スーツ姿の大人たちが集まる会議室。表には萬屋(よろずや)グループ経営会合と貼られた紙がありその会合が怪しいものではないと表に見せている。 「では、本日は我がグループのライバルグループ。その関係の確認と整理を行いたくおもいます」 スライドが次に動くと今回の議題の対象となるグループの名前が出ていく 警視庁電脳犯罪捜査科・デジタル庁デジモン対応特務室・S.T.A.R.マフィア・メタルエンパイア… よほど企業会合で話し合う内容ではない名前がズラズラと並んでいく 「ではまずは…」「次の物とまとめて話せ」司会をしている中年が警視庁のスライドを出すと着物の老人が声をあげた 「…了解です中村会長」 「日本政府のこの二組織は官僚的な派閥争いの結果生まれており、縄張り争いが激しくあります」 「現在有効なアセットと考えられるのは1つのコンビだけと見て間違いないでしょう。シンドゥーラモンとそのパートナーである鳥籐すみれです」 その説明が終わると大人たちはまるで台本があるかのように発言をしていく。定型文のような日本政府への悪口が続き、画面に写る真顔の女性警官には興味がないようだ。 「…では何か行動がないか政府筋と確認という現状維持で問題はないという事で進めさせていただきます」 そして慣れたように拍手が起こりスライドが進む。 「S.T.A.R.マフィアはメキシコを拠点としているドラッグマフィアです。彼らの特徴としては原料から謎に包まれた薬を販売している事として知られ、生産施設という弱点となる拠点がありません。すべての拠点が重武装された徹底的な武闘派組織として勢力図を伸ばしています」 「我がグループの研究チームが解析したところ、デジタルワールドの原料を使っていると判明。日本の裏社会でも出回りつつあります」 老人はこめかみを抑えると初めて興味が出たかのように反応する 「ヤクザどもが使えなくなって久しいな…子供たちは手には負えん以上、彼らへの支援を強めるしかあるまいて」 「では、デジタル物品の提供量を当社比50%のプッシュでマーケットへの存在感を強めたいとおもいます」 「うむ」 「次は…」「デジモンイレイザーだ」 老人がスライドに無い組織を次の議題にするように決めた。 「…今回ご用意できてなく申し訳ございません」「かまわん。こちらのわがままだからな」 「アンドロモン計画の成功の報がついさっき来た」 その名前が出ると大人たちは初めて自我を持ったかのようにバラバラの反応を始めたのだった。 ・萬屋グループ よろずやグループ。 主に家電製品やIT産業を中心に展開している企業グループ。現会長は中村雷電。 デジタルワールドのリアルワールドへの干渉を阻止し完全に切り離す事を目的とした行動をしている。  バンダイフエキ 「萬代不易」(永久不変の意)をモットーとしておりその製品やサービスは徹底した安定性と信頼性をウリにしている。 変化し続ける子供たちを毛嫌いしており、徹底して見下して「大人」にするのがいいと思っている社員が多い。 ・中村雷電 デジタルワールドで人生を狂わされた老人。身勝手なデジタルワールドを敵視しており、そのためにあえて家電会社をここまで成長させるに至った。 私生活では電気を使わずに山の中で自給自足をしている。和服派。 多分初出時はギャグ回で頑固ジジイみたいな面してる。