残念なことにウェディングドレスを着る機会はなく、スーツなどを着て配膳やカップルさんの案内や演出のお手伝いがほとんどでしたが、ウマ娘と男の人のカップルさんの仲睦まじい姿や綺麗な大人の女性のドレス姿を見てドキドキしたりと、いつか私にもあんな日が来るのかなと想像してしまったりして、すぐに時間は過ぎていきました。

「いやぁー、バクシンしましたね！ みなさん満足されてお帰りになられたようで何よりです！」

そうして最後のカップルさんの披露宴体験も終わり、迎えに来たトレーナーさん達と共に折角だからと、フェアで出店していたドレスコーナーへと脚を運んでいた時でした。ブルボンさんのトレーナーさんはドレスとブルボンさんを交互に見てうっと目頭を押さえています。

「そうですね。色んな披露宴が見れて将来のお勉強になったような、えへへ…バクシンオーさん？」

ふとバクシンオーさんの脚が止まって、ガラスケースの中のウェディングドレスを見ていました。それは桜色の美しい生地が目を奪う、シンプルだけどそれが何よりも美しいドレスで思わず私もため息をはきました。

バクシンオーさんにはそれがその目にどのように映ったのでしょうか、普段なら大声で綺麗ですねー！とシンプルに褒めそうな彼女が、ただ一言も喋らずにただ瞳をドレスを見つめています。しかしその下にある「オーダーメイドの為完成予想品、売約済み」という札を見て、目を伏せました。

「ややっ！ 凄いですねこのドレス、翼付きです！ もしや飛べるのでしょうか！」

そして、何事もないようにまたいつものような笑顔を私に向けたのでした。ちなみに飛べません、飛べませんからブルボンさん、可変機構の翼付きドレスがないか店員さんに聞かないでください。困ってます。
仕方ないですが、それでも残念そうな目を隠しきれてないバクシンオーさんに少し心が痛んでいると、ふとバクシンオーさんのトレーナーさんが何処にもいないことに気が付きました。
バクシンオーさんのトレーナーさんはまさしくロボットが人の皮を被っているのじゃないかと思うぐらいに、無口で無表情で十文字以上は喋らないような人で、今日も「迎えに来た」以外の言葉を聞いていません。バクシンオーさんも今日の事を話したいでしょうに、何処行ったんだろう。そう考えていると。

「バババクシーン…ババクシーン…ババクシン、ババクシン、ババクシン、ババクシン…」

この世全ての結婚行進曲を台無しにしたような声と共に、私たちの前にヴェールを被って聖書をもったスーツ姿の男の人が現れました。もう一度言います、花嫁のヴェールを被ってるのに聖書を持ったスーツ姿の男の人が現れました。
その人は大体バクシンオーさんのトレーナーさんぐらいの背丈で、迎えに来た時と一緒のスーツを着ていて、一緒の腕時計をして、靴まで一緒です。まるでトレーナーさんです、確実にトレーナーさんです！

「あっ、貴方は…！」

バクシンオーさんが目をまん丸としてトレーナーさんを見つめます。それはそうでしょう、いきなり自分のトレーナーさんが神父か新郎か分からない格好してきたのですから、新婦は絶対あり得ません。

「バクシンの神！ バクシン・シーン様ッ！」

全っっっっっっっ然違いました。というか何ですかひと様の教会に入ってもいいんですかバクシンの神。

「貴方は何方かというと白無垢派だったはず！」

初めて知りましたその設定。和風が好みなんですか。

「おぉ、バクシンオーよ…このごろ着ている人が幸せそうならどっちでもいいなと思い始めたのだ…」

ついにただの感想言い始めましたこの人。

「な、なるほどっ！ 流石バクシン・シーン様ッ！ 寛大なお心ッ！」

「おぉ、バクシンオー…私の可愛いバクシンオー。悩んでいるのだね？ あのドレス綺麗だったな、でも先に買われてしまっていたな、披露宴で桜餅ってアリなのかな…」

「そ、そうなのです！ 流石バクシン・シーン様！ あれはまさしく運命の出会い、まるで私の為に神様が用意したかのような、そんなドレスだったのです！ 正にバクシン的ウェディングドレス！ 着る人が羨ましいッ！」
それでは普通にレースの勝負服になっちゃいませんか。でもやっぱりバクシンオーさんも女の子、あのウェディングドレスに一目惚れして模範的委員長として声には出さなかったものの喉から手が出るほど欲しかったようです。それが何だか微笑ましく思えました。
店員の恐怖の表情とこの場の雰囲気は全くもって微笑ましくはありませんでしたが。

