二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1622731420983.jpg-(45382 B)
45382 B21/06/03(木)23:43:40No.809514163そうだねx1 00:44頃消えます
「はぁはぁはぁ・・・ふう」
空は蒼からそろそろ白になろうとする早朝・・・
一人のウマ娘が学園が見える小高い丘の広場に一人佇む
ーーーナリタタイシン
それが彼女の名前である
彼女は、府中のトレセン学園から多摩川を隔てた、多摩丘陵の丘にある公園で朝のトレーニングを行っていた
トレセン学園のコースで行わないのは、一人でトレーニングできるこの時間が彼女が好きだからである
息を整え、眼科に広がる府中の街中は、朝もやが漂っており一種幻想的な光景をが広がっていた
「・・・なかなかいい」
その光景に彼女は暫く見惚れていたのだった
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/06/03(木)23:44:08No.809514353そうだねx1
空に日が登り始め朝もやが消えたころには彼女は学園の正門前まで戻ってきていた
そこに・・・
「タイシンおはよおおおおおおおおお!!!!!」と親友であり腐れ縁でもあるウイニングチケットである
「チケット朝からうるさい」そう彼女は大きな声でいうチケットにそっけなく返す
「ハヤヒデはさきに朝ごはんにいっちゃったからタイシンもいこうよー」
そう促された彼女は「・・・はいはい」とそっけなくチケットについていくのだった
この一連のやり取りが彼女・・・彼女らの朝のルーティーンである
221/06/03(木)23:44:32No.809514504そうだねx1
朝食後はすぐに登校の時間である
午前の座学の授業に、午後のダンスの授業と瞬く間に時間は過ぎ、トレーニングの時間がやってきた
(・・・ッ!!ここだ!!!)
ターフを走る彼女は最終コーナーを抜けながら心の中で叫び加速する・・・だが
彼女の脳内には前方に幻影を作る・・・ウイニングチケットそしてビワハヤヒデである
有人であり腐れ縁であり、そして何度も走ったライバルゆえに彼女の脳は正確に幻影を作り出していたのだった
彼女は自慢の末脚を生かしスパートをかけ追い抜きかかる
(くっそお!!!)
だが、彼女の脳内の幻影は先にゴール板を駆け抜けていったのだった・・・
「ッ!ハァ!ハア!ハア!!!・・・・ごめんちょっとやすむ」
彼女はトレーナーにそういうと、息を整えるために歩き始めた
321/06/03(木)23:45:03No.809514708そうだねx1
歩きながら彼女は考えるーーーそう、ライバルたちの事を
(タイシンとハヤヒデ、二人はこの前よりも早くなっている)
直接走ったわけではないが、だが雰囲気からなんとなくわかる
それが、ライバルからなのか親友だからなのかそれとも腐れ縁だからなのかはわからない
だが、彼女はそれらの事実を加味し見えるために足がふわふわする感じがしてたまらないのだった
(前なら、焦ってトレーニングしまくっていたけど今は・・・)
今は違う・・・そう、彼女は天皇賞秋・そして有馬記念と激突し成長した
その成長は、勝つことへの渇望だけでなく走ることそのものを好きにさせ、
そしてそれはライバルたちの成長すら高揚感を与えるものになっていたのだった
421/06/03(木)23:45:37No.809514926そうだねx1
息を整えながら歩いていた彼女は、再びスタートラインに立つ
「それじゃ走るから、計測よろしく」
そう言うと彼女は走り始めたのだった
再び最終コーナーに差し掛かり、脳が幻影を作る
幻影は彼女に高揚感を与え、高揚感は彼女に力を与える
(アタシは!負けない!!!)
力を得た彼女はその心の中の叫びとともに幻影を追い抜いてゴール板を駆け抜けていったのだった

その横ではトレーナーがタイムを更新できたことをいつものように暑苦しく喜んでいた
521/06/03(木)23:46:08No.809515104そうだねx1
空が蒼から黒へ変わろうとした頃に、彼女はスーパーにいた
会計を済ませ、サッカー台でレジ袋にひき肉・カレー粉・レンズ豆・カットしめじなどを入れてゆく
ーーードライカレーの材料である
以前彼女が作ったトレーナーにドライカレーが好評だったので、金曜日には時々カレーをトレーナーの自室で作り一緒に食べることにしていたのだった
(付け合わせは総菜のポテサラだけどまあいいや)
所帯じみたような事を考えながら袋詰めを終えた彼女
自動ドアから入ってくる夜食目的で半額総菜を買いに来たウマ娘達の群れを垂れウマ回避の要領で避けつつトレセン学園に戻っていった
621/06/03(木)23:46:31No.809515241そうだねx1
ーーートレセン学園トレーナー寮
「トレーナーに会いに来た、入るよ」
そう守衛に挨拶しながら彼女は、トレーナーの部屋に入っていく
「入るよ」そう言いながら入る彼女に「おー来たかー」とトレーナーは返す
トレーナーは机に向かいながら何かの作業していた
そこに彼女はあるものを見つけトレーナーに言う
「アンタさ、すぐにカップ麺にたよるのはよしなよ」
室内にあるカップ麺を指さしながら呆れるようにトレーナーに言うのだった
721/06/03(木)23:47:11No.809515510そうだねx1
室内にカレーの匂いが漂う
手早く調理し用意するために用意した食材が包丁が要らないものばかりなのは彼女なりの工夫である
「できたよ・・・ほら食べなよ」
自身のトレーナーはその言葉を受けようやく作業の手を止めた


