二次元裏@ふたば

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108958 B21/04/02(金)20:29:56No.789130688+ 21:30頃消えます
「うわああああああああああん!!ああああああああん!!!」


ウララの涙、中山のパドックで何度も見てきた光景。
何度目か知れぬこの光景に、薄い瘡蓋が覆われ始めていた俺の心がまた深く抉られる。
この傷を消してはならぬと責めたてるように。


「あああああ!!ああああーーー……!!」


いつか。
いつか、この涙を笑顔に変えるために。
あらゆる理不尽をねじ伏せて、俺はまた世界線を超えていく。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/04/02(金)20:30:23No.789130828+

――
―――


自分が世界の理から外れたと知ったのは、初めて担当となったウマ娘、サイレンススズカが秋の天皇賞で勝利した後。
その後に続いた記念レースのURAでは、惜しくも準決勝敗退。
だが、新人トレーナーとしては誇れる成績でもあった。


「負けて、仕舞い…ましたね」


スズカの言葉に、すまない、と謝意を述べ。
気にしないでください、と彼女が笑う。
221/04/02(金)20:30:51No.789130980+
…もちろん、勝ちたかった。
勝ちたかったけれども、この成績でも十分な成果。
それに、彼女の脚はいまだ健在。
一時期の不調も乗り越えて、これからいくらでも先頭の景色を見ることができるはずだ。

『これからも、頑張ろうな』

そう、お互いに笑顔で話しながら、土手を歩く。
これから先も、ずっと、彼女と共に歩んでいきたい……そんな、トレーナーらしからぬ思いも芽生えた、

その時だ。


不意に視界がぼやけた。
321/04/02(金)20:31:33No.789131189+
眩暈かな、と思ったがどうやらそうではないらしい。
いや、それどころではないらしい。

スズカが、こちらをどうしました?と言いたそうに見ている…が、違和感はさらに強まって。
そして、ふと気が抜けると、まるで幽体離脱でもしたかのように、自分とスズカの姿が視界に写った。

…まさか?突然死?
そんな思いが脳裏をよぎるが……目の前の、視界の中の自分は、「なんでもないよ」とスズカに言う。
びっくりしましたよ、私が脚に不安があった時みたいな顔でしたから、とスズカが返す。
421/04/02(金)20:31:53No.789131305+
笑い合う自分とスズカの姿。
それを眺める自分の意識。
そしてその意識すら薄れていき─────

───気が付くと、3年前の。
新人トレーナーである自分が、担当ウマ娘を決める場面に、戻っていた。
521/04/02(金)20:32:09No.789131391+
慌てた。
当然慌てた。
タイムスリップにしては、唐突が過ぎるし、また突然がすぎる。
スズカと共に歩みだした自分と、こうして3年前に戻っている自分の意識。
まるで、昔見たアニメのような、世界線を超えたような光景に……恐怖と、動揺が走った。

「…あら〜?どうしました、トレーナーさん?顔色が悪いですよ〜?」

そんな自分に、声をかけてきたウマ娘がいた。
彼女は青いドレスを身に纏い、豊満な胸に心配そうに手を当てて、こちらの顔を覗き込んできた。
スーパークリークだ。
621/04/02(金)20:32:37No.789131534+
名前は当然知っていた。彼女もまた、才能あふれる注目のウマ娘だからだ。
そんな子が、とても心配そうにこちらを見てくる。3年前に戻った自分を。

ああ、いや。と空返事を返した。
…詳細など、説明しても頭のおかしい人としか見られまい。
努めて冷静になろうとしながら、動揺を隠せぬ顔をクリークに向けた。

「…あら〜、あらあらあら〜♪」

どうやらその顔がクリークのどこかに突き刺さったらしい。
この人にします〜、と間延びした声で言ったクリークは、自分を担当のトレーナーとしてしまった。

これが、自分の記憶の中で二人目のウマ娘の育成だ。
ただし、他の新人トレーナーと違い、自分にはスズカと共に過ごした3年間の経験がある。
長距離を得意とする彼女の育成に多少の違和感は在れども、コツはつかんだ状態だ。
721/04/02(金)20:32:56No.789131656+
途中で、クリークの原因不明の不調などもあったが、それらも乗り越えて、クリークは見事有馬記念で1位を修めた。
その勢いのまま、長距離となったURAの舞台では、まさかの優勝。
新人トレーナーの快挙。スーパークリークの快挙。
クリークがURAを優勝したときの光景は、これからどんなに世界線を跨ごうとも、忘れることはないだろう。

…そう。
また、世界を跨いだ。

スズカの時と同じだ。
URA優勝後に、彼女と土手を歩きながら今後について話していると…また、視界がぼやけ始めた。
何もかも焼き増しだ。
目の前に、自分の意識で眺める自分とクリークが、談笑しながら歩き去っていく姿。
それを見送りつつも……また、自分の意識は3年前に。
821/04/02(金)20:33:27No.789131828+
世界で俺の意識だけが何度もループする。
いや、コピーしているのか?スズカと、クリークとともに、その先を歩く自分もいて。

何かの呪いだろうか。
スズカを育てていた時に、マチカネフクキタルの崇めるシラオキ様の像を誤って壊してしまったのが原因だろうか。

ただ、そんなまき直しも、3度、4度と続けば……慣れる。
慣れたのだ。
常人では発狂してしまいかねないこんな状況に、しかし自分は救いがあった。
921/04/02(金)20:33:41No.789131904+
それは、担当するウマ娘たちの笑顔。
色んなウマ娘たちが、色んなレースに出て、色んな笑顔を見せてくれる。
そして、意識は分かれども…彼女たちと、共に先を歩いて行く自分もまた、確かに存在している。

ならば、これも悪くはないだろう。
3年という永遠の牢獄にとらわれる、1/2の自分。
手塚治虫の八百比丘尼の話のような、限られた時間を永遠に繰り返し、しかし満足を得るこの感触。
悪くは、ない。
1021/04/02(金)20:33:52No.789131960そうだねx4
その後、色んなウマ娘の担当となった。

ゴールドシップ。
ウマ娘にも色んな奴がいるのだと知った。ただ、彼女とバカをしていた時間は、かけがえのないものだった。

スペシャルウィーク。
彼女の前向きで、優しく、朗らかで…そして、レースではその意思が力を持つかのように勝利を求める光景に、流星の煌きを見た。

メジロマックイーン。
彼女の誇り高く輝く姿に見惚れた。メジロ家の当主として、そしてライバルに打ち勝つ強さを見て、その強さに退屈すら覚えた。

ナイスネイチャ。
彼女の抱えるコンプレックスを払拭するために、二人三脚で挑んだ。手作りしたメダルの数と、彼女の勝利への想いは、きっと忘れることはない。
1121/04/02(金)20:34:18No.789132110+
他にも、色んな脚質の、色んな距離適性の、色んな性格のウマ娘たちを担当した。
3年間、付きっ切りで彼女たちが求める勝利の景色を見せるために、微力ながら、全身全霊でトレーニングを組んだ。
URAにも、それぞれの適性に合う距離のレースで、何度も優勝させてやることができた。

