二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1719586363656.png-(133747 B)
133747 B24/06/28(金)23:52:43No.1205448262そうだねx1 01:20頃消えます
きっちりと仕事を終わらせて、なんの憂いもなくゆったりと湯に浸かる。幸福な一日の終わりと言えるだろうが、今は少しだけ困ったことになっている。
おもむろにシャンプーのボトルの頭を押す。既に数度同じことをしているが、期待していた通りのものは出てこない。
「あー…」
逆さに振ってもまるで手応えがない。蓋を開けて覗き込んでみれば、ボトルの中身は完全に空っぽだった。
「うーん…」
もう頭はすっかり濡らしてしまっていて、風呂場の外に出ていくのは億劫だ。それに、出ていったところでシャンプーの買い置きはない。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/06/28(金)23:53:10No.1205448410+
ふと棚を見ると、空になった自分用のシャンプーの隣にもう一つボトルがあった。星空のような意匠が美しい、陶器のような質感の容器だった。
何の味気もない自分のシャンプーとは、容れ物からして違っている。これを使っている彼女のことを思えば、自分の使うものにこだわりを持つのは不思議でもなんでもないけれど。
「おーい、シービー」
返事はない。彼女はきっと居間にいるのだろうが、そこまでは声が届かないのだろう。軽く振ってみたが、中身は十分に入っていそうだった。
「…」
他人のものを黙って使うのは気が引けるけれど、一度くらいで咎め立てされるような間柄ではあるまいと、ほんの少しだけ中身を出して手に取ってみる。
頭の上で髪を泡立てるときにやけにいい匂いだと感じたのは、きっと女物の高級なシャンプーだったからだろう。そう思うことにした。
224/06/28(金)23:53:55No.1205448651+
意識しすぎないようにしていたのに、風呂から上がって首に掛けている髪を拭いたタオルからも、同じような匂いがしているような気がして妙にそわそわする。
そんなことは露知らず、シャンプーの持ち主の彼女──ミスターシービーは、湯上がりのラフな格好でソファーに寝転がりながら、上機嫌そうに脚をぱたぱたと上下させていた。
「おかえり。じゃあ、食べよっか」
帰り道に新しくできていたアイスクリーム屋のアイスは実に美味しそうで、買ってお互いに好きな味を分け合う約束までするのにそう時間はかからなかった。だがそれをすっかり気に入った彼女がお茶と一緒にゆっくり食べたいと言い出したおかげで、家まで急いで走って持って帰らなければならなくなったのだった。
彼女の全力疾走のお陰でアイスは溶けずに済んだが、そのせいで二人して帰宅早々にひとっ風呂浴びることになったというわけだ。
324/06/28(金)23:54:10No.1205448734+
久しぶりに全力で走ったあとの身体には心地よい疲労感が残っていて、今から食べるアイスはきっとさっきよりも美味しいだろうなと思う。けれど彼女を前にすると、さっきのシャンプーの匂いがどうしても気になってむず痒い。
「うん。お茶も淹れようか。
それと、ごめん。シャンプー切らしてて、シービーの借りたんだ。今度買ってくるから、今回だけ勘弁してくれ」
黙って使った後ろめたさもあった。だから、何かある前に自分から言ってしまおうと思った。
424/06/28(金)23:54:26No.1205448834+
それを聞いた彼女の表情に、不機嫌さは少しも感じ取れなかった。むしろその碧色の瞳が、興味深そうにくりくりと大きく見開かれて、こっちに近づいてくる。
口元がゆっくりと綻んで、整った鼻筋が首のところに寄せられる。
「ほんとだね。アタシみたいな匂いがする。
けど、ちょっとだけ違うな」
すんすんと匂いを嗅ぐ音がはっきりと聞こえて、じんわりと頬に熱が宿る。どこまでも楽しそうな彼女の声音に反して、できた返事はひどく頼りなかった。
「…そりゃあ、同じの使ったから」
その恥じらいさえ楽しむように、彼女は耳元でくすくすと微笑んだ。その声が、耳に残っているうちに、彼女のしなやかな指がゆっくりと髪をかき分けた。
思わず目を閉じてしまう。彼女の髪に触れたことはあるけれど、逆に触れられたことはなかった。
「リンスはした?」
「…いや」
彼女の指が、髪を挟んでゆっくりと梳いてゆく。その感触がひどく滑らかで、まるで自分の髪ではないように思えた。
「いいのに。使ってよ。
いつもより綺麗だから」
524/06/28(金)23:54:41No.1205448928+
首筋に埋められていた彼女の顔と、真っ直ぐに向き合う。その表情はさっきよりもずっと、楽しげな笑顔に彩られていた。
