「ね、カレンちゃん」
こちらを眺めるマヤノは拗ねた顔をしているがそこまで腹を立てているのではないようだ
むしろ疑問の方が先立つ、そんな顔をしているが…
「マヤ達の中で一番今カレンちゃんが怒ってるでしょ」
「え…」
テイオーとネイチャがこちらをみて、うわ…という顔をする
人間自分よりも感情を波立たせる者を見るとかえって冷静になるという
成程自分では気づかないものだ
…つまり、今のカレンはカワイくない
「…ありがと、マヤノ」
とりあえず後で目安箱にでも投書しようと考えてその場を後にする
ダイワスカーレット。我が強く、自信がたっぷりで、負けず嫌い
勿論負けん気の強さはアスリートのウマ娘であれば誰しもが持っている
けれどあの子は自分の感情に素直であり、気性の荒さについて出し惜しみをしない
あれはカワイさに反してると思うけど魅力の一つではあるはずだ

つくづく、彼女と担当トレーナーが一緒でなくて良かったと思う
お兄ちゃんのトレーナー室へと戻ってきた所で何度か深呼吸して顔を揉む
手鏡を取り出すと若干ぎこちない顔でカレンが笑っていた
うん、まあ及第点
これ以上は不自然になるだろうしかえってそれはカワイさを失わせる結果になるだろう
「お兄ちゃん。入るよ」
「あ、やあカレン。スカーレットを追いかけていったから少し心配してたんだ…が」
つかつかとにじり寄り、そして見上げる
「あの、ごめん」
「なーにお兄ちゃん。もしかして本当にカレンが怒るような何か、したの？」
「ああ！いやそうじゃないんだ、勿論
ちょっと身体を触らせて欲しいと言ってた彼女がまさか匂いまで嗅いでくるとは思わなくて
元々彼女のトレーナーからは下手に拒否すると話がこじれるかもしれないとは聞いててな
…だからやましい事は無いよ。決して」
「そんなの分かってるもん」

とはいえ妙に安堵していた。と同時に腹も立っている
抑えたはずの感情がフツフツと煮え立ち登ってくるのが良く分かる
そこはむしろ固くなに抵抗してくれてもいいんじゃないのか？と思ってしまう
「お兄ちゃん。じっとしてて」
「え？あ？カレン？ちょっと…」
普段ならこんな事しない
したいなと思ってても我慢していた事なのに
掛かり気味のウマ娘にアテられてこっちまでおかしくなっちゃってる
「何？お兄ちゃんはスカーレットには好きにさせてカレンがしちゃダメなの？」
ずるい言葉を使ったら途端にお兄ちゃんは抵抗をやめた
ああカワイくない、カワイくない
だけどもう衝動を止められなくてカレンはお兄ちゃんの大きい身体にしがみついていた
「…ん…すぅ…っ」
「カレン。さっきより室温上げたからもしかしたら汗臭いかもしれないんだけど…」
最初鼻腔をくすぐったのはシトラス系の香水の匂い

良くお兄ちゃんが愛用してるジョルジオアルマーニの爽やかな印象を与えてくれる
ウマ娘が好む匂いを配合したトレーナーご用達のやつだ
その奥に隠れた体臭…お兄ちゃんが気にしていた匂いが遅れて鼻を突くと
脳が揺さぶられてひくん、とカレンの身体が揺れた
お兄ちゃんの視線からはおそらく尻尾が動いているのが良く見えてしまうだろう
とろっとした蜜のような感情が思考に垂れ落ちてきてねっとりと支配していく
お兄ちゃんが、カレンの中に入ってくる
心を経由してそれが全身に行き渡る頃には再度深呼吸していた
自然と抱き着いている手に力が籠りじっとりとてのひらに汗が噴き出る
顔をぐりぐりと押し付けるとお兄ちゃんが困惑したようなそぶりを見せたが
知った事ではないし、反応してあげない
今はちょっと邪魔されたくなかった。お兄ちゃんの匂い、お兄ちゃんの匂いだ
カレンの、誰にも上げない。もう嗅がせない。これは渡せない
煮えたった支配欲のまま気づけば上着にしゃぶりついていた

