「な、何やっとんねんアイツら……？」
いそいそと体育館裏に向かうテイオーとテイオーのトレーナーを、タマモクロスは啞然と見ていた。
あまりにも堂々とした公然での破廉恥行為。
声を張り上げて咎めようとは思ったものの、常識外の出来事すぎて体が動かなかった。
今から追おうにも、致してる最中に乱入することになってはこっちが耐えられそうもない。
「わ〜っ！テイオーちゃんも自分のトレーナーとイイ感じぃ〜〜！！」
背後から能天気な声が響く。この声は、テイオーの親友である──……
「マヤノ、あれは……お前の友人は──あぁっ！？」
振り返ったタマの口があんぐりと開く。
自身のトレーナーにぴったり寄り添っているのはマヤノのいつも通りの仕草。
しかしその密着度合はいつもの比ではないどころか、トレーナーの足を股間に挟むようにしてズリズリと上下運動まで行っていたのだ。
「お前も何やっとんねん！？離れんかいっ！！」
「ええ〜？これくらい大人のオンナならフツーだもん……ん♡ふぅ♡」

「んなわけあるかーーーーい！！！マヤノのトレーナー！アンタも担当者ならしっかり言ったらんかい！！」
「ん……そうだな」
そっとマヤノの肩を押して一歩距離を取らせたことにホッとしたのも束の間。
「あんまりベタベタしてるのは逆にみっともないぞ。スキンシップも……ここもな」
トレーナーはマヤノの股間に手を突っ込み、ズボンの上から乱暴にまさぐり始めた。
手首が向きを変える度にマヤノの体が痙攣し、足が震え内股になる。
「さ、トレーナー室に行こう。聞き分けをよくしてやる」
「ア、アイ……コピー♡♡♡♡」
涎を垂らしながら答えるマヤノの肩を抱き、去っていくトレーナー。
またしてもタマは硬直してそれを見送るしかなかった。
「どうなっとんのや……これは……──そうや！ウチが寝ぼけとるんや、うん！！」
自分に言い聞かせるようにわざと口に出し、目をゴシゴシと強く擦る。
「最近ちょっと睡眠時間が減っとる気がしたしな！今日から３０分早く寝るとするかな！」
頷いて目を開けると、

「──ガハァッッ！？！？」
裸エプロンのネイチャがこちらに向かって歩いてきた。
「あ、タマモさん。こんちゃーす」
「いや！なんやねんその格好！？」
「え？……うひゃあああーーーっ！？ヤバ、付けっぱなしだった！」
「って、脱ぐんかいぃぃぃ！！！！」
エプロンを外し全裸になると、ネイチャは気まずそうに頬をかく。
「いやあ、アタシのトレーナーここのところ根を詰めすぎでレトルトばかりで済ませてるみたいだから、
　ちゃんと栄養あるもの食べさせた方がいいかな〜って、手料理を……」
「………………」
「喜んでくれたのはうれしかったけど、『ネイチャのここはいつもネチャネチャだな』って
　調理中にちょっかい出してくるのは参ったなあ……材料の人参まで使って──ってぇぇぇ！！
　あは、あはは……人に話すようなことじゃなかったですね」
「…………ほんまやで」

「あ、ちょっとタマモさーーん！？」
呼び止めようとするネイチャの声にも耳を貸さず、タマはふらふらとその場を後にする。
「あかん……テイオーまわりは完全に爛れきっとる……」
一旦新鮮な空気を吸って気を取り直そうと中庭に出ると、芝生に体操服姿のタイシンが寝ていた。彼女のトレーナーも傍にいる。
「どないしたタイシン、大丈夫か？」
気になって尋ねると、トレーナーが首をすくめた。
「ちょっとトレーニングで負担がかかったようで、発熱してね」
「だから……ちょっと横になってれば、治るってば……」
あまり気をかけるなと言いたげなタイシンだが、その声は明らかに辛そうだ。
「そう言って結構時間が経ったじゃないか」
ため息をつくと、トレーナーはタイシンのブルマに指をかけずり下ろした。
「座薬を用意しといてよかったよ」

「ごへっっ！！！！」
タマの呻きに気付いた様子もなく、トレーナーは手にしたそれをタイシンの窄まった穴に近付けていく。
──と、タイシンが手首を掴んで止めた。
「……やめてよ…………」
「そや！そやで！！」
「自分で、挿れるから……」
「違うやろおおおおおぉぉーーーーー！！！！」
トレーナーの手から座薬を受け取ったタイシンだが、その指は揺れて狙いが定まらない。
「ほら……やっぱり俺が挿れてやるから。な？」
「貸しに、しといて……。世話だけ焼かれるのは……嫌」
「お前の具合が良くなるならなんでもいいよ。──いくぞ？力抜いて」
「……あっ！んん……ふ、あぁっ♡♡」

「うわあああああーーーー！！その気遣いは間違ってへん！間違ってへんのやけどぉぉーーー！！！！」
それ以上見ていられず、タマは涙と叫びの尾を引きながら全力で走った。
「中等部のみならず高等部までも！トレセンはもう養成校やない……ただのエグいうまぴょい場や！！」
まるで災害から避難するかのように勢いよく寮の玄関ドアを開け、エントランスホールに転がり込む。

「みんなー、今日の授業もお疲れ様！トレーニングに行く前にファル子の歌を聴いてね♡」

Suck out　Suck out
ダーリン　あなたのモヤモヤ吸い出しちゃうの
わたしの魅惑の　リップにかかれば
カチコチになったものだって　きっとすぐに蕩けちゃう