自分の肩書は、相変わらず新人トレーナーだが。
経験だけは、どんなトレーナーよりも多く。
そして、ウマ娘たちの性格や特技も知っている。
今ならどんなウマ娘だって、レースで勝たせて、笑顔にしてやれるだろう。

そんな、ガラス細工の虚構の自信が組みあがったころ。
また新しく、初めて担当になるウマ娘の育成を始めた。

「ハルウララ、がんばりまーす!!」
1221/04/02(金)20:34:39No.789132224+
彼女の名前はハルウララ。
優しい名前と、優しい心を持った、小さなウマ娘だった。

他のウマ娘を育てている時から、彼女に興味は持っていた。
彼女はトレセンにいるウマ娘の中ではとても珍しく、芝のコースを苦手としている。
半面、ダートは得意なようで、オグリキャップやエルコンドルパサー、タイキシャトルを担当している時にマイル以下のダートレースで姿を見かけた。
恐らくは、短距離〜マイルくらいの距離を得意としているのだろう。
小さな体をいっぱいに使って走り、たとえ負けても楽しそうに観客席に手を振る彼女は、とても明るい子だった。
1321/04/02(金)20:34:54No.789132325+
ただ、その頃から感じていた雰囲気。
負けても、笑顔で観客席に手を振れるその心。
…そう、手を振れてしまう。
つまりは、負けることが彼女の中では織り込み済みの事実だということ。

…諦め癖が、ついてしまっている。
他のウマ娘を担当していた時のウララに対する自分の感想は、それだった。


だが。
今の自分なら、彼女を勝たせてやれる。
1421/04/02(金)20:35:11No.789132428+
短距離のレースの勝ち方なら、サクラバクシンオーに厭というほど教えられた。
ダートの勝ち方なら、エル、オグリ、タイキに圧倒的なパワーと共に教えられた。

勝たせてやることができるはずだ。
練習が嫌いな様子はないし、走ること自体はとても楽しいというウララなら。
絶対に勝てると。
そして、さらに咲き誇る笑顔を、見せてくれると。


そう、思っていた。
1521/04/02(金)20:35:28No.789132522+
「ウララね、有馬記念の一着をトレーナーにプレゼントするんだ!!」


脳髄が焼かれる様な、一言。
まるで呪いだ。
呪いの祝詞だ。


この一言。
この一言を、聞いてしまったがために。
俺は、自分自身を永遠に許せなくなってしまった。
1621/04/02(金)20:35:45No.789132614+
初めて担当になって、いくつものダートレースで勝利を重ねてきた。
無論、差し戦法での勝負に絶対はない。
何回か1着を逃す事はあったが、それでもGV以上の重賞レースで一着を取ったこともある。
とても順調に彼女は育っていると、そう思っていた。

人気も着実に上がっていき、後援会ができるほどになっていた。
色んなひと悶着もあれど、出走したいと言っていた有馬記念に出られるようになり、順風満帆。
勝てるとは思っていないけれど、記念のレースだ。
ウララも、出走して大観衆の前で走ることで喜んでくれるだろう。

そんな無責任な考えが、一瞬で打ち砕かれた瞬間だった。
1721/04/02(金)20:36:08No.789132737+
「だって、ウララが勝てば、後援会のみんなも、トレーナーも、よろこんでくれるもんね!」


この一言に、数拍の間を開けてから、

『……ああ!』

乾いた返事を返した。
無理だ。
1821/04/02(金)20:36:24No.789132812そうだねx1
俺にはわかってしまっている。他のウマ娘の速さが。
何度も、何度も他のウマ娘を育ててきたから。
シニアの有馬に出走するウマ娘たちの、仕上がり具合が分かるから。

俺にはわかってしまっている。ウララが長距離と芝のレースを大の苦手としていることが。
ダートなら、短距離やマイルなら勝機はある。
だが、芝は…長距離は、無理だ。


俺には、わかってしまっている。
ウララは、どうやっても、勝てないと。
1921/04/02(金)20:36:44No.789132941+
それでも。
それでも、ウララに初めて芽生えたこの気持ちに、無理だとは返せなかった。

『ああ。ウララなら、きっと勝てるさ』

そう答えた。

そう答えた自分の言葉に、責任を持たなくてはいけない。
何度も繰り返す自分だからこそ持てる責任を。

零してはならない。弱音を。
諦めてはならない。勝利を。
逃げてはならない。この、うららかな笑顔から。
2021/04/02(金)20:37:05No.789133067+
正面から、向き合うのだ。
この、涙から。

「うわああああん!!ああぁぁーーーん!!!」

慟哭が中山レース場のパドックに響く。
そこは、レースを終えたウマ娘たちを出迎える場所。
これまでに、クリーク、ゴルシ、スペ、マックイーン、ネイチャ、タキオン、ルドルフ、エル…数えきれないくらいの、ウマ娘たちを迎えて。
そして、笑顔と共に、勝利の喜びを分かち合っていた、その場所で。

「あぁぁーーーーん!!うわぁぁーーーーーーーん!!!」

桜色の瞳から大粒の涙が零れる光景に、俺は声が出せないでいた。
2121/04/02(金)20:37:15No.789133127+
経験豊富な新人トレーナー?
どんなウマ娘も笑顔にできる?
有馬記念への記念出走で、喜ぶだろう?


───死んでしまえ。
こんな、浅学菲才の、無責任なトレーナーなど。


言葉が出なかった。
ただ、夜露の下たる桜の花びらを、そっと抱きしめることしかできなかった。
2221/04/02(金)20:37:25No.789133182+
……弱い。
俺は、弱い。
担当するウマ娘の、天真爛漫な彼女の。
ウララのたった一つの望みを、叶えてやれないほどに、俺は弱い。


その慟哭を聞いて以来。
有馬記念でウララを勝たせるために、己のすべてを賭けることを決意した。


何度、この3年間を繰り返すことになろうとも。
きっといつか、君を笑顔にしてみせる。
2321/04/02(金)20:38:59No.789133712+
おい
その先は地獄だぞ
2421/04/02(金)20:39:59No.789134061+
またあのトレーナーループしてる…
2521/04/02(金)20:40:32No.789134234+
ウララの親を育てるところから
2621/04/02(金)20:40:34No.789134237+
ねえそのスレ画ってもしかして突破した「」?
2721/04/02(金)20:40:56No.789134348+
地獄を見た
2821/04/02(金)20:41:07No.789134419+
タキオンにスカウトされそうなくらい瞳が狂気に満ちてそうなトレーナーだ
2921/04/02(金)20:41:14No.789134445+
>ねえそのスレ画ってもしかして突破した「」?
はい
因みにまだ続きます
3021/04/02(金)20:41:41No.789134589そうだねx5
ウララを背負って地獄を歩くのいい…
3121/04/02(金)20:41:45No.789134609+

