二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1620491053989.jpg-(34609 B)
34609 B21/05/09(日)01:24:13No.800847369そうだねx1 02:47頃消えます
かつん、かつん、かつん。トレーナーが中敷きを外したキングの勝負服の靴、踵のネジを外し、暖めて慎重に叩く。緩んだ接着剤を剥がし、ヒールを外して表面処理を行う。ドリルで蹄鉄の鳩目の頭を飛ばして同じように表面を荒らし、新たな蹄鉄とヒールを準備。形状と高さを定めて加工し納得行くまで擦り合わせを行うところをキングはじっと見つめていた。
「あなたにこんな特技があったなんてね」
「まぁ、仕事にはできないよ。作業に対して時間がかかりすぎる」
本来であれば職人に任せるべき作業なのだが、部屋にあった勝負靴のメンテナンス本を見つかってしまい、今に至る。もちろん断ったのだがやると決めたキングは強情で、つい押しきられて引き受けてしまった。ウマ娘の速度域を考えれば信頼が求められる作業。その重要性を彼女が理解していないはずがない。まずは古びた練習用の靴の蹄鉄交換作業をやって見せ、やはり厳しいだろうと引き下がってもらうはずだったのだが、これなら安心して任せられるわと白いハイヒールを渡されてしまったのだ。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/05/09(日)01:30:01No.800849044+
新たな蹄鉄の角を丸めていく。市販されているそれはバリが出ており、当然ウマ娘の足の形によってもその形状は様々。勝負靴というオーダーメイドものにもなればその最適解は作った者にしか理解の及ばない世界だろう。実際、ゲートイン前に蹄鉄の不調が発覚した場合は応急でつけ直しが行われるが彼女の靴の形状からしてそう簡単につけ直しが効くものではない。ヒールにおいても走行中は使わない為デザインの自由度が高く、このような形でも成立はするがウイニングライブや待機、移動を思えば高い水準で取り付けられている必要がある。先端のゴムのみ交換することは可能だったが使用期間を考えると基部から交換したい。つまり蹄鉄交換、オールヒール交換とほぼフルオーバーホールといえる内容の作業と対面しているわけだ。
221/05/09(日)01:36:30No.800850925+
革と蹄鉄、革とヒール。それぞれ異種の素材を接着するための接着剤についてはデータに基づき準備ができている。両面に塗布してから乾燥させ圧着。その後固定のための鳩目とビスを打ち込み乾燥させる。中敷きも新たに作成したものを嵌め込み、汚れた靴の表面は汚れを徹底的に落としてから靴のストレッチャーを入れて形状を整え直す。過酷な状況のため今回交換した後の磨耗にともない全交換が必要になるとキングに説明をすると、彼女はわかったわ。と承服した。ワックスを塗り込んで新品のような輝きを取り戻すキングの靴。早く履いてみたいわね、とキングは本当に楽しみそうに微笑むのであった。
321/05/09(日)01:37:27No.800851213+
この速度…まさか即興…?
421/05/09(日)01:42:11No.800852596+
「ええ、いいわね。前より履き心地がよくなった気がするわ!」
「頼むからじっくりならすように確認してくれよ?」
「大丈夫よ。信頼しているもの。でも言うとおりにするわね」
ターフに入り、じっくりと芝を確かめるようにその場で足踏みをするキング。満足したらゆっくりと、一歩ずつ確かめるように駆け出していく。500mごとにペースアップ。その足取りは軽やかで、いつものキングの走りに戻っていく。
「行けるわ。行けるっ、トレーナー!いいわよね?」
「気を付けて!」
当然!とキングがスパートをかける。ぐん、と前に進む速度が明らかに変わる。一瞬たりとも見逃さないよう彼女の足元を注視する。勝負靴の修理はどうやら成功のようだ。
521/05/09(日)01:47:45No.800854338+
「お疲れ、キング。違和感はなかったか?」
