二次元裏@ふたば

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1619827 B24/05/08(水)23:34:22No.1187123687そうだねx5 01:08頃消えます
初怪文書です色々問題あったらごめんなさぁい!
吉峰小雪&ケンタルモン fu3452728.webp
マモ&モノクロモン fu3452730.jpg
-------ある日、森の中---------
「ヴォルケーノストライク!」
マモの指示と同時にモノクロモンから火球が発射された。
野生のグリズモンが咄嗟に身を屈めると、炎は頭を掠めて背後の木に当たり、大きな音を立てて爆散する。
その音を聞いて怯んだのか彼我の戦力差を理解したのか、
こちらを睨みつけながら後ずさりし、最後には背を向けて逃げ出していった。
「どうよォ」
マモはモノクロモンの背から降りると、振り向いて誇らしげにしている。
それをみて小雪は歩み寄ると、手を振り上げ―
「どうよ、じゃない!」
―平手で頭頂をはたいた。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/05/08(水)23:35:12No.1187124008+
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「あがっ」
「なんであなたはそう厄介事ばっかり持ち込んでくるの!」
「ンだよぉうまそうな栗とってきてやったろォ?」
「ただでさえ危ない道を通ってるのに、野生のデジモンの縄張りを荒らすような真似しないで!
次の村までの食料は十分あるし、怪我でもして捜索が遅れるのは嫌なの!」
「あーあーわかったわかった」
小雪が怒るのも無理はない。
グリズモンがこちらに攻撃を仕掛けてきたのは
山道から外れた森の中に栗を発見したマモがこっそり隊列から離れ
縄張りを犯すことを承知で足を踏み入れたからだ。
運悪く巡回しているグリズモンの視界に入った彼女は
逃走するも振り切れず、私とモノクロモンに撃退を頼み込んだ。
幸いにも一頭だけだったため、軽い小競り合いで逃げてくれたが、
複数いた場合は獲物と見られてもおかしくはなかった。
224/05/08(水)23:36:00No.1187124295+
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34552 B
「小雪」
モノクロモンがゆっくりとマモに近づくと、突然尻尾を大きく振り彼女の腹部をしたたかに打ち付けた。
「てぬるい。こいつはこれぐらいしないとわからん」
マモがもんどり打って倒れ込む。小雪がやや引いている。
このモノクロモンはいささか古臭い思想らしく子供に対して強い体罰をいとわないようだ。
このやり取りは何度か見、そのたび私は止めにかかっていたが
しばらくすると打撲の様子もなく起き上がる。こう見えて手加減はしているらしい。
「手間を取らせてすまなかったなケンタルモン、小雪。先を急ごうか」
ぐったりとうなだれるマモを角の先で持ち上げると、器用に背中に放り投げて乗せる。
「予定通り先にある集落で一泊することになるかな。つくのは昼過ぎだが、進めばこの森で野宿になってしまう」
「私は野宿でも…」
「小雪、妹のことで焦る気持ちはわかるが、君の怪我のこともあるんだ。
本当だったら安静にしてほしいくらいだ」
「……わかった……ケンタルモン、行こう」
小雪は不服そうに頷くと私の背に乗った。
324/05/08(水)23:36:37No.1187124514+
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41284 B
------夕刻、山中の村-----------
「ああもう、今度はどこに行ったのあのバカ!」
村の宿の前で小雪が叫んだ。
あれから無事に村について宿をとりしばらく休んでいたが、
夕食どきになってマモの姿が見えなくなった。
食い意地はった彼女ならば食事は欠かさず取りに来るだろうから、
またなにか面倒事を起こしているのだろう。
「落ち着きなさい、小雪」
心情は聞かずともわかる。いよいよ怒髪天を衝いた小雪に、できる限り柔らかい口調で語りかけた。
「冷静でいられる!?一刻も早く四葉を助けてあげなきゃいけないのに!
