姿見の前に立って水着を確かめる
同室のメジロライアンの伝手でメジロパーマにも同伴してもらった先で買ったものだ
上下セパレートのビキニ、フリルの可愛さで煽情的な角度を胡麻化しているデザイン
買って今着ている自分からしてもバカみたいな水着だ
「いよいよ合宿だねアイネス」
衣服の梱包など自分の準備をしているライアンが声をかけてくる
「ええ…いよいよなの、でも私のことちゃんと見てくれるかなあ」
「アイネスが二人で過ごしたいっていっても拒まなかったじゃないか、大丈夫だよ」
「でも彼はやっぱり大人なの…いくら私が家族の面倒を見るために自活をしていたところでやっぱり…私は子供でしかなくて」
「…それでも想いは伝えたほうがいいよ、アイネス」
こちらを見ることなくライアンは作業を続けている
新しい蹄鉄をいくつか試すようだ
「でもねライアンちゃん…私やっぱり怖いの、子供の気持ちであの人にぶつかってもきっと」
「答えてくれるとは限らなくても気持ちはぶつけたほうがいいよ」
姿見には場違いの格好をしている臆病なアイネスが映っていた

少し派手だったかもしれない煽情的な水着、それに包んだ身とその胸を隠すようにして体育座りで彼を待つ
この一年ほどトレーナーはだんだんとやつれてきたように思えたが、大丈夫だろうか
「ごめんよアイネス、ちょっと手間取っちゃって」
「大丈夫！　私も今来たところだから！」
わかりきった嘘、横に座ったトレーナーを見ると

そこにはとんでもねえ破廉恥な男がいた

うっすらと脂を乗せた張りのいい筋肉、引き締まった体躯の男そのもの
ヒトオスがしっとりと汗をかき、激しい夏の日差しに負けじと太陽を照り返している
「あ、ほら…海で遊びたいってアイネスが言ったからさ！　横に並んでも恥ずかしくないよう鍛えていたんだ」
何も理解してない男の屈託ない、そして無垢な言葉でアイネスの心に黒い炎が灯る
自分の立場というものを全く分かってねえの
こいつは捕食者の前に立っているのを理解しないウサギか鹿かなにかなの
ほんっとすっげえ歩くドスケベなの
いったいなに考えてそんなエロい鎖骨と大胸筋を放り出してるのこの人は
そりゃ学園でもたまに他のウマ娘がよからぬ視線を彼に流してくるなと思ってはいたけどこれほどとは思わなかったの
この無防備、相手が自分を邪な目で見ないという油断、それに反比例して無駄のない身体
こんな危険物を放置していたら世界情勢がただじゃ済まねえの
ウマ娘の人格の陶冶や社会に貢献する人材としての教育を受けた身としては捨て置いてはいけねーの
今だって遠まき（ウマ娘基準、人間では小指の先くらいにしか見えない）にしてこの人の体に見惚れている連中がいるの

弟の身を守るのも姉の務めなの
それを知りもしねえでキュっとケツを締めてカッコつけてる男がよ…もはや我慢ならねえの

「いやアイネス何を言ってるの」
「まったくお姉ちゃんがしっかりしないとこの子は本当にどうしようもねえの、いつウマ娘に食われるかわからないってのに自覚のないダメなヒトミミオスなの」
「あのアイネス何を言ってるの？　え？　ちょっとまってお尻もむのやめよ？ね？」
「今日は寝かさねえからな、この天然ジゴロのウマミミタラシが。　職業はAV男優かなにかで？」
「いや君のトレーナーだよ！」

おわり

怪文書ならメモ帳つけてよ…

最後の2行がやりたかっただけだろ！？

怪文書かよ

流れが急に変わり過ぎて風邪引いた

スレ画と違って普通にいい話だ…と思ったらやっぱりスレ画だったよ！
すき

最後の最後で急にアクセルべた踏みするな

>そこにはとんでもねえ破廉恥な男がいた
駄目だった

>怪文書ならメモ帳つけてよ…
ごめん、忘れてた

急ななのなの亭は風邪をひいてしまう

でもこのスレ画だと大抵なのなの亭だし……

>今だって遠まき（ウマ娘基準、人間では小指の先くらいにしか見えない）
こわい

なのなの亭のスレ画なのに真面目な話してんなと思ったら物凄い末脚のなのなの亭が全部持っていった

うぉ…ねっとりオスフェロモンと磯の香りが混じり合ってとんでもねぇマリアージュを奏でてるの…アクアパッツァ♡

最近米米亭が追い上げて来てるからな
ここらで老舗の矜持を見せたい

そんな矜持捨てろ…

どこから口に出していた…？

最初からじゃねえかな

トレーナーがこの一年すこしやつれてきたのって