「人多いな」 「そりゃあ日本最大の即売会ですから」 最寄り駅から既に席一杯に人が詰め込まれた電車の中で、俺とデジタルは並んで立って外を見ていた。 世間は冬休みというのもあるだろう。駅に停まるたび人は増えるばかりだ。 「俺が来てもよかったのか?特にそういうイベントとは無縁だったんだが」 「まあ荷物持ち兼ボディーガードというか……そのぉ、私ちょっぴり有名になったじゃないですか」 「ちょっぴり……」 確かに彼女もトゥインクルシリーズに参加してから知名度は飛躍的に伸びた。 芝とダートのG1を走っておいてちょっぴりは謙遜が過ぎる気もするが。 ともかく、彼女自身ウマ娘好きということで今回のイベントにも同類が沢山あつまるのだろう。 当然男性ファンと鉢合わせる可能性は高い。そうなったとき彼女一人では…… 「本当はお休みの日に遠出に付き合わせるのは気が引けるんですけど……」 「気にしないで。その判断は正しいと思うよ」 「そう言ってもらえると……うわぁ!?」 「こっち!」 気が付くと次の停車駅で、そこで乗客が大勢なだれ込んできた。 流されそうになる彼女の手を引いて懐に抱きこむと、その波に押されて壁の方へと追いやられていく。 想像以上の込み具合に言葉も出ない。 「す、すみません……」 「窮屈だけど我慢してね」 はぐれないようにしっかりと小さな体を抱き込んだ。 列車の戸が閉まり、揺れて隣の人と肩が触れた。 (蒸すなぁ……) 夏真っ盛りに加えこの人の密度にすぐ汗が噴き出してくる。 狭いスペースに腕を縫わせてタオルを取り出し首の汗を吸わせる。彼女も暑そうにぐったりしていた。 それでも文句一つ言わないのは彼女の性格か、それとも慣れっこなのか。 また次の駅に停まり、多少人が入れ替わる。 また少し間が詰まって列車は走り出す。 が、 (……最悪だ) 鼻に付く匂いがする。 恐らく目の前の太った男だろう。呼吸をしたくないと思うのは初めてかもしれない。 精神が削れる音を幻聴するくらいにみるみる気が滅入っていく。 風呂にはちゃんと入れ、と喉元まで出かかるのを嫌悪感と一緒に飲み込みながらふと視線を落とした。 目下に涙目になりながら必死に俺のシャツを握りしめるデジタルの姿があった。 (……最っ悪だ) 背後に直接匂いの発生源が居ても、拒絶できずに耐えるしかのだろう。 小さく舌打ちをしながら彼女の肩を掴む。 そのままずりずりと体を回し、彼女を壁の方に押し込んだ。 「……ごめんなさい」 誰にも聞こえないような声で謝罪する頭をぽんと叩きながら首のタオルを口元に引き上げた。 苦痛な時間は長く感じるもので、あと3駅くらいが果てしなく感じる。 スマホを取り出すスペースすら残っておらず、汗が滲みだす中考え事もままならない。 そんな中じっと耐え続ける彼女は、やはりこの状況に慣れているのだろう。 そんな中でふと、手に抑えている薄いシャツの感触に気づいた。 その下にある細い肩が感じられた。 ぴったり密着した状況で、未熟ながらもしっかりある女性的な柔らかさが気になって仕方無くなって、 こう、むくりと、 (もう嫌だ……) 考えないようにすればするほど思考が回って、ジーパンに張って痛み出す。 嫌悪と熱気に揉まれていたさっきの方がはるかにマシに思えるほどの時間が過ぎていく。 俯いていて表情が分からないが、バレていないと楽観できるわけも無かった。 『次は、競技場前。競技場前。お出口は……』 あれから人工の無間地獄から解放され、また人混みの中に放り込まれて、それでも推しの創作に輝く彼女の笑顔を糧になんとかイベントを乗り切った。 と思いきや、不幸に不幸は重なるもので、 「はぁ……はぁ……どうしてこうなるかな……」 「大丈夫ですか?お水飲みます?」 「今は飲む気しないかな……」 「外にいっぱい降ってますもんね……」 帰り際、急な土砂降りに見舞われた。 