二次元裏@ふたば

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176613 B21/06/30(水)23:35:43No.818771006そうだねx6 00:36頃消えます
ウマ娘とは適切な距離感を保つ事が大事だ、トレーナーさん達は教わるそうだ。
何を当たり前のことを、と思ったがどうやら担当ウマ娘との距離感を誤り寿退職するトレーナーさんがそこそこいるらしい。
私達思春期のウマ娘達に理解を示し、トレーナーさん達が入れ込み過ぎて気が付いたら両想いになっていた、という事だとか。
両想いならまあいいのでは、とは思うものの確かに私達ウマ娘の人生の道を早期に狭めてしまうのは良くないこと…なのかもしれない。
―だが私の人生観は、すでに粉々に砕かれていた。
走る、疾く走る。私の大好きな事を、彼もまた大好きだった。それだけではない。
人間はウマ娘に勝てない?嘘でしょう?だって彼は私より速い。少なくとも今は。
今日も彼と並走し、彼に負かされ、彼から学ぶ。それでいい。少なくとも彼の次に私は速い。
「風力、温度、湿度、一気に確認。」
ターフで指を一本天に向け、トレーナーさんはそんな事を言う。
片手にストップウォッチ、もう片手に持ったサングラスを目元へ運び、こちらへ振り返る。
「ハッハッハ!さあ行くぞ!スズヤ!」
「スズカです…」
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/06/30(水)23:36:35No.818771327そうだねx16
鴨葱を考えてたら兄貴がかっ飛んできた
現場からは以上です
221/06/30(水)23:37:12No.818771549そうだねx11
兄貴ならしょうがない
321/06/30(水)23:37:57No.818771841+
ウワーッ!偶に妄想してたクロスの怪文書が来てるーっ!
421/06/30(水)23:38:44No.818772144+
なんかこのトレーナーちょくちょく見かけるな・・・
521/06/30(水)23:39:42No.818772503+
嗚呼…また世界を縮めてしまった…!
621/06/30(水)23:42:13No.818773349+
兄貴がいれば脚が壊れない世界線になりそう
721/06/30(水)23:43:07No.818773658+
ロストグラウンドのあるウマ娘世界…なんかすげえことになってそうだ
821/06/30(水)23:44:16No.818774109+
ウマ娘がアルター発現したらもうどうしようも無くなりそうだな…
921/06/30(水)23:46:04No.818774805+
トレーナーが速すぎる…
1021/06/30(水)23:46:45No.818775035そうだねx1
理事長みたいな口調の人がいる!
1121/06/30(水)23:47:18No.818775258そうだねx4
秋天の時にサイレンススズカって呼びそう
1221/06/30(水)23:49:02No.818775873+
スズカさんはよくクロスオーバーしてる気がする…
この前は白昼の残月と並走してたし
1321/06/30(水)23:49:28No.818776007+
グラスやゴルシが薙刀や錨を無から取り出せるのはアルター能力だった...?
1421/06/30(水)23:51:00No.818776492+
レース終わったらレース場が見るも無残な有様になってるんだ…
1521/06/30(水)23:51:20No.818776609+
こくなったらDTBのハンバーガーさんも並走させたい
1621/06/30(水)23:54:46No.818777730+
その発想は無かったが思いついたことに敬意を評したい
ピッタリだなこの二人
1721/06/30(水)23:58:08No.818778831そうだねx4
彼とのトレーニングはいつもシンプルだった。ただ走る。一緒に走る。
そして周回遅れにされる度に並走しながら走法についてのアドバイスが一言。
周りからはあんなのトレーニングじゃないなんて声もあったが、私は楽しかった。
そしてデビューしてから各地のレースに彼と一緒に向かうとき、彼はとても楽しそうにしていた。
「スズヤ、俺はこう思ってるんだ。レースは素晴らしいものだと。各地のレース場にある名産!建築物!
 応援してくれる人々との触れ合い!新しい体験が人生の経験になり得難い知識へと昇華するっ!
 しかし目的地までの移動時間は正直面倒だ、その行程がこの俺なら破壊的なまでに短縮できる!」
「駄目です。ちゃんと電車で行きましょう。」
「…体調でも悪いのか?スズヤ。」
「…スズカですっ!」
トレセン学園付近で捕まえられないスピード違反者の噂を聞いていたたので、私は念の為釘を差すのを忘れないようにだけはしている。
1821/07/01(木)00:00:28No.818779678+
まああんなブガッティシロンも真っ青な車で公道走ったらな…
1921/07/01(木)00:01:39No.818780145+
真夜中にマルゼンさんのタッくんと車モードのラディカルゴッドスピードで勝負してそう…
2021/07/01(木)00:26:28No.818788203+
>各地のレース場にある名産!建築物!
新潟のことか…
新潟のことかーーーーっ!!!
2121/07/01(木)00:32:29No.818790317+
先頭は譲らない。彼一人を除いては。だがいつかは彼の先の景色が見たい。
彼に勝ちたい。その一心でレースは1位を取り続け、次のレースまでの間彼に挑み続ける日々。
ひた走り、デビューから1年が過ぎ、2年目の春も終え、秋も間もなく終わる。
11月、天皇賞(秋)。1番人気に推された私はいつもどおり先頭を駆け続ける。
大逃げなんて言われても実感が沸かない。だからインタビューの受け答えもいつも曖昧になってしまう。
逃げじゃないんだ。私は追っているんだ。私より遥かに先にいる彼の影を探しているんだ。
芝を踏み潰して後ろへ蹴飛ばす。もっと早く、もっと強く。聞こえない彼の足音を探して。
第4コーナーが見えてきた。もうすごこのレースも終わる。次のレースは何だっただろうか。
それよりも彼に勝ちたい。だからもっと早く。
違和感。今踏み出したのは右足か…左足か。私の速さに歪みが生じ、振る腕に狂いが生じた。
2221/07/01(木)00:33:00No.818790485+
次の瞬間、私は彼の腕の中にいた。遅れて生じる爆音のような足音と烈風。
「無事か!スズカ!」
「…スズカです」
「合ってるだろう?ハッハッハ!さあ!医務室いにくぞ!」
遅れて生じる観客のどよめきをせせら笑い、彼は私を抱き上げてターフから連れ出してくれた。
結果、私のケガは左足首の軽い捻挫のようなものだった。しかし、ウマ娘の全力疾走が足に掛ける負担は尋常ではない。
もしあと一歩左足で走っていたら、二度と走れなかったかもしれないと言われ、私は青ざめた。
トレーナーさんのところには理事長さんが来て、お叱りを受けていた。
「危険ッ!レース中のターフに飛び込むなど自殺行為ッ!」
「ハッハッハ!また世界を縮めてしまいましたなぁ!」
「全く、レース場は大わらわだぞ!」


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