なんでマモは野生のデジモンに喧嘩を仕掛けたり!物を盗んだり!トラブルばっかり起こすの!」
424/05/08(水)23:37:12No.1187124736そうだねx1
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31026 B
マモとモノクロモンと出会ったのは2週間前のことだ。
信じがたいことにモノクロモンは腐った肉をすすんで食べたらしく、
腹痛で唸っているところを私達が通りがかり薬を処方したのだ。
するとモノクロモンが『恩義には報いなければならない』と言い出し、
私達の旅についてきてくれることとなった。
同じく成熟期である彼らの存在は心強く、この村に至るまでの近道だが危険な道程を
強引に進めたのは助力あってこそである。
しかしながらマモという少女は揉め事ばかり引き起こし、
短縮した日程の多くを浪費しているのも事実だ。
524/05/08(水)23:37:58No.1187125000+
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「……小雪、彼らを置いて我々だけで行くのはどうだろう。
 私は彼らに特別悪感情を抱いているわけではないが、
 大きく日程が変わらないのならばさしたる利点はないし、
 彼女に付き合う君の心身が心配だ」
小雪は答えないまま宿に戻り、簡単な身支度をして出てきた。
「探すわよ!あのバカまた木に引っかかってるかもしれないし、放っておけるわけないじゃない……」
文句を言いながらも彼女が同意しないのは
妹と同じくらいの年の少女を置いていくことを無責任と思っているのだろう。
平時ならその優しさは尊ばれることではあるが、状況は切迫し小雪は精神的に限界まで疲弊している。
これ以上、彼女の心に負担をかけるべきではない。
かといって決断を委ねればまた小雪は背負い込んでしまうだろう。ならば―
「わかった、ではまず聞き込みから始めようか。ただし――」
「――明朝7時までに彼女が見つからなければ、予定通りここを発つ」
624/05/08(水)23:38:36No.1187125255+
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39420 B
-----翌朝、村の出入り口-------
「申し訳ないことをしたなケンタルモン」
翌朝、大柄で傷だらけのモノクロモンが居た堪れない様子で頭を下げた。
「こちらこそすまない。君たちの助力は大変ありがたかった。
だが私達も先を急がねばならない。…きみはここに残るんだね?」
「うむ、俺の目的を遂げるにはどうしても人間の力が必要だ。
あいつはとにもかくにも世話が焼けるが、こればかりは譲れない。
それに、成長期を正しい道に導く成熟期としての責務がある」
「…そうか、それではまたいつか会おう。元気でな」
めいめいに別れの言葉を口にすると、私と小雪は村を去っていった。
724/05/08(水)23:40:58No.1187126097+
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33762 B
「おう、どうしたこんなところで」
それからわずか2分後の出来事である。向こうからのんきにマモが歩いてきた。
小雪は唖然としていたが、ざわつく心を落ち着けるように深く二度深呼吸をしてから語りかける。
「………あなた、今まで何してたの?」
静かに低く、確かな怒気をはらんだ声を投げかけた。
「あ?先生ェがこないだ言ってたモン取ってきてたんだよ。ホレ」
マモは四角く白い容器のような物を私に投げつけてきた。
「これは…ネホルミシの実か。確かに骨折に聞くとは言ったが…取ってきたのか?一人で?」
「あァ、先生ェも戦車も高い木には登れないしよ。ルートも外れるから取れねえとか言ってたからな」
彼女を見てみると、全身泥まみれで所々に擦り傷や切り傷、打撲の痕まである。
そんななりで得意げにしているマモを、小雪は怒りと困惑と喜びがないまぜになった表情で見つめていた。
「ふ……く、ははは!では早速煎じるから、村に戻ろうか。モノクロモンも待っているしな」
そんな二人を見て私ははかららずも吹き出し、声を上げて笑った。
今までのことは杞憂だったらしい。踵を返し、私は彼女らを背に歩いていった。
824/05/08(水)23:41:25No.1187126257+
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41127 B
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ケンタルモンは歩き去っていき、二人であとに残され、すこしの間、沈黙が続いていた。
様子をみるに、こいつは心配をかけたことについて悪びれていないようだ。
かといって怪我までして薬を手に取ってきてもらった手前、振り上げた拳を下ろす先もない。
…そのむず痒い感覚になにか懐かしさを感じた。
不思議に思い、首を傾げていると
昔のことを思い出した
まだ小さい頃に四葉がデパートで迷子になったっけ。
私がお手洗いに言ってる間にどこかへ行ってしまって、
探しても探しても見つからずいよいよ係員に館内放送してもらうかというところで