幸運にも近場のホテルに駆け込むことができたが、次から次に同じ目に合った人たちがロビーにやってくる。 「体も洗いたいしとりあえず部屋取るぞ」 「あっ、お願いします。あたし戦利品の確認してますね」 「シャワー頂きました……って、どうしたんですか」 「……電車止まった」 「えっ」 チェックイン後、先にシャワーを浴びせて天気予報を確認していた。 どうやら未明まで豪雨が続く見通しで、電車は運休、タクシーも道路が冠水して動けないらしい。 「今日はここで立ち往生だ。学園には連絡しといたけど……」 「あわわ……」 「こんなことなら二人分部屋取れば良かった……」 シャワーを借りるだけのつもりで部屋代をケチったのを後悔していると、急に彼女が謝りだした。 「すみません!あたしが無理にトレーナーさんを連れ出したせいで……」 「流石に天災だから……デジタルのせいじゃないから……」 「で、でも……」 「見通しの甘い俺の落ち度だ。こっちこそごめん」 「……うぅ」 ひとまず考えるべきは今夜の越し方だろう。 フロントに追加の部屋を掛け合ってみたが、もう既に満員とのこと。 つまりこのままだと彼女と共に一夜を過ごさねばならず、それは印象的に不味い。 かと言って未だ降り続く豪雨の中、別の宿を探すのは骨が折れる。 「どうするかな……」 「あ、あのっ!」 重なる厄事に頭を悩ませていると、デジタルが声を掛けてきた。 「とりあえずご飯食べませんか!あたしお腹空いちゃいました」 人間とは現金なもので、腹が膨れるとどれだけ絶望的な気分からもある程度解放されるものである。 ホテル併設のレストランでパスタを啜っている内に、まあ何とかなるかと思考が止まってしまったのだった。 満ち足りて部屋に戻り、しょうがないので適当なパズルアプリでも入れようかと思いながらベットに寝そべる。 ごろごろと暇をつぶしていると、反対のベッドでそわそわしている彼女の姿が目に入った。 「どうしたの」 「ほあっ!?ななななんでもないでおじゃる……よ?」 「俺が一緒だと落ち着かない?」 「そ、そんなことは……」 明らかに挙動不審、いや普段からと言えばそうではあるが、やはり大の男と同室では落ち着かないのだろう。 ゆっくり眠れるように配慮したいのは山々だが、自分ではどうすることもできない。 自分の至らなさが招いた状況に心を痛めていると、彼女はこう言った。 「あの、隣、いいですか……?」 よく分からないままベッドに腰掛ける俺。ちょこんと隣に座るデジタル。 色々ありすぎて疲れた頭では真っ赤に震えてる彼女の真意を推し量ることができない。 向こうもじっと黙っているばかりで、時計の針の音だけが部屋に響く。 雨音に耳を澄ませていると、ようやく彼女が口を開いた。 「あ、と、トレーナーさんって……」 「ん?」 「あたしのこと、えぅ……」 歯切れが悪いが、言いにくいことなの──── 「あ、あたしのこと、えっちな目で見てるんですか!」 ────そっと自分の顔を覆った。 「み、見てるんですね……」 「……」 最後の意地で明言だけは避けたが、意味はさして無いだろう。 こんなことで信頼関係にヒビを入れるなら本気で去勢も検討しようか、 などと考えていると、きゅっと腕を掴まれ、言った。 「こ、こういうシチュエーションって本とかでよくあって、でも実際になってみると、なるとは思ってなくって、」 「トレーナーさんのことは、そんなことしないって信じてるんですけど、でも、そうなったらどうしようって」 「でも、変な子だって思われたくなくて、」 「頭が、爆発しそうです……」 「……どうすれば、落ち着きそう?」 「わかんない……です」 大分困ったことになった。 雰囲気に当てられて変な気分になったとはいえ、それに乗じて手を出す訳にもいかない。 