長引いた仕事を終え帰宅するトレーナー。明日は日曜だと自らを励ましつつ、疲れ果てた体を引きずる。自宅のドアを開けると先客がいた。 「トレーナー君、お邪魔しているよ。今日もお疲れ。もうすぐできるから、しっかりと食べて体力を養うと良い」 鼻腔をくすぐるおいしそうな香り。愛バであるビワハヤヒデが台所で料理を作っていた。 『これからも長い付き合いになるかもしれん』 と言ったのは彼女の妹、ナリタブライアン。度々すれ違う事があった二人だが、なるほど姉の事をよく見ていたのだろう。彼女の予想は当たった。……俺はハヤヒデに歩み寄る。 「……ん?トレーナー君、どうし、っん♥」 こうして彼女と恋仲になった以上、ナリタブライアンは義妹になるのだから。 「ふふっ、全く……君は本当に、積極的、だな♥」 ハヤヒデの引き締まったウエストに腕を回しバードキスを繰り返す。せっかくの料理が焦げてしまわない様コンロの火を落としながら。 「こーらっ♥ もうすぐ、料理できるからお行儀よく待って…………えっ?な、んんっ!?」 ハヤヒデに諫められつつ懲りずに体を重ね合わせていると急に困惑し始めた。 「ハヤヒデ……?」 愛バの動揺を感じ取りどうしたのか問おうとした時。完成しつつある料理のものとは異なる、濃厚な甘い香りを鼻が捉え、そして彼女が腕で抑えている胸元が濡れている事に気づいた。 『君がいてくれたからこそ私は勝利の方程式を完成できた。トレーナー君、君が良ければこれからも』 『ハヤヒデ、君が許してくれるならこの方程式が完成した後も、ずっとそのさきも君と共に』 お互いの気持ちを伝えあったあの日。晴れて私たちは恋人関係になった。と言ってもそれまでと急に大きく関係が変わった訳では無い。 彼の仕事が遅くなりそうな時には、貰った合鍵で部屋にお邪魔し夕飯を作り、都合がつけば一緒に食べ、門限までに寮に戻るといったルーティンが組み込まれたくらいか。 何せ彼は私の事を第一に考えてくれるあまり、自分の事を疎かにしてしまいがちだ。ならば、その、こ、恋人として彼を支えるのが私の役割というものだろう。 今日もそのルーティンに則って過ごす、筈だった。 「御馳走様。ありがとうハヤヒデ。とても美味しかったよ」 どこかぎこちないトレーナー君。その原因は私だろう。彼と、その、枕を交わした訳では無いにも関わらず私の胸から先ほど乳汁が出始めた。 『ウマ娘に特異的にみられるホルモンバランスの乱れに伴う一時的な乳汁分泌』 それが私の身に起き、そして優秀なトレーナー君も私の振る舞いから察しがついたのだろう。正直言えば恥ずかしい。ただ、一方で彼の身を案じるならば有用ではないかという考えも生まれた。 正直この時の私は動揺のあまり冷静さを欠いていたと思う。 「トレーナー君、私の胸を吸ってくれないか」 さもなくばあんな提案はしない。 「………………はい?」 わが愛バのとんでもない提案に、間の抜けた返事をしてしまった。 「トレーナー君も予想がついているだろうが、先程私の胸から一時的に母乳が出ている。元来、母乳というのはひ弱な乳児を育てる為のものだ」 「母乳には豊富なアミノ酸やビタミン類が含まれ、エネルギー効率の良い糖質も」 「ごめん、まって、まってくれ」 いつも以上に早口気味の愛バを止める。と言うか冷静な様でいてテンパってるよね?頬が普段より赤みをましてるんだけど?恥ずかしがってるよね?可愛い。 「……君はいつも私を支えてくれる。それは嬉しいんだが、時に疲れをため込んでいないか心配になる。