「問題ありません！音声認識に対応しています！"リフレッシェル"お任せコース20分で！」
ダイヤちゃんがパネルに向かってそう指示すると、マッサージチェアが僕の足を上げ、背中を倒す。体が仰向けに寝かされるとエアバッグが膨らみ、手、足、首が心地よく圧迫され始める。
チェアーに仕込まれた揉み玉が背中と腰と尻とふくらはぎをゴリゴリと刺激し、エアバッグが膨らんだりしぼんだりを繰り返してリズムを取りながらマッサージを開始した。思わずその気持ちよさに声が漏れる。
「ふふ、気持ちいいですか？"リフレッシェル"リラックスモードをお願いします」
どうやらコースの最中も細かくオプションの指示が出来るようだ。ダイヤちゃんの指示によりこのマッサージチェア、『リフレッシェル』はリラックスモードとやらを起動した。

枕の上からサイドアームが眼前に倒れてくると、ふわふわのクッション生地がアイマスクのように僕の目を塞いだ。そしてチェアと顔の上のクッションがじんわりと熱を帯びて温まっていく。
光の刺激を遮られ、全身をがっちり揉みほぐされながら温められていく。デスクワークで凝り固まった腰と背中が、疲れた目が溶けていくような快感。
「ああ…これいいよ…すごく。ありがとうダイヤちゃん…」
視界も身体の自由もすべて放棄した極限の脱力。なるほど、このための音声認識機能か。と一人納得しながら、全身を揉みほぐすリフレッシェルの圧力と、胸を撫で回すダイヤちゃんの手に身を委ねるのであった。

サトノグループが制作したマッサージチェアがすごいらしい、との噂は、既にキタちゃん経由で聞き及んでいたところだった。
おそらくそのマッサージチェアを試したであろうサトノダイヤモンドのトレーナーが、蕩けきった顔を晒していたのを目撃した時、自分の肩をマッサージしながら羨ましく思ったものだ。
キタちゃんの伝手でそんなマッサージチェアの試乗をさせてもらえるという機会が転がり込んだ時、僕は二つ返事でお願いした。キタちゃんとサトノダイヤモンド、二人の友情に感謝である。
「コースを変更したり中止したいときはリフレッシェルの名前を呼んだ後に指示して下さいね」
アイマスクで塞がれた暗闇の中、左からサトノダイヤモンドの声が聞こえる。僕は顎を引いて了解の意を示すと、彼女とキタちゃんの声が遠ざかっていく。一人になった部屋で、僕はマッサージを享受した。

あまりの心地よさに熟睡してしまったらしい。今は何時だろう。起き上がろうとしたが体ががっちり固定されて動くことが出来ない。ああそうか、マッサージチェアに座っていたんだった。
視界を隠され手足を揉まれながら、このマッサージはいつ終わるのだろうと思案する。そろそろ起きてキタちゃんのところに行かないと。そう言えば、どうやって止めるんだっけ。
サトノダイヤモンドの言葉を思い出し、僕はおそらく右側にあるであろうタッチパネルに向かってコースの中止を求めた。
しかし、一向にマッサージは続く。そういえば、名前を呼ばないとダメなんだった。……名前が思い出せない。途端に恐ろしくなり、手足をエアバッグポケットから抜き取ろうとするが、エアバッグが膨らみ手足を挟んで動かすことが出来ない。
「だ…誰かいない…？誰か…キタちゃーん！」
周囲に助けを求めようとしたが、声は虚しく響いた。この時僕はみっともなく大暴れをしながら声を張り上げ助けを求めることも出来たが、そうしなかった。
別に命に危険はないし、マッサージされているだけだし、何よりキタちゃんに恥をかかせたくないし。という気持ちがあったからだ。

そうこうしているうちに、部屋にキタちゃんとサトノダイヤモンドの声が戻ってきた。僕はこれ幸いにと声をかけようとしたが、二人の会話を聞いて言葉を飲み込んでしまった。
「トレーナーさん、ぐっすり寝てる〜！気持ちよかったんだ！」
「えへへ、私のトレーナーさんもこんな感じだったんだ。今なら何をしてもバレないよ！」
「えっ！？……いやぁ〜その……」
何やら良からぬ話をしているようで、思わず狸寝入りをしてしまった。一度こうしてしまっては、ここからもう寝たふりを続ける他ない。今起きてキタちゃんに聞かれていたというショックを与えたくなかった。

