そんな噂の張本人は、どうやら自分が世話をしているサイレンススズカ似のたぬきを、このグラウンドで走らせていたようだ
そして今は走っていたその子を呼び戻して、何かをしているっぽい

「…うーん…？」
たぬき先輩…一応私の方が後輩だからそう呼んでいる…
…で、そのたぬき先輩としゃがんだトレーナーの隣には何かがあった
気になってグラウンドに近づいてみると…

「…こんにちは？」
「ひゃっ！？こ、こんにちはっ！」
近づいた先にあった樹木には先客が居たのだ
木陰で座っている彼女は…たぬきではない…本物のサイレンススズカさんだ
まさかこんなところで有名人に出会うとは…！

体の向きからして、どうやら彼女もグラウンドを眺めていたようだ

ちょうど立ち会えたわ

そんなスズカさんは、近づいた私に挨拶をすると、（多分）再び顔をグラウンドへ向けた
彼女はたぬきの面倒もよく見ていると聞く
自分にそっくりのたぬき先輩の事が気になるのだろうか…？

私も再び、あの変人トレーナーの方に視線を移す
近づいてわかったのは、隣に置いてあるのは変な金具類
その金具の一つをたぬき先輩に背負わせている様子だった

「いったい何を…」
思わずそう呟くと
「フォーム矯正みたい」
回答をくれたのは足元のスズカさんだった

「姿勢をいつもより低くして走る練習をしているのね」
「姿勢を低く…？」

もう1回トレーナーとたぬき先輩の方を見てみる
…なるほど、背負わせているその金具は、強制的に前かがみになるような矯正器具の役割をしていた

「あの子の体の小ささは…武器にもなると言ってたから…」
スズカさんはそう切り出し、あの人たちがやっているトレーニングの効果を教えてくれた

1、とても速く小さく軽い分、風圧等には弱いはず…だから抵抗を減らす走法を身に付ければ、安定性が上がる
2、有利なはずのスリップストリームが下部だけ発生と言う、後続が走りづらい状況を与えられる
3、逃げの話だけではなく、もしバ群に呑まれても、周りの影響を受けづらい分起死回生のチャンスが増える
他にも細々とした説明もあったが…どれもこれもあの子に向いたスキルが身に付きそうな話だった

「そしてそれを説明しなくてもおチビちゃんにわかるよう、あの道具をわざわざ作ってあげたのね」
「…あくまで、たぬき先輩本人は走っているだけ…ですものね」
「あの金具、どれも角度が違うみたいなの…どれがあの子に向いているのか、本人に確認してもらっているんでしょうね」
「……体で感じ…覚えさせる…か」

私があの人に指導してもらった時も、とにかく速く走れるための下地作りだった
その下地も自主トレ中心の本人任せという…自由だからこそ逆に過酷な内容でもあった
あの元となったのは、やはりたぬき先輩のトレーニングからの経験だったのだろう

「おチビちゃんの方もあの人を信用しているのね…でないと道具なんて付けさせてもらえないわ」
…そうだ…スズカさん似のたぬきは人の言うことなど聞かない

先ほどの金具を付けて走っていたたぬき先輩が、トレーナーに呼ばれて再び戻ってくる
そして金具を外し…そのまま走って行った

「…矯正は終わったのでしょうか」
「みたいね…ほら」
矯正器具を外されたたぬき先輩は再びグラウンドを走り出す

あの子とは一度レースで走った事がある…確かにあの時より低い姿勢だ

「あのトレーナーさんに付き合ったら、もっと速くなれると言う事を感じているのでしょうね」
矯正器具を使ったからと言って、それを外した後も走り方に反映させるかはたぬき先輩の気分次第のはずだ
なのに今、固定されてないはずの姿勢を低くしている
人の言う事は聞かなくても、速く走る方法は理解したのだ…走るのが大好きと言う本能で…

『走れっ！チビ！』

「え…」
その声が聞こえたと同時に、私の体は動かなくなった
固唾を呑んだまま呼吸器官は止まり、驚きで見開いた眼はそのまま瞬きを忘れる

…忘れなどしない…たぬき先輩の本能の赴くままのわがままな走り方…
最適化されたフォームは、その自由で異次元な世界を丸ごと加速させていく

「……あんなに…速く…」

『よーし！チビ！戻れ！』
目論み通りと言った感じなのだろう、上機嫌な声で再びトレーナーはたぬき先輩を呼ぶ

……だが
『…戻っ……どこ行くの！？』
『〜♪』

どうやらたぬき先輩はいつもより速くなったのが嬉しいらしく、
そのままグラウンドを飛び出して行った…え…今壁を走って登ったような…
トレーナーは慌てて金具類を纏めると、たぬき先輩の後を追うように走って行く
『待っ…待ってー！！』
…あれはたぬき先輩が満足するまで帰ってこないんだろうな