「だから大丈夫って言ったじゃない。何度フィッティングしたと思っているの?」
でもキングに何かあったら…と言い募る自分に彼女はくるりとその場で回転する。ふわり、と浮いたスカートから見える足元に視線を奪われていると、何処見てるのよ。えっちなんだからと茶化される。
「ねえ、本当にあなた、一流よ。キングの作る勝負服の靴を担当する権利をあげる!」
おーっほっほっほと笑いながらもう一度走ってくるわと駆け出すキングは止める前にもう遠くまで走って行っていた。本当に気に入ったのだろうか。末脚の切れ味がいつもよりも良いような、手前味噌ながらそんな気がしてくるほどの迫力。その走りに見とれてしまう。
「次は踊ってみるわよ!ついてきなさい!」
嬉しそうに、新しい靴を手に入れた子供のようにはしゃぐキングに、自分の手入れした靴を履いてもらう喜びを今更ながらに噛み締めるのだった。
621/05/09(日)01:49:29No.800854858そうだねx11
勝負服ってどうメンテナンスするのかなって見切り発車で書き始めました
服を作りたいキングの一流のトレーナーは勝負服にも堪能なはずというノリと勢いなので粗は見逃して欲しい
721/05/09(日)01:53:18No.800855856そうだねx1
これは一流のトレーナー…
821/05/09(日)01:56:31No.800856716そうだねx1
見切り発車できっちり書き上げるんだからこれはキングのトレーナー…
921/05/09(日)01:59:15No.800857395+
作業経過日記
「ちょっと…まだ見るの?もういいんじゃない…?」
キングのすらりと伸びた足の先。足首の採寸と土踏まずのアール。指の長さ、全長、高さ、思い付く限りの情報を片足ずつ確認する。多くの角度から写真を撮り、布を巻いて線を引き、立体的な彼女の足の形状を把握するための材料にする。
「靴屋だってここまで見なかったわよ?んひゃぅ!?くすぐったいったら!うっかり蹴っちゃったら大怪我よ?気を付けなさいな!!」
顔を真っ赤にして怒るキングをよそに何度も指先でキングの脚をなぞる。膝から腰にかけてもじっくりと触りながら可動範囲を確認。太腿を揉んで股関節まで触れようとすると蹴り飛ばされる。
「あっ!?ちょっと大丈夫!?でも私だってその、恥じらいというものが…というかお、お尻や太腿なんてどう考えたって関係ないでしょう!?」
1021/05/09(日)01:59:28No.800857470+
そうは言われてもウマ娘は走り方によって姿勢が大きく変わる。それによって最適な角度や高さだって変わるだろう。キングの場合スパートの前傾姿勢を起点として靴の調整をしなければ…そう言うと、待ってなさいとキングが部屋を出る。怒らせてしまっただろうか。女の子相手にやりすぎた気もするが彼女のために万全を期したい一心であったため、信頼を損なった可能性を考えると気は沈むばかりであった。
1121/05/09(日)02:00:20No.800857652そうだねx7
>ふわり、と浮いたスカートから見える足元に視線を奪われていると、何処見てるのよ。えっちなんだからと茶化される。
キングヘイローから放たれる「えっち」という単語
私の性癖には合っていますよ
1221/05/09(日)02:02:48No.800858249+
「ま、待たせたわね……。いいわよ」
部屋に入ってきたキングは水着姿だった。予想外の展開に呆気に取られる。いったいどういうつもりなのだろうか。
「正直、申し訳なく思っているわ。靴の整備をあなたに預けたこと。あなたはやると決めたら何処までもやるわよね。私も覚悟を決めたの。ふ、ふとももでもお尻でも好きにしていいから…だから最高の、一流の靴に仕上げて頂戴」
そう言ってベッドに座って脚を伸ばしたキング。彼女の信頼に応えたい。一瞬浮かび上がった邪念を捩じ伏せながら、彼女の希望や言葉、動きに全神経を集中させ、ノートを文字で塗りつぶしていくのであった。
1321/05/09(日)02:06:19No.800859110+
即興でこの用語が出てくるのは…?
