二次元裏@ふたば

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81061 B21/05/24(月)23:18:36No.806190254そうだねx1 00:22頃消えます
「陳謝ッ!急な呼び出しに応じてもらい申し訳ない!」
「いえ、今の時期は比較的余裕がありますから。私…それとたづなさんも呼び出した要件はなんでしょうか」
呼び出されたのは自分だけかと思っていたトレーナーは、理事長の側ではなく己の側に控えている彼女を見てそう尋ねる。

「うむ!不審ッ!実は我が学園内に『神隠し』が起きるという噂がある!」

神隠し、二人は口を揃えてその単語を口にする。処理が追いつかなさそうな二人を、まずは続きを聞いてくれと身振りで静止をおこなう。

「無論ッ!諸君らはこの学園を共に運営してくれている身、実際に行方不明者がいないというのは私も承知はしている!」
「この神隠しはごく短時間、長くて半日ほどで終わるとされている。難題ッ!故にデータ上では見落としていると私は見ている」

特注扇子を閉じたり開いたりしながら、理事長は自分の考えを述べた。
また、噂の出どころを辿ろうにも、遭遇した者がいるらしいということまでしか分からなかったことも追加された。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/05/24(月)23:18:57No.806190377そうだねx1
「依頼ッ!そんなわけで君たちにはこの件の調査をお願いしたい!」
「はあ…私は構いませんけど、トレーナーさんはよろしいので?」
「大丈夫ですよ、私が多少抜けても大丈夫なくらいはチームはしっかり育ってくれています」
「感謝ッッ!事務作業等は私が代行しておくので、気分転換もかねてほしい!」

神隠しを調べてほしいというのは確かだが、普段から激務を背負わせているたづなにゆっくりしてほしいというのもまた理事長の本心だった。
かのトレーナーを呼び寄せたのも、たづなの心情を慮ってのことである。

「では!早速ッ!調査へ赴いてくれ!」
221/05/24(月)23:19:24No.806190532そうだねx1
「しかし、神隠しか…どこからあたってみたもんですかね」
「そうですねぇ、噂の出所がつかめない以上は、まずは私達の足で怪しいところに行くしかないとは思いますが」
「目撃者はいないという条件なら、人気が少ないことは間違いなさそうですね」
「はい、問題はこの学園は広いですから、かなり歩き回ることになりますね」
「はは、たづなさんとなら数時間歩くくらい苦でもないですよ」バシィッ「いっつぅ!」
「もう!すぐそういうこと言って」

頬に朱を差してトレーナーの肩を軽く叩くたづなは、行きますよとだけ告げて早足で歩き出した。
彼もすぐに追うが、彼女の早足になかなか追いつけず、少しペースを落としてくれと懇願する羽目になるのだった。
321/05/24(月)23:19:54No.806190678そうだねx1
さて、どうなるかと思われた神隠しの調査だったが、意外と事態は簡単に進んだ。
と、いうのも二人が今まさに神隠しに遭遇しているその最中なのだ。

「これが神隠しの正体…ということでいいんですかね」
「はい、そうだと思います。まさかいきなり地面が大口を開けるだなんて…」

周りを見渡せば、そこは調度品の整った、いわばホテルの一室のような作りだった。
いや、むしろホテルと言うよりも……。

「わっこれ…って」

スキン…ですよね、こちらは…察するに元気になるお薬ですか…。
……ということは、この部屋って…。

たづなが推測した通りの部屋であるならば、ウマ娘たちの間で噂が立つのは必然であろう。コトに及んだ娘たちがいるのかどうかは要調査でしょうねと考えていたところで、彼が声をかけてきた。
421/05/24(月)23:20:18No.806190803そうだねx1
「たづなさん、そちらはどうでしたか?」
「ええっと…いわゆる思春期の娘達が興味津々になりそうなものが……」
「ああ、そちらも…こちらも似たようなものでしたよ、ここは俗に言うラブホテルのような設えをしているんでしょう」

一体誰がどうやって、そもそもいつ作られたのか、疑問に思うことは次々と浮かんでくるが、今はまずどうやって地上に戻るかを考えなければならない。

「トレーナーさん、ちょっと危ないので離れていてくださいね」
「え?はあ…わかりました」

何をするのかわからなかったトレーナーだが、たづなが意味もないことを言うはずはないだろうと、素直に従い彼女から距離を取る。

「ちょうどベッドがあるので、着地はあんまり気にしなくていいのがいいですね。よいしょっと!」

瞬間、たづなは全霊を以て飛び上がり、体を宙で回転させ、天井を蹴り上げた。
521/05/24(月)23:20:41No.806190931そうだねx1
轟音と衝撃が、部屋中、あるいはここから近い寮くらいにまでは伝わっているのではないかと思わせるほどに響き渡る。
天井部はぐにゃりと凹まされ、日光が部屋に差してきた。
たづなはというと、ベッドの上に着地したのではなく、すっぽりとトレーナーの両腕に収まっていた。

