二次元裏@ふたば

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133747 B24/07/28(日)01:21:31No.1215743372+ 05:19頃消えます
「ただいまー。
あー、ここ涼しいね」
どんなときにも楽しそうに遊び回る彼女でも、夏の蒸し暑さはやはり堪えるらしい。さっきまでそんなことさえ感じさせずに夏空の下を走り回っていた彼女は綺麗だったけれど、ある意味常識的な今の姿を見て、ほんの少しだけ安心する。
「ああ。外がこれだけ暑いと、ちょっとエアコン効かせるだけでもこんなに涼しく感じるんだな」
彼女と一緒に過ごすと、熱い方に自然と身体が慣れていく。おかげで電気代が節約できそうだ、と嘆息すると、彼女はまたくすくすと笑った。
「なんか飲もうか」
窓の外から差し込む夕陽が、彼女の涼やかな微笑みを優しく照らしていた。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/07/28(日)01:21:53No.1215743475+
夏の間は、彼女の家と自分の家を交互に行き来するようにしている。初めはエアコンをかけるなら一緒に涼んだ方がお金が浮くという一人暮らしの世知辛さ故だったが、数日ごとに住まいを移すというのがなんだか旅の商人にでもなったようで、いつの間にか楽しくなってしまった。
それもきっと、何もかもに楽しみを見出す彼女のおかげだろう。今日は自分の家で過ごす番だったが、そのために少し高めのジュースを買って冷やしておこうと思い立ったのは、彼女に喜んでほしいという一心だった。
224/07/28(日)01:22:16No.1215743613+
好きなものを詰め込んだ住む宝箱のような彼女の家に比べれば、自分の家はいかにも男の一人暮らしといったような寂しい風情だ。だが、それでも小さなベランダがあって、窓を大きく開ければ川を渡ってきた風を感じられるというのは、密かな自慢だった。
「いいね。きみの家、どんどん素敵になってく」
「ん?」
「ベランダの風鈴。こないだはなかったでしょ。
いいよね。風を音でも感じられるって」
そして、彼女の瞳はその美しさを、ひとつ残らず拾い上げてくれる。だからこそ、彼女を喜ばせるためなら、なんだってしてあげたくなる。
「ありがとう。じゃ、乾杯」
「ふふっ。そうだね。
夏の暑さに乾杯」
夜風に髪を靡かせながらグラスを振る彼女に見惚れながら、ちりん、という音がふたつ、小気味よく響いた。
324/07/28(日)01:22:31No.1215743694+
口の広いウイスキーグラスに、アイスペールから透明な氷を惜しみなく入れる。白桃のジュースをそこに注げば、薄桃色の濁りの中に透明な光が浮いて見えた。
それを一気に呑み干して微笑んだ彼女は、物憂げにベランダの柵に両腕を預けた。
「行き過ぎるときついけど、暑いのはそんなに嫌いじゃないんだ。夏ってそういうものだしね。
それに、涼しい夜が素敵だって思えるのは、昼間が暑いからでしょう?」
彼女の言う通り、昼間たっぷりと汗を流した後の身体には、夜風が余計に心地よく感じられる。その通りかもしれないと思ったが、彼女はまだ思うところがあるらしい。
「でも、ひとつだけ困っててさ」
「ん、何が?」
何も考えずに問い返した自分を見て、彼女は少しだけ可笑しそうにくすくすと笑った。
間髪入れずに、彼女の顔がぐっと近づく。吐き出そうとした言葉さえも呑み込んでしまうような、悪戯っぽい色香を乗せて。
「さみしいんだ。暑いから、きみとあんまりくっつけなくて」
424/07/28(日)01:22:47No.1215743764+
涼しかった身体が、一気に熱を帯びるのがわかる。ただ見つめられただけでこうなってしまうのだから、あの炎天下でいつものように愛し合ってしまったら、きっと本当に熱中症になってしまうだろう。
「だからさ、考えたんだよね。きみといても暑くならない方法」
そう言うと、彼女はグラスに残っていた氷を口に含んだ。しばらくそれを口の中で転がしたかと思うと、舌を出して見せてくる。
飴玉のように綺麗に丸く整えられた氷が、天鵞絨の上に乗せられた水晶玉のように佇んでいた。
その輝きに見惚れていた、次の瞬間。
いつものようにとびきり甘くて、けれどいつもと違って冷たい感触が、口の中に走っていた。
524/07/28(日)01:23:01No.1215743828+
「ん…!ん…」
口の中に渡された冷たさを、舌ごと味わい尽くす。それを彼女に返すと、今度は彼女の口の中でたっぷりと歓迎される。
不思議な感覚だ。頭の中はこんなに熱くて仕方ないのに、口の中は冷たくて心地いい。
お互いの唇の間でその冷たさが融けてなくなったときに、漸く唇が離れた。
「…ん。
どうだった?冷たいキス」
くりくりと丸い彼女の無邪気な瞳に、返す言葉は決まっていた。
「…氷、まだある?」
「ふふふっ。
大丈夫だよ。おかわりはいっぱいあるから」
624/07/28(日)01:23:14No.1215743892+
ああ、やはり夏は冷たいものに限る。
舌先の熱で融ける、透明な宝石。
夏にぴったりの、甘くて冷たいくちづけ。

その味は、誰にも教える気はないけれど。
724/07/28(日)01:24:06No.1215744127そうだねx2
暑いのに冷凍庫にアイスがなかったから書いた
シービーいいよね…
824/07/28(日)01:30:26No.1215745893そうだねx1
>暑いのに冷凍庫にアイスがなかったから書いた
今の時間なら溶けはせんだろうから買ってきては如何か
それはそうと
>シービーいいよね…
924/07/28(日)01:32:52No.1215746508+
冷やしチューなんか!?
1024/07/28(日)01:38:56No.1215748289+
このふたりは多分アイスも食べさせあってる
1124/07/28(日)01:47:00No.1215750242+
暑いくせに一緒に寝るのはやめないしあの手この手でキスしようとする
1224/07/28(日)02:01:25No.1215753488+
ほっぺにグラス当てたりしてほしい
そこにキスして「やっぱり冷たい」って笑っててほしい
1324/07/28(日)02:08:43No.1215754956+
シービーの帽子も麦わら帽子になってたりするんだよね…
1424/07/28(日)02:11:19No.1215755457+
1524/07/28(日)02:21:23No.1215757292+
キスばっかりしてるせいで相手の唇の味がわかるようになるんだよね
1624/07/28(日)02:25:15No.1215757934+
シービーの好きなものを色々食べさせられたあとに最後にまとめて唇をいただかれるシビトレ
1724/07/28(日)02:36:42No.1215759650+
アイスを二人分買ってくるとベッドでごろごろしてる野良猫みたいな女
1824/07/28(日)02:46:52No.1215760927+
舌見せてお口の中でいじったものも見せたあとでベロチューするのえっちだよね
1924/07/28(日)03:02:16No.1215762761+
蒸し暑くて眠れない夜でも離れたくなくてずっと冷たいキスしてるんだよね
2024/07/28(日)03:19:44No.1215764455+
ベランダに小さなテーブルを置くようになるシビトレ
2124/07/28(日)03:49:23No.1215767009+
月が綺麗な夜にベランダでキスをするふたり
いいですよね


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