二次元裏@ふたば

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84306 B24/04/11(木)02:01:53No.1177046677+ 08:45頃消えます
すずめのコスモナウト〜B

〜前回までのあらすじ〜
草太さんが種子島の小学校へ転勤になってしまった。当然私も付いて行った。新しい病院での生活は慣れそうだ。そしていつもの草むらで草太さんを星を見上げながら語り合うのが。なによりも倖せである。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/04/11(木)02:02:34No.1177046782+
種子島に引っ越して、丸1年が経とうとしている。島の生活にも少しづつ慣れてきているつもりだ。
 シケで連絡船が来なくなった時にはコンビニはもちろんお店屋さんからも物がなくなる。 
 だから、ご飯や日用雑貨はある程度備蓄しておかないといけない事。
 島では賞味期限はあまり気にしちゃいけない事。あくまでおいしく食べられる限度であり食べる分には問題ないので食べてしまおう。
 消費期限が2日くらい過ぎた牛乳やお豆腐やかまぼこもお店屋さんで平気で売っているが迷わず買ってしまう。船がシケで来ないというのはそういう事だからだ。
幸い、草太さんも私もまだ食あたりには当たった事はない。人間簡単には死なない。結構頑丈に出来ているのだ。

―――死ぬのは、怖くない。

―――死ぬのは、今でも怖くない。
224/04/11(木)02:03:05No.1177046869+
病院のゆったりした雰囲気にも慣れてきた。
 けど、何処か気持ちが綻んでしまうのか、立ちくらみが最近しょっちゅう起きる。温かい環境に浸かって気が緩んでいるのだと自戒するが、けど周りは心配してくれる?
12時過ぎのナースステーションで外は34℃にも関わらず患者さんのご家族からいただいたグアバ茶を沸かして煎れている。熱い中でお茶を飲むことには慣れてきた。
「すずめちゃん寝不足?」「いやそういう訳じゃ?」「わかった夜激しかったんでしょ!」と三枚目の看護師さんが聞いてくるが。まぁ草太さは優しく抱いてくれます。と優しく諭したした。この話題でワイワイ騒いでたら院長さんが飛んでくるかもしれないので、この話はおしまい。
 ふっくらした婦長さんが私に話す。「ほんとうに心配だったら病院いくのよ、医者の不養生じゃないけど看護師の不養生も怖いわ、この病院がが嫌なら診療所が何件かあるし…男の人がいやだったら。あるのよ一軒だけ産婦人科。ここの子のほとんどがあの産婦人科で産まれるよ」と地図を指差すと○○産婦人科の文字…小さい島に産婦人科が独立しているのは珍しい。
324/04/11(木)02:03:35No.1177046950+
「そういえばここ数ヶ月なんか生理不順で」
と話すと「診てもらいなさい」のニッコリと婦長、「でもピルなんてこんな田舎にあるはず」と言おうとするのを婦長が抑えて。
「まずは旦那さん、草太さんとよくお話して、二人で行きなさい。」「は…はい」
すると婦長さんは昔懐かしい黒電話で昔ながらのジーコジーコと引いて何処かへ電話をかける。「あらーいつもおせわになってますー…いえいえこちらこそー」と会話が聞こえる話しぶりから産婦人科だ!
「今日は16時までやってる日だからその足で行きなさいねすずめさん、草太さんの学校には連絡しておくわ、ふたりでゆっくり話して行くのよ。カブじゃみっともないからタクシー乗りなさいタクシー!」
424/04/11(木)02:03:52No.1177046988+
私は、蒼天の霹靂ってこんな感じなんだーという具合だった。放心状態で看護着を脱ぎ、放心状態でタイムカードを切って、「お疲れ様でしたー」と合図。
患者さんナースさん含めてみんな神妙な顔をしていた…変な病気じゃなきゃいいんだけど。
そうこうしていたら自宅へついた。
「草太さん!」草太さんの顔を見たら、緊張の糸が切れてしまった。頭の中が真っ暗になる」
「ああ、すずめさん婦長さんから聞いたよ。大丈夫なのかい?すずめさん!?」という返事にだけ答えるように自宅のリビングに倒れ込んだ…
「すずめさん、本当に大丈夫なのかい?」
「大丈夫…です、多分」
「すずめさん嘘はいけないよ…身体がすごくほっそりしているじゃないか!自分の腕を陽に透かしてみるんだ」

