久しぶりにトレーナー白書より学んだ鋼の意志を思い出し、三人より先に温泉から上がると急いで着替えて部屋へと向かう。
鞄からスマホを取り出し、電話をかける先は同期の友人──キタサンブラックのトレーナーだ。彼も俺と同じ研修を受けていた筈だから、もしかしたらこの現状に何か思う所があるかもしれない。

『はい！　キタサンブラックです！』
「あれ？　キタサン？　あいつは？」
『あ、ダイヤちゃんのトレーナーさんですね！　あの人は今、お父さんと大事なお話中みたいです！』

しかし電話に出たのはキタサンで。どうやら彼は今、手が離せない用事らしい。確かに大事な娘さんを預かっている以上、親御さんへの挨拶は大事だ。

「あ、そうだ」
『どうしました？』

ここで、一つ閃く。何も意見を求める相手はトレーナーでなくとも良いではないか、と。

「キタサン、ちょっといいかな。トレーナーとしての立場から聞きたいことがあるんだけど」
『何ですか？』
「例えば、例えばだけど。担当の子とトレーナーが一緒に温泉に泊まったりするのは」
『アリですね！！！！！！！！！！』

食い気味に答えが返ってきた。しかも力強く圧倒的な声量で。

「そ、そっか……でもさ、例えばだけど混浴とか」
『何も問題はありません！！！！！！』

キン、と耳の穴に響く大声。思わずスマホを取り落としてしまい、通話が切れてしまった。
後で彼女に謝らないとなと思いつつ、耳が落ち着くのを待って次の連絡先に電話を繋げる。
ウマ娘からの声は聞いたので、お次は上の意見を聞いてみよう。

「理事長。担当トレーナーとウマ娘が添い寝したり、一緒に温泉旅行に行ったり、また混浴をしたりとか──」
『不備ッ！　電波の調子が悪いようだ！』

通話は5秒で終了した。

「お兄さん❤︎」
「うわっ！？」

耳元を擽る吐息と鈴を転がすような声。聞き馴染みのある声でも不意打ち気味に、それも耳たぶに息を吹き掛けるように声を掛けられては、背筋を震わせるほかになく。
振り向くと、風呂上がりのダイヤ達がイタズラっぽい笑みを浮かべていた。少し恥ずかしい。

「ダメだよトレーナー。慰安のためにきた温泉だもん。今日くらいはお仕事の事は忘れて……ね❤︎」
「そうですよ。今まで頑張ってきたんですし……今日くらいは、ご褒美だと思わないと❤︎」

前にはダイヤ。右にはファイン。左からはアルダン。三方向から漂う甘い香りに、少しずつ意識が蕩けていくような感覚を覚える。
確かに彼女達の言う通りだ。今日くらいはお堅い事を忘れて、忘れて──いや、ダメだ。流されるな。ここはハッキリと線引きをしないと。
このままでは俺は彼女達との距離感を間違えることになってしまう。
軽く頭を振って意識を保ち、大事な話があると口を開けて──

「ふふ……適切な距離感について、ですか？」

──え？

「ごめんなさい。盗み聞きをするつもりはなかったんですけど……キタちゃんの声、大きいので」
「あ、なるほど……なら」
「お兄さん、適切な距離感って何だと思いますか？」
「それは……指導者と教え子として、レースに支障が出ないように……あ、あと君達の男性観を……」
「それなら、何も問題は無いですよね。URAファイナルズに勝てましたし」

それに、とダイヤは一歩距離を詰めてくる。俺の胸に顔を預けるように寄り添い、胸にピタリと耳を寄せて来る。

「ずっと昔から、お兄さんの事は見てきましたから……私の男性観は、何もおかしな事なありません❤︎」
「そ、そっか……」

確かにダイヤは彼女が小さい頃から付き合いがあった。トレーナーとして彼女の男性観を乱したわけではない。なら、ダイヤに関しては何も問題はないのだろうか？
だが、まだ安心は出来ない。ファインやアルダンと知り合ったのはトレセンに来てからの筈だ。彼女達との適切な距離感はどうなのだろうか。

「トレーナーさん、覚えてるかな？　ずーっと前に、迷子の外国から来たウマ娘を手を引いてあげたことがあるよね？」
「トレーナーさん。身体が弱くて、フラフラになっていたウマ娘を病院までおんぶしてあげたことは覚えていますか？」