――
―――

『さあ間もなく始まります有馬記念!注目のウマ娘たちはどのようなレースを見せるのか!』

……もはや聞き慣れたアナウンスが場内に流れる。
何度目だろう?数えることすら忘れてしまっていた。
長距離を得意とするスーパースターのウマ娘たちが並び立ちパドックを歩く。

その中に、自分の愛バがいる。
実力は疑問視されていようとも、圧倒的なファン人気を誇り、ファン投票でその席を獲得したウマ娘。
本日4番人気。

ハルウララだ。
3221/04/02(金)20:42:17No.789134783+
「すぅー………ふぅー………よーっし!がんばるぞー!!おー!!!」

緊張を隠せない中で、それでも努めて落ち着いて、ゲートに入るウララ。

やれることはすべてやった。
今回が。
今回の世界線が、ウララにしてやれる、すべてだと思った。

何度もトライアンドエラーを繰り返した。
そのたびに、ウララの涙を見てきた。
そのたびに、次こそは必ずと。
3321/04/02(金)20:42:25No.789134831そうだねx5
狩人の夢みてえだ
3421/04/02(金)20:42:35No.789134897+
距離適性さえ何とかすれば有馬は希望がある
3521/04/02(金)20:42:57No.789135007+
思いが褪せることはなかった。
願いが届いたこともなかった。

思いだけでは勝つことはできない。
願いだけでは勝つことはできない。
だから積み上げた。勝つための全て。

……だから、もう自分ができることは何もない。
ただ、この中山レース場の短い直線の先で。
ウララが、一番にゴールするのを、待つのみだ。
3621/04/02(金)20:43:14No.789135098+
もう自分にできることは終わっている。
彼女がどのようなレースを見せてくれるか、それだけを。
俺が、ウララが、この日のために……積み上げたすべてを、見守るだけだ。
3721/04/02(金)20:43:18No.789135113そうだねx5
ウワーッ!超大作の予感!!
3821/04/02(金)20:43:34No.789135192+

――
―――

「うーん、気合入ってるねぇ〜、ウララちゃん」

セイウンスカイは、自分より先にゲートに入るハルウララの背中を眺めて、そう呟いた。

ハルウララとは学友だ。
スペちゃんやグラスちゃん、エルちゃんと一緒に、よく話したり遊んだりする仲だ。
仲が良いと言っていいだろう。

ただ、そんなセイウンスカイでも、今この有馬のレース場に、ハルウララが立っていることに違和感を隠し切れなかった。
3921/04/02(金)20:43:49No.789135265+
「ファン投票ねぇ……」

本人に聞こえぬように、皮肉を零す。
酷なファンもいたものだ。
セイウンスカイは、レース場の一角、スタンドで『ウララちゃんがんばれ!!』と横断幕を張っているほうに目を向けて、小さくため息をついた。

勘違いしないでほしいが、ハルウララが弱いとは欠片も思っていない。
彼女がこの3年間、いくつもの重賞レースで好成績を収め、時にはぶっちぎりでの1位を取っていることも知っている。
そう、彼女は決して人気と明るさだけが取り柄のウマ娘ではないのだ。
速く走れる脚を持っている。
なんなら、自分だって勝てないと思うことだってあるさ。

―――それが、ダートのレース場で、マイル以下の距離なら、だけど。
4021/04/02(金)20:44:05No.789135339+
「……厳しいよねぇ」

中山レース場、芝の長距離2,500m。
中距離レースをさらに100mだけ長くしたこのレース場が、どれだけウマ娘にとってハードルが上がるか。
多少レースを齧ったファンならわかることだろう。しかも芝のコースだ。
ハルウララが好走を見せるには、あまりにも厳しい条件がそろっている。

友達として応援したい気持ちもあるが、厳しいだろう。
記念出走。
であれば、せめて一緒に走る相手として。
僅かたりとも気を抜かずに、そして一着を取るのが友情ってものだ。
4121/04/02(金)20:44:18No.789135410+
「ま、レースに絶対は無いって言うけどね───」

自分もゲートに入場し、息を整え、よいスタートを切れるように集中する。
長距離で逃げで走るためには、スタートが重要だ。
今回は他に逃げウマ娘もいないし、一人旅でレースの流れを作れれば……勝機は、ある。

「……勝つぞぉ…!」

セイウンスカイは改めて、勝利に向けて引き搾られる己が心の弓に、矢をつがえた。
4221/04/02(金)20:44:33No.789135514+
「ふむ…」

ゲートの中、隣に並ぶハルウララに、ちらりと目を向けるシンボリルドルフ。
彼女もまた、この有馬記念に出走する一人。
一位を狙う、一番人気のウマ娘だ。

(ハルウララ…ダートと短距離に適性のある彼女と、戦うことになろうとはな…)

レースのファン投票枠がある以上、こういったことも起きるだろう。
それだけハルウララが世間的に人気を集めているということの裏返しでもある。
トレセンの会長としては、喜ばしいで話ではある。
4321/04/02(金)20:44:40No.789135553+
もしかして有馬突破したの!?
すげーな
4421/04/02(金)20:45:00No.789135668そうだねx3
確かに彼女が懸命に走る姿は、人の心をつかんで離さない。
ダートレースでの彼女の差しきる最後の伸びは、私でも心振るわせるものがある。

同じレースで自分が走っていれば、結果はどうだっただろうか?
…いや、ダートなど練習でしか走ったことがない。短距離も得意ではない。
恐らくは後方にポツンと一人シンボリルドルフ、などという不名誉な実況を得られることだろう。
得難い経験になるかもしれない。

(だが、まぁ………)

だが。
ここは、有馬だ。
4521/04/02(金)20:45:15No.789135741+
(レースに絶対はない…が、より気を付けるべき相手が別にいるのは確か、だな)

逃げの新星、セイウンスカイ。
差しの鋭い切れ味、グラスワンダー。
そして、

(ブライアン……君にだけは、負けたくないな)

逆隣り、黒い長髪をゲートに巻き込まぬように気をつけながら、スタートの時を今か今かと待つナリタブライアン。
恐らくは、この辺りの有力馬と、最後の直線で勝負になるだろう。

(………皇帝の神威を見せてやろう)

勝利を見据えて、前だけを見つめるシンボリルドルフ。
その視界には、勝利を初めて求めて輝く桜色の煌きは、入っていなかった。
4621/04/02(金)20:45:59No.789135965そうだねx20
>恐らくは後方にポツンと一人シンボリルドルフ、などという不名誉な実況を得られることだろう。
>得難い経験になるかもしれない。
もう許してあげて
4721/04/02(金)20:46:43No.789136184+

――
―――

―――なんだかとっても、しずかだな。
そんな気持ちになった。

レースのまえって、ふだんならもっとドキドキーってして、ワクワクーってして。
そして、めのまえに茶色い土の道がみえるんだけど。

きょうは、みどり色の芝が、どこまでもひろがって。
それで、ウララの心臓は、とっても静か。
4821/04/02(金)20:47:08No.789136338+
なんでだろうな、っておもったけれど。
すこしかんがえたらわかったんだ。