「じゃあ後は…お熱い二人だけにして…」
サトノダイヤモンドがからかうようにそう言うとキタちゃんと遠ざかっていく。待ってくれ……二人きりにしないで……。
気まずさから寝たふりを続けていると、不意に小さな手が僕の内腿に触れた。キタちゃんだろうか。
「あはは……トレーナーさん」
キタちゃんの手が僕を撫でながら腰に登ってくる。僕は、ずっと寝たふりだ。
「こんなぐっすりしちゃうくらいいつも頑張ってくれて……ありがとうございます」
キタちゃんの手が胸元まで登ってきた。

「トレーナーさん、ずっと…好き…です」
バクバクと心臓が高鳴る。僕自身もキタちゃんを好きではあるのだが、一体これはどういう状況なのだろうか？
「トレーナーさんは……あたしのこと子供だと思って、多分言っても本気にしてくれないかもしれませんけど」
胸を撫でるキタちゃんの手の感触が、暗闇の中ゆえにより鮮明に感じさせられる。どうかこの心臓の激しい鼓動が伝わらないことを祈るばかりだ。
「だから、大きくなるまで、フリーでいてくださいね……。それまで頑張って、いっぱい走って、最高のウマ娘として、トレーナーさんを夢中にさせてみますから」

あの後、サトノダイヤモンドが戻って来るまでキタちゃんの猛烈な告白を受け、眠りから目覚める小芝居までしてマッサージチェアから解放してもらい、なんとかいつもの日常に戻ろうとしたのだが……。
「トレーナーさん、最近お疲れじゃないですか？またあのマッサージチェアに行きませんか…？」
あれ以降キタちゃんが何やら色っぽいような、雰囲気が大人びて見える。これは僕の意識しすぎなのか、それともあの出来事を経てキタちゃんが成長したのか、それはわからない。でも……。
「うん……」
「よかった。じゃあ早速行きましょうか」
僕の手を引きキタちゃんがあの部屋に向かって歩き出す。尻尾は感情を隠しきれないように僕の腕に巻き付いている。あれから僕は、寝たふりを続けている。
このままこんなことを続けていれば、いつか僕は完全にキタちゃんに恋をしてしまうのかもしれない。
今の僕にとって、あのマッサージチェアは、キタちゃんに何を言われても寝たふりを続けなければならない、罪悪感と愛情の甘い牢獄だった。

やや！キタさんがなにやら倒錯的なプレイをしていますね！

ダイヤちゃんかと思ったらキタちゃんが湿ってる怪文書だった

自力で止められないのは最早拘束具では！？

マッサージチェアにキタちゃんが入ってるオチだと思ったけど違った

まだ完全に恋してないからセーフ！

>まだ完全に恋してないからセーフ！
手遅れだろ！

>このままこんなことを続けていれば、いつか僕は完全にキタちゃんに恋をしてしまうのかもしれない。
無駄な抵抗やめろ

>視界も身体の自由もすべて放棄した極限の脱力。なるほど、このための音声認識機能か。と一人納得しながら、全身を揉みほぐすリフレッシェルの圧力と、胸を撫で回すダイヤちゃんの手に身を委ねるのであった。
しれっと初っ端から胸撫でまわされててダメだった

