「ふむ、大事な種と仕掛けを教えてもらえるわけだな」
「ええまぁ」
「ふふふ、君のトレーナーから毎日のように種を仕掛けられているのは君なわけだが」
「え゛っ」
急な下ネタ(それも最悪な部類の)に鈍い声が出る。
「おや、そんなに怯えないでくれ。後輩をいじめては私がトレーナーくんに怒られてしまう」
「いや……すみません、経験上女性からのセクハラは大人に訴えてもまともに取り合ってもらえないので普通に怖くて…」
「そういうイケメン女子の生々しいトラウマ話をされると私も困るぞ？」
「困ってるのは私ですけど！？」
「いや、しかしだなフジキセキ、私は“諸”事“情”あってまだ“処女”を捨てられていない訳だが、君はトレーナーとの“性交”を大“成功”させているわけだろう？ 手品の種に託けて種を搾り取る方法を相談しても仕方あるまい？」
「っ、たすけてエアグルーヴ！！！」
下ネタに混ざった詰まらないダジャレが最低さを加速させている。それを微妙に接点があるような無いような先輩から言われているのが死ぬほどキツい。

「そう叫ぶな。なにも私は“私利”私欲のためだけに君の性事情を“知り”たいわけではないぞ？ 寮長である君に“コンドーム”を付けずに性交渉をして“今度生む“と学園を去られても困るのも事実で──」
「わーーーーっ！！ 避妊してます！ ゴムは付けてないけど私がピル飲んでるんで！」
とりあえずダジャレはスルーすることにした。いちいちつっこんでいては会話にならない。
「何？ 君のトレーナーはいつ君が“孕”むか“はらはら”しているようだが──」
「そんなのどこで聞いたんですか！？ ……あの、トレーナーさんにはピル飲んでること言ってないので…………」
「ほう？ それは何故」
「…………私のこと妊娠させようと頑張ってるトレーナーさんが可愛いから……」
こんな状況でも、そう口に出して思い出してしまえば腹の奥が疼くような気がする。
「可愛いんです。誰にでも優しいしちょっと頼りないところがあるトレーナーさんが、煽るとがっついて私のこと孕ませようとしてくるのが」

「むぅ…思わず“握手”を求めたくなるくらい“悪趣”味だな」
（絶対に会長の方が悪趣味だと思う……！）
心の叫びは口に出さなかった。フジキセキは我慢のできるウマ娘だ。自分のトレーナーに関すること以外。
「いやわかった。閑話休題、本筋に戻ろう。トレーナーとの性交を成功させるためにはどうすればいい？」
ダジャレは相変わらずだが、ルドルフの顔は真剣だった。
「……手品の基本は、誘導です」
だから、仕方なしにちゃんと答える。
「サッカートリックと言って『種を見破った』と勘違いさせて本当のトリックから目をそらさせる方法があります。
それと同じで、その……私を犯すことで私がしようとしていることを止められたって錯覚させるんですよ。
別に私だってただの意地悪で彼を煽ってるわけじゃない。一方的に自分がしたがってる状況じゃなくって、相手にもそうしなければならない目標を設定させるんです」
「ふむ……」

しばらく考え込んでいたルドルフがうんと頷く。何かを思いついたようだった。
「感恩報謝、礼を言おう。参考にさせていただくよ」
「はぁ」
ため息とも返事ともつかない声を上げて、フジが立ち上がる。早く解放してほしかった。
ルドルフも、満足したのか特に止める様子はない。
「しかしお互い気をつけようじゃないか。“懐妊”して役職を“解任”となっては元も子もないからな。子づくりだけに！」
「…………」
（もう無視していいかな）
無言で生徒会室を出たフジは、今度会ったらエアグルーヴとブライアンに優しくしようと心に決めたのだった。

フジの怪文書にちょくちょく会長が沸くのが耐えられなかったので書いた
反省して寝る

ついに本文にまでクソジョーク会長が侵食してきてダメだぅた

クソオヤジ会長…

女性同士のセクハラってたしかに対処に困りそうだな…

>女性同士のセクハラってたしかに対処に困りそうだな…
しかも学生同士だと大人もセクハラってことにしていいのか判断に困るだろうからな…

本当に最低だよ会長…

やる気三段階くらい下がってる

誘い受けフジがエッチなのに頭に入ってこない

ひっでぇ会長だ…

解任しろよって書こうと思ったら予測変換で懐妊って出てきてダメだった

懐妊ッ！

懐妊で解任はまあされるが…

悪ふざけはあるけど悪意はないから対処難しそう

ルドルフおじさん化してない？

>ルドルフおじさん化してない？
下ネタにダジャレは付き物だから…

学生を必死に妊娠させようとしてるトレーナーはあかんのでは？

>学生を必死に妊娠させようとしてるトレーナーはあかんのでは？
だって可愛いから…

誰かこのセクハラ親父と化した会長何とかしろよ！