ウララはきょう、これがはじめて。
はじめて、勝つために、レースにでてるからなんだって。

そのために、トレーナーと、みんなと、できるかぎりのことをしてきたからだって。
だから、走るまえに、なにかしわすれたことなんてないし。
走るときも、ウララのできること、ぜんぶぶつけるだけだから。
4921/04/02(金)20:47:19No.789136404+
楽しく走るだけじゃない。
笑って走るだけじゃない。
勝つために走る。

それってとっても、しずかで、おちついて、そして。
勝ちたいって気持ちが、いっぱい、いっぱいあふれるんだって。
わかったんだ。
5021/04/02(金)20:48:04No.789136663+

――
―――
(メイクデビュー終了後)


「はぁ?このゴルシ様に長距離を走るコツを教えてくれだってぇ?」
「うん!!あのねあのね、ゴールドシップってすっごーく長い距離をはやく走れるでしょ!教えてほしいの!」

ぽかんとした様子で、ゴールドシップがハルウララの顔を見て。
そして、その傍に立つトレーナーに顔を向けた。
5121/04/02(金)20:48:11No.789136702+
トレーナーもウララもちょっと覚悟が決まりすぎている…
5221/04/02(金)20:48:30No.789136795+
「…なぁそこのトレーナーさんよ。正気かぁ?」

常識にとらわれないウマ娘であるゴールドシップですらも、正気を疑うほどのこと。
彼女ですら分かっているのだ。
ハルウララは、ダートで、短距離に適性のあるウマ娘だ。
長距離など、走る機会は無いというのに。

…メイクデビューのレースを終えた直後に、こんなことを聞きに来たのだから。

『正気だよ。至って本気だ』
5321/04/02(金)20:48:50No.789136929+
だが、返ってきたトレーナーの答えは、とても真剣な表情だった。
………ワケわかんねぇ。
このゴルシ様がワケわからんほど、ハルウララのトレーナーってのはおかしな奴だったのか?

「ウララもね、長い距離走ってみたいなーって!でもでも、いっつもすぐに疲れちゃうの!どーやってるのー?おしえておしえてー!!」
「だー!!尻尾を引っ張るな尻尾を―!ゴルシちゃんファイトクラブが勃発すっぞ!?」

きゃーきゃー、と笑顔で怖がるハルウララに、フシャー!と威嚇するゴールドシップ。

…別に、ハルウララの事が嫌いなわけではない。
むしろ、『全国ウマ娘誰が一番大穴ぶち壊せるか選手権』で強力なライバルになるだろうと勝手に考えている相手だ。
まぁそんな選手権はないのだが。
5421/04/02(金)20:48:51No.789136934そうだねx4
有馬突破したんだしそら溢れてくるわな…
5521/04/02(金)20:48:54No.789136951+
ホントに長いな!?
5621/04/02(金)20:49:03No.789136999+
何度も何度も繰り返す世界に擦り切れるトレーナーさんの心が心配
5721/04/02(金)20:49:14No.789137066+
そう、教えること自体はやぶさかではないが…理由がなさすぎる。
無駄なことは嫌いなゴルシちゃんなのだ。

「んー……面倒でゴルシ。そんなことに時間裂くなら裂きイカ細かく裂いてその長さでギネス目指すほうが重要っつーかー」
「えー!?ずるーい!ウララもやりたーい!」
「お?やるか??いいぜ???この町の裂きイカ全部集めちまおうぜぇー!!」

普段の彼女らしい、恐ろしい話題のコーナリングに難なくついていくウララ。
このままでは長距離を走るコツを教える流れはなくなってしまいそうだ。

だが。
5821/04/02(金)20:49:33No.789137172そうだねx3
>ホントに長いな!?
ゴメンまだ2割
5921/04/02(金)20:49:48No.789137248+
思いが溢れすぎる…
6021/04/02(金)20:49:52No.789137271そうだねx21
2割…?
6121/04/02(金)20:49:52No.789137275+
『……エデンを目指してるんだろ?』

続くトレーナーの言葉に、ゴルシの動きがぴた、と止まった。

「……アンタ、なんでそれを……」
「えー?えでん、ってなにー?ウララしらなーい!おでんのともだち?」

エデンを目指していることは、この学園の誰にも教えていない。
いつか、自分が見初めた…才能あるトレーナーを見つけたら、語ろうと思っていたものだ。
その夢が、担当なんてしたこともないトレーナーの口から零れている。
ゴールドシップの興味は、トレーナーに向いた。
6221/04/02(金)20:49:55No.789137288そうだねx5
>ゴメンまだ2割
なそ
にん
6321/04/02(金)20:49:57No.789137301そうだねx7
>ゴメンまだ2割
クレイジー...
6421/04/02(金)20:49:58No.789137308そうだねx23
長くてもいいぞ
なんてったって有マは長距離だ
6521/04/02(金)20:50:14No.789137403そうだねx2
>>ホントに長いな!?
>ゴメンまだ2割
よくぞそこまで…
6621/04/02(金)20:50:17No.789137418そうだねx1
『エデンに至るには、ウララが長距離を走れるようになる必要がある。…ここまで言えば、わかるだろ?』

「なっ…!?…………そうか、そういうことかよ!」
「えー!?なになにー!?ウララも話しにまぜてよー!!」

続くトレーナーの言葉に、ゴールドシップは意を得たり!としたり顔でガッツポーズする。
話題に置いてけぼりのハルウララがぷくー、とほっぺを膨らませて桜まんじゅうになり始めた。

「へっ……そこまで言われちゃ受けてやらねぇとゴルシが廃るってもんだな!よし!ウララ!いっちょやってみっか!!」
「へー?わかんないけど、わかったー!いっぱい走れるようになるんだよね!」
「あぁ、もちろんさ…俺が教えれば、ウララもいつか理解る時がくるぜ…宇宙の真理を…ゲ○ター線を…!!」
「えー!?すごーい!!ウララがんばるね!!」
6721/04/02(金)20:50:18No.789137425そうだねx1
なんてかすげえな
6821/04/02(金)20:50:20No.789137442そうだねx8
>ゴメンまだ2割
だそ
けん
いいぞ
ありったけぶつけてくれ!
6921/04/02(金)20:50:24No.789137470そうだねx1
よほど感情が爆発したと見える
7021/04/02(金)20:50:30No.789137502+
よっしゃついてこーい!と元気よく部屋を飛び出すゴールドシップに笑顔でついていくウララ。
それを、トレーナーが苦笑で見送り、ゆっくりと歩いて後を追う。
もちろん、エデンに至る方法なんて、トレーナーは知る由もないのだが。
【長距離 ☆☆☆】
『不沈艦、抜錨ォッ!のコツ レベル3』
7121/04/02(金)20:50:34No.789137523そうだねx1
この物量まだまだ残ってんの…
色んな意味でやべーよ「」
7221/04/02(金)20:50:39No.789137553そうだねx1
やるじゃねぇか……最後まで見てやろうじゃねぇの……
7321/04/02(金)20:50:44No.789137585そうだねx2
>ゴメンまだ2割
早く言葉の洪水をワッと浴びせてくれ
7421/04/02(金)20:50:55No.789137651そうだねx3
ありがとう
じっくりぶつけさせてもらうね…
7521/04/02(金)20:50:59No.789137681そうだねx12
長いのは構わないどころかむしろバッチコイだけどtxtでお出しした方がよかったのでは!?
7621/04/02(金)20:51:20No.789137793そうだねx1
もっとだ
もっと溢れさせろ
7721/04/02(金)20:51:24No.789137813そうだねx2
君…相当狂った目の色をしてるんじゃないかい?いやいい、見ないでもわかるよ
7821/04/02(金)20:51:33No.789137872そうだねx9
>長いのは構わないどころかむしろバッチコイだけどtxtでお出しした方がよかったのでは!?
こう…ぽつぽつ感想をつぶやいてくれたらすっごい嬉しいなって…!
わかれ!わかってくれ!
つづきます
7921/04/02(金)20:51:33No.789137875そうだねx3
>この物量まだまだ残ってんの…
>色んな意味でやべーよ「」
地獄を走り切ったトレーナーだぞ
ヤバいのは承知の上だぜ!
8021/04/02(金)20:51:40No.789137905そうだねx3
あとでtxtで見るのも良いけどこうリアルタイムで追うのも良いものだ
8121/04/02(金)20:51:42No.789137917そうだねx3
オカリンあじ溢れるトレーナーだな
8221/04/02(金)20:51:52No.789137988そうだねx2

