二次元裏@ふたば

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1355435 B24/04/01(月)00:25:20No.1173673688+ 02:12頃消えます
爽やかな朝。
綺麗な部屋で、ブルーは目覚めた。
自分にあてがわれた部屋。
かつて寝泊まりに使っていた隠れ家ではない。
普通の、どこにでもある部屋。
頬を軽くつねる。
痛い。
夢ではない。
本当に起こったこと。
自分がついに手に入れたもの。
穏やかな生活。
それが今、ブルーの体験していることだった。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/04/01(月)00:25:35No.1173673811+
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224/04/01(月)00:26:03No.1173674023+
2階にある自室から出て、1階に降りる。
リビングに行くと、そこには両親がいた。
「おお、おはようブルー」
「おはよう。ちょうど朝ごはんできたから起こそうと思ってたの」
「うん、おはよう」
席に座る。
すでにパンや目玉焼き、サラダやベーコンなどが皿の上に並んでいた。
324/04/01(月)00:26:19No.1173674163+
朝に起きたら誰かがご飯を作ってくれている。
記憶にある中では初めての経験だ。
感慨深いものを感じていると、父が涙ぐみだした。
「よかった…、ブルーがこの家に戻ってきてくれて…」
「ちょっと、パパ…」
宥めようと声をかける。
でも、自分も視界が悪くなる。
涙が出てくる。
自分まで、泣いてしまう。
父の元に行く。
母も一緒に来る。
424/04/01(月)00:26:33No.1173674269+
家族3人で抱き合う。
「よかった…、よかった…」
「ブルー…、おかえりなさい」
「うん…、ただいま…」
泣きながら、家族で言い合う。
長い間離れていた家族。
それが、ようやく一つに戻れた。
ブルーが夢見ていた光景。
現実となって、よかった。
朝食が冷めることも気にせず、みんなで思う存分泣いて喜んだ。
524/04/01(月)00:26:49No.1173674384+
朝食を終えて、町に出る。
マサラタウンの風景。
のどかな町の景色。
都会とは違う、高層ビルもない田舎。
でも、ブルーにとってはこれがよかった。
都会がいいなら、出かければいい。
自然が多くて、空気も美味しい。
こんな町が、ブルーは好きだ。
今までの生活とはかけ離れたもの。
でも、人生を再スタートするならこれくらい別の世界からの方がいい。
624/04/01(月)00:27:23No.1173674642+
「お、ブルー」
声をかけられる。
そちらを振り向くと、見慣れた顔。
「レッド、おはよう」
彼の名を呼ぶ。
言われたレッドは、嬉しそうに笑う。
「ブルーもこっち引っ越してきたのか。
今日から同じ町だな」
「そうね。よろしく」
彼の肩に手を乗せる。
近くに寄って、顔を近づける。
どきりとしたようにレッドが頬を赤くする。
724/04/01(月)00:28:02No.1173674948+
レッドをからかう気持ちもあるが、彼に関しての恩もある。
これくらいはしてあげてもいいくらいには感謝していた。
「レッドの家ってどこにあるの?」
「え、あっちの方なんだけど。
歩いて10分もかからないしそこまで離れてないかな」
「ふーん、ご近所ね」
案外近くにあるのか。
それがわかると、ブルーの中に思い浮かぶことがあった。
824/04/01(月)00:28:40No.1173675195+
「じゃ、レッドの家に行っていい?」
「い、いいけど」
「ありがと♡」
今まで行く機会はなかった。
自分のことでいっぱいで、遊ぶ余裕もなかった。
でも、全てを終わらせた今ならいいかもしれない。
彼とも以前よりは交流してもいい。
これまで散々世話になったのだ。
今更距離をあけるよりは、そっちの方がいいだろう。
924/04/01(月)00:29:29No.1173675540+
「じゃ、道案内お願ーい」
「わかった、わかったから。押さなくてもいいって」
強引にだが、レッドの家に向かう。
自分でもわかるくらい、足が速く動いた。
1024/04/01(月)00:30:03No.1173675814+
「お邪魔しまーす」
「うん、いらっしゃい」
レッドの家に上がって、リビングのソファに座る。
「意外と片付いてるわね」
「一人暮らしだからな。
あんまり物置かないし」
「ふぅん」
これといって趣味もないのだろう。
レッドの好きなことといったらバトルくらいしか知らない。
「あ、漫画はある」
「それ、ゴールドから借りたんだ。
結構面白くて」
1124/04/01(月)00:30:58No.1173676178+
何冊かある漫画。
おそらく少年漫画だろうものが多く見える。
「んー…」
適当なものを手に取って、パラパラとページをめくる。
「レッドって、こういうの好きなの?」
「え!?」
過激なサービスシーンを見つけて、レッドに尋ねる。
「レッドも男の子だし、そういうこともあるからいいけど」
「…はい」
1224/04/01(月)00:31:34No.1173676436+
男の子が性的なことへ関心を持っていても当然である。
自分だってレッドを含めて散々利用してきたのだ。
