二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1718204269935.png-(1674647 B)
1674647 B24/06/12(水)23:57:49No.1199685274そうだねx15 01:36頃消えます
モノクロモンVSモノクロモンをかきました!
もろもろの都合で8割くらいダイジェストです!
うちのことお借りした子
マモ&モノクロモン fu3601223.jpg
琥白&モノクロモン fu3601226.jpg
璃菜&ケンタルモン(チョットダケ) fu3601234.webp
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/06/12(水)23:58:11No.1199685399そうだねx6
    1718204291143.png-(74575 B)
74575 B
友人を探す旅の途中、立ち寄った村でパタモンからある相談を持ちかけられた。
「盗賊に盗まれたものを取り返してほしいんです」
治安の悪い地域だ、珍しい話じゃない。
致死率の高い流行り病に効く薬草の備蓄を、すべて盗まれたらしい。
しかも不幸なことにポヨモンが今朝に病を患い、数日の間に飲ませなければ命が危ういとのことだ。
この2日間彼らには世話になった。断る理由はない。
二つ返事で応えると、私達は根城にしているという洞窟へと向かった。
224/06/12(水)23:58:34No.1199685506そうだねx4
    1718204314395.png-(78686 B)
78686 B
洞窟の前には、傷痕の多くて大柄なモノクロモンと、一人の少年が立っていた。
事前に聞いていた構成員ではない。もしかしたら話し合いで解決できるかもしれない。
「ねえ、ちょっといいかな」
「ああん?なんだおめぇら」
ことの経緯を話す。薬草のこと、病気のこと、盗賊のこと。
「盗賊ゥ?おい戦車ァ、盗賊だとよ」
「こんな洞窟の番をしろなどとは怪しいと思ったが…既に対価は食ったからな。仇で返すわけにはいかん」
「いーじゃねえか、俺が物盗ったら咎めるくせに」
どうやらあのモノクロモンは戦車と呼ばれているらしい。
暫く口喧嘩のような議論をしたあと、彼らは1つの結論にいたった。

「モノクロモン同士だ。力比べといこうではないか。貴様らが俺に勝ったらここを通してやろう」
「だとよ」
324/06/12(水)23:59:11No.1199685712そうだねx5
    1718204351503.png-(85431 B)
85431 B
同じ地域に住むモノクロモン同士が争い合うことはしばしばあると聞いた。
そこでは現実の野生動物と同じく、殺傷に至るまで過剰に傷つけ合うことは少ない。
威嚇から始まり、引かなければ角を叩きつけたり、体当たりしたりする。
狩りではあまり使わないが体の1/3を占める大顎も脅威である。
お互い堅固な甲殻で包まれているため角がなかなか刺さらないから、
噛みついて締め上げ、音を上げたところで放り投げて終わる。
必殺技の火球の打ち合いまでいくことはほぼない…と。

それに倣ってか、彼らもまた角での鍔迫り合いをしていた。
あくまで力量差がわかればいいのだろう。
424/06/13(木)00:00:27No.1199686171そうだねx3
長い押合いの末、私のモノクロモンが大柄な戦車に吹き飛ばされ、地面を転がる。
あの戦車と呼ばれる個体は一回りは大きかった。
デジモンにおいては絶対ではないが、それでも重量とは力である。
同種族ならなおさらのことだ。
「どうした!その程度か!貴様らの群れの練度もたかが知れるな!」
興奮しているのか、大声で戦車が嘲笑する。
「去れ!貴様では俺には勝てん!」
彼らの争いにおける決着がついたのだろうか。勝ち誇ったように言い放った。
「それでも…」
モノクロモンの口に火がともる。必殺技の狼煙だ。
「あの薬草を待っているデジモンがいる。苦しんでいるんだ。僕は負けるわけにはいかない…!」
私も村の子たちの顔を思い出す。夕食の後に遊んだ幼年期の子どもたち。
前日まではあんなに笑顔で笑っていたのに。酷く震えていた。死の恐怖で泣いていたのだ。
「そうだね、モノクロモン。もうすこし意地はろうか…!」
524/06/13(木)00:01:02No.1199686400そうだねx5
fu3601252.jpg
「最後までやるつもりか!愚かな!ニンゲンの子も連れているというのに!