「よかったでしょ、あのシャンプー」
「うん」
「全然いいよ。使っても。
あ、でもアタシとすっかり同じ匂いになっちゃったら、それはなんか面白くないなぁ」
彼女の整った顔立ちに浮かぶ表情は実に豊かなものだが、自分が一番好きなのは、こうやって楽しそうに笑うときだ。だからなのか、彼女の笑顔にも色々と種類があって、それがころころと変わることにも気づくようになった。
今だってそうだ。さっきまでの笑顔は無邪気さでいっぱいだったのに、今の微笑みの中には悪戯心がらんらんと輝いている。
「ねぇ」
「ん」
予感がする。きっとこれから、この小さな胸の中が彼女への想いでいっぱいになって、恥ずかしくて苦しくて仕方なくなる。
「シャンプー買いに行くとき、教えてよ。
アタシも一緒に行きたい」
でも、目を逸らせない。逸らしたくない。
そのくらい、彼女の笑顔が好きだから。
624/06/28(金)23:54:56No.1205449003+
「…なんでさ」
自分でも驚いてしまうくらいに彼女に問う声が小さい。胸がきゅっと締め付けられるような気がして、これ以上声が出せない。
「きみの匂い、好きだから。
シャンプー替えるなら、アタシも好きな匂いにしてほしいんだ」
彼女に好きと言われる度に、心の中の気持ちが溢れ出して止まらないのに。
その出口を締め付けられているみたいで、切なくて仕方ない。
724/06/28(金)23:55:09No.1205449059+
「きみはアタシの匂い、好き?」
「…」
何も答えなかった。答えなんて聞かなくたってわかっているくせに、あえて言わせようとする意地悪な彼女に、せめてもの抵抗がしたかったのだ。
「同じシャンプー使ったならさ。わかるでしょ?」
不満そうな、寂しそうな声音を聞くと、思わず本当のことを言ってしまいそうになる。けれどやっぱり恥ずかしくて、彼女も少しくらい同じ気持ちになってしまえばいいと思ってしまって、素直になれない。
「…わかんないよ」
ぼそりと言い捨てたのは自分なのに、返事がないと寂しい。結局のところ、自分だって彼女と同じくらいわがままなのだ。
けれど彼女は、そんなわがままさを隠したりしない。わがままな姿だって、たまらなく愛おしい。
「…じゃあ、今確かめて」
拗ねたようなじっとりした目付きで、少し紅みが差した頬を膨らませる彼女が、目に焼き付いて消えそうになかった。
824/06/28(金)23:55:16No.1205449104+
スレッドを立てた人によって削除されました
空になった容器をゴミ箱に捨てて、テーブルについた。シービーの食べるアイスは二つで、自分のものは一つだけ。
不思議なもので、同じ味を分け合うのだとばかり思っていたら、彼女は自分の前にバニラを置いていた。
なんとなく釈然としない気持ちになりつつも、スプーンで掬って一口食べた。
甘いバニラの味と香りが口の中に広がるが、同時に別のものも感じ取ってしまう。
それは彼女の髪の匂いだ。風呂上がりだから当然なのだけれど、同じ匂いをさせているかと思うと妙に気恥ずかしい。
924/06/28(金)23:55:23No.1205449149+
いくら聞いても答えてくれない彼の鼻先に、ふんわりと頭突きをしてみる。
「ん…どう?」
もう蕩けきったその目がとうに答えを教えてくれていたけれど、彼の口から聞きたかったのだ。
「…嫌いなわけないじゃん」
顔を上げると、頬を真っ赤に染めた彼が恥ずかしそうに目を伏せていた。そんな彼が見れただけで嬉しくて、口元が勝手に綻んでいくのがわかる。
でも、まだだめだよ。こんなに待たされたんだから、もっときみの気持ちが聞きたい。
「じゃあ、髪は?」
「…好き」
今度は間を置かずに答えが返ってきた。それはそれで嬉しいのだけれど、そうするともっと言ってほしくなってしまう。
「…どのくらい?」
今度は返事がない。だからさっきと同じように、彼が答えてくれるまで待っていた。
1024/06/28(金)23:55:37No.1205449236+
きっと彼はまた恥ずかしそうに、けれど愛おしそうに言葉を紡いでくれるのだろうとばかり思っていた。だから、背中に回った彼の両手にそっと抱き寄せられたときには、驚いてつい顔を上げてしまった。
「…!」
彼の表情は相変わらず可愛らしい恥じらいでいっぱいだったけれど、きっと今度はアタシもそうだ。アタシも、彼から目が離せなかった。
彼の手が掬い取ったアタシの髪が。
「このくらい」
その唇を柔らかく覆い隠す姿が、目に焼き付いて離れなかった。
1124/06/28(金)23:55:49No.1205449303+
何も感じないはずなのに、その姿を見ていると髪にも感覚があるように思えてしまう。
だって、こんなに嬉しいんだもん。他のどこにしてもらうキスにも、ちっとも負けないくらい。
「…そっか。
アタシも好きだよ」
「…どのくらい?」
そう訊いてくるきみに、ありったけの気持ちを伝えたくなってしまうくらい。