キタちゃんからトレーナーにオススメしてるのえっちだね…
ぐっすりなトレーナーに一方的に告白するのそんなにしたいのかな…

吊り橋効果というか
やばい状況でずっと好き好き言われ続けるとトレーナー側もいつしか墜ちてしまうかもしれない

>やや！キタさんがなにやら倒錯的なプレイをしていますね！
お前が言うか

寝てるところにじっとり告白するのはバクちゃんの血だよね
バクトレなら胸を撫で回されてる時に心臓のドキドキ大きすぎてバレてるけど

何故かキタトレがマッサージチェアで肩凝りほぐれるとキタちゃんも調子いいんだ

キタちゃんと言えばマッサージだからな

担当に対して何も思ってないなら最初に寝たふりなんかしないのでは？

てっきりマッサージチェアの中にキタちゃんが潜んでると思った

気持ち良すぎて寝ちゃうトレーナーに何をしてもバレないマッサージチェアとして評判に

最近お疲れじゃないですか？ってびちょびちょな雰囲気で誘ってくるのはもう…

本当はバレてるのかもしれない

まあ誰が悪いかっていうと名前忘れたトレーナーだな…

ダイヤちゃんも既に知ってるみたいだしかなり前からキタちゃんが恋してたなら時間の問題だったのでは？

すみませんダイヤトレはほかに何かされてませんか

キタちゃんが中に入ってたら操作大忙しだろ！
というかダイヤちゃんのトレーナーも揉む意味がないだろ！

これくらいのほのかなえっち度が心地良い

操作性については一考の余地がある
悪用されかねない

>リフレッシェル
実在すんの！？

>本当はバレてるのかもしれない
大丈夫です！バレてませんよ！

>>本当はバレてるのかもしれない
>大丈夫です！バレてませんよ！
よかった〜！

実在するセガのマッサージチェアでダメだった

>マッサージチェアにキタちゃんが入ってるオチだと思ったけど違った
俺もこれかと思ったけど流石に変態プレイすぎるか

あるのか…セガえろか？

確かにとりあえず最先端の技術を取り入れるこの危険な感じはセガだが…

いつかどこかでバレるかトレーナーが負けるかすると思うがその日まで耐えてほしい

https://twitter.com/SEGA_OFFICIAL/status/882871182348869633?t=YxUsi0ydVc_yyL5BdgFEsg&s=19

そういや生身の人間が椅子の中に入る話あったな…かなり古い小説だったと思うけど

>そういや生身の人間が椅子の中に入る話あったな…かなり古い小説だったと思うけど
江戸川乱歩の人間椅子は超有名作品だよ！
ちなみにここの怪文書みたいな変態性癖作品だし他の小説もえろいので乱歩はエロ

これキタちゃんのラブコールに勝つ方法あるの？

これ続けるとトレーナーおかしくなるよ

こういう学生らしい微笑ましいアピール好き

本当にマッサージだけなのでしょうか

>こういう学生らしい微笑ましいアピール好き
微笑ましいかなあ…

最高のマッサージされながらキタちゃんに好き好き囁かれて触られ続けるの一歩間違えば特殊なプレイじゃん！

告白はバレてないということになってるからいいけど手に尻尾巻き付けるのはなんかヤバくない？

>最高のマッサージされながらキタちゃんに好き好き囁かれて触られ続けるの一歩間違えば特殊なプレイじゃん！
いやもう特殊なプレイに両足突っ込んでるよ

これだけ連日連夜同じプレイをすると脳に非常に危険な事が起きる
深層心理へのすり込みだ
すり込み現象ではよく鳥類などが例にあげられるが人間も例外ではない
やがてキタちゃんを好きだと思い込んでしまうだろう

寝たふり選択したりキタちゃんに恥かかせたくないから危機的状況でも本気で抵抗しないとか既に手遅れなくらいトレーナーもキタちゃんに惚れてると思うよ
自覚してないだけで

