デジタル庁デジモン対応特務室です ドウモンがマリッジブルーになっちゃったため怪文書にしました 二次創作怪文書のため解釈違い等ある場合はご容赦を デジタル庁デジモン対応特務室でした ◇大まかな時系列 芦原MATHURO中(重体→復帰済・結婚式前) 森編芦原エピソードクリア(暴走クズハモン撃退)済 ロードナイト村ブライダルイベント前 (00/13) ■自キャラ■ 芦原 倫太郎(No.146) クズハママ(デNo.83) ■お借りしたキャラ■ 宇佐美 京一郎(No.116) 詩虎 ヨリオ(No.165) 酒多 酒々井(No.187) 佐伯 リョウゲン(No.73) エンシェントショウジョウモン(デNo.7) ■施設■ RENAグループ (01/13) 酒多さんはきょとんと答え、ナニモンは平常運転。 「ドウモンさんですかー…? あれ…確かに見てないですねー…」 「ワシは仕事で手いっぱいだったから見てないなー(尻でソファーを磨きつつ)」 詩虎の観察眼には感心しつつ、ベルゼブモンのツッコミにやや苦笑い。 「ドウモンさんですか…? 普段より尻尾の動きが大人しかったですが昼から見てないですね」 「ヨリオ…ドウモン先輩は倫太郎のパートナーデジモンだろうが…」 「確かによく見えるけど、TPOはわきまえてるから!」 そして…宇佐美局長代理やテリアモンにも確認。 (02/13) 「ドウモン? 確かに午後あたりからみてねーなー…キョーイチローはどうだ?」 「私も見てないですね…芦原さん、連絡とかは来てますか?」 「いえ…わかりました。ちょっと外回ってきます」 ◇◇◇ 車を走らせつつ、情報を整理する。芦原倫太郎は予感は悪いほうで当たってしまった。 ロードナイト村に行く旨をドウモンに話して、それこそ最初は解りやすく尻尾を振っていた。 それがここ数日、ルーチンであったちょっと恥ずかしい行為も少ない。 思い当たる節を探れば探るほど…いつか爆発する爆弾が爆発した気分。 一番重かったのは…やはりとあるデジモンと対面し激突した事。 アトラーカブテリモンの森にて対峙したドウモンの裏返った側面…暴走クズハモンだ。 (03/13) 彼女はあくまでもしもの世界線の存在であったが… ドウモン…そして芦原倫太郎自身に、与えた衝撃は馬鹿にできなかった。 ”もし死んだ大切な人を蘇らせる事ができるなら…” 暴走クズハモンが何が何でも手に入れたいと思ったのは当然だろう。 それに立ちふさがったのは倫太郎とドウモンだった。 捨て鉢気味のクズハモンに対し、技量と手数でなんとか彼女の暴走を抑え込めた。 データ破損が止められず消え始めるクズハモン…倫太郎は居ても立っても居られず、彼女を抱きとめた。 ずっとノイズまみれだったクズハモンの嗚咽はすっかり一人の女性のそれに代わり、 一人の男の名前をずっと泣きながら…彼女は無へと還っていった。 残ったのはひび割れた石の指輪…彼女を追うようにその指輪もすぐに塵に還る。 芦原倫太郎は…その指輪に心当たりがあった。 (04/13) たどり着いたのは六本木の会員制高級クラブ「RENA」 ドウモンの師匠が拠点としている場所である。 まだ時刻は昼過ぎ…当然開店しているはずもないが、なぜか裏口は開けられていた。 まだ照明が全てつけられておらず、ぽつぽつと明かりで照らされる店内。 「あら…開店にはまだ早いわよ…倫太郎さん」 そこに姿を見せるのは一人の女性。黒髪ロング、グラマラスでチャイナドレス姿。 経歴を見る限り、美魔女の領域…人間での名前は伏見川 洋子…その正体はクズハモン。 この場では源氏名呼びを徹底しており、クズハママと呼ばれている。 「こちらに…ドウモンは来ておりますか?」 