結局あの人達はどこまでも締まらない
私とスズカさん以外にもギャラリーは居たのだが、いつものオチだと言う感じで皆笑っている

…そう…皆

「さてと、私もトレーニングに戻らなくちゃ」
そう言って、スズカさんが立ち上がる
ようやくほぼ同じ高さになった顔を近くで見る事ができた
テレビでもよく見たその美しい顔は…

「それじゃお先に……どうかした？」
「いえ…その…笑顔が素敵だなって…」
「？そ、そう？ありがと…」
彼女は私に一礼するとそのまま歩き出す

スズカさんの綺麗な微笑み…でも、その笑顔は皆とは違う…
他者の走りを見た…強く、気高い…本物のウマ娘の…

「あ…でも…」
歩いていたスズカさんが足を止めると、少しだけ顔をこちらに向けた

「笑顔なら…あなたも素敵よ？」
「…っ」
思わず自分の頬を触る
……あぁ…私も笑えていたんだ…スズカさんの様に

「ありがとうございますっ」
去って行くスズカさんに頭を下げ、礼を言う
そして再び、あのひょうきんな二人の方を振り返る…もうあんなに遠くまで行ってるんだ…
「…次は負けません…先輩っ！」

『だれかぁ〜っ！…ぜぇっぜぇっ…そのたぬき止めてぇ〜！！』
『〜♪』

スズカから自分そっくりなたぬきへの思いが行間からにじみ出てるような気がした

>え…今壁を走って登ったような…
もう何でもありだなこいつ……

>もう何でもありだなこいつ……
コイツ室内なら普通に天井も走れるんだ

笑顔とはってシグルイの例のフレーズのやつなんだろうな

真っ当にかっこいいたぬきの怪文書とは…

リアルタイムで出会えた
このシリーズ好き

勝ちたいと言う本能からによる笑顔なんだろう
モブ後輩ちゃんもまたその本能があったと

このトレーナーの育成論スズキ向けにチューニングされきってない…？

そっくりな相手をザワつかせる程度には異次元の走りしてるたぬき
トレーナーは野外で羞恥プレイさせたり緊縛SMプレイさせたりするド変態野郎だけど…

スズカもスズカで絶対者感があってかっこいいな

スズキシズカ

今回は珍しくメジロが絡まなかったな…

日々トレーニングしたりマッサージ受けたり時々美味しいもの食べたりスズキは充実してるな…

これ2つ目？

ネームドだし強者の立ち位置だろうねスズカ
モブ娘も強くなる素質がありそうなのがいい

>これ2つ目？
モブウマ娘視点と言うのならたぶん二つ目

ソニックみたいな事できるのがスズキ…

スズカたぬきの走り見て闘志燃やせるのは成長したなモブちゃん…

>モブウマ娘視点と言うのならたぶん二つ目
トレーナー視点のしか見てないわ…ログ見てくるサンキュー

ちゃんと世話もしてるしトレーナーとしての腕も高い
なのに噂の内容はどれも酷いことに

だいたい芦毛のウマ娘のせいなのでは…

相手が悪いよ相手がー
ところで外野から見たチビはどんな見た目なんだろうね？
スレ画なのか普通のウマ娘頭身なのかはたまた女児くらいなのか

ですが

私には

一心同体の

かっこいい

旦那様がいますわ

メジロシティに帰れや！

やはりメジロは強い…

無敵構文やめーや

>だから実はあの人の「人となり」と言うのも知っている…噂の内容は否定しないけど
待ってくれ噂の内容が心配だ！

日々マッサージと称してうまぴょい
ロープで縛り上げて宙に上がるようなハードなプレイ
メジロ一心同体温泉旅行

>ところで外野から見たチビはどんな見た目なんだろうね？
>スレ画なのか普通のウマ娘頭身なのかはたまた女児くらいなのか
今までに描かれた落書きのせいで2〜3歳児くらいのイメージが…アカン！

