キスがこれほどまでに思考を飛ばすモノだとは知りもしなかった。 何十秒にも続く長いキスを終えると、バロネスは優しく、でもどこか悪戯っぽく笑いながらレモンドロップの頭を撫でた。両者の目が合うと再びバロネスは顔を近づかせまた口づけを交わす。レモンドロップはさられるがままに受け入れ、バロネスは優しく、だが攻める隙も与えずレモンドロップの口の中を蹂躙し続ける。 レモンドロップの顔が赤く火照り始め、目の焦点が揺らぎ始めたのを感じ取ったバロネスはレモンドロップの服に手をかけた。 「少し暑いね、少し脱いでおこうか」 前のレモンドロップであればそれをカラテをもってして抵抗しただろうが、今の彼女は何も言わず言われるがまま脱がされていく。一枚ずつ繊細に脱がされていき、気がつけば下着の姿になっていた。その過程でバロネスも脱いで下着を露にしていた。 ((…大きい)) レモンドロップはバロネスの豊満な胸に目を奪われてしてしまう。レモンドロップも豊満ではあるが、バロネスはそれを上回るほどの豊満さであり、心の奥底で謎の高揚感が高まりつつあった。 「そんなに気になるかい?」 バロネスは不適な笑みで言うと、最後の砦である下着を躊躇うことなく脱ぎ捨てた。ただでさえ豊満であった胸は僅かでも押さえつけられた拘束を失ったことに揺らしながらその豊満をより更に強調される。 レモンドロップは自信の心臓の音が高まったのを感じた。何故?わからない。目の前にいるのは自分を打ち負かせた、つい先日まで敵だったはずのニンジャに対しなぜここまでドキドキするのだろうか。この気持ちはなんだろうか。今のレモンドロップにそれを理解できるほどのニューロンは持ち合わせていない。 そんな混乱しているレモンドロップに気遣ったのか、バロネスは何も言わず、不敵な笑みを崩さないまま両手を広げた。何をしてほしいのか、何をさせようとしてるのかはすぐに察した。ベッドの上でのそのそと近づき、バロネスの広げた両腕に掴まれる距離に接近すると、ゆっくりとその手をバロネスの豊満な胸に触れる。手が少し沈むほど大きく、そして柔らかい胸。最初は買ったばかりのクッションや枕の質感を味わうかのように触れ、次第に掴み始め、桃色の突起物にさえ手を出し始めた。 「んっ…」 小さく漏れ出したバロネスの声をニンジャ聴覚力をもってして耳にする。レモンドロップの高揚感は更に高まる。あの時、一撃を与えることさえできなかったバロネスを今こうして一方的に攻めている状況に優越感も現れ始め、彼女自身も気づいていないが息も荒くなっている。バロネスは決して笑みを崩さないが、レモンドロップの攻勢に声が漏れさせている。勝てる。ここで勝てばプライドを折らせ上下関係を明らかにさせれると、レモンドロップは一気に終わらせようと左手をバロネスの秘部に手をだそうとした。 だが、ここである疑問がニューロンに過った。 ((なんでバロネス=サンはこんなにも緊張しているんだろうか)) 豊満な胸を掴んでいるその手から、バロネスの心臓の高まりをレモンドロップは感じ取っていた。ただ興奮しているからとは何か違う、バロネスがこういった行為に慣れているのはあの尋問の時から何となく察していた。その音は初恋の相手に愛を伝えようとする直前のような、はたまた憧れの大スターと握手を交わすような、そんな胸の高まりを感じ取った。まるでレモンドロップがバロネスに対する気持ちと同じように思える。 ((もしかして私を…いや、そんなわけ)) 「終わりかい?なら次は私からさせてもらうよ」 「え」 それは一瞬だった。先ほどまで一方的な状態にあったにも関わらず、レモンドロップの視点からは一瞬でバロネスに押し倒されてる状態にされていた。この衝撃でレモンドロップの下着も外れてバロネスほどではないが豊満な胸があらわになる。これは完全に有利な状況にも関わらずレモンドロップが余計なことを考え手を止めたことによるウカツ、油断ならない相手を前にして隙を晒した彼女の落ち度であった。 「ふふ…ほんとにカワイイよ…レモンドロップ=サン」 「うぅ…ん…」 バロネスがレモンドロップを覆いかぶさり状態のまま二人は顔を近づかせ再び長く熱いキスを交わす。 勝負は決した。レモンドロップはここから始まるのは蹂躙であると気づくのにそこまで時間はかからなかった。