二次元裏@ふたば

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1355435 B24/04/22(月)00:30:58No.1180998694+ 02:29頃消えます
激しい雨。
窓の外が見えなくなるほどの水が降り注ぐ。
「これじゃ出かけられないな…」
せっかくの休日。
ブルーとのデートを予定していたのに、残念だとレッドは思う。
と、そこでチャイムが鳴った。
もしやとタオルを持ち、玄関に向かう。
ドアを開けると、そこにはずぶ濡れの女がいた。
「ブルー!大丈夫か!?」
「うん…、流石にここまで来るのはきつかったけど」
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/04/22(月)00:31:13No.1180998806+
タオルを渡すと、ブルーが髪や服を拭く。
それでも、小さなタオルでは濡れた彼女から湿り気を拭うには足りなさすぎた。
「ごめん、もっと大きいタオル持ってくればよかったか」
「ううん、ありがとう。
それより、シャワーと洗濯機貸してくれない?」
「ああ、お安い御用だよ」
ありがとう、と返してブルーが浴室へと歩いて行った。
224/04/22(月)00:32:27No.1180999259+
「ごめん床濡らして」
「気にすんなって。それより風邪ひかないようにしてな」
「うん、ありがとうレッド」
ドアが閉められ、向こうから物音がする。
布の擦れる音が聞こえて、いけない気分になってその場を離れた。
324/04/22(月)00:32:32No.1180999296そうだねx1
スレッドを立てた人によって削除されました
そこで鉢合わせするイエロー
424/04/22(月)00:33:04No.1180999499+
しばらくリビングで待つと、ブルーが戻ってきた。
服装も、先程とは違うが彼女が持ってきたと思われる女物だった。
「お待たせ。
こうなりそうだから着替え持ってきててよかったわ」
「用意がいいなぁ。
でもそこまでして来なくてもよかったのに」
気を遣っての発言のつもりだったが、ブルーはムッとしたように眉を吊り上げる。
524/04/22(月)00:33:25No.1180999619+
「美人で健気な彼女が雨の中でも会いに来たっていうのに、ダーリンは不満なの…?」
「いやごめんごめん。
来てくれてありがとうな」
頭を撫でると、機嫌が直ったように微笑んだ。
「帰る時に洗ってる服は持ってくわ。
でもレッドの服借りるのも悪くないかもね」
言われ、想像する。
自分の服を着たブルーを。
624/04/22(月)00:33:41No.1180999744+
赤い帽子やジャケットに黒いシャツ、青いズボン。
それらの男物の服を身に纏うスタイルのいい女性。
彼女なら似合うかもしれない。
いやブルーなら何を着てもいいのか。
「レッド?」
「い、いやごめん。
ちょっと考えごとしてた」
彼女に声をかけられて、慌てて誤魔化そうとする。
「ふぅん…」
だがブルーは、こちらを訝しむような視線を向けてくる。
724/04/22(月)00:33:56No.1180999839+
汗が額から頬へ伝う。
顎に至るとしばらくそこに溜まり続ける。
彼女の疑念の視線も、落ちない汗も、早く終わらないかと祈る。
「まあいいわ。
今は追求しないであげる」
そう言って、ブルーがいつもの目つきに戻る。
ほっとしてレッドは汗を手で拭った。
824/04/22(月)00:34:26No.1181000052+
「それより今日どうする?