――
―――
(2年目 6月前半)

「ねぇねぇスペちゃん!スペちゃんってすごいよねー!なんでそんなに芝を走るのがはやいのー?ウララにもコツを教えてー!」
「え、私っ!?わ、私なんてそんな、他のみんなのほうが速いよ!そんなそんな、へへぇ…♪」

芝コースの練習場で、ハルウララがスペシャルウィークに芝を走るコツを聞いていた。
褒められ慣れていないスペシャルウィークは、へへぇ…と頬を書きながら、嬉しそうにはにかむ。

「うーん……でも、そうだなぁ。はっきりと言葉にするのって、難しいかも」
「むずかしいのー?むずかしいとウララがわからなくなっちゃうから、かんたんに言ってー!」
「そう簡単に言われても……むむ、むむむぅ…!!」
8321/04/02(金)20:51:59No.789138031そうだねx2
力作すぎる!
8421/04/02(金)20:52:03No.789138060そうだねx13
まさか最初に上げてった子達全部回収していくのか…
めっちゃ好きな展開だわ
8521/04/02(金)20:52:11No.789138108+
30分以内に終わらせろ
8621/04/02(金)20:52:12No.789138112そうだねx3
俺にはスバルの因子を感じるよ
狂気
8721/04/02(金)20:52:13No.789138121+
時には白衣を身に纏ったこともベビー服を身に纏ったこともあるトレーナーだ
8821/04/02(金)20:52:20No.789138153+
ぐぬぬぅー、と唸りだすスペシャルウィークに、つられるようにしてハルウララもうんうん呻りだす。
そんな二人の様子を、トレーナーがため息をつきながら見守る。

……二人とも、無意識でやっていることを言葉に表すのが苦手だし、言葉で貰ったものを実践するのが苦手だ。
本能型の二人だからこそ通じる部分もあるが、通じなかった場合は芝を走るコツをウララが掴めないこともある。
…少なくとも、これまでの世界線では、何度も芝のコツが掴めないこともあった。

だが。
何度も繰り返しているうちに、分かったこともある。
8921/04/02(金)20:52:45No.789138289+
『スペ…シャルウィーク』

「っはい!?あ、ウララちゃんのトレーナーさん。なんでしょうか?」

思わず零れそうになった彼女の愛称を誤魔化してから、呼びかける。
思考の坩堝に陥りかけていたスペシャルウィークが顔を上げて、トレーナーの顔を見た。

『君が、芝が好きな理由を教えてあげるといい』

「私が、ですか?あれ、でも私が芝が好きだって、何で知って…」
「えー!?スペちゃん芝が好きなのー!?なんでなんでー!ウララしりたーい!!」
「わーわーわー!耳元で叫ばないでウララちゃーん!分かった、教えるから、教えるからー!」
9021/04/02(金)20:53:02No.789138411+
ひぃーん、と頭頂部の耳をぺたんと閉じて、耳元で怒鳴られたスペシャルウィークが涙目になる。
ごめんなさい、と素直に謝るハルウララに、苦笑を零す。

…彼女が芝を走ることが好きな理由。
それを、トレーナーは知っている。
彼女と共に、3年間を過ごしたことがあるのだから。

「こほん。…ええと、私が北海道育ちのウマ娘だ、って事はウララちゃんも知ってるよね?」
「うん!!はじめてきいた!!」
「ズコーー!!…うぅん、いやまぁ、言いふらしてはないですけどぉ…!」

昭和時代のようなズッコケをかましながら、スペシャルウィークが言葉を続ける
9121/04/02(金)20:53:23No.789138527+
「…私が生まれ育った所って、どこまでも芝が広がってたの。まぁ、ド田舎と言えばそうだったんだけどね」
「ふーん、ふんふん」
「…そこで、日が暮れるまで走ってたなぁ。おかあちゃんが見守ってくれて、走るたびに前より速く走れるようになって」
「ほわぁー……」

遠く、空を見上げるスペシャルウィークと、話に真剣に耳を傾けるハルウララ。
練習後の空は夕方を過ぎ、もう間もなく夜の帳が降りる頃。

「…だからかな。私、走るのが好き。芝の上を、思いっっっきり走ると、私がウマ娘だって、おかあちゃんたちの子供なんだなって、思えるから」
「………っっ」
「……あれ、ウララちゃん?」
9221/04/02(金)20:53:34No.789138581そうだねx1
ここまでで2、3割ならもう後でハメにも載せたらどうだ?
9321/04/02(金)20:53:40No.789138623そうだねx1
急に押し黙ったハルウララに、心配そうにスペシャルウィークが耳をぴこん、と立てる。
それがまずかった。

「………かんっどう、したぁーーーーーー!!!!」
「おぎゃー!!耳がぁーーーー!!!」

急に叫ぶハルウララの声量がスペシャルウィークの耳朶を強打した。
あんぎゃーーー!!と転がりまわるスペシャルウィークに目もくれず、夜空と芝に目を向けたハルウララ。

「わかる!!すっごいわかるよスペちゃん!!それって、芝で走るのが大好き、ってことだよね!!」
「ひんひん……そう、そういうことなのぉ……あっ声が遠いです…」
「ウララもね、生まれはほっかいどー?らしいけど、育ったのは高知、ってところなの!海がいっぱいでね!」
9421/04/02(金)20:53:43No.789138641そうだねx1
繋げて繋げてを繰り返したんだもんな…
9521/04/02(金)20:54:00No.789138734そうだねx1
ウララに有馬を勝たせたレジェンダリー「」レーナーの体験談として見るとこれは中々
9621/04/02(金)20:54:10No.789138801そうだねx1
ああそうかリセットしたからトレーナーはある意味孤高なのか
9721/04/02(金)20:54:23No.789138880そうだねx2
>ここまでで2、3割ならもう後でハメにも載せたらどうだ?
転載対策で某所には載せる予定です
つづきます
9821/04/02(金)20:54:37No.789138968そうだねx6
早く続きが読みたいわ!
9921/04/02(金)20:54:42No.789138996+
耳をなでなでしながら涙目のスペシャルウィークに、ハルウララが今度は己のルーツを語り始める。

