琴里:さて…みんな、準備は良い？
フラクシナスの艦橋
そこには真人含め、十香達が艦長席に座る琴里を見ていた
椎崎達クルーも一度作業の手を止め、琴里の話を聞く
そして聞いているのは此処に居る者達だけでは無い、通信を通して他のラタトスクの構成員達にも届いていた
琴里:フラクシナス艦長、五河琴里よ…まずは、皆の協力に心よりの感謝を…さて、皆のモニタにももう映っているかしら？私たちの街に、不躾な来訪者が現れたわ…粗野で粗暴なやり方で以て、糖霊の力を稼い取ろうとする、最低最悪のDV男よ…ああ、嫌ね、見苦しいったらないわ…こういう、女を力で支配したがる男に限って、捨てられると女々しく追い織るのよ…散々やりたい放題しておいて、どうして嫌われないなんて思うのかしらね…理解に苦しむわ、女がみんな優しいママにでも見えてるのかしら？

真人:流石司令、容赦が無いな
琴里:どうも…さあ、礼儀を知らない乱暴者どもに教えてあげましょう…正しい女性の扱い方を、優雅なエスコートの仕方を────私たちの、戦争〈デート〉のやり方を
琴里の宣言に応える様に、艦橋下段や通信機の向こうから力強い声が響いてくる
DEMの空中艦はおよそ30隻、対する此方は5隻
魔術師〈ウィザード〉の数も、此方の10倍以上と予測される
加えてバンダースナッチだの〈二ベルコル〉だのあらゆる戦力で此方を上回る計算だ
だがそれでも琴里の顔に不安は一切見られない
真人:
1〜3.…カッコいいってのはああいう者を言うんだ
4〜5.負けてられないな、俺も
6.うん、神無月が蹴られたいのも無理は無い
dice1d6=2 (2)

士道:だな
琴里:そんなキラキラした目で見ても何も出ないわよ
神無月:本当ですかあふぅ！
流れる様に蹴られる神無月を無視して琴里は話を続ける
琴里:…お世辞にも有利な状況では無い事は、真人から聞いてるわね？顕現装置〈リアライザ〉の性能で僅かに優っているとはいえ、正面から殴り合ったらまず敵わないわ
アシュリーがチラッと此方を見てくる
いや俺にも流石に無理だ
琴里:その戦況を打破しうる存在────それが、貴方達よ
十香達の顔を順に見つめ、言葉を続ける

琴里:…精霊を守る組織の司令官が、精霊であるみんなに助力を乞うなんて歪だって事はわかってる…だけど────
と、そこで真人が手を上げ発言の許可を琴里に願う
琴里:…発言を許可するわ
真人:さて、俺たちの司令官の話を遮るのは…俺も嫌だが…まぁ聞いてくれ
艦長席の丁度真下に移動し、士道達を見渡す
何を話すのだろうと、真人の言葉を待っている
真人:まず、俺たちが何の為に戦ってるか…それを理解して貰いたい
1〜3.世界の為？まぁ悪くは無いが…一番の理由じゃ無い
4〜5.明日の為？間違っちゃ居ないが…それでも無い
6.俺達が戦う理由、それはすぐそばに居る大切な人達の為だ
dice1d6=6 (6)

神無月…

真人の言葉を聞き、士道達はすぐ側に居る者達を見る
それは友達であったり、想い人であったり、兄であったり、様々だったが…かけがえのない人だった
真人:司令…いや琴里、今此処で十香達に力を貸して欲しいと頼むのはラタトスク司令官としてじゃない、そうだろ？
ウインクをして交代の合図をする真人に若干の呆れ混じりの目線を向けながらも…笑みを見せる
琴里:そうね…そうだった、みんな────士道の妹として…五河琴里としてお願い、私のおにーちゃんを…助けて

十香:当然だ！
十香を皮切りに精霊達は自らの想いを伝えて行く
それを見ながら真人はうんうんと頷いていた
真那:…兄々様
真人:俺は、真那と士道のお兄ちゃんなんだ…だからさ────
と、そこで真那の人差し指が真人の前に突き出される
真那:真那も腹を括りました、兄々様がそこまで言うなら仕方ねーです…それに兄様も戦うつもりみてーですし
諦めが混じった表情を真人に見せる
真人:真那…

真那:真那だって兄様と兄々様の妹でやがります、その意味がお分かりでしょう？
真人:…ああ！
ガシッと握手をしてお互いの決意を表し合う
その様子を見ていた二亜が堪らずと言った様子で声を出す
二亜:いやぁ…家族の友情って良い！俄然燃えて来た！
真人:お前は後方待機な
二亜:がーん！
いや霊結晶〈セフィラ〉の大半を奪われてるのに前線に出すわけないだろ
琴里:さて…アルテミシアからアシュクロフトβについての話は聞いたけど…
1〜3.〈ニベルコル〉に関しての話、真人も聞いて頂戴
4〜5.真人、始原の精霊が現れるって…本当？
6.令音、貴方は…
dice1d6=6 (6)

そこはもう諦めか

また６だよ

令音:私は、士道の為に戦うよ
真人:良いのか？お前の本体はきっと…
シン…崇宮真士の為に戦うだろう、記憶を消されてるとはいえ本人である令音は…
令音:確かに、崇宮澪はシンの事を愛してる
だが…と令音はすかさず付け加える

1.令音:私が愛してるのは…士道だ、シンじゃない
dice1d1=1 (1)

既に結論は出ているか

琴里:わお、ちゃんと受け止めなさいよ？士道
士道:ああ
令音の大胆な発言に感嘆の声を漏らす琴里
士道も逡巡も無くその想いに応えていた
真人:なら、決まりだな…恐らくDEMも始原の精霊が現れたらラタトスクの相手をしてる暇は無いだろう…まぁこっちもそれは同じだが
1〜3.いつ来てもおかしくは無い…みんな、気を抜くなよ
4〜5.何が目的かは知らないが…士道は士道だ、それを変えさせる気はない！
6.…もしもの時は、容赦はするな
dice1d6=6 (6)

ｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬ…

折紙:それは、貴方の妹だったとしても？
折紙の言葉に真人は迷わず頷く
折紙:…そう
きっと真人の家族だった場合の事を想定しているのだろう
だがそれでも…崇宮澪がした事は許される事では無い
緊張感が場を支配する中、ブリーフィングは終了
真人は自らの愛機の元へ向かうのであった…

という訳で次スレだ

了解

最終決戦…