おうちデートするしかないけど」
「そうだなぁ。
とりあえずまずはあったかいお茶でも入れるか。
飲みながら決めるってことにしよう」
「そうね。それがいいわ」
意見が一致し、一緒にキッチンへと向かった。
924/04/22(月)00:34:59No.1181000265+
それからしばらく経ち、日が沈んだ頃。
「あ、雨止んでる」
なんとなく窓の外を見て、レッドはそう呟いた。
「ほんとね。
じゃあ降り出さないうちに帰るわ」
そう言うとブルーは手早く帰り支度を済ませて部屋を出た。
それを追って、玄関までついていく。
「今日はありがとう。
それじゃまた」
お別れのキスの後、ブルーが家から出た。
1024/04/22(月)00:35:24No.1181000449+
「ブルー、無事に帰れたかなぁ」
あれから時間が過ぎて、気がついたらまた大雨が降っていた。
寄り道しなければすでに家についているはずだ。
気になってメールを送ってみると、すぐに雨が降り出す前に帰宅できたという返信がきた。
「よかった…」
安堵するが、そういえばと思い出すことがあった。
明日からしばらくブルーがいないことだ。
1124/04/22(月)00:35:56No.1181000681+
仕事で朝から出かけるようで、1ヶ月はイッシュにいると話されていた。
そう思うと、せっかくの2人のデートが潰れたことの悔しさがまた浮かんでくる。
今更どうしようもないし、天候に関しては誰も悪くない。
だけど、胸のモヤモヤは晴れずにいた。
「今日はもう寝るか…」
変な気分でいても仕方ない。
眠って起きたら気分も変わっているますだろう。
そう考えてレッドは寝る準備を始めた。
1224/04/22(月)00:36:10No.1181000805+
翌日。
ブルーから今飛行機に乗ったと報告を受けてレッドはため息をついた。
これからしばらくは会えない。
TV通話等で顔を合わせることはできるが、やはり直接会いたい。
本音を抱えて、彼女の帰還を待とう。
そう思って、他のことをして気を紛らわせようとする。
まずは洗濯でもしよう。
今日は昨日とは違い、快晴。
雲一つない青空が広がっている。
こんな日に布団を干せばいい気分になれるだろう。
1324/04/22(月)00:37:56No.1181001506+
だからと、レッドは洗濯機に向かった。
蓋を開けて、中に洗濯物を入れようとする。
が、そこにはすでに別のものがあった。
「…え?」
それは、服だった。
もっと言えば、見覚えのあるもの。
手に取って、広げてみる。
それは、ブルーが着ていた服だった。
1424/04/22(月)00:40:25No.1181002476+
「うわあぁぁぁっ!?」
慌てて、服を手放す。
予期せぬもの。
本人が着ている時はともかく、服単体で触るのは初めてで困惑する。
一応確認したが、下着まであった。
それも上下。
青いシャツや赤いスカートにソックス。
薄い青の下着。
これらが、今目の前にある。
1524/04/22(月)00:42:40No.1181003279そうだねx1
スレッドを立てた人によって削除されました
そこで鉢合わせするイエロー
1624/04/22(月)00:43:08No.1181003441+
恋人のものとはいえ、女性の衣服。
それが一人暮らしの男の元にある。
異常事態だ。
昨日とは比べものにならないほどの汗が額に浮かぶ。
思考が乱れる。
服だけならともかく、下着にまで触れてしまった。
自分の下着とは明らかに違う布地の感触。
異性のものに触れてしまった背徳感。
それらがレッドの心臓を暴れさせる。
1724/04/22(月)00:45:24No.1181004237+
「え、ど、どうしよう」
ボールから出したニョロやピカに聞いてみる。
2人は呆れたようにため息をついてポケギアを差し出してきた。
「そ、そうか。ブルーに連絡すれば良いのか」
半目を向けながら2人が頷く。
それに従って、震える手で操作する。
しばらく待つと、ブルーが通話に出た。
1824/04/22(月)00:45:27No.1181004255+
>激しい雨が心を震わせる あの日のように
1924/04/22(月)00:46:52No.1181004793+
>「帰るとき裸だった?」
2024/04/22(月)00:47:40No.1181005075+
「もしもし、どうしたのレッド。
愛しの彼女の声が聞きたくなっちゃった?」
「違うんだ、ブルー!それどころじゃないことが…」
「なに?そこまで慌てちゃって」
苦笑したような軽い口調のブルー。
彼女に真実を伝えようとして、緊張する。
変なことを言わないように、誤解されないように。
慎重に言葉を選ぶ。
2124/04/22(月)00:51:11No.1181006314+
「えっと、ブルーさ。
昨日、服持って帰るの忘れてないか?」
シンプルにだが、そう伝える。
「え…」
明らかな困惑の声。