「か、カレン！？」
「ふーっ　ふーっ　ふーっ」
あれ、何してるんだろう。別に味がする訳でもないのに
ちょっとは分かるかもしれない。あー、カレンの唾液でもう染みになってる
…これ邪魔だな、とっちゃおうか
うん、それがいいや。どうせ部屋には二人しかいないし　ボタンを
「…ストップだ、カレン」
「………あれ」
ぐい、と
気づけばカレンのカワイイクラッチはお兄ちゃんの手で切られてしまっていた
恐らくはスカーレットもこれを確かめたかったのだろう
興奮状態に陥ったウマ娘もはねのける事ができる鋼の意思
トレーナーと呼ばれているヒトの膂力、その理性…
「はぁ。ちょっとだけスカーレットのトレーナーの気持ちが分かったな
これ以上は駄目だカレン。自分でも言ってたろ、今はまだ駄目だって」

「…ちょっとだけでいいんだけど、駄目？」
「うっ…」
上目遣いについ懇願してしまうがお兄ちゃんは首を振っていた
カレンの方も実際は遅れてやってきた理性がやっと追いついて
本能の方を一生懸命引っ張って鎮圧ができたのでこれ以上する気はないのだが
「そんな目で見てもダーメ！分かったな！？」
「はぁい…」
やっぱりカレン達には少しずつが向いてるようだった
お兄ちゃん、ちょっとだけ今揺れてたし
あんまり隙を見せられるとこっちだって困るのだ
制御できなくなるから。今カワイイを失う訳にはいかない
階段を片足飛びで登っていたらきっとケガをする
男と女、雄と雌、ウマ娘とトレーナーの関係ってきっとそういうものだから
「なあ、カレン。少しいいか？」
「うん？どうしたのかな？お兄ちゃん」

「これだけ盛大にやってくれたんだ
俺にだって、カレンの匂い少し嗅がせてくれてもバチは当たらないんじゃないか」
「おっ……とぉ…？」

理性にヒビが入る音がした

二次被害が発生している…

おっと〜？

幸せそうだからセーフです

続きもの？

理事長これはどういうことですか！？

２人の理性はもうボロボロ

よし他の三人も上書きしてこい！

>理事長これはどういうことですか！？
当然ッ！マーキングだっ！

同じように女の子の胸に顔を埋めて匂いを嗅ぐのはちょっと絵面的にまずいからお腹くらいにしておこう

>同じように女の子の胸に顔を埋めて匂いを嗅ぐのはちょっと絵面的にまずいからお腹くらいにしておこう
髪の毛とかうなじでもいい

そうよそれでいいの
カワイさなんか捨てて掛かっていくのね

理性にヒビを入れるのはまずいのでは？理事長

アルマーニの香水使ってるの良いな

今トレセン学園は熱狂的掛かりブーム
勃起人はもちろんこのウマ娘ダイワスカーレット

ウワーッ！

トレーナーの逆襲でカレンチャンの理性にヒビを入れるとは

トレーナー理性はどうした

>トレーナー理性はどうした
鋼の意志はもう使用済み

鋼の意志は序盤しか使えないからな…

もうこれ雄と雌の関係一直線じゃない？

本来の匂いで興奮しちゃうの
遺伝子が求めてる実感があっていいよね…

ドミノのように崩壊する理性
砕けた鋼はもう二度と元には戻らないのだ

別にうまぴょいしなければセーフだし…
それはそれとして4年目の夏前にどっちも負けるし…

ウマ娘とトレーナーの関係は３年後以降も続いていくのだ
まあそれはそれとして卒業後はうまぴょいしてもかまわんのだろう？

これダスカのやってること普通に処罰モノでは…

ところでマヤノテイオーネイチャはどうなったんです？

こうして引き分け延長戦を繰り返して産まれたのがカレンモエ、貴女よ

カレンチャンとこのうまぴょいって我慢した分絶対上品に済まないよね…
22時くらいから始めたのに空が白むまでドロドロになるまでうまぴょいしてそうだよね…

>これダスカのやってること普通に処罰モノでは…
きっちり怒られたわよ
やっぱり同世代の子は余裕がないわね
次は上の世代のトレーナーを確かめに行くわ
行った

>こうして引き分け延長戦を繰り返して産まれたのがカレンモエ、貴女よ
なんで今そんなこと話すのママ…

>きっちり怒られたわよ
>やっぱり同世代の子は余裕がないわね
>次は上の世代のトレーナーを確かめに行くわ
>行った
ウワーッ！お前が一番余裕ないだろ！

>やがて廊下の先でトウカイテイオーとナイスネイチャ
>そしてマヤノとも合流する。皆顔つきが険しい
測定するとテイオーが0.7Nでネイチャは2.5Nか……
マヤは落ち着いてるようだが計器では1.4Nとは……ウマ娘湿度災害警報が出るレベルだな
（通常時のナイスネイチャの湿度を1.0N（ネイチャ）とし計器は瞬間最大湿度を表示）

