事の次第はこうだ
キングヘイローはトレーナーの事を一年目から好いており
有馬記念以降感情が日に日に制御できなくなっている
遂には彼の家で下着姿で迫るも逆に優しく窘められてしまったというのだ
一度関係を持ってしまえば一夜の過ちでは済まなくなる
気持ちは嬉しいが今は今後の為にレースに専念しよう、というのだ
途中「知ってる」とのセイウンスカイの発言と
赤裸々な告白に幾度かキングヘイローが泣き出してしまった為あやすのに奔走したものの
彼に振り向いて貰うのにはどうしたらいいのか？というのが大まかな相談だった

「ごめんなさいね、少し話したら落ち着いてきたわ…」
「やー…まあ誰かに聞いて貰いたいのは分かるよ。その相手がわたしってのは恥ずかしいけどね」
「そんな事無いわ」
「うーわよしなよ。けどトレーナーさんの言い分が最もじゃないの
まあキングならマスコミに知られても一流の交際発表！とかするかもしれないけど
それが逐一レースや周囲に影響が出るのをあの人も心配してるんでしょうね」
「私だってそれ位分かるわよ…でもね」
「好きなんでしょ、彼の事」
「……うん」
余所行きのキングとしての彼女でなく、時々見せる友達向きの反応で王が頷く
それに満足したのかセイウンスカイもまた優しく微笑み首を少し傾けて見せる
「じゃ、ちょっと我慢しなよ。ひょっとしたら長いかもしれないけど…
トレーナーさんもキングの事好きだから、彼の方からアプローチが来たら受け止めればいいじゃない」
「そう…よね！そうね！ありがとうスカイさん！」
「ちょお！肩揺らさないで抱き着かないで魚が逃げるから…！」

解放されたような足取りでキングヘイローが去り
河原は再び穏やかな水音を取り戻した
空も実に初夏の様相を呈しており爽やかな気候である
専属トレーナーかぁ…などとスカイが考えていると、再び足音がしてきた
今度は蹄鉄ではない。しっかりとしたソレは成人男性の物だ
「よう。隣いいかな」
「お、トレーナーさんじゃん。どうかしたの？」
「ん？まあ…ちょっとな」
ご丁寧にも了解を得て釣り糸を水面に垂らすセイウンスカイの隣にキングヘイローのトレーナーが腰を下ろす
「なあスカイ。俺達友達だよな」
「まあね。ツリトモってやつ？」
「そんな君を見込んで少し相談したい事があるんだ」

事の次第はこうだ
キングヘイローの走りと性格に惹かれ、専属トレーナーとして契約した彼だが
知らず知らずの内に彼女の内面にも男性としてこの三年間で惹かれてしまったと
それがどうも相手としても同じだったらしく
若さゆえの暴走かつい先日自宅で彼女に下着姿で迫られてしまい
危ういところで理性を働かせ諭したものの次があれば危うい所だった
そうなる前にどうにか抑えて欲しいがどうしたものかと悩んでいる、とこうだ

「はー…そりゃまた。いやノロケなの？」
「違う違う…まだまだキングは大切な時期だから色恋沙汰はどうにもな」
「でもトレーナーだって、あの子の事好きなんでしょ」
「そうだよ。でもな、だから余計にダメなんだ」
「どういう事？」
「俺達トレーナーは常に、やりすぎてしまう可能性を孕んでるんだ」
「やりすぎる…？」
「下世話な話になるがな。トレーナーはウマ娘の体調やトレーニングだけでなく
時にメンタルの管理まで身に着ける必要がある」
「なーんか日常の中から色々トレーニング方法編みだしたりしてるもんね」
「ああ。それとは別にカリキュラムの中には『ウマ娘を気持ちよくする方法』も仕込まれてるんだ」
「それは…その。もしかして身体の方を？」
「身体の方を」
「うーわ」

初耳だった。だが思い当たるフシはある
無論目の前のトレーナーはその様な技術を悪用するタイプではないのは理解しているが
「あっ…つまり、その技術を最大限に発揮するかもしれない、と？」
「そう」
「…レースどころじゃなくなるかもしれないじゃん」
お互いが互いを求めあった場合、歯止めが利かずに依存しあい
ずぶずぶと沼に沈み込んでいく可能性すらある
「でも、それをよく理解してるなら大丈夫っしょ」
キングの好きな一流のトレーナーなんだから
その言葉が彼にとって良いおまじないになったらしい
ありがとうキング！と喜びながらトレーナーはスカイの気も知らず去っていった

河原は再び穏やかな水音を取り戻した
空も実に初夏の様相を呈しており爽やかな気候である
だが一方でセイウンスカイの中に混沌とした感情が浮かんできた
もしあの二人に、一歩踏み込むようなアドバイスをしてしまったらどうなるのか？
想像に難くなかったがその天秤を握っているのは自分なのである
妙な興奮を覚えつつ、釣りを切り上げると女子寮へと戻る
そんな様子を心配して声を掛けてきたのはグラスワンダーだった

「いやいや何でもないよ。いや、ちょっと聞いてくれるかなグラス…」
とあるトレーナーがね、とぼかして語った結果
暫くしてグラスワンダーは妊娠した

相談した相手が悪かったな

行動力の化身…

グラスちゃんはさぁ

ﾋｪｯ

ささやき…

>暫くしてグラスワンダーは妊娠した
ん

なんで寄りによってグラスに…

>なんで寄りによってグラスに…
不
退
転

オチでダメだったひどい

オチが酷いよぉ

あっ今スクリーンヒーローできましたトレーナー

グラスの怖いのは不退転の意思が強すぎてなかなかの多産になりそうなことだな…

まあ黄金世代で真っ先に結婚オメデタ出産のコンボ決めるのグラスだろうしなぁ

妊娠発覚してもレースに出るんだろうなぁ…

スペは家庭に入るとなると完全に牧場継ぐかどうかみたいな話になりそうだしな…

グラスはさぁ…

ああ同期の皆がウンスちゃんを置いて先に引退していくのって…

ウンスはまあ確かに何もかも遅いタイプだろうからな…

楽しく読んでて最後でん？ってなった

意味が分かると怖いお話

ウンスは策士策に溺れ続けそう

とりあえずキングって一発目失敗しそうだよね

二人ともウンスに気を許してるのは微笑ましいけど成人男性が若い女の子に気持ちよくする方法がどうのとか話しちゃダメだよ！

ウンスはだらだらと関係を持ち続けて内縁の妻状態が長引きそう

ケ！？

勝ちにこだわるあまり甘い囁きで背中を押してキングとトレーナーを奈落に落とすウンス…

5強のやることやったからヤることヤって辞める方

なるほど〜
………♥(舌舐り)