ですが、バクシンオーさんと中距離、長距離路線に変更してからの成績と、URA側がもう一度バクシンオーさんようなウマ娘を、と影を見ているのもあって今度こそは断る彼を無理やりでも短距離を担当させようとしている。という噂もあるのです。
そして今日トレーナーさんが理事長さんから呼び出されて、帰ってくる予定の時間も大幅に遅れているので、担当が外れるんじゃないかとバクシンオーさんは心配なのでした。もっともあそこまで無口な人がバクシンオーさん以外の人とコミュニケーションが取れるのか疑問な所がありますが。

「バクシンオーさん、大丈夫ですよ！ きっとトレーナーさんはいつもと変わらずバクシンオーさんの担当のままです！」

「……えっ？ 申し訳ございません！ 私としたことがボーっとしていました！ そうですね、きっと大丈夫です！ 大丈夫…」

バクシンオーさんはひとしきり笑顔でそう言いましたが、また花壇を見下ろすと静かにプチプチと雑草をバクシンとは言えない速さで千切っていました。ブルボンさんも心配そうに見つめながらホトケノザの蜜をチューっと吸って、やめなさいとエアグルーヴさんに怒られました。早くトレーナーさんの報告が望まれます、このままではバクシンオーさんが可哀そうです。

「おぉ、バクシンオーよ…」

その時でした、がさりと足音と共にトレーナーさんの声が聞こえたのでみんなで振り返ってみると、そこには穴をあけた土のう袋を鎧みたいに装着し、へのへのもへじがかかれた袋を頭にかぶった男の人が立っていました。
もう一度言います、穴をあけた土のう袋を鎧みたいに装着したへのへのもへじが顔の男性が立っていました。それは大体トレーナーさんぐらいの背丈で、トレーナーさんの靴で、ちらりちらりと袋の隙間からトレーナーさんのスーツが見えていて、トレーナーさんの腕時計も見えています。まるでトレーナーさんです、確実にトレーナーさんです！ それをみたエアグルーヴさんは尻尾と耳を逆立てたまま固まってしまいました。

「あ、あなたは…！」

それを見たバクシンオーさんが驚愕の顔と共に雑草を引きちぎりました。それはそうでしょう、担当契約がどうなるかわからないトレーナーさんが一見下手なカカシみたいなことになって帰ってきたんですから。あっ、ブルボンさんが新シリーズのおもちゃを見たような目でトレーナーさんを見ています。

「バクシンの神！ バクシン・シーン様ッ！」

全っっっっっっ然違いました。何ですかバクシン・シーン様って、これはもうカカシです、カカシの神でもなくもうカカシです。

「貴方様は昆虫類などが天敵だったはずッ！」

初めて知りましたその設定。

「バクシンの力を込めて虫よけスプレーを振ってきたから何も心配はない…虫一匹近寄らないから安心せよ…」

「な、なるほど…っ！ 流石バクシン・シーン様ッ！」

バクシン・シーン様！？

それはもうバクシンの力じゃなくて虫よけスプレーの力じゃないんでしょうか。あ、エアグルーヴさんが虫どころじゃなく恐怖してます、理解できないものを見たような顔です。同感です。

「おぉ、バクシンオー…私の可愛いバクシンオー悩みがあるのだね…？ トレーナーが自分の元を去るのではないか、他のウマ娘も担当することになるんじゃないか、隣の畑の人参食べられるのかな…」

「そ、そうです！ そうなのです！ トレーナーさんは私を育ててくれたお方！ 様々なウマ娘さんを立派に育て上げることができるでしょう。ですからふと思ってしまうのです、私はあの人を縛ってしまっているのではないかと！ 私という檻に閉じ込めてしまってバクシンする場を奪ってしまっているのではないかと！」

それはバクシンオーさんの心の吐露でした。バクシンオーさんはトレーナーさんと離れるのが心配なのではなく、本当は色んなウマ娘を育てたいという彼を邪魔してしまっているのではないかと悩んでいたのです。バクシンオーさんはいつもバクシンですが本来はかなり優しくて繊細なウマ娘さんなんです、そう言った心配しても不思議ではありません。

バクシン・シーン様弱点多いな…

「あぁ、なんと優しいのだバクシンオー…流石は超驀進星に生まれた全生物を次のステップに導く、光る驀進の子…だが、心配しなくてよい…あのトレーナーはバクシンオー以外に興味などないのだから…」