「それで、走るのはいつも砂浜だったんだー。ウララもね、砂浜を走るのが大好きで、それでダートが得意なんだよ!」
「へぇ…そうなんだ!なるほどー、やっぱり育ったところで走った地面が、一番走りやすいよねぇ」
「うん!!でもね、スペちゃんの話を聞いて、芝もなんだか好きになれそう!」
「ホント?よかった、うまく伝わって!私、説明するの下手だから…へへぇ…」

うんうんうん!!と何度も首を縦に振るウララに、スペシャルウィークが安堵のため息をついた。
芝の良さを、分かってもらえたらしい。
ダートで走るのも練習にはいいけれど…やはり、早く、気持ちよく走るには、私は芝のほうが好きだ。
そんな気持ちを分かってもらえて、スペシャルウィークの表情もふんわりとほころんだ。
10021/04/02(金)20:55:06No.789139139そうだねx2
「それじゃ、もう暗くなっちゃったけどもうちょっとだけ、芝のコースを走ってみない?ウララちゃん」
「うん!!トレーナー、きょうはついかトレーニング、いいよね!」

ハルウララはトレーナーに振り返り、今日の自主練習の許可を取る。
もちろん、トレーナーの答えは決まっていた。

『ああ。スペによく教えてもらうんだぞ』

「うんっ!!!」

そうして、勢いよく走っていく二人。
トレーナーは、そんな二人を、優しく、そして強い意思で、見守っていた。

「よーし!けっぱるべー!それじゃあウララちゃん、かるく1000mダッシュ5本から行きましょう!」
「おー!ウララがんばる!芝さん、これからもよろしくねっ!!」
10121/04/02(金)20:55:23No.789139234+
位置について、よーい、と二人の自主トレーニングが始まる。

終わるまで付き合うつもりで、そばの土手にトレーナーが腰を下ろす。
そうして、既にすっかり日の暮れた、星空を見上げると。

『………おっ』

きらり、と。
二筋の流星が、夜空に弧を描いた。

【芝 ☆☆☆】
『シューティングスターのコツ レベル3』
10221/04/02(金)20:55:56No.789139411+

――
―――
(3年目 1月後半)

「………このわたくしに、長距離のコツを教えてほしい、と。そうおっしゃったのですか?」
「うん!マックイーンちゃん、この間のてんのーしょー?すごかったもんねー!ウララも長距離、もっとうまくはしりたいの!!」
「……はぁ」

テラスに座り、嗜んでいた紅茶のティーカップを置き、メジロマックイーンがため息をつく。
その理由は、もちろん目の前に座るハルウララだ。
もっと言えば、そのハルウララの後ろで、真剣なまなざしでこちらを見てくる、彼女の担当トレーナーだ。
10321/04/02(金)20:56:03No.789139460+
マジか…やったのか「」ンイチ…
10421/04/02(金)20:56:07No.789139480+
泣きじゃくるウララ見ていつか勝たせてやるからな…って心に決めたけどまだまだだよ…
おれはゴミだ
10521/04/02(金)20:56:16No.789139532+
「……トレーナーさん」
『何かな?』
「…貴方、ウララさんのトレーナーさんなのでしょう?彼女の脚質、理解していないのではなくて?」

鋭い眼差しで、厳しい口調がトレーナーに向けられる。
彼女のその芯の強さ。
メジロ家の当主としての気高さを、トレーナーはよく知っていた。
その言葉が、短距離とダートに適性のあるハルウララを想っての言葉であることも、重々承知していた。
10621/04/02(金)20:56:36No.789139645+
『わかってるさ』
「なら…!貴方のするべきことは、わたくしに長距離のコツを教わることではないはずですわ!」
「えっえっ、どうしたのー!ケンカはだめだよー!ウララ、なにかわるいことしたー?」

違いますわ、とハルウララに微笑みかけてから、再度、トレーナーを睨みつけるマックイーン。
彼女の言葉は、正論であり、本音なのだろう。
ハルウララのレースの勝利を望むものであれば、やるべきことはダートの練習と、短距離の練習だ。
それは間違いなく正しい。

ただし。
それは、ハルウララの気持ちを考慮しない判断だ。
10721/04/02(金)20:56:54No.789139758+
『ウララ』
「なにー?ケンカはだめだよー?」
『マックイーンに、ウララの今年の目標を教えてやってくれ』
「ウララの?わかった!」

うんっ、と大きくハルウララが頷く。
それを怪訝な様子で見つめるマックイーン。

「一体何を…」
「ウララね!有馬に出てみたいんだ!それでねそれでね、一着になりたいの!!」
10821/04/02(金)20:57:16No.789139873+
「な…!貴方、本気で…!」
「もっちろん!ほんきだよー!ウララね、いちばんつよいウマ娘になりたいんだー!」

マックイーンの目が大きく見開かれる。

それはそうだろう。
ダートの短距離で輝くウマ娘が。
芝と、長距離を苦手とするウマ娘が。

有馬で勝ちたい、というのだから。
10921/04/02(金)20:57:35No.789139983+
「……ふぅ。…もう一度聞きますわ。本気ですの?」

マックイーンが、一つ息を整えて、真剣なまなざしで、再度ハルウララに問いかける。

……ここまでは、これまでの世界線で、何度も見てきた光景だ。
マックイーンに長距離のコツを教わる。
それ自体は、挑戦に値する事柄だと、早い段階でトレーナーは判断した。

彼女の長距離適性は本物だ。
そして、意志も強く、情に厚い。
彼女から長距離のコツを聞きだせれば、ハルウララの強い武器になりえる。
11021/04/02(金)20:57:53No.789140111+
だが同時に、マックイーンは優しいウマ娘だ。

『えへへー、がんばってみたいんだ!だって、ウララが勝てばトレーナーも後援会のみんなもよろこぶでしょ?』

…そんな返事をウララがしてしまえば。
彼女は、ウララのためを思って、長距離を走れるようになるより、自分の得意なレースで勝ちを重ねなさい、とアドバイスするだろう。
優しいのだ、相手を思いやり過ぎてしまうほど。
人のために走ることが、ハルウララの本質的な幸せにはならないと、分かっているからこそ。

そして、そのマックイーンの判断には、前のゴルシやスペのように、トレーナーの誘導は意味をなさない。
だからこそ、ハルウララの想い一つで、潰えてしまう可能性もあった。
11121/04/02(金)20:58:09No.789140199+
けれど、今のハルウララは違う。