「おぉバクシンオーそれでも欲しいと声に出さないその心構え、流石は超驀進星の元に生まれた全人類を導く模範的奇跡の子…いい子すぎる…。だが本当に神様が用意したと言ったらどうする？」

「んん？ それは一体どういう事でしょう？」

バクシンオーさんが頭の上にクエスチョンマークを浮かべていると、バクシン・シーン様もといトレーナーさんは横の店員さんへヴェール越しに顔を向けました。
店員さんはさっきまで人だったものが化け物になったのを目撃した人のような真っ青な顔つきで、先ほどのドレスのガラスの前に立つと、震える手で「ご予約、サクラバクシンオー様」と書かれた紙をそっと張りつけました。

「ちょわ…あ…え…」

バクシンオー様が、目をまん丸くさせながら紙と神を交互に見つめて、ブルボンさんのほっぺをそっと抓りました。「いひゃいです」という声で夢じゃないと分かったのか、またガラスケースの中のウェディングドレスをうっとりと見つめます。爆発するかと思ってとっさに身構えていた私のトレーナーさんはこの世の不思議を見たかのように固まっています。

「バクシン・シーン様…これは…本当に…？」

「ふふふ…これはどんな人助けも率先してやっているバクシンオーになんというか、こう、うん、ほら、あれ、バクシンの神々が与えたご褒美みたいなアレだ…いつの日でもいいから暇ができたら採寸に行ってらっしゃい…いい人ができたら、見せてあげるんだよ…」

途中めっちゃ恥ずかしがってどもりましたねトレーナーさん。プレゼントとはっきり言えない不器用さがハッキリ出ていました。あとバク神父ってなんですか。

「バクシン・シーン様！ 私、私は…」

「ふふ…礼は不要…その時になったらバク神父となってそれを聞くのでな…では、バクシンオー私はいつでも見守っているぞ…。あっ、いい人ができたら必ずトレーナーに合わせなさいね…」

そう言いながら、トレーナーさんはすっとどこかに歩いて行きました。店員さんはもう汗だくで震えていますし、ブルボンさんはほっぺを手ですりすりしています。
その中でバクシンオーさんは、彼を見送るとまたウェディングドレスを見つめていました。次はうっとりではなくなんだか、決意めいた表情をしています。

でたなバクシンシーン

暫くしてバクシンオーのトレーナーさんはいつも通りに帰ってきました。店員さんはもう過呼吸寸前です、完全にトラウマになっています。
「あっ！ トレーナーさん！ 見てください、このバクシン的に素敵なドレスを！ なんとバクシン・シーン様が私に！」

「そうか」

「トレーナーさんにもいつか近くで見せてあげて差し上げます！ 楽しみにしてくださいッ！」

「あぁ」

今だ青ざめている店員さんから資料を受け取ったバクシンオーさんの揺れる尻尾を見て、ほんの数ミリトレーナーさんは口角を上げるとそのまま「車」とだけいって歩いて行きました。

「絶対に見せてあげますからね」ふと私の耳にバクシンオーさんの呟きが聞こえてきました「一番近い、隣で…」

そのバクシンオーさんの眼はウェディングドレスを見た時よりも数倍、蕩けたような目で、私はただ何も言い出せずにドレスを見るふりをしながら高鳴る心臓を押えるしかありませんでした。
あぁお父さんお母さん、私はまだまだ結婚式には遠そうです…。