♪ 掌を太陽に透かして見れば、真っ赤に流れる僕の血潮 ♪

透かしてみた、ちょっと前までこげ茶色をしていた肌が真っ白になっているのがわかった。そして指が痩けているのがわかる…
524/04/11(木)02:04:08No.1177047038+
―――以前私の食が細くなってご飯を戻す事が多くなった、その様子を見ていた草太さんは「あっ!?」
っと恥ずかしそうに気がついた、私も「ああっ…」と恥ずかしくなってしまった事がある。
その朝、私はその日の朝、ご飯を二人前食べて。意気揚々と総合病院の先生に見てもらった。
 種子島には大きなドラッグストアがないので検査薬を通販で手に入れるより医者に見てもらう方が早いのだ。
――結果は、陰性反応でした…
 という経緯があったので、私は妊娠に関して懐疑的だった。私は産めない身体なんだろうなぁとうすうす感じていた。
624/04/11(木)02:04:42No.1177047133+
「草太さん、私おかしいかもしれません…そういえば最近、ご飯食べれない気がして…それに食べても戻してしまう事は病院でも家でもよくあって…」
草太さんは確信していた。確信できていないのは私だけだ。
「吐いてしまうのは…宮古…あの震災のときに宮古にいた時の私の癖で…またぶり返したのかなって思ってだけで、生理不順もきっとお薬飲めば収まるから大丈夫…心配しないで草太さん…」
 息も絶え絶えの中ひたすら草太さんに訴えかけた。外には島じゃめったに動かない救急車が止まっている…キャスターで運ばれる、車内では草太さんが必死に手を握ってくれる…「ダイジョウブダカラネー」という聞き覚えのない看護師さんの声が聞こえる意識が飛ぶか飛ばないかの境目で病院に入った。正確には「産婦人科」へと運ばれていった。見慣れた機材で私の腕に点滴を打たれる…ああ『生理用食塩水』だ、お決まりだもんね、けどもっと点滴のスピード早くしてもらわないと今日の夕ご飯がまだなんだ…草太さんがお腹すかせちゃうよ…
724/04/11(木)02:05:18No.1177047247+
―――ねぇお母さん?私どうなちゃうの?怖いよ…たすけてお母さん…


―――青い屋根と黄色いイスの夢をまた見てしまう。青い屋根のお家も黄色いイスも私の元にはもう存在しないのに…
824/04/11(木)02:05:46No.1177047327+
 がばっ…っと目が醒ました、どうやら病床で眠っており、左手に点滴が一定のリズムで落ちてくる、パックももう残り僅かだ…私いったい何分寝てたんだろう!?
「…草太さん!?草太さん!?」大きな声で呼んでしまった、そう今は草太さんにすがるしかできない自分がいる!?草太さんここはどこ!?私はどうなってしまったの?!
「―――宗像さん、落ち着いてください」細身の女医さんが私の前に立つ
「旦那さんなら待合室にいます、落ち着いたら私とあなた方でゆっくり話しましょう。さぁまずは水を飲んで…ノドからからでしょう?」
 そう言われると手にした紙コップを私にくれる。ゴクリと飲むと口にレモンのさっぱりした感覚がいっぱいに広がる」
「どう?落ち着いた?」「はい…すいません取り乱してしまって」
「点滴も終わったわね。処置が済んだら第一診察室に」
 看護師さんが点滴の針を抜いた、抜針した側のガーゼを抑えながら一歩、一歩歩く。おぼつかない、平気な一歩だった。待合室では草太さんがめずらしく缶コーヒーを飲んで待っていた
924/04/11(木)02:06:49No.1177047482+
「ごめんなさい心配かけてしまって」
草太さんの隣のソファーに座ると草太さんは有無を言わさず抱き寄せてくれ
「草太さん…私どうなるんですか?」
「いいから先生の言うことを聞こう」
すると同時に第一診察室の扉がひらいた。
見慣れない診察室と病床に、それにエコー画像が写っている。
「おめでとうございます」第一声はそれだった。
その後の難しい説明はほとんど覚えていない。とりあえずあのエコー画像に映るのは私の子宮でその中を泳いでいるのは私の子供、赤ちゃんらしい。
「実感が湧いてないって顔ね、あれは正真正銘あなたの赤ちゃんよ、大丈夫ちゃんと育てられる?」
 女医さんの言葉にたじろいでしまう自分はきっとダメな自分だ、だから十分、立派に元気に答えた
「育てます!草太さんの赤ちゃん!育てます!」
 病院じゅうに響く位、はっきり答えた。
政府の子育て支援制度や種子島独自で行われる支援制度の説明をうけた、その後―――
1024/04/11(木)02:07:29No.1177047590+
「赤ちゃん産むにはまずは健康面」
「はい…」
「倒れたのは妊娠初期の症状というより単なる過労です。にかく数日はお仕事休んで安静にしてください。3日後にまた検診します。看護婦さんならご存知でしょうが、検診は定期的にありますので忙しくても検診には来てください。」
 赤色よりのピンク色の手帳を貰った。母子手帳だ。これがあるだけで私はお腹に赤ちゃんを持つおかあさんなんだなって事を手帳が教えてくれた。
 