「うんっ!」
「………!」

返事は、とても短い一言で。
その桜が彩る瞳の奥に、強い意思を秘めて。
マックイーンが、その瞳の深い色に吸い込まれそうになり、息をのむ。

「勝ちたい!ウララね、トレーナーさんや、他のみんなにも、いっぱいおしえてもらえて、しあわせなんだー!」
「でもね、そのしあわせの花って、きっと、ウララがほんとうに勝ちたい!って思って、勝って、はじめて咲くんだよ!!」
「…だからね、本気なの!ウララは今年、有馬に出て、勝ちたい!勝つために、いっぱいがんばりたいの!」

「…ウララさん……」
11221/04/02(金)20:58:25No.789140287+
マックイーンが、ハルウララのその想いを受けて。
真剣に、本気で、大真面目に。
有馬での勝利のために、努力したいという想いを受け取った。

「…わかりましたわ。長距離で走るときのコツ、わたくしが教えられる範囲で、全力を尽くしましょう」
「いいの!?ありがとー!マックイーンちゃんだいすきー!!」
「ひゃわぁっ!?ウララさん、急に抱き着くものではありませんわ!紅茶が零れてしまいます!!」

YESの返答に嬉しくなって思わず抱き着くハルウララに、マックイーンが慌てて紅茶のカップを退避させる。
果たして白のテーブルクロスに赤い染みを作るような事態は避けられた。
11321/04/02(金)20:58:41No.789140384+
何事もそうだが、成し遂げた人にしか見れないものがあるよな。
いつか見てみたいわ
11421/04/02(金)20:58:49No.789140429+
『助かるよ、マックイーン』

二人のそんな和気あいあいとした様子に、トレーナーが笑顔でつぶやいた。
練習場に走っていくハルウララを追いかける前に、マックイーンがそんなトレーナーの顔を見る。
その表情は、いかんともしがたいものだった。

「いえ、本物の想いに応えるのはメジロ家当主の務めですので。……それよりも貴方、わかっていますの?」
『……何のこと?』
「意地悪な方。…ウララさんは本気なのです。貴方は、ウララさんを有馬で勝たせなければいけませんのよ?それがどれほどの道のりで、どれほどのことか……」

言葉にかぶせるように、トレーナーが呟く。

『わかってるよ』
11521/04/02(金)20:59:39No.789140735+
「…っ、分かっていませんわ!勿論わたくしも全力を尽くします、約束しますわ!それでも、脚質というのは──」
『わかってる』
「っ」
『……わかってるから、大丈夫。やってみせるよ』

……ふぅ、と小さい溜息が一つ、マックイーンの口から零れた。

「…貴方達、意外とお似合いのトレーナーとウマ娘なのかもしれませんわね。頑固者な所とか、特に」
『誉め言葉だね、ありがとう』
「…どこまでも意地悪な方」
11621/04/02(金)20:59:58No.789140855+
ひらひら、と手を振って、くすり、と微笑むマックイーン。
そうして、話は終わったとばかりに、ハルウララの後を追うのであった。

「はぁ。彼女が羨ましいですわ、理解のあるトレーナーがいて。私もいつか、そんな一心同体のトレーナーに巡り合えるかしら…」

最後のマックイーンのつぶやきは、誰の耳にも届かなかった。

【長距離 ☆☆☆】
『貴顕の使命を果たすべくのコツ レベル3』
11721/04/02(金)21:00:37No.789141089+

――
―――
(3年目 11月後半)

「おいっすー。ウララ、やってるねー」
「あ、ネイチャー!うん!!がんばってるよー!!」

芝のコースで練習しているハルウララへ、同じく練習を始めるナイスネイチャが声を掛ける。
有馬記念まであと2か月。
勝利に向けて最後の調整をしている段階のウララは、一息つきながら笑顔でネイチャを迎えた。
11821/04/02(金)21:00:43No.789141128そうだねx2
トレーナー目線から見ると今まで連れ沿ったウマ娘が自分のこと忘れてる感じでかなり辛いな...
11921/04/02(金)21:01:04No.789141275+
「聞いてるよー、有馬に出るんだって?」
「うん!わたし、がんばるよー!ぜーったいに一着、とってみせるから!」

えいえいおー!と元気よく片腕を天に向け、更に気合を込めるハルウララ。
しかし、そんなハルウララを見るネイチャの瞳は、猜疑心と憧憬が混ざったような、微妙な表情であった。

「……その、さ。別に、悪気があって聞くわけじゃないんだけど…」
「ん、なーに?」
「……本気で、目指してるんだよね、一着」

ぼそりと、呟くようにネイチャの問いがウララにかけられる。
それを聞いたウララはえー?なんでー?と首を傾げ………なかった。
12021/04/02(金)21:01:05No.789141282そうだねx1
執念トレーナーだ
12121/04/02(金)21:01:27No.789141413+
分かっているのだ。
何故、彼女が、それを自分に聞くのかを。

「…ネイチャも、ウララが有馬で勝てないだろう、っておもってる?」
「やっ、な…!ちが、そういう意味じゃなくて、その…!」

図星。
なのだろうか…いや、やはり図星なのだろう。
言葉の裏に隠れた意図。
痛い所を突かれて、慌てて取り繕うネイチャに、ウララがにこりと笑顔を作る。
12221/04/02(金)21:01:33No.789141464+
ゲーム中のトレーナーはみんな別人だと思うけど
それはそれとしてこういう設定も面白いな
12321/04/02(金)21:01:48No.789141567+
「ううん、だいじょーぶ。みんないわないけど、わかってるんだー。ウララが有馬で走るのは、にんきとーひょー、のおかげだって」
「違うの、ウララ、違くって…」
「じつりょくは、いっしょにはしるウマ娘のなかでも、ダントツのビリだって、ウララもわかってるもん」

笑顔のままに、ウララが現実に向き合う言葉を紡ぐ。
それに伴い、ネイチャの顔がみるみる曇る。

そんなつもりではなかった。
無かったのに、あたしの一言で、ウララに辛い想いをさせて……

「でもね、かんけーないんだ!」
12421/04/02(金)21:01:57No.789141642+
普通の子ならゴルシスペメジロまんじゅうで十二分なんだろうけどまだ足りないか…
12521/04/02(金)21:02:11No.789141719+
「…え?」
「かんけーないの。だってね、ウララ、勝ちたいから!勝ちたいから、そのためにがんばるの!」
「…ウララ……」
「トレーナーも、こーえんかいのみんなも、応援してくれてうれしいよ。けどね、ウララはそれだけじゃない…」

すぅ、と息を吸って、ウララが言葉を続ける。

「ウララが、いちばんだー!!って!!そう、みんなに感じてもらいたくて!!勝ちたくて!!!…だから走るの。負けたくないんだ」
「…………」
「だからね、そのためにがんばるんだよ。それがね、今のウララには、とっても楽しくて、うれしいことなんだよ!!」