元気よく手を上下に動かし　ハッスル！
ペロリ伸ばした舌で　レロレロlick　lick

ほら飛び散る白い情熱
笑顔で受け止めるよ　その香りマロンフラワー
口の中にビターな恋の味　絡みつくけど幸せだね

「何を歌っとんのや、おのれはああああぁーーーーっ！？！？！？」

「…………これは一体どういうことです？」
物陰からタマの様子を窺っていたカフェは、隣に立つタイシンに冷ややかな目を向けた。
「タマモさんに何を飲ませたんですか」
「いや、それはだね……」
言い淀むタキオンだったが、カフェの睨みが強さを増すと観念したようにため息をついた。
「想像力を暴走させる薬だよ」
「は？なんですそれ？」

タキオンは説明する。
子供の想像力がいかにたくましく自由かは、誰もが経験から分かってることだろう。
町内が広大な冒険の舞台だったり、ただの動植物が幻想の存在に見えていたあの頃。
それが大人になるにつれ失われるのは、常識的な判断力と理性が備わるから。
社会で暮らすうえで必要となるそれらが、想像することに対するブレーキになってしまうのだ。
なら、薬の作用で一時的に常識と理性を弱めたら…？
例えばいつも走ってるコースが地平線の先まで続いてるように見えれば、それを走り切ったと感じることで距離適性が伸びるかもしれない。
例えば以前と変わらぬバーベルを十倍の重さと思い込み持ち上げれば、少ない負担で同等の筋力アップが図れるかもしれない。
無限の想像力は無限の可能性を生み出すのだ！！

「とてもそんな有用なことになってるようには見えませんが。明らかに変な方向に効果出てませんか？」
「……だね」
「ろくに調整もしてないものを飲ませるなんて……」
「いや、あれは既に調整済みなんだよ！？」
慌てて弁解するタキオン。
「試薬は同室のデジタルに飲ませたんだが、ものの十秒でリットル単位の鼻血を噴き出して丸一日昏睡してしまってね……。
　なので効果を緩和するよう、原料の配分はギリギリまで削ったはずなんだ」
「じゃあ、あれは……？」
「タマモ君自身の想像力が想定より強かったのかもしれないな……」

「ああああああ！！クリーク！母乳噴射でぶっかけてきてもウチは絶対口にはせえへんぞおぉーーー！！
　オグリぃぃ！！その腹、食い過ぎやのうて新しい命が宿っとるんかい！？なんで相談せえへんのやあぁー！？」

「なんにせよ、これ以上はまずいですよ。周囲がドン引きしきってます」
「うむ……彼女の精神も名誉もそろそろ限界が近いようだ」

こうしてタキオンによって鎮静剤を打ち込まれたタマは保健室に運ばれ、騒動は一応終息した。一応は。
タマモクロスの体力が１００減った！
やる気が絶不調になった！
ついでに評判も８５下がった！！

ひどい…

クソイベじゃねーか！

タマちゃんはむっつりスケベ…？

タマは脳内ピンクだな…

おしまい。まあ現実も大して変わらへんのやけどな…

うわあああああ！
ネイチャが全裸で練り歩いとるううううう！

>おしまい。まあ現実も大して変わらへんのやけどな…
えっ

飲ませないから💢

最後に爆弾を残すんじゃねぇ

夢じゃなかった...！

えっ

え？

◆

こっそりうまぴょいしてる所を目撃してしまったんだろうな

タマ…トレセンはそういう爛れた場所じゃないんだ
◆

せめて...せめて婚活会場止まりであってくれや...！

>おしまい。まあ現実も大して変わらへんのやけどな…
！？

多分テイオーとマヤがうまぴょいやってるのは確かだと思う

タマがひど過ぎて駄目だった

でも実はタマの性欲がめちゃ凄いって設定はトレーナーと湿らせる時の設定に使えるぞ

アカン...どこぞのエロゲみたいになってもうてる...

抜きゲーみたいなトレセンに通ってる貧乳はどうすればええんですか？

頭SQUEEZEかよ…

これネイチャは裸じゃないんだろうな
…あとはタマの妄想が強すぎて分かんないけど

テイオーファル子タイシンマヤノネイチャは人前でしないだけでヤってる
クリークオグリはいつか訪れる未来

体調不良から野外座薬プレイを連想するのはタマちゃんの脳内スケベすぎない？

フロイト先生に精神鑑定してもらおう

>物陰からタマの様子を窺っていたカフェは、隣に立つタイシンに冷ややかな目を向けた。
ああ、タキオンか
タイシン！？って一瞬思ってしまった

溜まっているようだタマだけに
ふふふ

世にも奇妙なトレセン学園…

>ああ、タキオンか
>タイシン！？って一瞬思ってしまった
あー書き間違えてる！
投下目標時間ギリギリまで書いてたんで校正してなかった…申し訳ない

ファル子は普通にラブソングだったんじゃないかな…
タマの想像力にはそれで十分だったんだろう

これが領域(ゾーン)ってやつか

>これが領域(ゾーン)ってやつか
それだと会長も脳内こんな感じってことになるぞ…

白い稲妻暴走しすぎだろ

>白い稲妻暴走しすぎだろ
白いのが稲妻のごとくほとばしるってかやかましいわ！！！