この僕トウカイテイオーのレースからどんなに辛いリハビリだって耐え抜き前に進み
もうすぐ走れるのではという希望の光明が見え始めた頃
そんなマックイーンが今、廊下から食堂を覗いて落ち着かない様子でいる
「どうしたんさ？」
「テ、テイオー・・・あ、あの・・・あれ」
マックイーンの目線の先には彼女の愛しの一心同体のトレーナーと・・・一人の女性がいる
ウマ娘じゃない、だからといってトレーナーでも事務員でもない、正真正銘部外者の人間だ
そんな人が居座れる理由はその人がトレーナーの「許嫁」（トレーナーの故郷在住）だから、らしい
はー・・・許嫁がいながら彼はここでマックイーンの虜になっちゃったわけだ
いやあマックイーンも罪なオンナだね、そういうの羨ましかったりして・・・っと、閑話休題ね
なんでも故郷にいる親同士が昔決めた許嫁みたい、トレーナーもそれなりの家柄ってことなのかな？

だけど彼がこの学園のトレーナーになったのを最後に彼女に
連絡すら取らなくなり最後には両方の親に許嫁解消を願ったみたい
それを納得できずに彼女はこの学園に殴り込みに来たようだ
周りが見えなくなった女性というのは恐ろしいものなんだね
いつもなら最初に来客者の対応をしているはずの事務員さんが
彼女の後ろでオロオロしてるところ見ると事務員さんの静止を無視して乗り込んできたみたい
完全な部外者である人からのトレーナーへのキツい言葉
しかも要所要所で僕たちウマ娘たちを軽視する発言も見受けられる
周りのウマ娘の顔が険しくなる
トレーナーは目の前の女にバレない程度に時折周りのウマ娘たちに
目配せしてる、あれは誰が見ても分かる「申し訳ない」という目
多分ここに来てから連絡すらしなくなったのは元来彼女に
こういうところがあったからなんだろうね

聞かぬふりをしようがどうしても聞こえるトーンで言う彼女の弁から察するに
トレーナーは（マックイーンのリハビリ含めて）仕事を優先していきたいから
解消してほしいと親たちを説得したとのこと
「お父様なんかまるで甘い菓子を一生分食べさせられたような顔をして
　『あそこまで熱意をもって語られたら無粋なのは私たちの方だしむしろ応援する』
　となんか納得しているし・・・！」
うんトレーナーがどう親たちを説得したのか光景が思い浮かぶよ
四六時中マックイーンとトレーナーの仲の良さぶりを見てる周りのウマ娘もこれには苦い顔
同情するよ、彼女のパパさん
だからといって目の前の彼女は納得しない
「私たちの故郷でも仕事はいっぱいあるでしょう！なんでここでトレーナーをすることにこだわるの！？
　１０年以上許嫁だった私より優先するほどあのマックイーンとかいう小娘の介護が楽しいの！？」

・・・ああそうかい、自分のことよりも別の女性の面倒を進んで見てるのが納得できない
それが一番の理由なんだね？なんともつまらない言葉が飛んできた
可哀そうにマックイーンの体が一瞬ビクッと震えた
その瞬間だ、今まで宥めるのに必死だったトレーナーの顔が険しくなった
「約２４００時間以上だ」
一瞬何のことだか分からない元許嫁の女に構わずトレーナーは言う
「彼女の正式なトレーナーとなってから就寝時以外はほとんど彼女と一緒にいた
　１日約１０時間、平日のみなら約２４００時間俺は彼女と一緒にいたんだ」
そう語るトレーナーの顔がどんどん険しくなる
分かるよ、君とマックイーンはそれだけ濃厚な時間を共に頑張ってきたんだもんね
「俺たちは共に頑張り足掻きそして栄光を掴み取るために走り続けたんだ
　俺にとってマックイーンはもうただの他人じゃないんだ」

なんですって・・・！？と言おうとした女にどんどん言う
「確かに君とは"許嫁"という言葉で言えば１０年以上の関係だったけど
　君と一緒に過ごした時間はマックイーンといた時間の十分の一もない」
許嫁といっても一緒に暮らしてるわけではないんだ
共通の話題も夢もそれを語り合うひと時も
マックイーンの足元にも及ばないってわけだ
それにさ、彼女さん悪いけど
「君には悪いことをしたのは事実だから出来るだけ穏便に済ませたかったけど」
逆鱗に触れちゃったねキミ
「マックイーンを小娘と侮辱した時点で俺は君が大嫌いだ・・・帰ってくれ」
発つ鳥跡を濁すと言わんばかりに女がトレーナーにお茶をぶっかけた
トレーナーは無表情で女と向き合ってた
お前なんてもう眼中にないと言わんばかりに

