「パスパース!!」 「ディフェンスー!戻ってー!」 グラウンドをかける少女達の声が響き渡っている。 女子サッカークラブの試合が行われている中、「」ちゃんもその中にいたんだね。 「フリー!こっちフリーだよ!」 いつも一生懸命に取り組む「」ちゃんだけど…今日は一段と気合いが入っていた。 そしてそれはチームメイトのみんなも同じだったみたい。 今日の試合を持ってチームを離れなきゃいけない子に花を持たせるため。 有終の美を飾らせてあげようとチーム一丸となるのは当然といった感じみたいだね? 試合は両チームともに一歩も譲らない展開となった後半ロスタイム…。 「こっち「」ちゃん!」 「よし打て打っちゃえ!!」 「」ちゃんからのスルーパスをそのチームを離れる子が受け取り抜け出す。 そのままキーパーと一対一になって…。 「いけェェェェェェ!!」 ピッチ、ベンチ、みんなからの声援に後押しされたシュートは見事ゴールネットに突き刺さったんだ。 そして同時に鳴り響く試合終了の笛。 見事「」ちゃん達は勝利をおさめることができたよ。 一時は試合成立すら危ういと思われていた中での勝利に湧き立つチームのみんな。 「よかった…ホントに間に合って…!」 「うん…私のせいで遅れなくて…ホントに…」 相手チームも現地到着が遅れるなんて奇跡みたいな出来事があったみたいだけど…。 本当の理由を知っている「」ちゃんも、今はそんな事を忘れて喜びを分かち合っているよ。 「」ちゃんが魔法少女の契約をしたから間に合ったということは…「」ちゃんだけの秘密だしね?