても、【10段パンケーキに11枚以上のパンケーキはない】と答えて逃げることができそうです あとは、「一枚で複数の段を形成するのはどんなパターンか」を考えて、素直に「ハリケーンポテトみたいなパンケーキだった」というアイデアが浮かんだので、これを真相として採用しました 最後に、真相を前提にして問題文を成形します 【10段パンケーキに11枚以上のパンケーキはない】という逃げを用意しているとはいえ、数に関する復唱要求が明確に弱点であることはわかっています なのでなるべく一見するとそれらの問題を事前に潰しているように見える赤を問題に入れ込むことを心がけます 逆に思い浮かべたけど採用しなかった青についてはなるべく触れないようにして初めのうちは山羊の思考を散らすようにします とはいえ、即青で「10枚を上手く15段にした」みたいなの十分投げられそうですし即死もあり得そうではありますねこれ 即死したらどういう思いでこの文章公開してるんだって笑ってください 即死せずとも笑ってもらって構いませんが ちなみにブラフ要素を入れるかどうかは人それぞれですが、私は入れないようにしています これは好き嫌いの問題ではなく、私の復唱要求に対する理解度が低い時にしばしば意図しないブラフがよく発生してしまうからです これでゲーム盤の出来上がりです 最後に重要な工程として「書いた問題文を一晩寝かせる」というものがあります 創作物全般に言えることですが、ブラッシュアップは本当に大切です。事前の赤や真相をもっと面白くしたり、誤字を見つけやすくなったりします ただ文章を書いたら興奮して、そのまま本番に行きたくなっちゃうので人に言っておいて自分はできていないです 本当はGMをやっている時の自分ルールやRPの時になるべく意識したいことについても書きたかったんですが、思ったより文章量が多くなってしまったので省略します 今回の問題もこうやって言語化することを意識して作ってみましたが、自分自身でも新たな気づきが多くていい経験になりました 最後にどうしても伝えたいことですが、ルール・マナーについても先人たちがいいことを言っているのでそれだけでも見てくれるとこれもみんな嬉しい 長文でしたがご覧いただきありがとうございました! これからもたのしい屁理屈推理合戦ライフをお過ごしください