「えっ？」

そういってトレーナーさんはバクシンオーさんに近づくとそっとその髪にポケットの中から出した一輪の花を挿しました。急に動いたのでエアグルーヴさんが恐怖して尻もちをついています。

「だってそうだろう？ バクシンオーより速い子なんていない、皆、君が進んだ道を目標とする、誰もが君が勝ったレースを走ろうとする、最早君に勝つには短距離では距離が足りない。そんな君の隣を歩けるのがどんなに幸運だったか、幸運か。あのトレーナーは世界一の幸バクシン者だ、他の者に現を抜かす暇なんてないし、まだまだ驀進すべき目標もある、無理やり別の子をやれなんて言われたらトレーナーなんかやめてやるって断固大声でバクシン抗議する。それに、はは、優しい君以外誰があんな奴と仲良く会話できる？ だろ？」

「……はい、はいっ！ そうですよね、私たちのバクシンはまだまだ始まったばかりなのですから！ 少しでも考えた私がノットバクシンでした！ お許しを！」

ぱあっと周りの花のようにバクシンオーさんの笑顔が咲きました。不器用ながら真摯な言葉にバクシンオーさんも悩みが解けたようでした。まぁこちらは恐怖と困惑で固まっているのですが、はたから見れば動くへのへのもへじですし。ブルボンさん、そのミミズは土の中に返してあげてください、これ以上エアグルーヴさんにストレスを与えると気絶しちゃいます。

「うむ、いい笑顔だバクシンオーよ…私もトレーナーもその笑顔がないとどうにも落ち着くことができないのだから…それはそれとしてトレーナーさんのいうことは聞きましょうね、あと今日は暑いから水をちゃんと飲むこと、花の蜜は吸っちゃだめだからね……私はいつまでも見守るぞ……」

この書き出しは！！

幸バクシン者

その言葉にまたホトケノザを摘もうとしたブルボンさんがびくっとして、それにトレーナーさんも驚いてびくっとした後、そのまままたどこかに姿を消していました。エアグルーヴさんはそれまでずっと顔を青くしています、トラウマにならないと良いんですが。

「さてと！ 雑草を取りませんと！ バクシンバクシーン！」

バクシンオーさんはというとすっかり元気を取り戻したみたいで、またバクシンバクシンと機械もかくやという速さで自分の周りを抜かれた雑草まみれにしていきます。
やっとエアグルーヴさんが落ち着きを取り戻したころ、変装を取っ払ったトレーナーさんが差し入れ、とだけ言って袋にジュースを入れてやってきました。それを見てまたエアグルーヴさんは顔を青くします、私も初めて見た時はあんな感じだったんでしょうか。すっかり慣れてきてしまっている私の感性を返して欲しいです。

「あ、トレーナーさん！ どうでしたか、お話は！」

「断った」

「なるほど、ではまだまだ私とバクシンできるのですね！ はっはっはー、ずっと私と一緒にいられるとはトレーナーさんはなんと幸運なヒトでしょうか！」

「あぁ」

そういってバクシンオーさんが私達にジュースを配る間、静かに周りの散らばった雑草をトレーナーさんは集め始めました。

「ずっとずっと」その背中を見ながらふとバクシンオーさんが髪にさした華を撫でながら、普段のバクシンオーさんとは思えないぐらい深く、熱い吐息を混じりの笑顔を見せているのに私は気づきました。「ずぅっと、一緒ですからね」

その笑顔は何だか私が呼んだ本の中では言い表せないもので、私は熱中症でもないのになんだかくらくらとするのを感じてしまいました。お父さん、お母さん、まだまだ私は大人には程遠いようです…。

>あっ、ブルボンさんが新シリーズのおもちゃを見たような目でトレーナーさんを見ています。
書き出しの時点で俺だってこうなった

バクシン・シーン様は脳に効く…

しっとり…

バクシンオーが悲しんでいた怪文書を見てしまったので超特急で書きました
バクシンオーには一つ悲しめば二つ笑ってもらいたいのだ

>バクシンオーが悲しんでいた怪文書を見てしまったので超特急で書きました
ありがたい…

つまりバクシンオーを曇らせるとバクシン・シーン様が降臨する？…

今回はトレーナーさんかなり押せ押せだな…

バクシン・シーン様、不器用過ぎて他のウマ娘を担当できるかと言うと……
いやマジで有能なんだけど色々明後日過ぎるから

>「おぉ、バクシンオー…私の可愛いバクシンオー悩みがあるのだね…？ トレーナーが自分の元を去るのではないか、他のウマ娘も担当することになるんじゃないか、隣の畑の人参食べられるのかな…」
毎回このバクシン・シーン様が言い当てる悩みに凄くどうでもいいのが混じってるのが好き