彼の首元に顔を埋めて、唇で髪をかき分ける。アタシみたいに長さはないからこうするほかはないのだけれど、いくらやっても捉えられないきみの髪になんだか逃げられてしまっているみたいで寂しい。
だから、受け止めてほしくなっちゃうんだ。
きみの髪に鼻筋を埋めながら味わう、真っ白な首筋に。アタシの髪を愛してくれた、きみの唇に。
「ん…!」
きみの髪を撫でながらするキスは、ひどく甘い味がした。
1224/06/28(金)23:55:51No.1205449312+
スレッドを立てた人によって削除されました
彼女を横目で見ると、既に自分の分を食べ終えて満足そうに息をついていた。
そして、アイスクリームのカップを自分の方に寄せてきた。
何となく嫌な予感はしていたのだが、スプーンで掬って食べたアイスの味は予想通りのものだった。
バニラとチョコレートの味がするはずなのに、シービーの髪の匂いがして妙な気分になってくるから不思議だ。
その匂いに意識を向けるまいとしていたのに、風呂上がりで上気した肌や濡れた髪、普段とは違う無防備な格好をしている彼女から目を離せない。
我ながら重症だ。意識しているのを悟られないようにしなければ、と懸命に平静を装うことにした。
しかしそんな努力は無駄に終わったようで、彼女はこちらの顔を覗き込んで悪戯っぽい笑みを浮かべた。
そして、自分のアイスを差し出してきたのだった。
差し出されたスプーンを口に含むと、チョコレートの味がした。だがそれはやはりシービーの髪の匂いで上書きされてしまう。
1324/06/28(金)23:56:41No.1205449595+
どのくらい好きかって聞いたよね。
「これじゃ、ぜんぜん足りないくらいだよ」
足りないよ。好きって伝えたら、もっと愛おしくなってしまうから。
アタシと同じ匂いをつけた、綺麗になったその髪も。アタシのことが好きって、伝え続けてくれるその心も。

──大好きだよ。きみの、ぜんぶが。
1424/06/28(金)23:57:03No.1205449721+
おわり
シービーは外で昼寝とかするけど絶対髪きれいだと思う
1524/06/28(金)23:57:12No.1205449773+
スレッドを立てた人によって削除されました
結局いつも通りに意識してしまうのだから、彼女の提案に乗らなければよかったのかもしれない。
自分の匂いを気取られないように、何気ない風を装って台所の方へ歩いていき、換気扇のスイッチを入れてから居間に戻る。
それからまたアイスクリームを食べる作業に集中したが、結局味なんてろくすっぽわからなかった。
そうして悶々とした時間を過ごすうちに、シービーは食べ終えた容器をゴミ箱に捨てていた。
そのままソファーでくつろぎながらテレビを見始めた彼女を横目に見ながら、こちらもアイスクリームを食べ終える。
そしてまた居間に戻ってみると、シービーはまたごろんとソファーに寝転がった。
しかし今度は背もたれの方を向いていて、こちらに背を向けている。
それは意図したポーズではないのだろうが、風呂上がりで無防備な格好でくつろぐ彼女の姿を見ると妙に意識してしまう。
1624/06/28(金)23:58:11No.1205450070+
スレッドを立てた人によって削除されました
かといって目を逸らせば、彼女の方から声をかけられてしまうかもしれない。それにこうして悶々としているのも馬鹿らしくなってくるものだ。
よしと覚悟を決めてソファーの方に向かうことにした。
そしてシービーの隣に腰を下ろすと、彼女は少し驚いたような表情を浮かべたが、すぐに笑顔になったのだった。
「ねえ、セックスしよっか」
そう言うと、彼女はこちらの手を取り自分の胸元へと導いていく。
突然のことに驚いていると、そのまま体重をかけて押し倒されてしまった。
彼女の柔らかい感触が伝わってくると同時に、ふわりと石鹸の香りが鼻腔をくすぐった。
シービーは覆い被さるようにこちらを見下ろしていた。その瞳には情欲の色が浮かんでおり、いつもの無邪気な彼女とは違う妖艶な雰囲気を纏っているように見えた。
まるで別人のようなその姿に動揺していると、シービーはそのまま唇を重ねてきた。そして舌を差し入れてくるものだから堪らない気持ちになるのだが、抵抗しようにも身体に力が入らなかった。
1724/06/28(金)23:59:22No.1205450482+
スレッドを立てた人によって削除されました
舌を絡め取られ、口内を蹂躙されていくうちに頭がぼんやりとしてくる。すると彼女はこちらの首筋を舐め始めた。ぞわぞわとした感覚が背筋を走り抜けていく。
そして耳元へと顔を寄せてきたかと思うと、熱い吐息混じりの声で囁いてきたのだった。
ぞくりとした感覚と共に背筋がぴんと伸びてしまうが、そんな抵抗などお構いなしといった様子でシービーは行為を続けていく。