821/06/03(木)23:48:02No.809515869そうだねx1
食卓では会話は弾む、と言っても主にしゃべりかけるのはトレーナーからではあったが
そこで彼女はトレーナーが作業していた場所に見覚えのある包みに包まれた花を見る
「また、母さんから花束がきたんだ・・・」
有馬記念で知り合った実家の母が時々トレーナーに直々に花束を贈るようになったのだ
彼女はそのことを母の気遣いとしてありがたくも思うが同時に気恥ずかしさも感じやめてほしいとは思っていた
「その・・・迷惑じゃない?ソレ」
そうおずおずとトレーナーに聞く彼女に
むしろとてもありがたいと思っていると豪語するトレーナー
「そ、それならいいけど・・・」
トレーナーの迫力に思わず押されてしまった彼女であった
921/06/03(木)23:49:06No.809516269そうだねx1
食事も終え片付けも終え彼女は寮に帰ろうとする彼女
そこへトレーナーが呼び止める
「なに?」という彼女にトレーナーは一つのアクセサリーを手渡す
ーーーハーバリウムのネックレスである
「アンタ、これは・・・」
何時も頑張っている彼女へのプレゼントだとトレーナーは言う
そこで彼女は気づく、さっき見た花が入っていたことに
「アンタ、自分で作ったのこれ?」
そう、似合うからぜひつけてくれと畳みかけるトレーナー
そこまで来て彼女は気恥ずかしや嬉しさや様々な感情がごちゃ混ぜになり顔を真っ赤にする
「その・・・ありがとう」彼女はその言葉を出すのが精一杯だった
そして気恥ずかしのあまりそのまま足早に自室に戻っていった・・・
1021/06/03(木)23:49:53No.809516594そうだねx1
翌朝、昨日と同じ小高い丘の広間
「はぁはぁはぁ・・・ふう」
彼女はいつものようにトレーニングとしてやってきたのだっだ
だが・・・彼女の胸元は違っていた
そう、昨日貰ったハーバリウムのネックレスをつけてトレーニングしていたのだった
「・・・ふふ」
彼女は思わずネックレスを手に取りほほを緩める
差し込んだ朝日がネックレスの中の母の花を照らし輝いていた
その輝きを見て満足したのかまたトレーニングを再開するのだった・・・
1121/06/03(木)23:51:03No.809517010そうだねx1
ーーートレセン学園正門前
「タイシンおはよおおおおおおおおお!!!!!」
「チケット朝からうるさい」
「あああああ!!!!タイシンがネックレスしてる!!!!」
「!!!!」
「ハヤヒデ!!!!たいへんだぁあああ!!!タイシンがネックレスしてる!!!!」
ビワハヤヒデに報告しに走るウィニングチケットにそれを追う彼女
こうして彼女たちの日常は再び始まる・・・・
1221/06/03(木)23:52:03No.809517382そうだねx3
どこからか飛んできた吹き矢に塗られていた毒によってこんな感じのウマ娘の日常が見たくてたまらない欲求が噴き出してしまった
何とか解毒できたのでこれにて失礼する

それはそれとしてドライカレーやキーマカレーには豆とキノコなのがわたしだ
1321/06/03(木)23:54:09No.809518212そうだねx1
ハーバリウムってネックレスにできるようなサイズのものもあるのか
1421/06/04(金)00:00:31No.809520354+
>ハーバリウムってネックレスにできるようなサイズのものもあるのか
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こんな感じの奴があるよ
自作して販売している人もそれなりにいる
1521/06/04(金)00:02:09No.809520892+
いい・・・
1621/06/04(金)00:02:35No.809521039そうだねx7
完全に吹き矢を持った集団に目を付けられている…
窓全開にして寝ろ
1721/06/04(金)00:04:09No.809521564+
ジョン・ウィックのポスターみたいに吹き矢向けられてそう
1821/06/04(金)00:22:48No.809528002+
でもね引退後
タイシンが花屋の店番をしつつ
旦那の元トレーナーがハーバリウムのワークショップをやるっていう幻影もありだと思うの
1921/06/04(金)00:30:55No.809530544+
吹き矢!斉射用意!
2021/06/04(金)00:32:44No.809531137+
窓全開にして玄関の扉開けて寝てくれ
2121/06/04(金)00:33:52No.809531474そうだねx1
豆入ってるカレーいいよね
2221/06/04(金)00:40:12No.809533628+
感謝!圧倒的感謝!めっちゃ嬉しい!毒盛った甲斐があった!
それはそれとして
>(タイシンとハヤヒデ、二人はこの前よりも早くなっている)
ここタイシンの心の声ならばチケットの間違いなのではと思いました


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