 だがまあいい!望むなら引導を渡してやる!戦士として死ぬがいい!」
「悪ィなぁ、こいつ血が上ると止まらねえからよォ。
 動けなくなってもせめて村までは連れて行ってやるよ」
「ヴォルケーノストライク!!」
戦車の口から火球が発射される。以前私達が使ったものよりも大きい!だけど!
「やってやる!」
「ああ!」
私達の意思に呼応するように、握りしめたスマートフォンが光り輝く。
力の奔流となってモノクロモンに流れ込み、身体が朱く煌めく!
「ヴォルケーノ…ストライクッ!」
624/06/13(木)00:01:27No.1199686535そうだねx3
    1718204487900.png-(120580 B)
120580 B
私達の火球は彼らの火球を貫き、戦車を爆炎が包みこんだ。
煙が晴れたあとには戦車が倒れ込んでいた。決着がついたのだ。
「なんだ戦車ァ!偉そうにしてたのにやられちまってよォ!」
離れたところで見ていた少年が煽り散らす。仲間ではないのだろうか?
少しすると戦車は起き上がってこちらに語りかけてきた。
「…侮っていたのはこちららしいな。貴様らの勝ちだ」
「ほォれ戦利品」
少年が袋を投げ渡してくる。中には目当ての薬草が入っていた。
「さぁ負けたしさっさととんずら―」

不意に頭上から爆音が響き、戦車へと土砂が降り注いだ。
724/06/13(木)00:01:56No.1199686696そうだねx4
    1718204516094.png-(65023 B)
65023 B
「負けちまうとは情けねえ用心棒だなあ!」
背後の崖から声が聞こえて振り向くと
そこにはヒョーガモンとファングモンが立っていた。
「まぁいいじゃん!人間は売れば高いし!もうボロボロのモノクロモン一匹倒すだけだよ!」
824/06/13(木)00:02:26No.1199686893そうだねx4
    1718204546989.png-(68108 B)
68108 B
賊は私達のことを商品と見なしているようだ。
雪の上に降り立つと、すぐに襲いかかってくる。
攻撃によりモノクロモンと分断され、私達はヒョーガモンに追われることになった。
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背後を見やると氷鬼が確実に距離を詰めてきていた。
一緒に逃げた少年はいつの間にか別の道を進んでいったらしい。
成熟期に殴られようものならひとたまりもない。
それをどれほど拒絶したくても息は上がってくる。
最期には雪に足を滑らせ、倒れ込んでしまった。
924/06/13(木)00:02:52No.1199687030そうだねx5
    1718204572406.png-(110325 B)
110325 B
ついに捕まるかと思ったその時、
木の上から何かが降ってきて、ヒョーガモンの目に棒を突き立てた。
別の道を進んだと思っていた少年だった。
反撃の機会を窺っていたらしい。鬼は悲鳴を上げ暴れまわり、彼は振り落とされた。
すぐに体勢を立て直すと、逃げるでもなく、少年はひたすら罵倒して挑発する。
私があっけに取られていると、少年はこちらに一瞬目配せをした。
あいつを引き付けてくれているらしい…!頷くと、私は走り出した。もと来た方へと。
1024/06/13(木)00:03:25No.1199687232そうだねx5
    1718204605760.png-(65316 B)
65316 B
洞窟前までたどり着くとモノクロモンとファングモンが戦っていた。
モノクロモンがひとまず無事なことに安堵したが、状況は劣勢だ。
華奢なファングモンの爪牙では甲殻は貫き通せないが、じわじわと体力を削られていく。
一旦守りを固めるよう指示をだすと、狼は攻めあぐねたのか獲物の周りを旋回しはじめた。
冷静になるんだ。早々に決着を付けなければ少年の命も危うい。
必殺技を撃てる余力はあと一発といったところか、確実に決めなければならない。
私は合図でヴォルケーノストライクを撃つよう、モノクロモンに耳打ちした。
「…今!」
1124/06/13(木)00:03:49No.1199687376そうだねx5
    1718204629547.png-(87516 B)
87516 B
ファングモンは飛び上がると体を空中で捩ってあっさりとそれを回避する。
まるで遊んでいるかのようだ。外れた火球の、爆音が轟いた。
こちらの体力が尽きたと見たのか、下卑た笑みを浮かべて舌なめずりをする。
1224/06/13(木)00:04:12No.1199687526そうだねx5
    1718204652182.png-(81136 B)
81136 B
そうやってにじり寄って来た狼の体が、宙に浮いた。
先の爆発で土砂から抜け出した戦車が腰に噛みつき、その体を万力のように締め上げる。
ファングモンは抜け出そうと身を捩るが、体格と重量から来る力の差はいかんともしがたいようで、
どれほど暴れても戦車は小揺るぎもしなかった。
「モノクロモン!」
私が言うが早いか、私のモノクロモンは少年がいる方向へと走りだした。
1324/06/13(木)00:04:39No.1199687712そうだねx5
    1718204679341.png-(116071 B)
116071 B
走った先には、血だるまになった少年が雪に倒れ伏していた。
盾は砕け棍棒は折れ、そばに立つヒョーガモンは今にもトドメを刺そうとしている。
「待て!」
不意がうって速度を乗せた体当たりが入ればよかったが、一刻の猶予もない。
私は叫び声をあげてそれを制した。
振り上げた棍棒をゆっくりと下ろすと、こちらを振り向いたヒョーガモンが私達を捕捉する。
止めたはいいがあいつを撃退する体力なんてない…どうすれば…!