再び口づけを交わしながら胸を揉まれ始めると、思わず声が出そうになったが何とか堪えることができた。しかしそれも束の間のことで、今度は服の中に手を入れられ直接肌をまさぐられ始めたことであっさりと決壊してしまった。
それでも必死で声を抑えようとするのだが、彼女はこちらの弱点を的確に攻め立ててくるものだから堪らない。結局我慢しきれずに漏れてしまう嬌声を止めることはできず、それがさらに彼女を興奮させてしまったようだった。
1824/06/28(金)23:59:53No.1205450669+
スレッドを立てた人によって削除されました
シービーは夢中になって愛撫を続けていたが、やがて満足したのか手を止めるとこちらを見下ろしてきた。その表情はすっかり蕩けきっており、頬は上気して赤く染まっている。荒い呼吸を繰り返す度に上下する胸からは汗が流れ落ちていて、それがひどく扇情的に映った。
そんな彼女を見ていると、こちらまで身体の奥底から熱が湧き上がってくるような気がしてくる。それは理性では抑えきれないほどに強い衝動だった。
自分は今どんな表情をしているのだろうと思うと同時に、きっとひどい顔をしているんだろうなと思った。そして彼女もまた同じことを考えているのか、こちらを見つめる瞳には妖しい光が宿っていたように見えた。
シービーはそのままゆっくりと顔を近づけてくると、こちらの耳元に口を寄せて囁いてきたのだった。
1924/06/29(土)00:01:15No.1205451213+
スレッドを立てた人によって削除されました
「今日はナマでいいよ」
その声は甘く蕩けるような響きを帯びていて、脳髄まで痺れてしまいそうだった。
理性では拒まなければいけないとわかっているはずなのに、身体が言うことを聞いてくれない。まるで魅了されてしまったかのように動けなくなってしまっているのだ。
そんなこちらの様子を見て取ったのか、彼女は妖しく微笑んでみせた後に再び唇を重ねてきたのだった。
そしてそのまま服の中に手を入れられる感触があったかと思うと、ブラジャーをずり上げられてしまったようだ。素肌の上を滑るようにして動く指先は少し冷たく感じられて、それが余計に刺激となって伝わってくるようだった。
2024/06/29(土)00:08:58No.1205454231+
fu3668427.txt
2124/06/29(土)00:11:18No.1205455028+
ふたりでお風呂上がりにお互いの髪の手入れとかしててほしい
2224/06/29(土)00:13:59No.1205456043+
髪にキスするのはあなたを想っていますという意味があるそうな
2324/06/29(土)00:21:17No.1205458579+
手櫛じゃないと拗ねるしお手入れしたあとに撫でてあげないとわざとらしくむっすーって頬をふくらませるCB
2424/06/29(土)00:23:09No.1205459145+
ウマ娘の嗅覚は敏感だから同じ匂いをつけたら色々察するのも早い
2524/06/29(土)00:28:24No.1205460851+
人馴れした野良猫みたいな女いいよね
野良なのに飼い猫より毛並みが綺麗なんだ…
2624/06/29(土)00:34:24No.1205463220+
新しいシャンプー買ったらシビトレの髪を洗いたがるのはわかる
2724/06/29(土)00:37:01No.1205464339+
マーキングか?
2824/06/29(土)00:38:47No.1205465023+
文字通り匂わせてる…
2924/06/29(土)00:39:42No.1205465433そうだねx1
単に同じのを使ってほしいだけでもいいし
ほんのり独占欲があってもいいし染めたいって願望があってもいい
3024/06/29(土)00:41:05No.1205466013+
>マーキングか?
自分のシャンプーをトレーナーに使わせるのが流行ってどのトレーナー室もやけにいい匂いがするようになる
3124/06/29(土)00:42:04No.1205466374+
どの専属も相性がいいから自然と同じ匂いになっていくよ
3224/06/29(土)00:45:51No.1205467908+
>単に同じのを使ってほしいだけでもいいし
>ほんのり独占欲があってもいいし染めたいって願望があってもいい
独り占めしたいし染めたいけどトレーナーの自分らしさも好きだから染まりきってほしくはないみたいなめんどくさい感情があるといい
3324/06/29(土)00:50:38No.1205469718+
後ろから抱きしめて髪に顔埋めて嗅ぐくらいは照れもせずにやれる女だよシービーは
3424/06/29(土)01:11:06No.1205475879+
スレッドを立てた人によって削除されました
草生える


fu3668427.txt 1719586363656.png