「あなたがそれで納得してもわたしはそうはいかないわ。せめて洗濯位させて頂戴」
「拒否権は無さそうだな…まあ、自宅洗いできるタイプではあるが」
「よろしい。素直に担当ウマ娘に従えるのも一流のトレーナーである証よ」
「普通逆じゃないか？さて、そういう事なら一度家に寄らせてくれ。せめて袋に入れるから」
トレーナーの嘆願を聞き入れるのもまた、一流のウマ娘の証である

「ふむ…お茶の淹れ方、少しは上達したのね」
「君にはまだまだ及ばないけどな」
トレーナー寮にある彼の部屋へ上がりこむのは初めてではない
人の家の臭いに妙な安堵感と心地良さを覚えるのは何故だろうか
彼の部屋だから？
そんな事を考えているうちにトレーナーがスーツを手提バッグに入れて用意してきた
「しかし本当に悪いな…」
「観念なさいな。むしろこういう時はありがとう、と言うべきじゃないかしら」
「そうだな。頼む。ありがとう」
素直か
苦笑しながらバッグをソファに置き、キングは改めてトレーナーを見上げる
「…ねぇ」
「うん？」
「さっき、わたしの事を抱きしめたかった、と言っていたのは本当かしら？」
「え！？いやそれは…そうだな。うん。俺も喜びを分かち合いたかったというか」

「じゃあ、今ならどう？」
「え？」
勝手に上がりだした脈拍を悟られないよう務めて平静を装いながら
キングは彼に向って両手を突き出してみせる
「わたしが、抱きしめてとお願いしたらあなたは叶えてくれるのかしら」
「それは…」
学習力のない人ね
素直にウマ娘に従えるのが一流のトレーナーの証だというのに
でも躊躇するのは分かる。立派な大人だもの、あなた
相変わらず我儘なわたしのお守りは大変よね
でもねごめんなさい。わたし、子供なのよ。やっぱり
あなたの前では甘えたがりの子供でいてもいいでしょう？
「トレーナー。抱きしめて。力一杯。優しく」

無言のままトレーナーがわたしを抱擁する
掛かり気味になっていたからお互いに抱き合う形になってしまったけれど
数時間ぶりの彼の体温と、匂いが身体と頭を支配して心を熔かしていくのが良くわかる
「…トレーナー。撫でて」
離れた手がそのままわたしの頭にそっと触れた
「優勝おめでとう、キングヘイロー。お疲れ様。良くがんばったな」
「私まだ、ほめてとは言ってないけれど…？」
「そんな気がしたからつい」
「まあいいわ。許してあげる…その代わり」
「その代わり？」
もう一つ、私のしたい事を当てて頂戴

一流のトレーナーは、ウマ娘が気持ちを伝えずとも汲んでしまうらしい
キングのトレーナーもまた例に漏れずその一人だった
結果、なんとか寮の門限に間に合い自室に戻ってきた彼女が手にしたバッグには
トレーナーのスーツと、そして汚れてしまった下着が入っていたという

お嬢はいつも健康的だな

健康的でありがたい…

あの…今下着って…

キングのルームメイトはウララだったかな

（ぜったいせっくすのにおいだ…）

お嬢怪文書はまっとうなイチャイチャが多くて助かる

キングちゃん
いかのおすし食べてきたの？

乗る?

絶対うまぴょいしてるよ

URA優勝してするセックスは格別ね！！！！！！！！

このキング無敵か？！

絶体絶命セックスだよ

おそかったね…もうウララももう寝るね…
…ところでセックスした？

雄の匂いと雌の匂いが混じってるから
うらら〜っとかんちがいしちゃってたみたい😋

自分の身体が自らの所有権を離れる事があるのだ、とキングヘイローはこの時初めて知った
入口しか弄った事の無い所にトレーナーの太い指が付け根まで入り込む事も
その指が身体の内側を撫でると知らない声が上がる事も
トレーナー寮の防音設備は妙に整っていて、どれだけ声を出しても平気な事も
普段よりも少しだけトレーナーが意地悪くなっているのは彼女にとって大きな発見だった
いや、この顔は見覚えがある。セイウンスカイも確か似たような真似に興じる事があった
あれは親しさから来るのだと考えるとそれがまた嬉しい
いじわる
だがこれは子供の悪戯とは違う。大人の悪さだ
誰かが言っていた。大人と子供の境目など言うのは非常に曖昧なものだと
とすればこの、トレーナーが取り出したソレは自分をその境目の先に連れて行くものなのだろう
喉を鳴らす音が聞こえたのは気のせいではないだろう
目が離せない。いくつかの事は混乱と興奮する頭でも理解できる
これはヤバいやつだ　力抜いて、と彼の声がして、そして仰け反ったキングの意識が飛んだ

あードロドロにされましたよこれは

あまおとをききながらのじょうじはきもちいいよね

お母さんがお祖母さんになる日は近いな

絶対うまぴょいだよ

もしもし娘？私がかかっていた産科は信頼出来るわよ

一流のウマ娘は力任せの逆ぴょいはしないんだな…

実力で勝ったのに相手が泣き出しただけで狼狽える女が逆ぴょいなんて出来る訳が無いししたとして満足出来る筈も無い

もしもし娘？大人の階段登ったのは良いけれどあまりハマっては駄目よ

もしもし娘？逃しちゃだめよ

もしもし娘？最初のうちは無理しないのよ？

お母さまはすぐ気振る