神様久しぶりに見た

>こんにちはニシノフラワーです。今日はサクラバクシンオーさんとミホノブルボンとでなんと結婚式場にやってきていました。
この三人娘は！

素晴らしいバクシンオーの怪文書を見たので…こちらも特急で書かねば…不作法というもの…

>バク神父
これ言いたかっただけだろ！

バクシン・シーン様久々に見た

不審者極まりないけどバクシン・シーン様はやっぱり最高だぜ！

バクシン・シーン様気が利いているけどクソボケでは？

>ブルボンさんのトレーナーさんはドレスとブルボンさんを交互に見てうっと目頭を押さえています。
お父さんじゃないんだから…

>ブルボンさんのほっぺをそっと抓りました。「いひゃいです」
かわいい

なんも関係ない一般店員さんを変わったイチャイチャに巻き込むな

>「一番近い、隣で…」
決心したバクシンオーは強い

>バクシン・シーン様気が利いているけどクソボケでは？
なのでこうして一番近くでウェディングドレスを見せるんですよ

初めて生で見た
バクシンシーン怪文書めっちゃ好きなのよね
無口なトレーナーも解ってるバクちゃんも
あと狂言回しのニシノさんと賑やかしのブルボンかわいいよね

>ブルボンさんのほっぺをそっと抓りました。「いひゃいです」
どうして……

このトレーナー気分はお父さんだから始末に負えない

フラワーさんがバクシン・シーン様に慣れすぎてバク神父に先読みしてツッコミを…

>こんにちはニシノフラワーです。
バクシンの神の出だし久々に見た

フラワーさんはバクシン係もされているのですか…？

>こんにちはニシノフラワーです。
この時点で察した

バクシンシーン様もブルボントレーナーもお父さん気分だな
ブルボンはまぁ仕方ないけど…

>フラワーさんがバクシン・シーン様に慣れすぎてバク神父に先読みしてツッコミを…
順調に思考バクシン化してるな

バクシンシーン様が降臨された。明日もバクシン日和となるだろうな

>フラワーさんはバクシン係もされているのですか…？
サポカのイベでバクシン係してるよ

>次はうっとりではなくなんだか、決意めいた表情をしています。
この委員長覚悟決めてない？恋愛の方の

バクシン・シーン様バクちゃんが自分に惚れてるって知ったときどんな顔するんだろう…

>バクシンシーン様もブルボントレーナーもお父さん気分だな
>ブルボンはまぁ仕方ないけど…
このブルボンは本当にただ純粋に可愛いからな…

>フラワーさんがバクシン・シーン様に慣れすぎてバク神父に先読みしてツッコミを…
しまった…コピペミスだ…バクシンの神よお許しを…

こうしてニシノさんはまた一つ大人になる…

大丈夫？その階段バクシンに続いてない？

急に暑くなってバテそうな頃合いにバクシンシーン様ありがたい…

いや別の委員長怪文書投下からこの短時間でここまで書き上げる方に驚くよ！

> 「バババクシーン…ババクシーン…ババクシン、ババクシン、ババクシン、ババクシン…」
脳内再生が容易すぎてだめだった

筆が早すぎる…

>こうしてニシノさんはまた一つ大人になる…
なれてるかなぁ？これ大人になれてるかなぁ？！

>>次はうっとりではなくなんだか、決意めいた表情をしています。
>この委員長覚悟決めてない？恋愛の方の
両親のGOサインも出てるし…

バクトレは真面目にやっているんだーっ！
それが問題？そうだね…

こんなトレーナーいたら掛かり気味になるよ…

バクシン・シーン様…年頃の娘に花束とか指輪はギリギリ言い訳効くけどドレスはもうだめですよ

ちゃんといい人が出来たらトレーナーに紹介してねって言ってるし…

>なんも関係ない一般店員さんを変わったイチャイチャに巻き込むな
分かりましたニシノンノーン様お願いします

>バクシン・シーン様…年頃の娘に花束とか指輪はギリギリ言い訳効くけどドレスはもうだめですよ
なぁにただちょっとお前を嫁にもらうって宣言しただけだ

大丈夫？そろそろこのトレーナー襲われない？

>なぁにただちょっとお前を嫁にもらうって宣言しただけだ
………………理事長！

生でバクシン・シーン様見れてめっちゃ嬉しい
自分から人生の墓場に入っていくとは流石バクシン・シーン様だ…

>分かりましたニシノンノーン様お願いします
ええっ！？
そ、その……いきなり言われても……
>ニニニシノーン…ニニシノーン…ニニシノン、ニニシノン、ニニシノン、ニニシノン…
誰か助けて……