お兄ちゃんに匂い嗅がれてかかるカレンチャンか…

お兄ちゃんはかかっちゃったカレンチャンを嗅いじゃうんだよな
その後は手をボタンにかけちゃうし柔肌に熱いものをかけちゃうし

ブラの内側と下乳って女の子の体臭がいちばんわかる場所なんだってね

やめろ！！お兄ちゃんがクリスマスデート勃起しながら全力でベッドインまでプランニングしてたとかそんなことあるわけないだろ！！！

このダスカまさか自分が担当に手を出すことが許される空気を学園中に広めるつもりじゃ…

数年間で熟成されたカレンチャンの情念がお兄ちゃんに襲いかかる…

>数年間で熟成されたお兄ちゃんの情念がカレンチャンに襲いかかる…

>このダスカまさか自分が担当に手を出すことが許される空気を学園中に広めるつもりじゃ…
まぁ力尽くで挑めばどうなるかも学園中に広めてるからそこまで酷いことにはならないだろう多分

臭いを嗅ぐだけで済むんですかね

ストップだと言えばいつでも止められると勘違いしたお兄ちゃんは半歩だけ踏み込んでしまった
おしまい

自分から迫ることが無理なことをダスカが証明し
誘い込めば向こうから迫ってくれることをカレンチャンが証明した

これは匂いを嗅いでるときについ当たっちゃってるだけだから…

>やめろ！！お兄ちゃんがクリスマスデート勃起しながら全力でベッドインまでプランニングしてたとかそんなことあるわけないだろ！！！
俺カレンチャントレーナーの机の引き出しだけどクリスマス前に硬いナニかが体に当たってたよ

>カレンチャンとこのうまぴょいって我慢した分絶対上品に済まないよね…
>22時くらいから始めたのに空が白むまでドロドロになるまでうまぴょいしてそうだよね…
お互い歯形や爪痕でぼろぼろになってそう
翌日乳首痛いし首は痒いしお腹じんじんするカレンチャンみたい