偶然とはいえこうして母乳が出た。ならば、君に飲んでもらいたいと思うんだが、どう、かな?」 顔を赤らめつつ上目遣いで聞いてくる愛バ。 「お願いするよ……」 その魔力にどうして抗えようか。 トレーナーは目を閉じて待つ。 『シュル、ジーっ』 愛バであるビワハヤヒデがスカーフを外しファスナーを下す。トレーナーは配慮として目を閉じているが、それ故に、制服を脱いでいく衣擦れの音が却って生々しく伝わる。 「……トレーナー君、その、失礼する。」 暗闇に満たされたトレーナーをビワハヤヒデの手がそっと誘導する。しなやかな手のひらに包まれつつ、しっとりとして弾力に満ちた肌に顔が押し当てられた。 そして目を閉じているにもかかわらず、その温かな曲面の一部がぷっくりと出っ張っておりそこから蜜が滴っているのが分かる。 「それじゃあ、よろしく頼む。……んっ♥ いいぞ、トレーナー君♥ あぅ、ぐっ♥ んんっ♥」 その頂を口に含みゆっくりと吸う。それに伴いトレーナーの口内に優しい甘みが広がっていく。 「上手だよっ、トレーナー君♥」 ごくごくと喉を鳴らし嚥下していくトレーナー。その様子をビワハヤヒデは優し気な表情で見つめていた。 「良い子だ……♥ んっ、はぁ、はぁ、もう少し強く吸っても大丈夫だよ♥」 優しく頭が撫でられる。愛バから発せられる慈しむ様な声に自ずと思考が蕩けていく。目を閉じたまま、彼女の豊満な乳房を無意識的につかんでしまった。 「んぎぃっ♥ 大丈夫だよ、トレーナー君♥ いなくなったりしないよ♥ ゆっくりお飲み♥」 無配慮に自身の胸を襲う痛み。ビワハヤヒデは、それすらも、母に縋りつく乳飲み子の様な愛おしさへと還元してしまった。 (ハヤヒデ、ハヤヒデ……!!) 「あっ、んんっ♥ ひぅっ♥ ぐっ、ぅあっ♥」 最後の一滴まで吸い取ろうとするかのような力に、ビワハヤヒデは高みへと昇らされていく。 「ト、トレーナー君♥ とれーなー、くんっ♥」 「んあぅっ♥ んんっ♥ あっ♥ あ、んう♥、っんん~~~~~~♥」 「ハヤヒデ……」 強い痙攣の後、ぐだりと弛緩する愛バ。トレーナーはついにその目を開いてしまった。 「とれー、なーくん……♥」 息が荒く紅潮する頬。潤み涙が伝う瞳。力なく開く口からこぼれ出る涎。普段の知的な彼女からは想像すらできない表情。 今まで感触でしかわからなかったその豊満な胸は、実際に目にすると想像以上の大きさと崩れる事のないハリをもち釣り鐘の形を維持している。 色白の肌に鎮座する薄紅色のサクランボからは、吸いきれなかった白亜の蜜が滴り落ちている。 その視覚の暴力にトレーナーの怒張は今にもはちきれんばかりになった。 「トレーナー君……おいでっ♥」 そんなトレーナーの様子を見てビワハヤヒデは優しく微笑み、ショーツをずらし未だ異性を受け入れた事のない秘裂へと招いた。 母乳の効果なのだろうか。二人が眠りについたのはその6時間後だった。 仕事から解放されたトレーナーは疲労困憊になりつつ帰宅する。するとすでに先客がいた。今まで何度も繰り返した光景。しかし今までと違い、 「と、トレーナー君お疲れさま……もうすぐ晩御飯ができるよ」 そこにはエプロンのみ身につけ、力強い走りを実現するトモや子を産むのに適してそうな豊かな臀部を晒す愛バの姿があった。 「すまないが、また胸から出てくるようになってしまったので、あとで『デザート』を……んっ♥トレーナー君♥そんな、いきなりっ♥」 今夜もまた、長くなりそうである。