二次元裏@ふたば

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133747 B24/04/07(日)01:45:15No.1175672181+ 05:55頃消えます
「ん…」
目がぱちりと覚めて、ハンモックから床に降りる。夜の空気で少し冷えた感触が、足の裏に当たるのが心地いい。
彼が家に来て、夜ごはんを作ってくれた。それが美味しくてつい食べすぎてしまって、ハンモックに横になりながら話しているうちに寝てしまったのだっけ。
時計の針は23時30分を指していた。冷えた水が飲みたくて台所へ向かいながら、彼はもう帰ってしまったのだろうかと考えた。
「シービー」
でも、彼はそこにいた。さっきまで一緒にいたのに、久しぶりに会えたような、嬉しそうな微笑みを浮かべながら。
「きみも起きてたの?」
「うん。眠れなくてさ。
…散歩に行かないか?よかったら」
彼から散歩の提案をされるとは思っていなかった。不思議そうに首を傾げてみせても、その笑顔は崩れない。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/04/07(日)01:45:37No.1175672271+
「今から?」
「うん。今から。
もしよかったら、だけど」
「…いいよ。
場所も任せていいんだよね」
でも、アタシにはそれが楽しくなっていた。彼が何をしてくれるのか、この目で見てみたかった。
224/04/07(日)01:46:11No.1175672430+
勢いに任せて飛び出した夜には、月も雲もない。何故か誰ともすれ違うこともなくて、星たちだけがアタシたちの夜ふかしを知っていると思うと、少しだけわくわくした。
「ここ?」
「うん。
夜の川って、なんか落ち着くから」
そう言って、彼はアタシがよく来る河川敷に腰を下ろした。街の灯りはやけに遠く感じられて、水面に映る星のほうが、かえって手が届きそうに思える。
「いいね。
アタシの好きなもの、わかってきてるじゃん」
隣に腰を下ろす。けれど何も言わない。
彼が言ってくれるのを待ちたかった。
324/04/07(日)01:46:51No.1175672648+
「そっか。よかった。
…ちょっとでも、わかってあげられてたかな。シービーの好きな世界のこと」
「うん。っていうか、初めてかも。アタシの世界のことをこんなに知ろうとしてくれたひとも、その中に入ってきたひとも」
「邪魔じゃなかった?」
「そういうことは言っちゃだめだよ。
ほんとに邪魔だったら、アタシはここにいないもの」
「ごめんごめん。
…そっか。よかった。本当に」
424/04/07(日)01:47:11No.1175672734+
時々、不思議になることがある。
きみはどうしてこんなに、アタシに寄り添ってくれるんだろうって。
「…じゃあさ。
これからもいていい?シービーの世界に」
「うん。
っていうか、勝手にいなくなれると思ってたんだ」
「シービーはいなくなるだろ?勝手に」
「あははっ!そうだね。
でも、戻ってくるよ。きみのいる景色も、アタシの好きな世界のひとつだから」
「そっか。そうなんだ。
…じゃあ、お礼をさせてほしいんだ」

「いつもそばにいさせてくれてありがとう。
誕生日おめでとう、シービー」
アタシはどうして、きみが一緒にいてくれると、こんなに嬉しいんだろうって。
524/04/07(日)01:47:43No.1175672903+
「…ふふっ、あはははっ。
もしかして、このために誘ってくれたのかな」
「…うん。
一番最初に言いたかったんだ」
「そっかそっか。
おめでとう。正真正銘、きみが一着だね」
ああ。またこの感覚だ。
アタシの心の隙間が、心地よく埋められていく。
「じゃあ、ご褒美をあげよう」
それが熱を帯びて、心の中から溢れ出してくる。
だから、少しだけ返してあげよう。きみの唇に。
624/04/07(日)01:48:00No.1175672983+
「真っ赤だよ?顔」
「…シービーがキスするからだろ」
「だって、うれしかったんだもん」
「もう。
…今日は最後まで、ちゃんとしてられると思ったのに」
724/04/07(日)01:48:18No.1175673047+
アタシの世界は、アタシの「好き」でできている。アタシの中から生まれた、アタシだけの色彩で。
「いいよ。ちゃんとしてなくても。それも好きだから。
でも、すごいよね。今まであんなに好きって言ったり言われたりしたのに、まだ伝えてくれるんだ」
「…言われたのに、じゃないよ。
言われたから、言いたいんだ」

でも、そこにきみの「好き」が混ざると、こんなにも綺麗な色になるなんて、知らなかったんだ。
824/04/07(日)01:48:30No.1175673111+
「…そっか。ふふっ。
じゃあ、やめないでよ。伝えるの。
来年も、再来年も、ずっとさ」

だから、もっと言ってよ。
きみのことが、もっと好きになれるように。
924/04/07(日)01:49:10No.1175673361そうだねx3
おわり
シービーの誕生日を真っ先に祝いたいだけの人生だった
1024/04/07(日)01:50:04No.1175673629+
すき
1124/04/07(日)01:52:07No.1175674164そうだねx1
もっと祝え
来年もその次もまだまだ祝え
1224/04/07(日)01:54:41No.1175674775+
来年は逆にシービーから祝ってもらうために突撃しててもいい
1324/04/07(日)01:57:04No.1175675376+
もらうなら大事にしたいからゆっくり考えようとか思ってたら不意打ちされちゃったんだよね
1424/04/07(日)02:03:10No.1175677007+
「アタシ何歳になったと思う?」って聞かれてほしい
その後にお父さんと結婚したときのお母さんの歳も聞かされてほしい
1524/04/07(日)02:07:33No.1175678287+
当日じゃなくて前の日からお泊まりが習慣になるんだ…
1624/04/07(日)02:15:29No.1175680489+
今までは言われて気づくくらいだったのにその年からは楽しみになっちゃうといい
1724/04/07(日)02:32:34No.1175684432+
最初はいつも通りでいいって言ってたのに特別な日にしてくれるのが楽しみになっちゃうんだ
1824/04/07(日)02:38:08No.1175685476+
言わなくてもわかるのも精いっぱい言ってくれるのも好きになる
1924/04/07(日)02:49:45No.1175687533+
わかってもらえることとかそばにいてくれることとか今まで知らなかった喜びをいっぱいあげちゃったからね
責任取んないとね
2024/04/07(日)02:55:25No.1175688438+
シービー誕生日おめでとう
2124/04/07(日)04:08:12No.1175695729+
家に帰ったらご馳走とケーキ用意してるトレーナーの側で嬉しそうにちょろちょろしてるシービー


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