チビ喋らないからわからないけどめっちゃ懐いてるからな…

何がアカン？

>ところで外野から見たチビはどんな見た目なんだろうね？
見る人によって変わるもんだよ
メタい事言えば細々とした設定なんて無いからその場のノリが大切

膝の上に乗っけてるやつ好き

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

たぬきの概念が壊れる

足元だけ気流ができるとかスズキを追う先行にはきついだろうな

一応チビにもゲートが意味あるっぽいので幼稚園児ぐらいはある…はず
あくまでこの世界観のなかでだが

角度が違う金具をいくつも用意してさらに速く走れる手助けをするとか理想のトレーナーすぎません？

でも本人としては普通のかわいいウマ娘の指導をしてあわよくばぴょいしたいトレーナー

>1625594577146.png
足元でチョロチョロ走られてかき乱されるのは相手するときつそうだ

本人はスズキ走らせて楽して評価ゲットだぜグヘヘ…って認識なんだが
の割にはウマ娘の子担当しても怖くなって必死に伝で新しい担当探して上げたり
今回みたいなガチトレーニングさせたりして普通に頑張ってるし才能あるのがトレーナーだ

バ群に飲まれるとどうにもならないから
逃げじゃないと成り立たないんだよな

走るのが好きで差し辺りが得意な重量感のあるたぬきが待たれる

ふつうのウマ娘を勝たせてもいるから普通に才能もあるぞ！

熱々のハンバーグ食べさせてる時はネタ抜きでｷﾃﾙ…ってなりましたわ

ナイス一心同体ですわ

このトレーナーは喋らないスズキをある程度従えてはいるから
正真正銘のトレーナーだな…

この怪文書群に限らずスズキたぬきはたぬきの癖に走りがやベーって言う認識なの好き

実力が無ければスズキも従いません
今以上に好き勝手に走ります

>この怪文書群に限らずスズキたぬきはたぬきの癖に走りがやベーって言う認識なの好き
大体動画のせい

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

カートを操るたぬきを周回遅れにする位速いからな…

>1625595818092.png
これが自由な走り・・・！

さすがに妨害一発アウトだよぉ！！

スズキぐるぐる脚なのカワイイから好き

シックスセンスのヒントLvが1あがった
先手必勝のヒントLvが1あがった
脱出術のヒントLvが1あがった
逃亡者のヒントLvが3あがった

ふざけた姿のふざけた速さのふざけた生き物
ウマ娘がいる世界で言えた義理じゃないが

そもそもウマ娘事態が物理に喧嘩売ってる存在だからな…

パタリロのゴキブリ走法とかも出来そう

モブロック無視とか強すぎる…

なんかたぬきからすねこすりみたいになったな…

スズキの個体が何体いるのかとか
それこそスレによってバラバラなんだけども
このスズキとそのトレーナーのいろんな日常が見れて俺は幸せ

もしかしたらターボたぬきもシコめば走れるのでは…？

>なんかたぬきからすねこすりみたいになったな…
トレーナー「そもそもたぬきってなんだよ…」

深夜の静かな空気にたぬき怪文書が効く

ガチでたぬきトレーニングしてるとは

ここ最近の毎朝の楽しみになってるわ...

文書は勿論のことハンバーグを食べさせてた時の絵が素晴らしかった…

それはそれとして首輪付きハーネス

あの絵保存しそびれたんだよな
素敵な絵だった

>あの絵保存しそびれたんだよな
>素敵な絵だった
ションボリ怪文書のタグでログあったよ

>>あの絵保存しそびれたんだよな
>>素敵な絵だった
>ションボリ怪文書のタグでログあったよ
見つけたわ
ありがとう

あのタグなぜかスズキの一番最初の奴には無いんだよな

いいものを読んだし見た
ありがとう…

ファンアートだと最初の靴を履かせる奴も良かったな

今回芦毛のウマ娘さん出てないのか珍しい

ウマ娘として出走登録できるのかな…

>ウマ娘として出走登録できるのかな…
トレーナーが必死で頼み込んだんじゃないっけ
いざとなったらメジロパワー

このトレーナー最初の怪文書で
スズキがレースに出られるよう頼み回って
スズキに合う蹄鉄を特注して
怪我しないようにマッサージするぐらいしかしてないって言ってたからな
…しか？