彼女が驚きからかしばし沈黙する。
「…ごめん。忘れてたわ」
そして、小さな声でそう言った。
「やっぱりワザとじゃなかったんだな」
「そりゃあね。
しばらく回収できないとアタシだって困るし」
2224/04/22(月)00:53:42No.1181007162+
はぁ、とため息が聞こえる。
それは自分かブルーか。
ともかく、2人ともこの事態に困っている。
それは確かなことだった。
「どうしよう、ブルーのところに送るか?」
「いやアタシホテルに宿泊するけど用があればまた別のホテルに行かないといけないの。
ちょっと厄介な仕事で」
「そうか…」
2324/04/22(月)00:56:18No.1181007983+
自分が渡しに行こうとも思ったが、こちらも仕事がある。
バトルだが、これもリーグ優勝者の仕事だ。
「じゃあブルーの両親に渡しておくよ」
「そうね、それが無難ね」
一応の解決案が出て、2人でホッとする。
予想外の異常事態は、長く続いてほしくない。
昔ほどトラブルを好まないようになったのは、大人になったということだろうか。
2424/04/22(月)00:59:05No.1181008779+
「あ、その服レッドが使ってみる?」
「使わないって!」
オホホ、と聞き慣れた笑い声の後に通話が切られた。
使う、の意味はわかる。
こちらとて年頃の男だ。
そういうことと意味もわかる。
でも、それはしない。
興味があるのは認めるが、彼氏として彼女のものは大事にしたい。
誘惑を振り切って、レッドは彼女の服を丁寧に袋に入れた。
2524/04/22(月)01:01:59No.1181009656+
彼女の家に行くと、母親に迎えられた。
「というわけで、すみません…」
「いえいえ、レッド君こそうちの娘がごめんなさい」
「いえ、それこそ普段は世話してもらってばかりですから」
頭をかきながら、そう話す。
「いっそ娘と同棲してみない?
あの子もレッド君といると楽しいってよく言うし」
「たはは…」
2624/04/22(月)01:04:14No.1181010344+
恋人の親から聞かされると、面映い。
本人からも散々聞かされてはいるが、話してくる相手が変わると内容が同じでも印象は変わる。
「じゃあ、オレはこれで」
「ええ、よければまた来てね。
何もなくても構わないから」
手を振って、家を去った。
どうやら自分はあの家族からも好評らしい。
2724/04/22(月)01:06:30No.1181011026+
嫌われてるよりはよっぽどいいが、恥ずかしい。
自分には両親がいた記憶は薄い。
事故で亡くなったが、生きていればああだっのか。
確かめようがない。
が、あの人達が新しい家族となる。
それも、悪くないのでは。
レッドはそう思えた。
2824/04/22(月)01:10:18No.1181011988+
「そんなことがあったのね」
「はは、気に入られて何よりだけど」
その日の夜の通話で、ブルーとそんなやりとりをする。
「服も何もしないでちゃんと返したし、アンタまたアタシの両親の好感度稼いでるわ」
「そんなこと狙ってた訳じゃないんだけどな…」
2924/04/22(月)01:13:27No.1181012901+
はは、と苦笑する。
「アタシの好感度は、稼いでくれないの?」
「そっちはいくらでも稼ぎたいけどな。
オレの方はカンストしてるけど」
「うわ、レッド恥ずかしいことサラッと言ってる」
「いいだろ、別に」
そうね、と同意が来る。
「アタシの好感度もカンストしてるけど、それはそれとしてレッドに聞きたいことがあるの」
3024/04/22(月)01:15:40No.1181013539+
「聞きたいこと?」
「うん。レッドは下着どっちが好みかなって」
彼女が画面越しに見せてきたもの。
2種類の下着だった。
片方は、レースのついた可愛らしいデザイン。
もう片方は、透けて見えるセクシーなデザイン。
「レッド好みの方着たいんだけど、どっち?」
満面の笑みで質問するブルー。
それにレッドは、固まるしかなかった。
3124/04/22(月)01:15:52No.1181013597そうだねx2
以上です
閲覧ありがとうございました
3224/04/22(月)01:17:27No.1181014017+
>>「帰るとき裸だった?」
ブルーはレッドの家に行く時に着てた服を洗濯機に入れてその後に自分で持ち込んでた服に着替えて帰る時もその服装のままで洗濯機の中の服を忘れて帰ったという想定です
わかりにくくてすみません
3324/04/22(月)02:09:02No.1181025345+
>「アタシの好感度は、稼いでくれないの?」
>「そっちはいくらでも稼ぎたいけどな。
>オレの方はカンストしてるけど」
>「うわ、レッド恥ずかしいことサラッと言ってる」
>「いいだろ、別に」
ここ好き


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