不穏な

馬鹿な…早すぎる…

一瞬、何が起きたのか分からなかった
だが漸く狂三の霊結晶〈セフィラ〉が何者かに摘出された事に気付いた
光る帯は狂三から排出された一部分が欠けた黒い霊結晶〈セフィラ〉を包むと…狂三から奪い去って行く
士道:狂三！
ぐらりと地面に倒れそうになる狂三を抱え…帯の行先をみる

:……時崎狂三、感謝するよ…君は最期まで、私の素晴らしい友人だった

そんな声と共に、『それ』は、姿を現した

狂三:…かはっ！
士道:狂三！
意識を取り戻した狂三は何度か咳き込むと…浮遊する女性を睨む
狂三:澪…さん…っ！
澪、その名は真人から何度も聞かされていた
始原の精霊のもう一つの名
崇宮のファミリーネームを持つ…精霊
澪:
1〜3.やっぱり…兄さんは凄いね
4〜5.でも、それじゃダメなんだ
6.だから…シン、私と一緒に来て
dice1d6=6 (6)

ｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬ

はやい

自らの額を士道の額に合わせた途端、士道は激しい頭痛に襲われる
それは見知らぬ少年の記憶
だがその少年は自身と瓜二つで…まるで自分の生き写しのようだった
崇宮真士
五河士道の…元となった少年の記憶だった
真士/士道
dice2d100=82 3 (85)

真士:澪…？
澪:シン…っ！
澪は感極まった様子でゆっくりと息を吸う
澪:──ずっと、会いたかった…！ずっとずっと、逢いたかった…！君が死んでしまってから、それだけを想って、今まで生きてきた
優しく真士を抱きしめて涙をポロポロと溢す
澪:シン…シン…！君に伝えたいことが山ほどあるんだ、君に言えていなかったことが…たくさんあるんだ…それこそ、とても語り尽くせないくらいに…
愛する人に会えた嬉しさを隠す事なく…真士に向ける
もう二度と、離さないように
澪:ああ、でも、でも大丈夫…今度の私たちには、いくらでも時間があるんだから…どれだけでもお話をしよう？何日かかっても構わない…何年かかっても構わない…！ねぇ……今度こそ、ずっと一緒だよ、シン

これは…

シン…

全部言ってるのにわざわざ6出すの酷いね

狂三:士道、さん…？
雰囲気の異なる士道の姿に狂三は戦慄する
まるでつい先程までいた少年が消え去ってしまったかのような感覚
だが…もう自分にはどうする事も出来ない、精霊ではなくなってしまった自分は…あまりにも非力だ
その間にも真士と澪は会話を続ける
会えて嬉しい事、寂しい思いをさせた事やいなくなってしまった事を真士は謝る
真士:でも────
1〜3.これは…何なんだ？「シン」を生き返らせる為に、一体何を…
4〜5.兄さんは、アレは兄さん「だけ」なのか？
6.
dice1d6=6 (6)

1.真人:士道ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！！！！！！
dice1d1=1 (1)

流石だ

本当に真人はお兄ちゃんだ…

士道:っ！？
意識が引き戻される感覚、先程まで自分が自分でなくなってしまっていたように思える
澪:────兄さん
白と青のCR-ユニットを纏い右膝を地面に付き…右手の拳を地面に叩き付ける
真人:
1〜3.…澪
4〜5.やっぱり、来ると思ったよ
6.けどな…士道は、士道だ
dice1d6=1 (1)

全部言ってる？

澪:違うよ、兄さん
真人:違わないっ！
立ち上がって澪を睨み付ける
真人:今此処で、生きているのは真士じゃない…五河士道だ
澪:
1〜3.やっぱり、思い出してたんだね
4〜5.《狂三》…やはり君は厄介だね
6.兄さんは覚えてないから、そんな事が言えるんだ
dice1d6=5 (5)

ヤキモチか？

真人:何故そこで《狂三》が出て来る？
澪:…兄さん、私はただシンともう一度一緒に居たいだけなんだよ？もう、もうひとりぼっちは嫌なんだ…
澪は自らの両手に顔を埋める
真人:
1〜3.まぁ確かに、《狂三》のお陰で全部思い出せたさ
4〜5.俺の身体を…好き勝手に弄ったこともな
6.僕が「俺」になったのは他でも無い、澪…君の仕業だろう？
dice1d6=5 (5)

そういえば僕の真人も内包したままか

真人:お前は真士を失った時、自らの体に真士を取り込んで作り直した…精霊の力をその身に封印出来る力を付与させて…
澪を通して得た記憶を士道達の前で話す
それを澪は黙って聞き続けていた
真人:だが不安要素があった、それはその過程で真士…いや、士道が死ぬ可能性…それを防ぐ為には側で守ってくれる人が必要だと
1〜3.適任者はすぐ近くで瀕死の状態だった
4〜5.だが…そんな貧弱な体じゃどうせ死んでしまう
6.だから人の身の代わりに…自分の分身に適任者を埋め込んだ
dice1d6=1 (1)

衝撃の真実すぎる

真人の身体はもう失われてるのか

真人:ざっくり言えば適任者の情報を自分の分身に転写したってのが正しいか…
だから模倣された体は人間と何ら変わりなかった…見た目と中身も、完全に人間の形を真似ていた
澪は眉ひとつ動かさず話を聞き続ける
狂三と士道は今まで真人が大怪我を負ってもすぐに復帰できた理由に気付いた
元々が健康な肉体の情報だったが故に、最初の状態に戻る事など容易かったのだろう
真人:そして俺となった理由…それは

1.俺が崇宮真士のバックアップだから、そうだろ？澪
dice1d1=1 (1)

バックアップ…？

二亜のときの祟宮真人でもなかったってそういう意味だったの…？

士道:なんだよ、それ…
真人:士道が万が一修復不可能な状態に陥った場合、態々一から作り直すより復元出来る元があった方が良いだろ？だから澪は崇宮真人の人格に崇宮真士のコピーを加えた…俺は崇宮真人であり崇宮真士なんだよ、士道
まぁ残念ながら俺には精霊を封印する力は付与されなかったみたいだがな、と真人は付け加える
真人:澪…
1〜3.もうやめよう、こんな事をしても犠牲が増えるだけだ
4〜5.大勢の子供が死んだ、未来を奪われたんだぞ…？
6.真士を…俺の弟を、屍の上に立たせないでくれ
dice1d6=2 (2)

止まって欲しいよな…

澪:兄さん…
真人の言葉に思う所があるのか、澪は瞳を揺らす
真人:頼む、これ以上犠牲を増やしたら…俺は────
澪:じゃあ…！

1.澪:じゃあどうして、シンを守ってくれなかったの…！？
dice1d1=1 (1)

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