――――なんて浅ましい。
自らの欲望を卸しきれず白昼のうちから自慰に溺れ、想い人を裏切り、汚すのみならず、その後始末を想い人本人に押し付けた上その現状に興奮まで覚える。
私はなんて卑しく、愚かで、はしたない女なのでしょうか。
仮にも大和撫子を志すものとは到底考えられない、あまりにも浅慮な行動の数々。
「ん……と、少しバケツを持ってくるよ」
手に持っていたタオルは床に広がる尿を含んで汚れ、床にはなお水溜まりが広がっています。タオルを洗うためのバケツを取りに行こうと彼はそう言って立ち上がります。
トレーナーさんはこんな私にも、顔を顰めることもなく、依然として優しく接してくれます。
……違う、違う違う違う違う。私は――――

「グ、グラス？」
立ち上がり、部屋から出ていこうとする彼の腕を咄嗟に両手で掴みます。私はこんなにも優しくしてくれる彼に筋違いな憤りを覚えていました。
――私は、彼に叱られることを期待していたのです。
彼に、軽蔑の眼差しを向けられることを期待していました。彼に、どうしようもない女だと幻滅されることを期待していました。
私は、彼がそんなことをする人でないと知りながら……いえ、むしろ知っていたからこそ、彼が私に冷たくすることを期待し、興奮していました。
そして彼は私の予想通り、私の期待を裏切り、私に慈愛の眼差しを変わらず向けていました。
『私に優しくしないでください。私に冷たい目を向けて、私を卑しい豚だと蔑んでください』
そんなおぞましい本心を口にすることは、私には到底出来ませんでした。
結局私に出来たことは、震える手で彼の腕を掴み、ただ彼の顔を見上げることだけでした。

「ん……ぅ？」
ぼんやりする目を擦って横になった身体を起こします。
周囲を見渡すとそこは寮の自室で、窓からは夕日が差し込んでいました。
トレーナーさんと別れた後、自室のベッドで横になっているうちにいつの間にか寝てしまっていたようです。
「目は覚めましたか？」
声のした方へ目を向けると、そこには真剣な顔をしたエルが立っていました。
「エル……」
「酷い顔デスね、グラス」
エルは、真っ直ぐ私を見つめてきます。
「エル、知りませんでした。グラスのトレーナーさんって、ずいぶんと狭量な男だったんデスね」
「エル……？」
見上げると、エルは挑発するような顔で私を見下ろしていました。

「だってそうデスよね？ 好きな女性の性癖一つ受け入れてやれないなんて、器の小さい、ちゃっちい男デス」
「エル……っ！」
肩をすくめて呆れたような口ぶりで私のトレーナーさんを侮辱するエルに、怒りが込み上げてきます。
「……いくらエルでも、それ以上トレーナーさんを侮辱することは許しません」
「何故デスか？ 事実デスよね？」
エルは悪びれる様子もなくそう言い放ちます。
「違いますっ！ トレーナーさんは、そんな人ではありません……！」
私が立ち上がってエルに詰め寄りながらそう叫ぶと、エルは真剣な表情で私の目を見つめ返した後、笑顔になってこう言いました。
「――ええ、その通りデス。グラスのトレーナーさんは、そんな狭量な男性ではありませんっ！」
「え……？」
突然主張をひっくり返したエルに困惑する私を尻目に、彼女は笑顔のまま、叫びます。

「だったら、グラスのことを受け入れてくれるはずデス！ たとえグラスが、自分に嫌われる妄想で興奮するヘンタイだったとしても！」
エルは大胆不敵に笑いながら、自信たっぷりにそう告げます。
「エル……ヘンタイは余計です」
「事実デース！」
そんな冗談を言って、2人で笑い合います。
「覚悟は決まりましたか？」
「……はい」
両手で自分の頬を力一杯叩き、エルの顔を正面から見据えます。
「トレーナーさんに、伝えます。想いの全てを、正面から」
「……それでこそ、アタシのライバルっ！ グラスワンダーデース！」

トレーナーさんに連絡を取るために携帯を手に取ると、メッセージの着信が入っていることに気が付きました。
『会って話がしたい。今大丈夫かな』
着信の相手は、トレーナーさん。どうやらメッセージを送る手間が省けたようです。
了承の返信をして、急いで私服に着替えます。
「エル……行ってきます」
一言、エルにそう告げて、私は部屋の扉を開けました。

書こうとするたびにグラスが分からなくなります
グラスは……こんなこと言わない……？

言うと思ったらスレ「」の中ではそうなるんだよ気にするな

昨日の続編か

>グラスは……こんなこと言わない……？
言った方がエロいなら言わせていいんだ

首絞めニーするグラスもいれば迷子の子供に自分を討たせようとするグラスもいるんだ
一人称二人称が変じゃなきゃ大丈夫

極論育成未実装だったりそもそもデザインすらお出しされてない様な奴らの怪文書書く狂人もいる訳だし…

>一人称二人称が変じゃなきゃ大丈夫
トレーナーは俺(女性なら私？)なんだけど性格に引っ張られて一人称変わるのたまに見る

トレーナーの一人称は話の中で統一されてれば別世界線として許容できる派だな

吉報を待ちマス

エルにはお見通し...

エルの理解度が高い…

この先の展開が気になりますね

なあにアニメでちょいとモブとして出てきたウマにすら怪文書がある界隈だから気にするな

アレは一期の頃から散々ネタにされ続けていたから… 丁度虚無だった19年頃に産駒が何頭も活躍していたのもあって

ド変態グラスは私の性癖には合っていますよ

最近は怪文書スレをシャンクスが荒らしてるから気をつけてね