「どうかしら…? なにせお店のスタッフにもドウモンは何人かいるのよ?」 「失礼しました…芦原倫太郎のパートナーである芦原ドウモンはいらっしゃいますか?」 「♪ まあ座って…」 (05/13) 倫太郎は豪勢なテーブルに招かれ、腰を下ろせば向かいに腰かけるクズハママ。 彼女が手をたたけば、一人の女性がチェイサーを持ってやってきた…。 青髪が美しく、スタイルもよい。だが…レナモン種のような耳と尻尾が隠せていない。 とても緊張しており、なるべく顔を見せないような形でテーブルにチェイサーを置く姿に…男は思わず。 「ドウモン…?」 「!!」 彼女の尻尾が緊張でピンと跳ねるが、すぐにしなしなと下がってしまう。 「ちちち…ちがいます…わわわわわ…わたしは…」 「美知留(みちる)ちゃん♪ 緊張し過ぎ♪ ごめんなさいね最近入った新人の子なの…許してね♪」 二人の間に割って入るクズハママ。 しずしずとクズハママの隣に腰を下ろし、尻尾をしょんぼりさせたままの美知留という女性。 (06/13) 「まあ貴方と組ませてるドウモンちゃんは、確かにここに来てるわ。ただ…」 「ただ…?」 「そのままお持ち帰りする前に…共有しておきたい事があるの」 クズハママは芦原に、ドウモンの使うデジメンタル(脱法)に解説をする。 エンシェントショウジョウモン製の脱法アイテムであったが、当然ながらリスクが伴う。 それは使用者の情緒が著しく乱れた時に呪いが一気に爆発するという代物。 普段は持ち前の性格やパートナーへの想いで相殺されている分には問題ないが、 パートナー関係への不安・喪失・怒り等々が膨れ上がりすぎてしまうと、 元よりダークエリア側のデジモンだとしても呪いの力で押しつぶされてしまう。 しかしながらそれを率先して使う、芦原ドウモンや佐伯レディーデビモンに関しては 溢れかえるラブなミームによって呪いの力が相殺され、己の力として活用できていた。 (07/13) 今まではそれで問題なかったのだが…暴走クズハモン戦や結婚前のマリッジブルーで、 ドウモンにたまった呪いのツケが一気に膨大。周りに迷惑をかける前にクズハママの所に駆け込んだとの事。 現在この高級クラブはクズハママの多重結界により、エンシェントショウジョウモンの呪いを中和。 時間をかければ、呪いの力も収まり…元通りになるとのこと。 その解説をするたびに、美知留さんは申し訳なさそうに頭を下げる仕草を繰り返す。 「クズハママ…その中和にはどれくらいかかるんですか?」 「一か月…いやそれ以上かも…芦原さんも随分ドウモンちゃんに頼りきりだし…楽しんでたでしょ♪」 「うっ…それは…はい…」 「呪いというものを軽視してはダメ…そのリスクを知ったうえで、うまく生かす事を肝に銘じて頂戴」 「解りました。その…呪いの中和を早める事は…」 「結婚式に間に合わないから? 今のままだとちゃんと式を迎えるどころか、最悪破断しちゃうわよ」 「くっ…」「ぁ…その…」 「美知留ちゃん♪」 (08/13) なぜか割って入ろうとする美知留に釘をさすクズハママ。 解りやすく狐耳と尻尾をしょんぼりさせたままの美知留。 「クズハママ…その…ラブミーム…とやらは私には解り辛いですが…」 倫太郎は懐からとあるケースを取り出し、テーブルに乗せ、中身を見せる。 「要は…私とドウモンが…より想い合っている…とお互いが認知すればいいと?」 「まぁ♪」「それは…ッ…う…そ…なんで…」 その中身を見たとたん、クズハママと美知留は驚きを隠せなかった。 美知留は感情が止められず口元を抑えて涙が零れ出す。 そこには石の指輪が大切そうに保管されていた。 (09/13) 「美知留…いや…ドウモン。