そんなとき、あることに気がついた。
「…足とめちゃだめ!そのまま突っ込んで!」
「でも…!いや!わかった!」
鬼は呆れたような表情を浮かべる。
そんな攻撃避けられないとでも、と言いたげた。
1424/06/13(木)00:05:04No.1199687842そうだねx5
    1718204704545.png-(72707 B)
72707 B
実際に悠々と飛んで回避…できなかった。
跳ねようとした体はつんのめる。
怪訝な表情を浮かべて睨んだ足元で、少年がマントで両足を結んでいた。
力を込めれば一瞬で千切れるはずだが、ほんの一秒だけ動きが止まる。
それだけで十分だった。
少年は笑みを浮かべながら絞り出すように、鬼は目を見開いて叫んだ。
「「くたばれ…!!」」
1524/06/13(木)00:05:26No.1199687985そうだねx7
    1718204726217.png-(83403 B)
83403 B
ガーディタスク!!」
過剰な助走を付けた巨体の角が、ヒョーガモンの脇腹に突き立つ。
「そのままふっとばせえええ!!」
「おりゃああああああああ!!」
勢いをそのままに首を振り上げると、鬼の体は高く高く跳ね飛ばされ、離れた森へと落下した。
盗賊は縛り上げたいところだが、怪我人の救護のほうがずっと大事だ。
倒れている少年を手早く拾い上げると、村の方へと駆け出した。
1624/06/13(木)00:05:57No.1199688149そうだねx8
    1718204757700.png-(66987 B)
66987 B
----翌日、村にて----
そこにはすっかり良くなったポヨモンと、全身包帯まみれの少年がいた。
打撲と骨折が酷かったようだが、命に別状はないらしい。
果物をむいてあげていると、少年が声をかけてきた。
「薬草といい見舞いといい、お人好しだなァお前」
「そう?」
「そんな調子で首突っ込んでたら、いつか痛い目みるぜェ…?」
「…きみのほうがずっと痛い目見てると思うんだけど」
「んだとオラッ!このくらいの怪我わけねえんだよ!」
ミイラ男が暴れ始めたので、その口に果物を突っ込んで部屋から退散した。
彼のことも心配ではあるが、行方不明の友人を考えると道草を食っているわけにもいかない。
旅支度を済ませると、早々に村を後にした。
「…そういえばあの子の名前聞いてなかったな」
ほどなくしてまた会うことになるが、それはまたの機会に。
おしまい
1724/06/13(木)00:10:00No.1199689675そうだねx8
すごい力作だ…
バトルもめっちゃかっこいい…
1824/06/13(木)00:10:13No.1199689759+
画力と文章力両方高いと
なぜこのような場所にとか思ってまう
全イラストに情景が見られるのすごいなあ
1924/06/13(木)00:10:43No.1199689947+
すげえ大作じゃねえか…
2024/06/13(木)00:11:33No.1199690226+
面白かったぜ!
衝突からの共闘好き!