セガはすごいな
20年先取りしてる

いやキタちゃん好きだって認めろよ

トレーナーが困ったとき助けを求めるのはキタちゃんだったよって教えてやりてぇ〜

いけない事に手を染めたなと言う実感がわいたので一念発起して足を洗って出直します！

>やがてキタちゃんを好きだと思い込んでしまうだろう
思い込みじゃないのでセーフ

リフレッシェル逆ぴょいモード起動！

>トレーナーが困ったとき助けを求めるのはキタちゃんだったよって教えてやりてぇ〜
キタちゃんの性格的にコレめちゃくちゃ効くよ

多分ダイヤトレも試乗の際同じように全身マッサージされながらダイヤちゃんに愛を囁かれつつ体を好き放題されてる
もちろん起きてる状況で

ねえそれ本当にアイマスク?それ本当にアイマスク？

キタちゃん軽いからマッサージ中のトレーナーの上に跨がっても多分起きないよ

助けて…このままじゃ俺…キタちゃんのこと好きになっちゃう！

>キタちゃん軽いからマッサージ中のトレーナーの上に跨がっても多分起きないよ
体重：もりもり成長中！

>>キタちゃん軽いからマッサージ中のトレーナーの上に跨がっても多分起きないよ
>体重：もりもり成長中！
トレーナーは起きないよ！

この感じだとキタちゃんは多分狸寝入りに気がついてないけど気がついてても美味しいと思った

上手に騙されてるな…

例え全身拘束されてるとしてもトレーナーが起きてるならキタちゃんはこんなこと言えなさそう
ダイヤちゃんは言う

>上手に騙されてるな…
キタさんにもわかるようになりましたか
この領域の話が

>この感じだとキタちゃんは多分狸寝入りに気がついてないけど気がついてても美味しいと思った
これがダイヤちゃんだったら気付くけど気付かない振りしてコトを進めると思う

>>この感じだとキタちゃんは多分狸寝入りに気がついてないけど気がついてても美味しいと思った
>これがダイヤちゃんだったら気付くけど気付かない振りしてコトを進めると思う
ダイヤちゃんなら起きてるトレーナーに言い続けるかも

ダイヤトレがとろけきってるのってさ

フラワーのトレーナーも試乗させてみよう

しかしねぇ君…トレーナーが担当ウマ娘への恋愛感情を認める訳にはいかないのだから…

>しかしねぇ君…トレーナーが担当ウマ娘への恋愛感情を認める訳にはいかないのだから…
両思いだったら何も問題なくなってしまうからな…

非常時にこんなので騒ぐなんてみっともないし…で対処が遅れることを正常性バイアスという

手遅れですね
お幸せに

あたしが大きくなるまでフリーでいてくださいって願うちょっぴり悪いキタちゃんいいよな

キタちゃんペアはまだ健全の崖にいる
サトちゃんペアはもうおしまい

何がダメってキタちゃんに求められるまま何度もやってしまってるのがダメ

>この感じだとキタちゃんは多分狸寝入りに気がついてないけど気がついてても美味しいと思った
……気づいてませんよ♡

>>この感じだとキタちゃんは多分狸寝入りに気がついてないけど気がついてても美味しいと思った
>……気づいてませんよ♡
ウワーッ！バクシン因子！

キタちゃんはかなり湿っぽいよね…

普通に考えてトレーナーがマッサージチェアで寝てるのに担当が同行する理由が無さすぎるのに警戒しないのが悪い

>何がダメってキタちゃんに求められるまま何度もやってしまってるのがダメ
いつかは本当に恋してしまうかもしれないけどまだ大丈夫だし…

どっちも手を引かれてる…もうおしまいだ…

>>何がダメってキタちゃんに求められるまま何度もやってしまってるのがダメ
>いつかは本当に恋してしまうかもしれないけどまだ大丈夫だし…
まだ完全に恋してない
まだ99%くらいだからセーフ

>あたしが大きくなるまでフリーでいてくださいって願うちょっぴり悪いキタちゃんいいよな
何人もの子を育てたベテラントレーナーみたいな概念はあったはずだから
卒業とかで担当を外れることはあるはずだけどアプリのシナリオでの距離感見てるとこれ別れられんだろっていつも思う

無事発売されたら一台購入してキタちゃんちに置こう
いつでもトレーナーを連れてきて座らせよう

キタちゃんはトレーナーの考えてることなんか知る由ないんだからトレーナーを試乗させたがるのは完全にキタちゃんの趣味なんだよな
若いのに変な性癖に…

いつも自分のために頑張ってくれてる好きな人がぐっすり寝落ちするくらい気持ちよくなってくれる上に寝てる間に告白し放題！

寝てるトレーナーを見るのはキタちゃん好きそうではある

>キタちゃんペアはまだ健全の崖にいる
>サトちゃんペアはもうおしまい
この崖じりじり追い詰められてない？

トレーナーが寝落ちするマッサージチェア

委員長的にはどう？

キタちゃんの方にも影響出てる
トレーナーにねだるようになったし尻尾ハグするようになってる

実に模範的ですね！

>委員長的にはどう？
模範的ですとも！

いや…なんか雰囲気が模範的じゃないな…