二次元裏@ふたば

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115398 B21/12/19(日)00:24:21No.877716402+ 01:24頃消えます
雪曇り こたつの上に 餅一つ

「誰の顔がお餅ですの?」
「餅に誰って指示語を使うのはおかしいんじゃないか?」

ちらちらと窓の外では灰色に白色が舞っていた。
トレーナー室の机をどけ、カーペットを敷いて炬燵で仲良く膝を突き合わせる。
背中側は半纏を纏って完全防備である。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/12/19(日)00:24:48No.877716611+
なぜトレーナー室に炬燵やら半纏やらがあるのか。
それは諸々の原因で校舎の空調システムが全部イカれたためであり、各々トレーナー達が工夫を凝らして寒をしのいでいた。
学園外のカフェなどに避難したもの、自前の防寒器具を持ち込むもの、そんなの関係ないと言わんばかりにトレーニングに打ち込むもの。
俺は二番目で、せっかくというのもあり久しぶりに炬燵を引っ張りだしてきたという訳である。

まさか担当がやってくるとは思っていなかったが。

「炬燵も炬燵でよいものですわね……」
(お嬢様なのに馴染みすぎでは?)
221/12/19(日)00:25:04No.877716728+
「あ、甘酒忘れてた」
「あまざけ!」
「分かった分かった」

用意していたボトルを冷蔵庫から取り出し、渋々給湯室まで出向いて温めなおす。
寒さに身を震わせながら暖かい鍋を抱えて部屋に戻ると、お嬢様はカタツムリのようにキラキラした目を伸ばしていた。

「そんなに甘味に飢えてもないだろうに……」
「それとこれとは別です!」

そそくさと炬燵に入り直し、いつの間にか並んでいたコップにお玉でとろとろのそれを注ぎ込んだ。
321/12/19(日)00:25:22No.877716863+
ゆっくりとしたペースではあったが、何分手が止まらず気が付けば鍋の底が見えていた。

「……満足?」
「えぇ……本当に……」

実に恍惚とした表情でそう答えた。
上気した頬、とろんとした瞳、ゆらりと揺れる耳……
じっと見ているとちょっと自分が駄目そうなので、そそくさと鍋を洗いに行く建前で部屋を抜け出した。


水仕事に赤くなった手をこすりながら再び戻ると、彼女の座す位置が変わっていた。
そこは元々俺が座っていたのだが、まあいいだろう。
421/12/19(日)00:25:45No.877717042+
と、隣の角に座ると

「……んしょ」
「あの、マックイーンさん?」
「……なんですか」

わざわざ抜け出して、俺とぴったりくっついてしな垂れかかって来た。

流石に言わんとすることは分かるが、今無防備にされると非常にしんどい。

「……♡」

……ひょっとして酔ってる?
521/12/19(日)00:26:20No.877717314+
「距離が近くない?」
「今日は冷えますわ」
「ああそう……ほら……」
と自分の半纏を広げて彼女を包み込む。
「……んふ」

ご満悦そうでなにより。
……ああ、本当に何よりだ。
621/12/19(日)00:27:23No.877717789そうだねx6
炬燵と甘酒の話です
色白だと紅潮が映えていいよね
721/12/19(日)00:29:09No.877718782+
ストレートなイチャイチャありがたい…
821/12/19(日)00:31:01No.877719608+
頬に朱が刺すマックちゃんは二日酔いに効く
921/12/19(日)00:33:20No.877720685そうだねx4
いつの時代の儀式だ
ともかくこたつは魔性の領域
1021/12/19(日)00:34:33No.877721264+
わっふる!
1121/12/19(日)00:36:32No.877722100+
「……ねえ、まだ寒い?」
「……ええ」
「もう少し、くっつこうか」

目線を送る。
それに対して、若干不服そうな、期待するような目つきが返ってくる。
そのまま何も言わずに彼女は腰を上げ、俺の脚を跨いだ。

「ちょっと……はい」
「……い、いきますわ」
1221/12/19(日)00:36:47No.877722208+
こちらも準備を終え、直上の彼女の腰を支える。
そのまま、ゆっくりと下ろして……

「んっ……うぅっ……」
「はい、よくできました」

腰を揺らして微調整し、丁度イイ位置に固定する。
腕を前に回してお腹のあたりを固定したら、少しだけ彼女の背に体を預ける。

「暖かい?」
「……っ、えぇ、芯、まで……っ」
「そりゃあ良かった」

じゃあ、このまましばらく過ごそうか。
1321/12/19(日)00:37:01No.877722293+
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「あっ、いたいた!マックイーン!」
「んぐっ!?」
「お……っとぉ。やあ、ライアン」
「あはは……仲良しですね。そんなにひっついちゃって」

突然快活な声が響くやいなや、メジロライアンがトレーナー室の扉を開けた。
それに驚いたのかマックイーンは小さく跳ね、その下のトレーナーも少し悶絶した。
脚でも打ったのだろうか、顔を赤くして卓上に突っ伏して動かない。
1421/12/19(日)00:37:25No.877722476+
「……さ、流石に寒くってね」
「ですよねー。あ、私もご相伴に預かっても?」
「……!?」
「どうぞどうぞ。足がぶつからないようにね」