1421/05/09(日)02:07:58No.800859446そうだねx1
>ふ、ふとももでもお尻でも好きにしていいから…
【鋼の意志】
【鋼の意志】
【鋼の意志】
1521/05/09(日)02:08:41No.800859628+
フィッティング中の1コマ
「ネジの頭や鳩目の感触は?」
「ないわよ。ストラップの位置もよくなってる…最初に作ったときよりサイズも変わっているはずだから当然よね。中敷きも柔らかすぎなくて地面の感触がよく伝わってくるわ。小石を踏んでもわかると思う」
なるほど、と一言一句漏らさないようにノートに書き込む。まずは慣らしに学園の敷地内を歩幅を変えつつ二人で並んで歩く。走りに特化した爪先にダンスのステップをやりやすいように調整したヒール。どうも彼女の好みは固めらしく、先端のラバー選定に苦労した。結局は探しに探した材料を削り出して組み込むこととなったが、功を奏しているようだ。
1621/05/09(日)02:13:14No.800860646そうだねx1
「これは走るのが楽しみになってきたわ。まだ走っちゃダメなの?」
「だめ。安全性を確認してから。キングの走りに耐えられなかった、じゃ遅い。予備はもちろんプロのものが用意されているけどキングに予備なんていない」
当然よね、とももう飽きたわ、とも言わずに殊勝に言うことを全て聞き入れるキング。もともとの蹄鉄からごくわずかに斜めに傾斜させた新たな蹄鉄はスパート時の体勢でより深く芝を掴むだろう。その説明を聞き、完熟歩行に時間を費やすキングの目は期待に輝いていた。不安はある。ないほうがおかしい。しかし、どこか彼女の新たな走りに期待する気持ちは自分自身でもおさえることが難しかったのだった。
1721/05/09(日)02:13:20No.800860668そうだねx1
そういうお仕事をされている「」なので…?
1821/05/09(日)02:14:48No.800861001そうだねx2
幕間の話を二つ書きました
二人三脚で走りだけでなく身に纏うもののサポートもしたいよね…靴に関しての突っ込みどころは多数あると思うけど許して欲しい…蹄鉄の鳩目なんて実際の靴にはあり得ないけど他に思い付かなかったんだ…
1921/05/09(日)02:17:13No.800861566+
行数制限引っかかってる?
2021/05/09(日)02:18:40No.800861852+
>そういうお仕事をされている「」なので…?
靴底貼ったり交換が趣味なだけで専門っぽいところは全部想定だから裏付けはないし見映えしそうな文章に書いてるだけ…
2121/05/09(日)02:19:03No.800861925そうだねx4
即興でこれが書けるとか一流のトレーナーすぎる…
2221/05/09(日)02:20:36No.800862226そうだねx1
やだ…シンデレラと魔法使いじゃない…
2321/05/09(日)02:20:53No.800862309+
なぜ書き溜めてからコピペしないのか
2421/05/09(日)02:23:26No.800862881+
勢いで書きたかったから…
2521/05/09(日)02:23:44No.800862956そうだねx4
>勢いで書きたかったから…
なら仕方ない
2621/05/09(日)02:23:59No.800863004+
焦らされるのもたまには悪くない
2721/05/09(日)02:24:04No.800863032+
一流の仕事だ
2821/05/09(日)02:25:13No.800863254+
少しでも専門知識がある上での予測を素人に見抜くのは難しいからいいんだ
2921/05/09(日)02:38:27No.800865519+
「あは、やっぱり…キングの脚にぴったりじゃない…!」
レースは終盤。前には多くのウマ娘が溜まっている。大きく外に迂回しないと抜けなさそうな状況だがキングはこの状況こそを求めていた。自分のトレーナーが作業的コストを度外視して全能力を注ぎ込んだ、二人で直した靴。ゆらり、と身体を前に倒して芝を掴む。当然のように蹄鉄は、思った通りに沈み込み、加速力をキングに与えた。
「行けるっ、これなら、何処までも!」
そのスパートは強烈な印象を観客のみならず同じく走っているウマ娘にまで与えた。先端から踵に向けて傾斜させた蹄鉄はほぼ爪先で走る彼女の動力をしっかりと地面に叩きつける。前に進む力を逃さず他のウマ娘を置き去りにして、ゴール。
歓声がバ場を熱狂の渦に叩き込む。キングはこのまま走ってトレーナーに会いに行きたい気持ちを押さえながら、高揚感に腕を突き上げるのであった。
3021/05/09(日)02:39:38No.800865717+
レース一走書こうと思ってたの忘れてた書いた
今度はイチャイチャしたい
付き合ってくれてありがとう
3121/05/09(日)02:39:43No.800865730+
熱い一流だ
3221/05/09(日)02:45:44No.800866644+
一流の即興だ...


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