かといって放っておいたり、その気持ちを否定すると心の傷になりかねない。 本音を言えば抱きしめたりしたいけれど、今は逆効果な気もする。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~KENZEN どうしたものかと逡巡した結果、適当に言いくるめることにした。 「……それを素直に打ち明けてくれてありがとう。本当は俺がもうちょっとしっかりするべきだったんだけど」 「い、いえ……」 「で、まあ間違っても教え子に手を出すとか色んな意味であり得ないのも分かってるよね」 こくり、と小さくうなづく。 「だからまあ、その気持ちを忘れろとは言えないし、そっと大事にしまっといて欲しい」 「……」 「いつか……まあ成人したらくらい?に、またゆっくり考えて、ほしい、かな。うん」 「はい……」 しどろもどろに適当こいたが、とりあえず彼女は納得してくれたらしい。 いい子だね、と頭を少し撫でると、照れくさそうな、悲しそうな顔で微笑んだ。 まあ、今の妻なんですけどね。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~not KENZEN どうしたものかと逡巡したが、結局理性が限界を迎えた。 そっと彼女の肩を抱き寄せ、唇を重ねる。 びっくりして縮こまるも、舌を絡めていく内に手の中でとろとろと緊張がほぐれていく。 「ぷぁ……っ」 ドロドロの獣欲を口移しで流し込まれた少女は真っ赤に発情しきっていた。 小さな体をしっかりと抱きかかえ、服の下の薄い肉に手を伸ばす。 すべすべとして、押せば確かな柔らかさとすぐ下の筋骨が感じられる。 背中側から柔らかいバンドのようなものを探り当て、それが恐らく下着らしいのを跳ねる耳から察する。 すぐに中に潜り込むのではなく、縁に反ってゆっくりと手を回す。 下着と肉の境目をなぞるとくすぐったさか、それとも恥ずかしさからかよく体が震えた。 布の上からも決して触れず、周囲を撫でまわしてじっくり焦らす。 寄せられた脚が切なそうにもじもじと擦りつけられる。 すっと手を滑り込ませ、ようやく胸に触れる。 指に、うっすら乗った脂肪と、すぐ下の肋骨を感じる。 挟むように揉んだり、輪の淵をなぞったり、とにかくゆっくりと弄ぶ。 関節に張る布地も、抱き寄せる手の中の震えも、ずっと堪能していたい甘美さがあった。 シャツをばんざいで脱がせ、半端に捲ったブラからは小さく赤くぷっくりした実が覗いた。 指の腹で転がすときゅうと鳴きながら連動して強張るのが面白くて、ついついいじりすぎてしまう。 時折唾液を交換しながら耽っていると、すっかり癖になったのか迎え舌でねだってくる。 それに気を良くしてまた唇が重なるのだから、際限が無かった。 流石にジーパンの下で痛む息子に耐えられなくなって、軽い体を抱き上げベッドに寝かせる。 ひらひらのミニの下に手を突っ込み、腰を上げさせながらパンツを脱がせていく光景は背徳感に満ちていた。 恥ずかしいのか顔を覆っているが、隠すべきところはしっかり広がっている。 脚を掴んでじっくり見ると、既に割れ目から滲みだす露が照明を受けて光っていた。 前戯も必要ないくらい準備の出来た性器を解き放ち、同じく準備万端の秘部に擦り付ける。 少し腰を持ち上げて結合部が良く見えるように挿入する。 痛みに体を縮めながらも指の隙間から覗いているのを良いことに、花が散る様子を見せつけるようにゆっくりとねじ込んでいく。 血を滲ませながらも半分くらいを咥えこんだ所で亀頭が一番奥に触れた。 脚を畳み、持ち上がった細い腰を掴んで動かす。 あっ、あっと小さく悲鳴を漏らしながら体が揺れる。 手は頭上のシーツをしっかり握りしめ、視線は結合部に真っすぐ注がれていた。 