上で被害に遭ってたウマ娘以外でかかりそうなの誰だ…？

まあそもそもカレンチャンとお兄ちゃんの関係がだいぶ特殊例って言うのもあるからな！！！

明確に担当のことそういう目で見てるの珍しいよねカレトレ

匂いだけでここまで蕩けるならもっと強烈な刺激が加わったらどうなるんだろうな…

→とか⇄は意外といるけど⇔はマジで他にいないからな…

互いに駆け引きし合ってるのこの二人だけだしな…

駆け引きっていうか綱引きですよね

相性の良い異性の匂いはめちゃくちゃ馨しい匂いと認識するらしいしこの二人ともなればヤバいだろうな…

見てくれよこのバレンタイン！！！！

>駆け引きっていうか綱引きですよね
お互いがお互いを引っ張り合うことでかろうじて均衡を保ってる感はすごいある

お兄ちゃんもカレンチャンも三年間で理性削りあってもう我慢できるわけないからな…

学生出産は不味いですよ！

すんでの所で友達と行っておいで…する程度の理性は残ってる

カレンチャンを押しとどめているのは自分からガツガツ行って押し倒すのはカワイクないからっていう
自らのスタンスに対するプライドだけだよ

お姉ちゃんだと4年目のクリスマスまで我慢出来る代わりに精神ダメージが3割増くらいでかかってそう

来年のクリスマスまで覚えてろよ絶対にブチ犯してやるからな

お兄ちゃんが用意してくれた0.01mmの理性はすぐに使い終わってしまった
どんなものにも限りはあり、有限である
だからこれは今まで溜め込んで来たものをお互いに消費する行為に他ならない
ぬっと糸を引いて抜けていく先を見る限りまだまだお兄ちゃんは元気なようで
これが一朝一夜では済まないのだという事を嫌でも理解してしまう
何しろ数年間の間蓄積したものだ、堆積したものだ
それが堰をきったようにお互い溢れて決壊したようなものなのだから仕方が無いだろう
むしろこの程度で済んでいると考えればまだお互いに自制ができているのではないのだろうか
「いいよ」
それだけ呟いた
それで十分だった
お兄ちゃんが覆いかぶさって来てまたカレンの頭がぐちゃぐちゃになる
身体がぐちゃぐちゃになる、おまたが、口の中が、身体の内側がぐちゃぐちゃになって
終わる頃には使用済みの理性がベッドのあちこちとカレンのお腹の上に散乱していて
記念に残しておきたいというリクエストに応えてカワイくないピースをしていた

お姉ちゃんの場合はノンケから倫理観価値観に至るまですべてを破壊されるからな…

ダスカが居場所失ってない？

あいつ

あいつ

最低だよお兄ちゃん…

どう見積もっても17くらいなんだって！

ウッ！ちんちんから理性が出るッ！

はーーーー？一向に本人とそのご家族公認ですがーーーーーー？

学生妊娠はさすがにまずいのでは無いですか学園首脳陣

理性とか罪悪感とか達成感とか色々なものが混ざったものが身体から出てくの気持ちいいんだろうなお兄ちゃん

>どう見積もっても17くらいなんだって！
ウマ娘世界は小学校卒業年齢が18歳とかかもしれないだろ
可能性は無限大だ

本ぴょいは許されても産駒受胎はまずいって！

キングママはどう思う？

📱勝てば官軍よ

こうして生まれたのが貴女よカレンモエ

そもそもこんなことしてもお咎め無しなら学園そのものが狂ってるわけだから
トレーナーも思う存分狂っても問題がないのではないだろうか？

そんなんだから娘がグレるんだぞグッバイヘイロー！

理性壊れかけた時に底力発動するのがお兄ちゃんだから掛かりかけたら自分の手にナイフ突き立ててでも耐えるだろうな…

>こうして生まれたのが貴女よカレンモエ
……ってことを昨日言われたの
私どうすればいいのかなブーケドールちゃん…

📱は娘には理解されない厳しいツンデレしといて本人は学生時代に大恋愛して妊娠からのレース勝利してセカンドキャリアすら成功させてる剛の者だからな…

>私どうすればいいのかなブーケドールちゃん…
私を
巻き込むな

キング並みに不器用な性格しておいて学生時代にお父様捕まえて生ぴょいまでやってるからなお母様…

だって卒業後かURA制覇後に産駒受胎してそうな子多いもんこの学園…

ウワーッ！ウワーッ！ウワーッ！

>理性とか罪悪感とか達成感とか色々なものが混ざったものが身体から出てくの気持ちいいんだろうなお兄ちゃん
絶対後悔するんだろうなあとは思うけど
多分めっちゃきもちいいと思う

>キング並みに不器用な性格しておいて学生時代にお父様捕まえて生ぴょいまでやってるからなお母様…
お父様の口説きテクが凄いんだろうか

キングに輪をかけて不器用でツンデレだけど愛情深くてお料理下手なポンコツ美人ウマ娘
どうです？

一流のスカウト並みかそれ以上のプロポーズとかしたんだろうなお父様…

お父様のテクは凄そうだな…

>だって卒業後かURA制覇後に産駒受胎してそうな子多いもんこの学園…
それはただの妄想と幻覚だ

お父さまはどちらかと言うと許容範囲と包容力がズバ抜けてあるタイプなんじゃないかな…

ブルボンパパみたいに食われた男は少なくないんだろうな…

>>だって卒業後かURA制覇後に産駒受胎してそうな子多いもんこの学園…
>それはただの妄想と幻覚だ
妄想と幻覚の塊のここでそれ言う？

料理どころか裁縫もヘタクソだから娘の勝負服作れなかったぞお母さま

デザイナーが裁縫できるなどというナイーブな考えは捨てろ

仲のいい親戚かご近所さんレベルの関係なのにちょくちょく引き合いに出されたりのろけ相談されて毎回頭に血管浮いてるブーケドールちゃん…