気前の良い誘いに、遠慮なく炬燵に入り込むライアン。
その対面で、うつぶせた彼女が必死の抗議を目線だったり、腿をつねったりして送っていることには気づかない。

「マックイーン、本当に大丈夫……?」
「いい所打ったからね。しばらく痺れてるんじゃない」
「うわぁ……ご愁傷様」
「ところで、要件があるんだろう?」
1521/12/19(日)00:37:42No.877722589+
炬燵の下。
逃げ場のない熱で蒸しあがった空間で、小さく腰を揺らす。
少しずつ冷たい空気を入れて具合を調整するのだ。

「んっ……!」
「そうそう、Uumaの新作が……って寝ちゃった?」
「Uumaの新作シューズだろう?なんでも軽量化に力を入れたとか」
「そうなんです!あたし、ランニングシューズもうそろそろ替えようと思ってて……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「それで、その時ブライトが頭から……」
1621/12/19(日)00:38:17No.877722816+
「……っ、……ふう」
「?……どうかしましたか」
「いや、さっき甘酒を飲み過ぎてね」
「あー甘酒。言われてみればそんな匂いしますね」

すんすんと鼻を鳴らすライアンをよそに、先ほどまで小さく震えていたマックイーンはぐったりしていた。
熱のせいか息も上がり、火照り切った顔を見せまいと必死に反らすが、トレーナーからは丸見えである。

「マックイーンも沢山飲んでたな」
「甘いものには目が無いですからね」
「もうお腹たぷたぷだろう、ってぐらいにな」
「ははは。体重管理はしっかりしてくださいよ」
「気を付けるよ。お腹がぽっこりしたら困るからね」
「あはははっ!確かに!」
1721/12/19(日)00:38:38No.877722958+
ふと時計を見上げると、想像より時間が過ぎていたようだ。

「あーっ!?もうこんな時間!」
「おや、もう行くのかい?」
「すっかり話しこんじゃった。ありがとうございました。相談、乗ってもらっちゃって……」
「途中からほぼ雑談だったような」
「確かに。あ、マックイーンにもよろしく伝えておいてください。では!」

来た時と同じように、唐突に帰っていく彼女を手だけ振って見送ると、突っ伏す彼女の耳元でつぶやいた。

「だってさ、マックイーン?」
「……こ、このっ!」
1821/12/19(日)00:38:50No.877723032+
勢いよく振り上げられた頭を躱し、もう一回しっかりお腹を奥まで抱き込む。

「んい”っ……!?」
「そんな怒らないでよ。わざわざ席変える方が不自然だろ?」
「っ、ですがぁ……」

「もうちょっと、ゆっくりしよう。ね?」
「……し、仕方ないですわね」

小さく頬に口づけをして、しっかり彼女を抱きしめる。
そのまま時間いっぱい、しっぽり温まった。
1921/12/19(日)00:39:08No.877723141そうだねx12
っていう感じにあったまりたいなって話でした
2021/12/19(日)00:41:12No.877723944そうだねx1
良いものを読ませてもらった
2121/12/19(日)00:41:14No.877723956+
むっ!
2221/12/19(日)00:42:47No.877724608+
そのまま布団でぴょいしろ
2321/12/19(日)00:43:24No.877724853そうだねx3
ライアンの前で必死に耐えてるマックちゃん良い…
2421/12/19(日)00:45:04No.877725454+
かわいい...
2521/12/19(日)00:46:27No.877725959そうだねx2
>「もうお腹たぷたぷだろう、ってぐらいにな」
>「気を付けるよ。お腹がぽっこりしたら困るからね」
こいつ…
2621/12/19(日)00:48:06No.877726530そうだねx4
こいつ甘酒注いでもらったんだ!!
2721/12/19(日)00:49:09No.877726941+
トレーナーの甘酒を飲んだな…
2821/12/19(日)00:50:08No.877727265+
甘酒注ぎながら平然と会話できるトレーナーは強いな…
2921/12/19(日)00:51:12No.877727590+
シてるのか…
3021/12/19(日)00:51:35No.877727697そうだねx1
トレーナーたるもの一心同体を継続させる技術に抜かりはないからな
3121/12/19(日)00:54:30No.877728617+
>>「もうお腹たぷたぷだろう、ってぐらいにな」
>>「気を付けるよ。お腹がぽっこりしたら困るからね」
>こいつ…
担当の体調管理はトレーナーの大事な仕事なので…
3221/12/19(日)00:55:44No.877729072そうだねx7
わっふるわっふるで本当に先があるやつ初めて見た
ありがたい…
3321/12/19(日)00:57:32No.877729639そうだねx2
中学生のお腹をトレーナーの甘酒でタプタプにしちゃ駄目だよ…
3421/12/19(日)01:05:21No.877732098+
>中学生のお腹をトレーナーの甘酒でタプタプにしちゃ駄目だよ…
トレーナーの勝手だろ…
3521/12/19(日)01:06:59No.877732634+
ウワーッ...
3621/12/19(日)01:07:50No.877732944+
らいあんも実は気付いて当てられてたら二度美味しいな…
3721/12/19(日)01:09:16No.877733467+
(あわわわ…マックイーンたち大胆だなぁ…)
3821/12/19(日)01:11:31No.877734201+
>(あわわわ…マックイーンたち大胆だなぁ…)
りゃいあん腹芸できるかなぁ…態度にすぐ出そう
3921/12/19(日)01:18:07No.877736261+
良い一心同体だ…
4021/12/19(日)01:19:19No.877736597そうだねx1
こういう日常生活での一心同体すごく良い…好き…


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