ファインが俺の右腕に、アルダンが左腕に絡み付くように抱き着いてくる。彼女の問い掛けへの答えは肯定。勿論覚えている。俺がトレーナーを志したきっかけの一つだ。
あの時の彼女達は元気にしているだろうか。もしデビューしていたらファイン達と同じくらいの──ん？

「もしかして」
「そうだよ、トレーナーさん……いいえ、お兄ちゃん❤︎ あの時からずーっと、待ってたんだ❤︎」
「トレーナーさん……いいえ、お兄様❤︎ ダイヤさんと同じように、私達も幼い頃から縁があったんですよ❤︎ ですから……」
「何もおかしなことなんてないんですよ、お兄さん❤︎」

ああ、成程。つまり──

「俺は、ずっと適切な距離感を保てていたんだな」
「はい❤︎」
「うん❤︎」
「ええ❤︎」

適切な距離感とは人によって異なる。それは当たり前のことだったんだ。何で今まで気が付けなかったんだろう。
今まで散々悩んでいた事がバカらしくなり、力が抜けてしまう。そのせいか寄り掛かってきた三人を支える事が出来ず、背後へと倒れ込んでしまった。

「ごめんなさい、私達のせいで悩んでいたんですね❤︎」
「お詫びと御礼は、たっぷりするからね❤︎」
「ですから……安心して、身を任せてください❤︎」

三人の細い手足が絡み付き、柔らかな肌が重ねられる。ふと一瞬、これは大丈夫なのだろうかと小さな疑問を抱いたが──まあ、この程度なら大丈夫だろう。
サトノダイヤモンド、ファインモーション、メジロアルダンの三人に身を委ね、かけがえのない絆を感じるひとときを過ごした……。

前に投げたやつの続きの続き的な
とりあえずキリの良いところまでオチが着いたのでこれで失礼する

おせいそいいね…

キタちゃん？トレーナーさんとナニやってるの？

当人らからすれば適切なんじゃない？
名家のお嬢様3股だけど

喰われたか...

ねえこれ洗脳エンド…

こいつらうまぴょいしたんだ！

担当ウマ娘と適切な距離感を保てるなら研修で何度も言われないんだよな…

>ねえこれ洗脳エンド…
ついでに買収エンドでもあるが…まあ適切だろう！

当人たちにとってはハッピーだからまあいいか…

このトレーナーはもうダメだ…

こっちはともかくキタちゃんとこのトレーナー生きて帰れるのかな…

>こっちはともかくキタちゃんとこのトレーナー生きて帰れるのかな…
キタちゃんが惚れた男なら悪いようにはしないでしょ…たぶん

>こっちはともかくキタちゃんとこのトレーナー生きて帰れるのかな…
オヤジんとこにいるってことは盃事でしょ？大丈夫でしょ

>このトレーナーはもうダメだ…
黒服さんたちに何も疑問を覚えなかったり突然の海外旅行を普通にこなしちゃったりしてるので
もういずれにせよ彼はダメだったんだ…

助けてエイシン...

会長はトレーナーを売りました

この世界の理事長は扇子の代わりに扇状に広げた札束を扇いでいる

うまぴょいシーンはどこです？？？

>助けてエイシン...
フラッシュは自分のトレーナーと結婚して自分の子どもに惚気てるから……

金の暴力には逆らえないんだ

だって王族と名家と名家だぜ…？

キタちゃんのトレーナーさんは覚悟決まってそうだし漢見せるだろうな…

理事長が権力に負けるなんて...失望しました

理事長は金に負けてるなこれ…

>理事長は金に負けてるなこれ…
でも守る理由も特にないと思う

ここまでされて何も起きないのはEDなのか鋼の意志なのか

>理事長は金に負けてるなこれ…
「心外ッ！　該当ウマ娘とトレーナーに聞き込みを行ったが問題無し！　だが設備の不備にて電波の調子が悪かったのは事実だ！　よって寄付金により設備の増強を行う！」

共有財産で収まったのが奇跡だよ

祝福する黒服の皆様

>共有財産で収まったのが奇跡だよ
熾烈な牽制合戦の果てに和解したのか

>1628524894012.png
3股掛けられててもいいのかお前ら

ファインはまぁ継承順が低いならそれなりに自由なのか...？

>3股掛けられててもいいのかお前ら
誰も悲しまず済んだし…三人にふさわしい男なのは間近で見てよく知ってるし…

>3股掛けられててもいいのかお前ら
当人同士の話し合いはもう済んでるから…

>共有財産で収まったのが奇跡だよ
俺は担当ウマ娘達と適切な距離感を保てている自信がある。少々世間ズレしているお嬢様方達との相手は少し大変で、彼女達の性格からして距離感を謝りそうになる事が稀にある。

