「確定しました!一着はドリームポーター!!年末の祭典有マ記念を制したのは四冠ウマ娘ドリームポーターです!!!」 「よっしゃぁ!やったぞジャーニー、ポーターの勝ちだ!!」  興奮冷めやらぬままの勢いで勝負の行方を共に見守っていた我が愛バに目を向ける。  ドリームジャーニー。  トゥインクルシリーズを共に駆け抜け、紆余曲折在りつつも GⅠ三勝を獲得したウマ娘。  紆余曲折を詳しく語ることは何故だかできない。  でもこれまた何故か明日にはジャーニーとの日々を語れるようになる気がする。  ジャーニーのことはさておき、たった今有マ記念を勝利したドリームポーターとの出会いのきっかけはジャーニーだった。  トレセン学園入学前にジャーニーから紹介され、正式に契約を結ぶことはなかったがジュニア期からクラシック直前までウチのチームでトレーニングを見ていたし、  ポーターのトレーナーは主に海外で活動している為、どうしても日本に来ることができない事態が発生した時担当することもある。  だがポーターは来年海外を主戦場にするようなので、おそらく自分が担当することはもうないだろう。  前人未到のクラシック期五冠を達成し、このまま行けばかの『皇帝』や『世紀末覇王』、『英雄』の成したGⅠ七勝を越えることも夢ではないのではないか。  そんな夢を共に目指すことはもうないことに一抹の寂しさはあるが些細なことだ、ポーターは己のトレーナーと共に何処までも駆けて征くだろう。  これからは彼女達が運んできてくれる夢を純粋に楽しむことにする。  数年間の付き合いの自分がこれ程想うのだから、それこそ幼少の頃からの付き合いのジャーニーはもう格別なのだろう。  普段から物腰柔らかな優等生のジャーニーだが、我が子のように目を掛けていた後輩の偉業に穏やかではいられない様子だ。  いつも通り微笑んでいるが、長年の付き合いから内心では今にも飛び上がりそうなくらい喜んでいることが分かる。    というか飛び上がって叫び出した!? 「ド~リドリドリドリ!よくやったでドリーム!!我が子が最強で鼻が高いジャーニー!!!」 「ジャーニーさん!?!」 「どうしたドリ?瓢箪からドリームジャーニーが出てきたような顔してるドリよ?」 「お前がどうした!?変なモノでも拾い食いしたんか!?!」 「マックじいちゃんじゃないんだから、んなことする訳ないジャーニー」 「いやー最期にいいもん見れたドリ。もう思い残すことはないジャニねえ……」 「はあ!?最期!?!急に何言ってんだお前!!?!」 「もうすぐお別れドリ、トレーナー。具体的には明日」 「一日くらいの長い間、今までお世話になりましたジャーニー」 「待って待って待ってくれ!!何言ってるかさっぱり分からん!!!」 「あ!滑り台の練習の時間だ!!この辺で失礼するドリ!!!『それでは、よき旅を』」 「ジャーーーーーニーーーーー!!??!!!?!?」」 「みんな明日からのドリちゃんの活躍を目に焼き付けるジャニよ~!!」 2024年6月25日 夜 エアプジャーニー消滅まで  ――あと半日くらい