元いた場所まで戻ってみるとジュースをもってけらけら笑っていた。
これお姉ちゃんのぶんだなんて言って、こっちの思いも知らないで。
思えばやんちゃで手間のかかる子だった。
このくらいの年の子供なんてそんなものなのだろう。
まぁさすがにこいつほどではなかったが…。
924/05/08(水)23:42:05No.1187126493+
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30295 B
「ねぇ」
「なんだ」
どう対応したものか悩んでいたが、ふぅとひとつため息を付いてみると、無意識に微笑んでいた。
しばらくは手間のかかる妹が増えたと思ってもいいのかもしれない。
「…ありがとうね」
「あァん?もう一度!大きな声で!」
どこか照れくささを隠すように、マモは大仰におどけた。
「ほんと可愛くないわねあなた…もう、こっち来なさい。絆創膏貼ってあげるから」
ポーチから絆創膏を取り出すと、私は片手でフィルムを剥がして手招きした。
しかしマモは無言で突っ立ったまま動かない。
「…どうしたの、ほら」

「いや、先生ェのほうが上手いから、いい」
「…ほんと可愛くないわね」
今度はあいつ、照れはなかった。
1024/05/08(水)23:43:16No.1187126953+
終わりです!!!!!!
色々解釈違いあったり読みづらかったり不快だったりしたらごめんなさぁい!
あと予防線多くてごめんなさぁい!
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1124/05/08(水)23:45:04No.1187127620そうだねx3
お手描きつきとは豪華な
1224/05/08(水)23:45:32No.1187127823+
お手紙つき怪文書って力作すぎるでしょ!!
1324/05/08(水)23:45:33No.1187127838そうだねx2
挿絵付きありがたい…力作!
1424/05/08(水)23:47:39No.1187128550そうだねx2
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31474 B
文章力に全く自身がなかったから描写の助けになると思ってェ…
1レス目がスレ画なのに気付いて張れなかったやつ
1524/05/08(水)23:47:53No.1187128635+
挿絵付きすご…
1624/05/08(水)23:49:09No.1187129088+
絵本みたい
すげぇいい話だな…
1724/05/08(水)23:52:16No.1187130285+
すげー全文に挿絵付きだ!力作!
困った子と放って置けない年上のコンビいいねえ…
1824/05/08(水)23:55:33No.1187131554+
良い雰囲気だ、心が洗われる
1924/05/08(水)23:55:36No.1187131576+
挿絵が多い!?
2024/05/08(水)23:56:28No.1187131858+
>文章力に全く自身がなかったから描写の助けになると思ってェ…
>1レス目がスレ画なのに気付いて張れなかったやつ
あとからなら好き放題言えるんだけども
1レス目の分を分けて2レス目から始めたらよかったのに…!
2124/05/09(木)00:00:31No.1187133248そうだねx4
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62248 B
>1レス目の分を分けて2レス目から始めたらよかったのに…!
…!!
2224/05/09(木)00:02:27No.1187133953+
>困った子と放って置けない年上のコンビいいねえ…
ダイスで出たコンビだけど妄想が回転してくれた…
でも妹の命かかってるからバランス取りできてるかめちゃくちゃ不安だった…
2324/05/09(木)00:38:18No.1187146087+
シャーマモンがちゃんと人間と交流できてる…すごい!
2424/05/09(木)00:42:38No.1187147242+
ケンタルモン格好いいよね
大好きだ!
2524/05/09(木)00:45:36No.1187147980+
デジワーだとケンタルモンばかりに進化してうんざりしかけたのはナイショだよ…
2624/05/09(木)00:48:37No.1187148717+
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32183 B
>シャーマモンがちゃんと人間と交流できてる…すごい!
基本的に身内に優しくて他人に厳しいチンピラ思考だから
仲間と思った相手にはそれなりに甘えたり世話を焼いてくれるぞ!
2724/05/09(木)00:51:09No.1187149344+
>ケンタルモン格好いいよね
クールでかっこいいので冷静にトリアージさせる役にしてしまって申し訳ない…
2824/05/09(木)00:54:02No.1187150002+
力作過ぎてビビった…


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