「トレーナーさん、実家からお礼をしたいって──」
「そうやってまたお兄さんの部屋を埋めるつもりですか？」
「トレーナーさんの優しさに甘えてはいけませんよ」

だが、一人が間違えそうになっても他の二人が宥めてくれるので何とかバランスを保てている。今回もファインの実家から大仰な返礼品が届きそうになるところを、二人が説得してくれた。
しかしファインの厚意を無碍にはできないので、今度一緒に新しいラーメン屋に二人で行こうと誘った。

「ありがとトレーナーさん！……ふふ」
「お兄さん……私が最初に出会ったのに……」
「トレーナーさん……ファインさんばかり……」

よし、今日も頑張るぞ！

みたいな感じでギスギスルートもあったかもしれない

3股掛けられたというか男側は意識してなくて女同士で牽制しあってただけだからな…

この3人はバチバチやりあっててもトレーナーには気付かれずにやるんだろうなって

トレーナーさんは生贄か稀代の幸せ者か…

まあ当人達がずっと幸せならいいんだろう…

トレーナーのおにんじんは保つんでしょうか…？

>トレーナーのおにんじんは保つんでしょうか…？
いざとなったら金にもの言わせて肉体改造よ

トレーナー、担当、理事長全員が認めてるならもう障害は何もないな

>トレーナーのおにんじんは保つんでしょうか…？
1人が身籠ったら同時にもう2人も妊娠させないと不破が生まれそうだ

トレーナーが七夕の短冊に書いた願いで一致団結したから基本的にみんなお兄さんを困らせたくないんだ
ただちょっと愛が強いからその分適切な距離感も近くなるんだ

気遣いとテクニックでスタミナ尽きる前に三人ともトロトロに出来そうだなコイツ…

なんかこう…
子供の頃弟切草を初めてプレイした時の気持ちが蘇ってきた

>1人が身籠ったら同時にもう2人も妊娠させないと不破が生まれそうだ
サスペンスでこんなの見たことある！

>気遣いとテクニックでスタミナ尽きる前に三人ともトロトロに出来そうだなコイツ…
鋼の意志・スピードスター・先行ためらいを覚えてるから三人相手にしても勝てるんだ

>>気遣いとテクニックでスタミナ尽きる前に三人ともトロトロに出来そうだなコイツ…
>鋼の意志・スピードスター・先行ためらいを覚えてるから三人相手にしても勝てるんだ
鋼の意思が回復スキルなのがそう言う意味に見えて来た

うまぴょいは実際の行為よりも心理的なやり取りが重要だし惚れた弱み全開の三人はよわよわになりそう

名家同士の関係性が良好になるのは経済的にも望ましいな

ウワーッ！！
まさかチーム七夕の続編読めるとはありがたい…！

多分トレーナーを好きすぎてうまぴょいする前に既にちょっと蕩けてる

この三人のトレーナーとの幼少期の出会いが見たい…

>ウワーッ！！
>まさかチーム七夕の続編読めるとはありがたい…！
一昨日の同じ時間帯くらいにこれの一個前のが

画像だとファインがアルダンの裾を引っ張ってるようでなんだか仲良しに見える

常人が嗅いだら卒倒するくらいに濃縮された甘い香りが漂ってそう

>おせいそいいね…
清楚なんだろうか……いやこの子たちが言うなら何の問題もないんだろう

>1人が身籠ったら同時にもう2人も妊娠させないと不破が生まれそうだ
「このたわけが」
「わからんのか」

>「このたわけが」
>「わからんのか」
うお”お”お”お”お”お”

三人ともお腹いっぱいになるぐらい幸せの種をもらえるだろうからな…

>一昨日の同じ時間帯くらいにこれの一個前のが
ありがたい…
詰みだこれ

最近イチオシのトライアングル来たな…
かなり好き

この後他のウマ娘担当することはできるのだろうか

>1人が身籠ったら同時にもう2人も妊娠させないと不破が生まれそうだ
どうしてそんなひどいこと言うの

>この後他のウマ娘担当することはできるのだろうか
速攻で例の邸宅にかんき…定住する事になると思う

１：３トレードならまあ…
学園側はそれ以上もらってるし…

桐生院も手を出せない

最初のキス、最初のセックス、最初の妊娠で分ければいいじゃん
最後のがでかすぎて不公平か？