:おきて
ベッドの上で眠る少年を揺さぶる
:おきてってば
しかし何度揺さぶろうが頑なに起きる気が無いのか布団にくるまってしまう
:もう朝だよ

1.真士
dice1d1=1 (1)

一度目の死の前かな

真士:うぅん…もう少し…
真人:昨日夜更かししてたからでしょ…ほら、起き…て！
毛布をひっぺがして真士の体を部屋の外気に晒す
真士:うひゃあ！な、何すんだよ！？
布団の中に比べたらひんやりした空気に晒され目が覚めた真士は跳ね起きて真人へ抗議の声を上げる

真人:真士が起きないからだよ…真那はもう下で朝ごはん食べてるから早く下に降りてきてね？じゃ
そう言って下に降りてリビングへ向かう
真那:あ…兄々様、兄様は起きやがりましたか？
妹の真那は既に朝食を食べ終え食器を流しに置いていた
真人:やっとね、もう…今日は本を買いに行くから早く起きるとか言ってたのに…
真那:どーせ兄々様に起こしてもらう算段だったんじゃねーですか？
あ、ご馳走様でした…とセーラー服を纏った真那は竹刀片手に出かける準備をする
真人:今日も部活？気をつけてね…最近物騒だから…

ささやかな日常…

一人称が僕で口調も柔らかかった時代の真人…

チラリと真那が付けたままにしていたテレビを見る
半年前に起こったユーラシアでの大規模な災害
複数の国が一瞬にして消滅し、死者と行方不明者は1億を超えるだろうと何かしらの専門家が話しているのが映っていた
真那:…いつ死ぬかわかんねーなら最期まで真那は日常を謳歌するつもりです
真人:そうだね、それが1番だ
1〜3.まぁ僕は死にたく無いけどね
4〜5.…本当、いつ死ぬか分かったもんじゃないよ
6.…せめて死ぬ時は真那や真士と一緒にいたいかな
dice1d6=4 (4)

確かに死は迫っていた
それはもう目と鼻の先までに
でも、自身が予想していた死に様よりも…
それはずっと苦しいものだった

まさかあんな最期…？になるなんてね

まさかその爆発で生まれた精霊が弟達と友達とはな

それから真士が下に降りてきて
いつも通り他愛も無い会話をして
身支度を整え、本を買いに出掛けるのを見送っめから少ししてからの事だった
真人:な…何だ！？
突然の衝撃
遅れて激しい音が訪れ、家がガタガタと揺れた

凄まじい揺れが家を襲い、家具は倒れ棚から食器が落ちて散乱する
急いでテーブルの下に隠れて揺れが収まるのを待ち…少し経って揺れが収まったあとにテーブルから出て家の状況を確認する
真人:
1〜3.意外と…大丈夫かな
4〜5.これはちょっと…片付け大変かな
6.うわぁ…
dice1d6=2 (2)

案外丈夫なもんだ

幸い耐震性のある我が家はそこまで被害が出る事はなく
食器も奇跡的に割れたりはしていなかった
真人:まさか…ユーラシアのと同じ…！？
急いで2階に上がってベランダから外を確認する

外は、地獄絵面と化していた

空間震…

火災が起きてるわけでもない
ビルが倒壊しているわけでもない
ましてや人が大勢倒れているわけでも…なかった
そう、何もなかった
ビルも、家々も、車も、電信柱も、信号機も、街路樹も、道路も、そして────人の姿も
街と呼べるものは何もかも消滅し
あるのは綺麗に削り取られた地面と、吹き荒ぶ風だけだった

一般人である彼には見るのも辛い光景だ…

人や車の残骸すら存在せず
数十キロに及ぶかもしれない広大な領域が更地と化していた
真人:空間、震…
いつかは日本でも起きるのでは無いかと思っていた
人ごとでは無いと…そう思っていたのに
真人:なんだよ、これ…！？

目の前で起きた事が、受け入れられなかった

爆発というよりは消滅なんだよね
本当に恐ろしい…

悍ましい…

真人:真士、真那…っ！
そこで漸く家から出掛けた2人の事に考えが向く
慌てて下に降りて携帯を見る
真人:圏外…っ！？
恐らくは基地局が消滅してしまったのだろう、電波は繋がらず連絡は不可能だった
真人:…そんな…
先程見た景色がフラッシュバックする
怪我人を受け入れてくれるであろう最寄りの大型病院は既に消滅していた
例え真士達が怪我をしていても…受け入れ先は…
真人:どうすれば…
1〜3.一旦家で待つ
4〜5.探しに出かける
6.
dice1d6=3 (3)

ついに始まった

信じて待つしか出来ないもどかしさ…

真人:…待とう、もしかしたら帰って来るかもしれないし…
それに今外に出るのは危険すぎる
そう自分に言い聞かせて心を保たせる
15分
真士達は帰ってこない
…30分
自分の決断が間違ってたのではと思い始める
……45分
孤独感に襲われ、どうにかなってしまいそうになりはじめる
そして1時間が経ち、もう我慢出来なくなって…玄関の扉を開け放ち────

真士:あっ
0.少女:……
dice1d1-1=1 (0)

目に入って来るのは
げっ…とたじろぐ弟の姿と…

上着だけ着た素裸の少女だった

真人:うわぁぁぁぁ！？！？！？
真士:違うんだにいさぁぁぁん！！？
何が違うのかよくわからない
取り敢えずこんな時に何やってるんだとしか思えなかった

拝啓、父さんと母さんへ
弟が遂にやらかしました

裸の女の子…年頃の弟…何も起こらない筈もなく…

>裸の女の子…年頃の弟…何も起こらない筈もなく…
違うんだ兄さん！！

真那:…で、なんなんでやがりますかこの状況？
真人:真士が裸の女の子を連れて帰ってきた
真那:成る程誘拐…
真士:ちょっと待ってくれ！これには事情が…
違うんだ！と話す真士を真那と共に尋問する
真人:…真士
事情って？/ダメだよ、誘拐は
dice2d100=61 74 (135)

誘拐するには絶好のタイミングだからな…

真士:俺の味方はいないのか！？
真那:真那と兄々様は兄様の味方でやがりますよ
真人:だから道を踏み外しかけてる真士を止めるのが僕達のやるべき事なんだ、こんな酷い状況で自暴自棄になるのはわかる…でもね真士、分かって欲しいんだ
優しく諭し、事情を聞く
きっとこんな事もあって、ショックで魔が差してしまったのだろう
真士:いやだから…！この子が空間震の中心に居たんだよ！それで周りに頼れる様な所が無くて…それで兄さんが家にいるだろうからって…

爆心地にね…

真人:じゃあその子は空間震と関係があるのかも
真那:まぁ…それは真那もちょっとは思いましたけど…
取り敢えず真士の言葉を信じはするものの…次に疑問に思ったのは少女の正体
真人:…へっ？
少女に視線を向けた瞬間、少女は真那と同じセーラー服を顕現させ…首を傾げる
真人:なんっ！？
真那:ですっ！？
真士:とーっ！？
そして謎が解けぬまま…増えるのであった

という訳で一応此処まで

まだ平和