2124/06/13(木)00:12:28No.1199690544+
なかなか殺伐とした世界だから一瞬if世界のほうかと錯覚してしまった…そうだよなデジタルワールドこれくらいの危機は日常にありふれてるんだもんな…
2224/06/13(木)00:13:03No.1199690759+
なるほどスイと大作が出た
2324/06/13(木)00:15:03No.1199691450+
最近挿絵付きの大作が多くて眼福だ…
2人共に見せ場あって良いなあ
2424/06/13(木)00:18:01No.1199692403+
素晴らしい大作だ…
敵対からの共闘いいよね…
2524/06/13(木)00:22:19No.1199694004+
なんで絵本勢がこうも連続してやってくるんだ!?
2624/06/13(木)00:23:23No.1199694381そうだねx7
    1718205803421.png-(14177 B)
14177 B
「なァ戦車ァ、俺達ゃなんで負けたんだ?ただの力比べだったろう?」
「わからん…ニンゲンのお前ならわかるんじゃないのか?」
「知らねェよ、突然スマホがピカーって光ったと思ったら、すげえ力がでてきやがって」
「アレがニンゲンの力だとしたら、俺もあやかりたいものだ。
お前の指揮はなかなかのものだが、復讐を遂げるなら、きっと必要になる」
「ハハ、ちげえねえ」
マモは、手にあるなんだかよくわからない機械を見つめながら笑った。
2724/06/13(木)00:26:43No.1199695533そうだねx2
アリガトウアリガトウ…
琥白ちゃんの内面が全然わからないけどめっちゃ活躍させたいから頑張ったよ…
2824/06/13(木)00:35:43No.1199698439そうだねx6
    1718206543886.png-(54956 B)
54956 B
寝る前にめっちゃいいもの見れた!
バチバチにカッコいいバトルしててすごく面白かったです!!!
2924/06/13(木)00:36:33No.1199698684+
めっちゃいい…力作だ…
3024/06/13(木)00:38:28No.1199699240+
>バチバチにカッコいいバトルしててすごく面白かったです!!!
アリガトウ…
テルコちゃんの漫画もすごくよかったぜー!
そして負けてられねえな…って気合はいるよね!
3124/06/13(木)00:42:19No.1199700419+
>テルコちゃんの漫画もすごくよかったぜー!
>そして負けてられねえな…って気合はいるよね!
とんでもないですありがとうございます…
怪文書とイラストで倍々素敵でした!
3224/06/13(木)00:57:10No.1199704626そうだねx6
fu3601456.jpg
fu3601458.jpg
1187123687
マモ関連の手書き纏めておくね!
それから実は前も絵本描いてたのでそれもおいとくね!
3324/06/13(木)00:59:01No.1199705123+
手書き好き好き〜
3424/06/13(木)01:00:14No.1199705455+
>>>それから実は前も絵本描いてたのでそれもおいとくね!
>>1レス目の分を分けて2レス目から始めたらよかったのに…!
>…!!
反省が生かされててだめだった
3524/06/13(木)01:00:25No.1199705507+
マモちゃんは最初にうちの子に絡んでくれた推しの子だから
大作読めていっぱいうれしい…
別の絵本も読んでくるぜ
サンキューマモ様!
3624/06/13(木)01:00:26No.1199705518+
すごい量の手書きだ…
3724/06/13(木)01:03:46No.1199706406+
なんだこの大作!
3824/06/13(木)01:04:58No.1199706748そうだねx4
fu3601506.png
ヤエちゃんのおっぱいもんでたの忘れてた
3924/06/13(木)01:06:52No.1199707303+
>マモちゃんは最初にうちの子に絡んでくれた推しの子だから
誰かわからないけど愛してくれてありがとう…!
4024/06/13(木)01:07:33No.1199707494+
多産すぎる…ありがたい…
4124/06/13(木)01:08:50No.1199707858+
シリアスした後ギャグみたいな全身包帯してるのなんかいいよね
ギャグじゃないんだけどギャグっぽく見えるというか…
4224/06/13(木)01:21:06No.1199711320そうだねx3
    1718209266719.png-(46842 B)
46842 B
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
4324/06/13(木)01:22:37No.1199711732+
ヒッ
4424/06/13(木)01:24:26No.1199712244+
不穏だよぉお姉さぁん!
4524/06/13(木)01:25:37No.1199712577+
>fu3601456.jpg
ねえ…珊瑚ちゃんに着せてる水着どっかで見たことない?


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