「びっくりしましたよもう!いきなり何するんですか!」
「ええっと…強いて言えばサマーソルトキックでしょうか。あ、ごめんなさい、デコピン痛いのでやめてください」

ビシッビシッと数回ほど彼女のデコを叩いたトレーナーはたづなが凹ませた天井を見る。

「まあ、あれだけ隙間が空けばあとはどうとでもなりそうですね」
「そうですね、もう一撃やれば人一人分の隙間が空けられそうです!」
「危ないのでやめてください」

結局、トレーナーがたづなを肩車する形で、地上への出口をこじ開けたのだった。
621/05/24(月)23:21:09No.806191079そうだねx1
その後、たづなたちは無事にラブホテルを脱することができた。
速やかに理事長に報告し、ラブホテルは埋め立て閉鎖することが決定された。
そして、そもそもあの部屋はだれがどうやって作った、という点については……。

「報告っ!例の部屋についてだが、私が発注していたものだった!」
「は?」
「理事長?」

ステイステーイ…と二人を手で制する理事長は、続けてその理由を話し出す。

「釈明っ!正確に言えば私がこの職務を引き継いだ時に紛れ込んでいたのだ!」
「おそらく、先代が計画していたものだと思われる!盲点っ!!」
「恐ろしすぎるんですけど先代」
「まあ、やるかやらないかで言えばやりかねないお方でしたが……」
721/05/24(月)23:21:30No.806191197そうだねx1
たづなのその言葉に理事長は鋭く反応した。

「そう!不穏ッ!もしや他にもこのような場所があるやもしれぬ!!故に懇願ッ!どうかこれからもこまめな調査を行ってもらえないだろうか!」
「あ、そうか…『神隠し』は別の場所でも行われているかもしれないんですね」
「左様ッ!『神隠し』に遭遇した生徒の調査も急務であるが、まずは火元を絶たねばならない!」
「かしこまりました、理事長。これからも調査を続けてみますね」
「よろしく頼む、たづな!トレーナーくんも良いだろうか!」

構いませんよ、と答えたトレーナーに理事長は感謝を告げ、今日のところは解散することを伝えた。
理事長室から各々の職場へ向かう道中、自然と話題は先程の部屋についてのことになっていた。
821/05/24(月)23:21:55No.806191328そうだねx1
「しかしたづなさんがいてくれて良かったですよ、私一人だと最悪餓死していたかもしれません」
「うふふ、大丈夫ですよ。みんなで絶対見つけますから」
「それは心強い。ああ、でも、これからしばらく楽しみが増えますね」
「楽しみですか?」
「たづなさんと散歩できますから」

たづなの体は熱を帯び、顔は紅潮し、喉は上手く言葉を操れなくなる。
彼の服の裾を掴み、何度かの深呼吸をおいて、ようやく言葉を絞り出す。

「……私も、好きです。トレーナさんと、散歩、するの!」

その後、度々手をつないでどこかへ向かうたづなたちの姿が目撃されるようになり、生徒たちの間に噂が広がるが、それはまた別のお話。
921/05/24(月)23:23:17No.806191738そうだねx2
寝取りやんけ〜!
1021/05/24(月)23:23:41No.806191856そうだねx4
寝てから言え
1121/05/24(月)23:24:56No.806192257そうだねx2
長くなりすぎた
うまぴょいしないと出られない部屋は他にも先代が仕込んでいます
まあウマ娘に仕込んだのは神隠しにあったトレーナーなんやけどなブヘヘ
1221/05/24(月)23:30:08No.806193776+
ウマ娘同士で入り込んじゃったらどうしよう…
1321/05/24(月)23:42:02No.806197592+
そもそもうまぴょいしたら出られたんです?
1421/05/24(月)23:48:57No.806199738+
>ウマ娘同士で入り込んじゃったらどうしよう…
男性トレーナー同士で入り込むよりは…
1521/05/24(月)23:50:30No.806200270+
やはり暴力…!
暴力はすべてを解決する…!
1621/05/24(月)23:50:32No.806200279+
大丈夫最低片方がうまぴょいしたいと思ってなければ入り口は開かないので


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