 意識も怪しい中、私は草太さんの呼んでくれたタクシーにのった。
 この島に来てタクシーに乗るのは、はじめてかもしれない。ガタガタと未舗装の道路を走っていく。車窓からは青々と茂った若いサトウキビ畑が夕日に照らされて美しく見える。
タクシーにペコリと一例し、家へ帰っった。日はとっぷり落ちて夜の様相を見せていた
1124/04/11(木)02:08:01No.1177047666+
玄関を閉めて、リビングのちゃぶ台を片付けて…しばらくお互いを観察し合うような面妖な間が10秒ほど何故かあって、そのあと二人ははじけるように抱き合った。
「やったーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして抱き合った。そう私は草太さん仔をなして、草太さんは父親になるのだろう。いやなるんだ。必ず、絶対。
「すずめさんおめでとう!」と草太さんは何度も私のお腹を撫でている。
 そう種子島に越してからずっと、避妊とは無縁の生活だった。東京での暮らしで赤ちゃんを産むのはちょっとむずかしいと思っていたが
 ここなら、この緩やかな土地でならなんとか子育てできそうという私の身勝手な思い出で、ゴムは…つけなかった。
そうして約一年が経過して。子宝に恵まれる事ができた。
「私、この島でこの子を育てます。この美しい海と空と大地の間で…すくすく育んでいきたいです、閉じ師の跡取りを産まなきゃいけないのに」
「いいんだ」
草太さんは割って入った
「そんなことはいいんだすずめさん、この島で3人いや4人、5人になるかもしれない、静かに暮らそう」
「私…そんなに産めないです」
1224/04/11(木)02:08:43No.1177047777+
「わからないよ…すずめさんなら、おあつらえ向きにこの官舎は5LDKもある」
そう言われてみれば夫婦二人が棲むにはこの平屋の官舎は広すぎる…つまりそういう事なのかもしれない。
 サトウキビの騒騒(ザワザワ)とそれ以外、聞こえない静かな夏の風景の中で仔を育てろと言われているような気がした。

