二次元裏@ふたば

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57846 B21/04/05(月)21:44:56No.790136267そうだねx5 22:45頃消えます
「ねぇトレーナー、お弁当作ってきたんだけど」
「はぇ?」
お昼前に差し掛かろうかというこの時間、トレーナー室で書類を作っていた私のもとに現れたのはテイオーであった。
扉を開くなり風呂敷包みをこちらに差し出し、私に食えと促してくるその姿は、やけに自信ありげ。
確かに彼女は文武両道・才色兼備、料理だって完璧にこなす天才中の天才だ。きっと弁当の中身もその自信に見合うものだろう。
しかし理由がわからない。なんで私に弁当を?そんな疑問を抱えながら、差し出された包みを受け取ると────
ずっしりとした重み。なんとなくサイズ感があるなとは思っていたが、ちょっと重い。
なんだこの弁当箱は。高校生か?いや、テイオーは確かに学生だけど。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/04/05(月)21:45:15No.790136408+
嫌な予感と共に机に弁当箱を広げていくと、二段重ねの弁当箱は、下段にぎっしりと白米が詰まっているテンプレート的構成。
おかずは卵焼き、塩鮭、たくあん、きんぴら、鳥南蛮、ポテトサラダ…いや、いやいや、多い。食べ切れない。
テイオーよりは頭半個以上背の高い、女の中では大柄な私だが、中身は至って並な成人女性。食べる量は一人前パスタ100gで満足出来る身なのだ。
それをどうだ。男子高校生の胃を掴み切るようなこの弁当。
どうする。頑張るか。いや、行くしかない。駆けろ私、この弁当という3200mを!
221/04/05(月)21:45:31No.790136503+
「ごめんねテイオー……」
「うーん……」
結局、半分を少し過ぎたあたりでリタイヤしてしまった。
テイオーは自分の分を平らげたあと、私の弁当の残りをもりもりと食べ切っている。ウマ娘と我々のキャパシティの差を感じる瞬間だ。
そんな彼女はどこか複雑な面持ちをしていて、こちらも申し訳ない気持ちが膨らむばかり。
私にもう少しキャパシティがあれば。そんな事を考えていると、弁当箱を片した彼女が声を上げる。
「トレーナーのこと、ずっと見てたのになぁ。そんな事ちっとも分かってなかったんだ。ごめんねトレーナー、明日は失敗しないよ。ちゃーんとトレーナー用の量で、作ってくるから」
うん。うん?
「明日?明日も作るの?」
思わず声が出る。完全に不意打ちだ。
ぽかんとしている私に対して、彼女はずいぶんとけろりとした顔。当たり前でしょ、と体からオーラで伝わりそうなほどに。
そんな顔が、自信に満ち始めて。
「ずーっと一緒に進むんだもん。その練習」
そういう彼女の笑顔が、昼下がりの太陽に照らされて、キラキラと輝いて見えた。
321/04/05(月)21:48:18No.790137499+
しっとりとしてきたな
421/04/05(月)21:54:21No.790139605+
王子様兼お嫁さん来たな…
521/04/05(月)21:58:14No.790140901+
女になっても結果は変わらないのか!?
621/04/05(月)22:03:23No.790142657+
トレーナーも特訓して体を鍛えて食べられる量を増やそうね!
721/04/05(月)22:04:01No.790142892+
長い付き合いになるからな!
821/04/05(月)22:05:39No.790143467+
アイアムウーマン!アイアムウーマン!
921/04/05(月)22:07:53No.790144277そうだねx5
ミートゥー!
1021/04/05(月)22:08:23No.790144454+
>トレーナーも特訓して体を鍛えて食べられる量を増やそうね!
後にトレセン学園のフードファイターと呼ばれることになるトレーナーの、これが誕生である
1121/04/05(月)22:09:39No.790144890+
トレーナーになんでも押し付けるつもりはないという理想の王子様になろうとしている…
1221/04/05(月)22:11:40No.790145578+
一回身内認識になるとテイオーはぐいぐい来るな
1321/04/05(月)22:32:27No.790152389+
もう価値観の擦り合わせに入ってるのはレベル高いな…


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