>つまりバクシンオーを曇らせるとバクシン・シーン様が降臨する？…
💡

>つまりバクシンオーを曇らせるとバクシン・シーン様が降臨する？…
バクシン・シーン様が曇らせ好きみないな言い方やめろ

>つまりバクシンオーを曇らせるとバクシン・シーン様が降臨する？…
💡

>つまりバクシンオーを曇らせるとバクシン・シーン様が降臨する？…
八百屋お七の論法やめろ

やってることは奇行そのものなのに委員長のメンタルケアはちゃんとしてるんだよなバクシン・シーン様…

閃くな閃くな

いつもながら背景のブルボンが幼くて可愛い

>初めて知りましたその設定。
ここすき
毎話バクシントレのことを一つ知ってしまう…

やめろ三女神ども！なにを思いついたんだよ！

バクシン曇らせ怪文書はバクシン・シーン様降臨の儀だった・・・？

>いつもながら背景のブルボンが幼くて可愛い
多分ミミズはつまむんじゃなく
潰さないギリギリで握ってると思う

相変わらずブルボンボーンはようじょだな…
ブルボントレは大丈夫？仮装大会期待されてない？

>毎回このバクシン・シーン様が言い当てる悩みに凄くどうでもいいのが混じってるのが好き
だいたい最後のやつは食べ物がらみのお悩みなんだよね
委員長はさぁ…

これがエアグルーヴだったから顔を青くしただけで済んだけど、
もしこれがメジロドーベルだったらどうなったんだろう

今回のバクシン・シーン様饒舌な上にキザだな…

(マスターといいながらズタ袋を持ってくるブルボン)

バクシン・シーン様、有名かと思ったらエアグルーヴさんが直接見たことない程度にはレアリティは高かったんだな…
しかしニシノさん、着々と大人の階段を登ってしまっている…

>(マスターといいながらズタ袋を持ってくるブルボン)
俺誘拐されるのかな…

ここのバクちゃんは自分だけじゃなくトレーナーさんやファンのことも心悩ませててやさしい子だなってなる

出てくるたびに弱点が生えてくるなバクシン・シーン

これ登ってるかなぁ大人の階段？！

エアグルーヴにカウンセリングが必要

ああ見えて女帝結構ビビりだからな

女帝の夢枕に恐怖のカカシ男が立つんだ…

>バクシン・シーン様、有名かと思ったらエアグルーヴさんが直接見たことない程度にはレアリティは高かったんだな…
設定では「他のトレーナーには見えない」と言ってるくらいなので、そこまで人前に出てこない筈

前にグラスがゲストで来た時のヘタクソ口笛とか
とにかく周囲が優しいバクシンシーン様

まぁ心の安らぎである花の世話してるときにいきなりカカシめいたやつがやってきたら大体の人間は固まるだろうな…

食堂のど真ん中に現れてた気もする

エアグルーヴのやる気が下がった

エアグルーヴは奇人変人に絡まれるのが似合うな…

委員長はそばかすの子をライブで送り届けてる最中に泣き出しそうになるくらい本当は弱き者でいい子だから…

こうでもしないと2行以上会話できないとかマジ不器用でカッコいい男だよバクシントレは

基本悩みには程遠いバクシンオーが悩んだ時にしか出てこないからレアではあるんだろうな…

というか普通に町中にも現れる

(その時ふと閃いた！この曇らせ怪文書はバクシン・シーン様降臨に活かせるかもしれない！)

>それはそれとしてトレーナーさんのいうことは聞きましょうね、あと今日は暑いから水をちゃんと飲むこと、花の蜜は吸っちゃだめだからね
毎回保身と具体的なアドバイス入れてくの好き