その版、久しぶりに草太さんお手製のカレーライスを食べ、寝床ではずっと将来について語り合って眠った。
―――きっと後ろ戸の影は見えない。
1324/04/11(木)02:11:12No.1177048103+
コスモナウトしたんか!
1424/04/11(木)02:13:15No.1177048399+
一瞬まさよしの影が見えたけど幻だった
よかった
1524/04/11(木)02:13:47No.1177048467+
赤ちゃんは無事産まれるけど
産後の肥が悪くてすずめさんの命は…
1624/04/11(木)02:15:43No.1177048732+
>赤ちゃんは無事産まれるけど
>産後の肥が悪くてすずめさんの命は…
「」!!ここは君のような者が来る場所ではない!!!!!!
1724/04/11(木)02:17:07No.1177048917+
すずめさんはこの島で子供を大切に育てるけど
草太さんはそうもしてられなくて閉じ師に復職するんだけど
いいですよね草太さんが閉じにいった後ろ戸のある崖ががけ崩れで崩壊するニュースがMBCテレビから流れてくるの
1824/04/11(木)02:17:56No.1177049033+
おかしいなぁ…このコスモナウト全然コスモナウトしねぇなぁ!
1924/04/11(木)02:24:56No.1177049837+
「その子は宗像の本家の跡取りじゃ」言われて
長男だけ本家に奪われちゃうんだよね
残された娘を大切に育てるすずめさん…
2024/04/11(木)02:25:32No.1177049891+
おかしい…コスモナウトはすれ違うからの別れの話なのですが?
2124/04/11(木)02:28:05No.1177050137+
すずめさんの子は種子島で
わんぱくに育ってほしい
絶対に送りもしないメールをパカパカするような男には育てるな
2224/04/11(木)02:35:35No.1177050964そうだねx1
>赤ちゃんは無事産まれるけど
>産後の肥が悪くてすずめさんの命は…
いいですよね、外の雨音とパルスオキシメーターの不安定なパルス音。そしてすずめさんの呼吸器がシューコーシューコー鳴り響く病室で
草太さんが「すずめさん…すずめさん…」って静かに泣き出して
弱々しい手で草太さんの掌を弱い、弱いけど力強く握りしめたすずめさんが
「どうして君がなくかなぁ…」って隣の保育器で眠る赤ちゃんの方を見つめるすずめさん
「泣かないでください…せっかく赤ちゃん生まれたんですから笑顔で迎えてください…」
って行った瞬間乱れだすオキシメーター、運ばれていくすずめさん
ただ生まれたばかりの赤ちゃんを優しく見守ることしかできない草太さん
南国の雨が止む様子は見えない
2324/04/11(木)02:36:44No.1177051081+
おいコイツから
2424/04/11(木)02:43:16No.1177051680+
囲め!
2524/04/11(木)02:44:28No.1177051790+
まぁ赤ちゃんと母体の命を天秤にかけたらすずめさんは赤ちゃんを選ぶのだけれど
>死ぬのは怖くない
2624/04/11(木)02:48:17No.1177052132+
やめないか!
2724/04/11(木)02:48:50No.1177052183+
>「その子は宗像の本家の跡取りじゃ」言われて
>長男だけ本家に奪われちゃうんだよね
>残された娘を大切に育てるすずめさん…
そんなことをHAKUOUさんが許すかよ
DAIJINになって阻止しにくるよ
2824/04/11(木)02:53:46No.1177052650+
HAKHOUさんは孫の顔を見れたのだろうか
2924/04/11(木)02:54:55No.1177052744+
>いいですよね、外の雨音とパルスオキシメーターの不安定なパルス音。そしてすずめさんの呼吸器がシューコーシューコー鳴り響く病室で
>草太さんが「すずめさん…すずめさん…」って静かに泣き出して
>弱々しい手で草太さんの掌を弱い、弱いけど力強く握りしめたすずめさんが
>「どうして君がなくかなぁ…」って隣の保育器で眠る赤ちゃんの方を見つめるすずめさん
これがやりたかっただけだろ貴様!
囲め!
3024/04/11(木)03:06:32No.1177053788+
母体が危なくてもすずめさんは産むよ
医者に何を言われても
「人が生きるか死ぬかなんてただの運だと思って生きてきた!」
って啖呵を着るよ
3124/04/11(木)03:15:33No.1177054492+
別れますよ
3224/04/11(木)03:17:24No.1177054627+
>別れますよ
ネコチームの紫は黙ってて
3324/04/11(木)03:17:27No.1177054629+
早期流産で...れちゃうんだよね
3424/04/11(木)03:56:44No.1177056805+
囲め!
3524/04/11(木)06:22:17No.1177061926+
→🪑 🦅←


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