「トレーナーさんすみません・・・私のために・・・すみません・・・」
彼女がずかずか去った後の食堂内
お茶で濡れたトレーナーを自分のハンカチで涙目で拭き取るマックイーン
周りのウマ娘も心配する中、トレーナーは胸ポケットから
自分のハンカチを取り出してマックイーンの頬の涙を拭う
「俺の方こそごめん、もっと早く許嫁である関係を破棄するように説得するべきだったんだ」
「いえ、そ･･･そんなことは、でも」
「でも？」
「私、どちらかといえば婚約者がいたことに衝撃を受けました
　そういった話を全く聞いたことがなくて、どうして今まで・・・」
マックイーンが下唇を噛む
そうだよね、隠し事されちゃあ納得いかないよね

「あーその・・・」
ばつが悪そうな顔をするトレーナー
さあどうするトレーナー？選択肢間違えればゴールドシップほどじゃないけど
ボクがマックイーンの代わりにドロップキックかますよ？
「ウソのような話だろうけど・・・彼女の存在すっかり頭の中から忘れたんだ」
はい？
「ここの仕事、そしてマックイーンと一緒に夢を追いかけるのが楽しくて楽しくて・・・すっぽりと・・・」
ボクやマックイーン含めて食堂にいる皆が昭和のノリなりにずっこけった
この前マルゼンスキーがカラオケで歌った【木綿のハンカチーフ】じゃないんだからさあ
「皆も俺の故郷の人が不快な思いをさせて本当に申し訳なかった」
トレーナーが皆に深々と頭を下げた
まあ、いいんだけどさ・・・それで？

「マックイーン、一心同体のパートナーであるお前に不安を与えてしまった」
そうそう・・・隠してるつもりはなくてもマックイーンには誠意を見せなきゃね
「さっきも言ったように彼女とはただの言葉だけの関係だった
　俺にとっての女性はマックイーン以外知らない、これは本当だ」
「本当ですか？」
「俺は複数の女性を一度に愛するほど器用な男じゃないし
　まずお前を知ってから・・・お前以外には眼中にないつもりだ」
ほおおおおと周りから声が漏れる
まあこの学園で複数の女性を愛する行為してたら
それこそ四肢を引っ張られることになりそうだしね
「なら、証拠見せてほしいです」

んっと瞳を閉じて唇につんつんと指を当てる
「・・・ここで！？」
「そうしたら信じてあげますわ」
おいおいいくらメールの件があるからって周りのこと気にしないんだねマックイーン
「マックイーン・・・」
「トレーナーさん」
今度は二人が周りが見えなくなっていた
怖いものがないほど恐ろしいものはないね
二人のキスは周りのキャーキャー声で駆け付けたエアグルーヴに
トレーナーさんがシバかれるまで続いた

後日、記者や一部の業者を除き女性の部外者は
訪問時は事務局への事前連絡が厳守されたという噂を聞いた
推し進めたのはエアグルーヴらしい、なにか思うものがあったのかな？

この話は一昨日投下しました卑しい女帝のお話に今後繋がる予定です
いつも通り渋に事前投下してるので転載禁止です

このカップルいろんな怪文書で公共の場でイチャイチャしてない？

マックイーンのトレーナー…あんたかっこいいぜ…

完全にアウトオブ眼中でセーフティリードついてるマックイーンと違って
エアグルーヴのトレーナーは元カノに割と未練が残っているぞ！果たしてゴールまで逃げ切れるのか！？

カラッとしててええやんと思ったら女帝出てきた…

元カノの訪問許可を握りつぶすんだこの女帝！

わたし一推しの怪文書です

誰かと思ったら監禁女帝の人か…

監禁違う！
少しばかり情報と伝達を遮断しているだけ！

この場にトレーナーいなかったらマックイーンが反論なりしそうだけどいるから男を立てますわね

トレーナーの許嫁とか桐生院の許嫁とか
とかく許嫁と言う存在は勝手に生み出されてゴミクズにされる

少女漫画のような展開、マックイーンに実に馴染む
すき

あの女帝の人か
やっぱり愛だよね！

>このカップルいろんな怪文書で公共の場でイチャイチャしてない？
例のメールのせいでイチャラブの共通認識ができつつある・・・

女帝が裏で動いてるー！

>やっぱり愛だよね！
愛故にトレーナーの着信履歴を消したりします

>>このカップルいろんな怪文書で公共の場でイチャイチャしてない？
>例のメールのせいでイチャラブの共通認識ができつつある・・・
元はといえばアプリのスピード一心同体が悪い

女帝がいい感じに騒動に便乗して元カノとの切り離し作戦してる…