>女帝の夢枕に恐怖のカカシ男が立つんだ…
寝不足になっちまう…

「」んじ、スレ「」を試すなかれ

毎回ちょい役なんだけどブルボンが可愛くて仕方がない

まとめとかございますか…まだ２回しか遭遇してないよバクシン・シーン様…

花の神様とは仲が悪いけど一緒に海から這い出て来たりする

>それはバクシンオーさんの心の吐露でした。バクシンオーさんはトレーナーさんと離れるのが心配なのではなく、本当は色んなウマ娘を育てたいという彼を邪魔してしまっているのではないかと悩んでいたのです。
毎回はらいたいほど笑わせてからホロリとさせてくるのずるいよね…大好き…

バクシン・シーン様、主な出没時期が1、2ヶ月前だったから過去ログ探すのはまあ大変かもな…俺もすぐには出てこない

ほかのウマ娘が私。担当してくださいって必死に懇願ところを見ちゃうバクシンオー…

トレーナー同士で折り合い悪いのはどういうことなのだろうか
担当してる2人は仲良しなのに

ログをサクラバクシンオーで検索かけたらだいぶ絞れるからあとは古い方から手当り次第に開いていけばいいと思うよ

毎回ブルボンがとてもかわいい

>トレーナー同士で折り合い悪いのはどういうことなのだろうか
>担当してる2人は仲良しなのに
話してるところを見てないだけでは
実際芝居打ってもらってその代わりに飯を奢るくらいに仲は良い

トレセンの怪談にバクシン・シーン様がたびたび登場してそう

バクシンシーン様のスレ画は左上にメモ帳がある…それを目印にしてみなされ…

毎回この定形だから確認するのも比較的楽だよね

初期の2作くらいはメモ帳ついてなかったはず
まあ100レス前後の探せばいけるよ

>毎回ちょい役なんだけどブルボンが可愛くて仕方がない
主張しすぎない程度に可愛いのテクニックを感じる

>トレーナー同士で折り合い悪いのはどういうことなのだろうか
>担当してる2人は仲良しなのに
裏バクシン話をするとニシノフラワーのトレーナーとバクシンオートレーナーは喧嘩ほど仲がいい関係と考えてます一方的にフラワーのトレーナーが突っかかる形ですが

なるほど小話をありがとう
つまりトレーナー界のウオスカ…

ニシトレ✕バクトレｷﾃﾙ…？

ニシトレがぎゃーぎゃー言うけどバクトレの方は一言二言で返してる感じか…想像しやすいな…

フクロスゲームの世界線のスリーゴッデスに委員長の話書いてもらったらほぼ毎日バクシンシーン様降臨するのでは

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

あの眼だ…

マスター…お花チューチューしたらダメですか？

お腹壊すからだめ

ダメだぞブルボン

大人な委員長だ…

この世界線のブルボンボーンはメンタル幼女すぎる…

いつだったかバクシン・シーン降臨のために他のトレーナー買収してたことあったからまあ理解は得られてるんだと思ってる

幼女って言うより男子小学生…

>フクロスゲームの世界線のスリーゴッデスに委員長の話書いてもらったらほぼ毎日バクシンシーン様降臨するのでは
メイドインヘヴンが発動したみたいに太陽と夜が瞬間的に回り始めるからダメだ…

これ委員長の男性感めっためたになってません？大丈夫？

ニシノ神の恋愛観も心配です

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

>ニシノ神の恋愛観も心配です
ニシノトレーナーを見る目がどんどん大人びていくニシノ神…

バクシン・シーン様…zipは…zipはどちらにお隠しになられたのですか！？

怯えて尻もちをつく女帝に馬っ気を出してしまった

ピルサドスキーのレス

>1624371136444.png
これは…男子小学生…

一輪の花持ってくるあたりロマンチストだなバクト…バクシンシーン様…

仮面を被らないと真っ向から喋れないトレーナーもちょっと拗らせてない？

いい加減トレーナげふんバクシン・シーン様が建前隠せてないのがほほえましい

いちいちメットやら仮面付けてくるからブルボンからヒーローのようなイメージ持たれてるからな…

>仮面を被らないと真っ向から喋れないトレーナーもちょっと拗らせてない？
不器用すぎるからな…正しく共依存の関係でもあると思うどっちかが倒れたら瞬時にもう片方も倒れてしまう

バクシン・シーン様が来たんだからそろそろフラワン・ワーンが来てもいいんじゃないのかい？

ニシトレはどう思う？

バクシン・シーン様お変わりないようで何よりです

ブルボン・ボーン、ニシノン・ノーンは誰かが書いてくれないかなとずっと願っています…

花の神様がそんな不審者みたいなことするわけないだろう