ずいぶん昔にコレを預けてくれたよな」 「は…い…」 「ドウモンにとっては呪(まじな)いのアイテムかも知れないが…コレは俺にとっても大事な指輪だ」 それは昔…倫太郎が駆け出しの時代…いまのドウモンになるレナモンは接点があった。 かつて彼女は人に化ける練習をした際に、石の指輪を倫太郎に預けたことがある。 その時に放った倫太郎の一言が…ドウモンを生粋のヒトナーにさせてしまった。 その一方で…倫太郎が人とデジモンに対して何かできないかと躍起になるきっかけとなった。 美知留の側に寄り、手をとる倫太郎。 必死に涙をぬぐい、しっかりと倫太郎の顔を見つめる美知留。 呪い除けのフィルターとして存在を誤認させるための擬態があっという間に剥がれ… 美知留は元のドウモンの姿にもどってゆく。しっかりとそんな彼女を見つめる倫太郎。 言葉が自然とこぼれ出た。 (10/13) 「やっぱりドウモンか…心配かけさせて」 「ごめんなさい…ごめんなさい倫太郎…」 「…」「…」 「わたしと…結婚していただけますか…?」 「お互いに尊重し、認め合うパートナーとして、結婚させてくれ…ドウモン」 「はいっ…はいっ!!!!!10」 それだけで…ツケとなって膨れていた呪いがまるで嘘のように吹き飛んでゆく。 さっきまでさんざんしょんぼりしていた尻尾はふさふさになり、嬉しそうにブンブン揺れている。 (11/13) もう早速二人きりの空間を拡げようとし始めたため、クズハママは手を叩く。 「そ・こ・ま・で♪ それ以上のスキンシップは…二人きりで楽しみなさいな♪」 育ての親の前ですら発情しだいかねないドウモンにやれやれしながらも、 追い打ちの保護印を切り、二人の溢れ出すラブミームに加護を与えるクズハママ。 「これでよし…貴方たちが思った以上にラブラブイチャイチャしすぎたせいで…  すっかりエンシェントショウジョウモン様の呪いが吹っ飛んじゃったじゃない」 「それじゃあ…!」 「行ってらっしゃいロードナイト村。芦原さんの親御さんのエスコートは私が調整してあげる♪」 「「ありがとうございますクズハママ(師匠)!!10」」 丁寧に頭を下げ、二人寄り添いながら…ドウモンはもうすっかり尻尾のブンブンが止められない様子。 (12/13) 「んもー…もうちょっと意地悪しようとしたのに。ほんと焼けるカップルになっちゃって…さて」 胸元に下げていた二つの指輪… かつてクズハママと死別(老衰)した人間のパートナーが付けていた指輪に目を向け、 軽く笑みをこぼしてから…クズハママはスマホに手を取る。 「私も愛しい愛弟子の晴れ姿を拝むために…頑張らないとね…もしもしークズハママだけど♪」 ◇◇◇ ドウモン無事確保の旨をデジ対に伝え、今日はもう上がっていいとのお許しを貰った二人。 しばらく車でドライブをすることに。 「結婚式は当然行うが…」 「はい!」 (13/13) 「…前にも軽く話したが…ロードナイト村では、デジタルワールドに行ったまま  行方不明になっている人の調査も行うからな」 「えぇ! もちろん解ってますよ倫太郎!! そういう調査も抜かりなく…!!10」 「…ふふっ」 「どうしました倫太郎…?」 「安心した…何時ものドウモンに戻ってくれて…」 「なな! なんです!? 誘ってるんですか?! 誘ってますよね倫太郎!!10」 「ドウモンステイ! まあ過ぎればブレーキがかけるぞ。ただ…」 「ただ…?」 「俺も大概…デジナーなんだなって…ドウモンオンリーだが」 「んもおおおお!!!!!10 カーでやりますか! やりましょう!!10  駐車場でブンブンしましょう!!! れっつごーブンブンしましょうよりんたろうおおお!!!!10」 「やかましい!!!」 おしまい