「今日は何見るの?」 「んー特に決めては……時雨は何か興味あるアニメとか無いの?」 「ぼくは……そういうの分からないから。戦いの役に立つなら何でもいいさ」 「む〜相変わらず淡白……いいよっ鬼滅見よ鬼滅!今期は柱稽古編だから鍛錬のヒントになるかも!」 「「」がいいならそれでいいよ」 「うんっ!お菓子とジュース持ってくるね!」 ドタドタドタ… 「……。」 なんというか……行動の一つ一つがバイタリティ溢れてる子だ。ぼくが同じ歳だった頃とは全然違う。……いや、今でもそうか。 歳の割に性的なコンテンツに興味津々で二次元にのめり込み過ぎてやいないかと不安にはなるけど、それだって趣味の範疇だ。ぼくがとやかく言うことじゃない。友達だってすぐできるだろう。胸もデカい。 明るく元気で、気遣いもできて……本当に良い子だ。ぼくなんかのパートナーには勿体ない程に。 故に。 (……道連れは、ダメだ) 彼女には未来がある。こんな生きる価値も意味も分からない木偶の坊にずっと付き合わせる訳にはいかない。もっと安心して己が身を任せられる相手と環境が必要だろう。 ……だけど、今のぼくには頼れる伝なんてモノは無い。自分だって魔法少女になって日が浅い。他の魔法少女と友好関係を築けるのか、そもそも何処にどれだけ魔法少女がいるのかも分からない。 だから今は鍛えるしかない。自分が「」を振るって戦って、守るしかない。 「お待たせ時雨!さあっ再生再生!」 「」が戻ってくる。ぼくの膝の上にむふーっと鎮座する。 「いつも思うんだけど、「」はココでいいの?」 「?ココ以外何処があるの?それとも時雨……嫌だった?」 「……いや、何でもいいよ。よしよし」 「えへへ〜」 ぼくだって流石に今すぐ死にたくはない。ないけど……「」のこれからを思えばそんなのは些細な感傷に過ぎない。 この子の生きる道だけは絶やしてはならない。 それがきっと、ぼくが不甲斐ないせいで契約させてしまった、この子への責任というものだ。