そこを否定する資格はない。
「レッドはアタシがこういう目にあってるところ見たい?」
「い、いや!友達がそんなことになってほしいなんて思わないから!」
慌ててレッドが否定する。
さすがにそういう目にあってほしいとは言えなかったようだ。
1324/04/01(月)00:32:15No.1173676758+
漫画にあったのはバトルの最中に服が破れたヒロインの姿だった。
自分もかつてはそんな目にあったことはあったが、レッドはその場面自体は見ていなかった。
そこ自体を見ていたら、レッドはどんなリアクションをしたのだろうか。
少し気になるが、今となっては叶わないことだ。
代わりとして、今度レッドの前でわざと服をはだけて見せようか。
そんなことを考える。
「なんか嫌な予感が…」
「気のせいじゃない?」
笑って誤魔化したが、レッドは納得いかなかったようだ。
1424/04/01(月)00:32:29No.1173676870+
その日から、何度かレッドの家に遊びに行くようになった。
異性の家に遊んでいくが、気が楽だ。
長年の付き合いのある相手。
お互いに下心もなく、単に友人として接している。
気を張らずにいれる場所。
それがあるのがブルーにはありがたかった。
1524/04/01(月)00:32:44No.1173677002+
「ねえ、レッド」
「どうした?」
ある日、気になって聞いてみた。
「レッドはアタシがここに来るようになって、迷惑?」
「そんなことないよ。
それに、ここに来るようになってブルーの笑うところよく見れて嬉しくてさ」
「笑う?」
意識していなかったことを指摘され、ブルーは首を傾げる。
1624/04/01(月)00:34:30No.1173677737+
「マサラに来てからのブルーって、いつも幸せそうにしててさ。
そんな顔見てたら、こっちまで嬉しくなって」
「…うん」
そうかもしれない。
ここに来てから、いつも楽しい。
刺激はなくても、それでいい。
静かな、平和な日常。
それこそがブルーの望んでいたことだ。
ふと、レッドを見る。
彼も、今や自分の生活の一部だ。
毎日のように顔を合わせて、日課のようにもなっている。
1724/04/01(月)00:36:50No.1173678711+
「ねえ、レッド」
「どうした?」
返事されるより早く、ブルーは彼に抱きついた。
「え!ええ!?」
突然の抱擁に驚いたようで、レッドが狼狽える。
だがブルーは構わず、抱きしめる力を強くする。
「ありがとう、レッド。
あなたのおかげよ」
「オレの…?」
頷き、肯定する。
1824/04/01(月)00:39:38No.1173679889+
「今まで助けてくれたこともだけど、こうして家に来ても迎えてくれる。
だから、アタシ毎日がもっと楽しいんだと思う」
彼と過ごす日常。
これはブルーにとっては初めてだった。
付き合いこそ長いが、共に過ごした時間は短い。
それが、少しずつでも増えている。
ブルーはそんな日常を好きになっていた。
1924/04/01(月)00:42:33No.1173681007+
レッドからも抱きしめ返される。
「ブルーは頑張ったからさ。これからもっと幸せになっていいんだ。
オレでよかったら、その手伝いするから。これからも、ずっと」
「…うん」
涙が溢れる。
これまでのことを肯定してくれる。
色々と迷惑をかけてしまったのに。
それでも、レッドは認めてくれた。
許してくれた。
そう思うと、涙が止まらなかった。
2024/04/01(月)00:44:57No.1173681928+
しばらく泣いた後、今日は帰ることにした。
「ありがとう、レッド」
「いいって。また来いよ」
頭を撫でられる。
まるで年下にするような仕草だが、ブルーは嬉しかった。
優しくしてもらえて。
気にかけてもらえて。
「うん、またね」
言って、彼の家を出る。
2124/04/01(月)00:46:45No.1173682573+
「…ふふ」
足取りが軽い。
また今度。
またレッドと会える。
その次が今から楽しみになっている。
段々と、増していくレッドへの気持ち。
それは感謝か。
友情か。
それとも別の何かか。
2224/04/01(月)00:49:37No.1173683559+
「ま、慌てることはないよね」
時間はたっぷりある。
もうこれがブルーの日常だから。
レッドへの気持ちが理解できるまで。
どれだけ時間がかかろうとも、焦ることもない。
だから、今は。
次の彼と会う日を心待ちにすることにした。
本当は、すごい単純なものが真実かもしれない。
そうは思いながら、確信を持てるまでは。
このまま過ごしていよう。
2324/04/01(月)00:49:50No.1173683639そうだねx3
以上です
閲覧ありがとうございました
2424/04/01(月)00:53:32No.1173685055そうだねx1
いい…
2524/04/01(月)00:54:11No.1173685251+
マサラにブルーが来た頃あたりを想定して書きました
最近ブルー視点が多くなる
2624/04/01(月)00:56:47No.1173686223+
>漫画にあったのはバトルの最中に服が破れたヒロインの姿だった。
オレはもうちょい後に出る女主人公がスカート脱ぐシーンすっげえドキドキしたんスよね〜まあスパッツだったってオチなんスけど


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