>>なぁにただちょっとお前を嫁にもらうって宣言しただけだ
>………………理事長！
祝福ッ！会場の手配がまだなら学園の敷地を使ってもいいぞ！

……（違っ…これはただ普段から頑張っているいい子のバクシンオーにバクシンの神から授けものがあっただけで…）

ブルボンウェディングドレスはガウォーク形態にはならないんだフルバースト状態にもならないんだ

シーン様は本人が無自覚の相当なクソボケだからな…

>No.826013893
しかしマスター！婚姻の際にはエンゲージリングの代わりに専用のロボットを贈った殿方もいると読みました！

ってことがあったんですけどスカイさんとトレーナーさんは進展ありましたか？

>ってことがあったんですけどスカイさんとトレーナーさんは進展ありましたか？
……うん、正直コレの前じゃ何言っても霞むかな……

ブルボンはザクレロがすき…

濃い経験をしすぎてる…

本人がクソ不器用だから極端なことしかしねぇ！
それが委員長の可愛い人メーターをさらにバクシンさせる！

委員長はとってもかしこい

まぁドレス代は親族が出すこともあると聞いたこともあるようなないような気がするし
バクシンシーン様も他意はないんだろうきっと多分

バクシンシーン様の委員長はちゃんと頭がいいからこのトレーナーにそういうつもりがないことは分かってるよ
分かってる上で必ず落とす決意を固めているよ

普段は無口だけど自分が落ち込んでる時や願望を抱いている時バレバレの仮装をして現れて自分を励ましてくれるトレーナーさん…どうです？

本人はいつも頑張ってるバクシンオーにサプライズプレゼント！喜んでくれるかな！ぐらいの気持ちだろうな…

可愛いヒト…

>普段は無口だけど自分が落ち込んでる時や願望を抱いている時バレバレの仮装をして現れて自分を励ましてくれるトレーナーさん…どうです？
可愛い人…

お婿さんにしないと…

>本人はいつも頑張ってるバクシンオーにサプライズプレゼント！喜んでくれるかな！ぐらいの気持ちだろうな…
変装も完璧でまったくバレてないからな…

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

浮ついた恋から覚悟した愛になりましたねこれは

>本人はいつも頑張ってるバクシンオーにサプライズプレゼント！喜んでくれるかな！ぐらいの気持ちだろうな…
ウェディングドレスはやりすぎだと思うんだ…うん…

>こんにちはニシノフラワーです。
この入りで例の神様だとわかるので嬉しい

ブルボンが幼女くらいの憧れでウィングドウェディングドレス着る自分を夢みてるとほほえましい
そしてなんの疑いもなく横にマスターを立たせているといい

>普段は無口だけど自分が落ち込んでる時や願望を抱いている時バレバレの仮装をして現れて自分を励ましてくれるトレーナーさん…どうです？
逆ぴょいですね

今回はブルボンボーンは居ないのね

>普段は無口だけど自分が落ち込んでる時や願望を抱いている時バレバレの仮装をして現れて自分を励ましてくれるトレーナーさん…どうです？
必ず、幸せになりますからね。

来るか…ブルボン・ボーンとニシノン・ノーンの外伝！

>>本人はいつも頑張ってるバクシンオーにサプライズプレゼント！喜んでくれるかな！ぐらいの気持ちだろうな…
>ウェディングドレスはやりすぎだと思うんだ…うん…
不器用の極みみたいな奴だからな…

バクシン彼氏を見定めるつもり満々で可愛い可愛いバクシンを送り出すつもり満々なバクシントレーナーさんには参るね…

一目惚れするぐらいのデザインをなにも聞かずに先回りしてオーダーメイドしてくれてるのは運命感じちゃうよね
バクシンシーン様からは親愛の情しかないけど

>ブルボンが幼女くらいの憧れでウィングドウェディングドレス着る自分を夢みてるとほほえましい
>そしてなんの疑いもなく横にマスターを立たせているといい
ああ！エスコートは任せてくれ！

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

ｳｯ!

すばらしい…

ウワーッ

ウワ

完璧が来たな…

>>そしてなんの疑いもなく横にマスターを立たせているといい
>ああ！エスコートは任せてくれ！
どいつもこいつもクソボケ！

神様が私に与えてくれたのはウェディングドレスじゃなくて不器用なあの人でした…

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温泉の度にイラスト描いてそうな目のバクシンだ

（すごい…大人だ…！）

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>1626885290455.png
ウワーッ！ 素晴らしすぎる…

素敵な人を見つけました！！この人です！！！ｶﾞｼ
と数年後トレーナーを捕まえるバクシンオー

（ああ…いつかバクシンオーもこんな綺麗な姿になるんだな…父親とともにヴァージンロードを歩む後ろ姿が目に浮かぶよ…できるなら俺も是非参列したいが…）

告白する時のバクシンオーはバクシンシーン状態のトレーナーを貫通してきそう

まあ私はなんでも似合ってしまうのですが！

>告白する時のバクシンオーはバクシンシーン状態のトレーナーを貫通してきそう
最終回来たな…

>普段は無口だけど自分が落ち込んでる時や願望を抱いている時バレバレの仮装をして現れて自分を励ましてくれるトレーナーさん…どうです？
私は子供は3人欲しいんですけどトレーナーさんはどう思いますか！！！

>1626885290455.png
😇

ブルボントレーナーも親の心境になってない？

ブルボンボーンもクソボケの傾向にある…

ブルボンがそんな感情をトレーナーに向けるわけないだろ！