貪るように反り返っていく胴にうっすらと自分の息子の輪郭が浮かび、それがまた背徳的だ。 薄いくせに一丁前に揺れる胸をつまみながら抽挿を繰り返していた。 せり上がる感覚があったので一旦腰を止め、すっかり蕩けた彼女を起こし、腰を繋げたまま抱き合った。 腰で跳ね上げ、重力で戻ってくるのを繰り返しながら首を傾け、何度目かも忘れたキスを重ねる。 触れてない部分が無いのではないかと思うほど深く交わった。 その後も、せり上がってくるたびに腰を止め体位を変えて楽しんだ。 小ぶりの尻に腰をひたすらに打ち付けた。 大きく開いた脚の間の奥深くまで一物をねじ込んだ。 いっしょに寝そべって乳繰りながら腰を振った。 むらむらと限界を感じて、再び彼女を仰向きに寝かす。 繋がったまま覆いかぶさるとすっぽり体の下に収まるサイズ感はやはり堪らない。 そのまま大きく腰を引き上げ、落とす。 悲鳴じみた嬌声と共にナカが震え、きゅっと竿を締め上げる。 間近で見つめ合いながら彼女の奥深くに打ち込んでいく。 幼い体躯に不釣り合いな剛直が、今やすっかり根元まで埋まってしまうほどに彼女の体は耕されていた。 腰を振るたびに薄い尻が跳ね、催促するかのように左右に震える。 ターフもダートも選ばず蹴る脚は、今は番を逃すまいと捕まえる拘束具になって絡みついている。 耳元でそっと限界を告げ、抽挿のペースを猛然と上げる。 彼女の腰が砕けんばかりに見えるそれをしっかりと全身で受け止め、力を込めて背に手を回す。 甘えるようにまた差し出された舌にむしゃぶりついて、 男の腰が、落ち切って止まった。 小さく跳ねる腰がポンプのように精液を押し出す。 突き立った管がそれを無防備で未熟な胎にとくとくと流し込んでいく。 注ぎ込んでいる間ずっと、二人は息を吐く間も惜しんで舌を絡めあっていた。 ぶるりと震えて最後の一滴まで注ぎ終えた男が体を起こす。 名残惜しそうに腕を伸ばす彼女を振り切って、力の抜けてく竿を抜きとると、収まりきらない分が糸を引いてあふれ出した。 ぐったりと弛緩して股から汁を垂れ流す姿も煽情的で、一仕事終えた一物が再びいきり立つ。 それを口元にもっていくと、何を言われるまでも無く体液でドロドロのそれをためらいなく彼女は頬張った。 表面を舐めとったところで匂いにむせかえり吐き出してしまう。 流石に無理をさせたことを詫びて頭を撫で、抱き合いながらシーツにくるまる。 体の怠さと感じる体温に身を任せて目を閉じた。 「お、おはようございます……」 「あ、ああ、おはよう……」 気まずい。 台風一過のような晴れ空とは裏腹に部屋の空気がとても気まずい。 原因はまあ明白で、未成年の教え子と婚前交渉に及んでしまったことなのは言うまでもない。 「え、えーっと、晴れましたね」 「ああ、いい天気だな」 「……」 「……」 会話が続かず、どうにも微妙な雰囲気にいたたまれない。 気の利いた一言でも言えればいいが、あいにく何も出てこない。 「あ、あの」 「何?」 「これって、いわゆるオフパコなんですかね」 「……かもしれん」 「じゃあ、その、昨日、いや今日?のことは、オフレコってことに……」 「……」 「いやでも、ホテルの人にはバレるのでは?」 「……じゃあ」 「はい」 「結婚を前提に付き合っていたってことにすればセーフなんじゃないか」 「なるほど!」 「ひゃわ」 真っ赤になってひっくり返った彼女をおぶさってチェックアウトをした。 府中に着いたころには起きていたが、立たせてみると 「……」 「わ、わざとじゃな……うひゃぁっ」 「……だめだこりゃ」 生まれたての小鹿のような、というのにぴったりな情けない歩き方しかできなかったので、学園内に怪しまれないために一度自分の家で休ませることにした。 いっぱいやすんだ。