うっららー!といつもの掛け声で、ハルウララのやる気はさらに急上昇を見せた。
12621/04/02(金)21:02:24No.789141807+
ウララほんま大変なんやなって
12721/04/02(金)21:02:39No.789141900そうだねx6
>普通の子ならゴルシスペメジロまんじゅうで十二分なんだろうけどまだ足りないか…
足りなかった
足りなかったんだよ…足りなかったんだ
つづきます
12821/04/02(金)21:02:58No.789142033+
……適性があっていなくても。
例え、敗色濃厚のレースだとしても。
それが、勝利を諦める理由にはならないから。

『よく言ったぞ、ウララ』

「あ……トレーナーさん……」
「あー!トレーナー!!ねぇねぇ、今日のウララの走り、どうだったー!?有馬で勝てるかなー!?」
『ああ、勝てるさ。絶対に。勝たせてみせる』

そうして話す二人の所にやってきたトレーナーが、ネイチャとウララを見て、笑顔で声を掛けた。
強い信頼と…言葉では表せないような絆を、ネイチャはその二人の姿に感じた。
12921/04/02(金)21:03:30No.789142233+
「えへへ、ありがとー!!でもでも、ウララもっとがんばるよー!みててねトレーナー!全力、だーっしゅ!!」

言葉に気をよくしたのか、ウララはさらにもう一本、2500mダッシュに入る。
走り去る背中を眺めて置いて行かれたのは、トレーナーとナイスネイチャだ。

「……あー、その。さっきの話、聞いてました?」
『ああ』

気まずそうに、隣に立つトレーナーに声を掛けるネイチャ。
目を伏せながら、告解のように言葉を紡ぐ。
13021/04/02(金)21:03:45No.789142331+
これ実際の継承した面子?
13121/04/02(金)21:03:49No.789142355そうだねx12
>足りなかった
>足りなかったんだよ…足りなかったんだ
言葉の重みがありすぎる……
13221/04/02(金)21:03:51No.789142363+
「なんつーか……その、アタシって、ここぞって時に、諦めるクセがあって……それで、あんなこと……」
「応援したい気持ちはいっぱいあるんだけど、こう、素直になれないって言うか…」
「……ウララが、アタシと同じ気持ち、少しでも持ってるのかなって、そんな、ね。そんなわけ、ないのに」

『…そうでもないぞ?一緒だよ、君と』

不意にかけられる声に、うつむいていたネイチャの顔が上がる。

「…へっ?いやいやいや、ウララすっごい前向きで、心が強いじゃん!?アタシなんかとは全然…」
『君も強い』
「…………は、ぁ?」
『君も、同じくらい強いよ。強いってことを、俺は知ってる』
「……は、は。なんで、そんなこと……」
13321/04/02(金)21:04:02No.789142433+
>普通の子ならゴルシスペメジロまんじゅうで十二分なんだろうけどまだ足りないか…
芝と長距離どっちもダメだと並の補正じゃ足りないよね真面目に
それを通そうとするのは執念としか言えないわただこれサービス開始して間もないよね…
13421/04/02(金)21:04:17No.789142526そうだねx1
>これ実際の継承した面子?
はい
スッペンペンに解説ページ作らせていただいてます
つづきます
13521/04/02(金)21:04:39No.789142672+
先ほどの、言葉の外の図星を突かれたネイチャは。
今また、トレーナーに己が心に秘めた図星を突かれた。

『表面上は斜に構えていても、負けて悔しいって、3着じゃなくて1着を取りたいって強く思ってる君を知ってる』
「…………」
『だから、一緒だよ。ウララと君は。似た者同士なのかもな』

「…………………っ、あ、あーーーーっ!!!なんか恥っずかし!!!」

ぐわー!とツインテを両手でわしわしとかいて、大きな声を吐き出すネイチャ。
まるで、胸のつかえを取るかのように。
心のつかえが、取れたかのように。
13621/04/02(金)21:04:45No.789142711そうだねx1
修羅の道だ…
13721/04/02(金)21:04:57No.789142800+
「…ねぇトレーナーさん。もしかして、いっつもウララにそんな恥ずかしい台詞吐いてます?」
『自覚はあるよ』
「はっず!!やだもー奥さん、このトレーナー女ったらしですよ!もー…風紀の乱れじゃん…」

照れ隠しに頬をかきながら、やれやれと首を振るネイチャ。
そんな彼女の姿を、これまでも、これまでに、何度も、何度も見てきたから。
だからこそ、知っている。彼女が、強い志を持つウマ娘だと。

「はーぁ。練習前だってのに気が抜けちゃったなー。ま、いい息抜きになりましたってか」
『そりゃよかったよ』
「はいはい。……ねぇ、本気で一着、目指してるんだよね。二人は、さ」

言葉にするまでもない。
強く、肯定の意を首肯で返すトレーナー。
13821/04/02(金)21:05:17No.789142909+
「はー……うん。よし。アタシも見習うわ、その気持ち。まー有馬に出るのは来年になりそうだけど…」
『頑張れよ。前年度チャンピオンのウララに負けないくらいにな』
「はいはいごちそうさまでしたーっと。……ねぇ、アタシにもさ。手伝えること、あるかな?」

ネイチャは、もう間もなく一周を終えて戻ってくるハルウララに目を向けながら、そう呟く。
……応援したくなってしまった。
少なくとも本気で、一着を狙うこの二人を。
自分の、ともすれば諦め癖になりかねないこの皮肉癖を、否定してくれた二人を。
出来ることなんて、大したことではないかもしれないけれど、それでも。
13921/04/02(金)21:05:19No.789142930そうだねx1
>スッペンペンに解説ページ作らせていただいてます
マジか
読ませていただく
14021/04/02(金)21:05:47No.789143110+
>マジか
>読ませていただく
ウララちゃんのページからリンクあるのでどうぞ
参考になれば幸いです
つづきます
14121/04/02(金)21:06:03No.789143219+
『……そうだな。ウララはまだ芝の走りが甘い。厳しく、見てやってくれるか。一緒に走りながら』
「……アイアイー。そだね、ちょっとまだダートっぽい走り方してるもんね……よーっし!それじゃ、いっちょやったりますか!」

ネイチャが、一周を走り切り残り半分となったウララに併走して並んでいく
その姿に笑顔を見せて、ウララもまた最終コーナーを回って最後の力を振り絞って。
二人して、芝のコースを駆け抜けていくのだった。

【芝 ☆☆☆】
『きっとその先へ…!のコツ レベル3』
14221/04/02(金)21:06:23No.789143332+

――
―――

『各バ、ゲートインが完了しました』

『冬の有馬記念………』
『スタートです!!!』
14321/04/02(金)21:06:32No.789143396+
読み入ってしまう
14421/04/02(金)21:06:52No.789143526そうだねx4
サービス開始一週間で有馬一着取った人が話題になったけどいざチャレンジしてみるとあの継承だとマジの奇跡が起きて勝ったレベルの難易度だと思い知らされるよね思い知らされた
14521/04/02(金)21:07:03No.789143606そうだねx11
>読み入ってしまう
実録物だ
重みが違う
14621/04/02(金)21:07:27No.789143772そうだねx6
少しここでご飯休憩挟みます…
気付けばまだ夕飯食べてなかったのでおなかぺこぺこです!
レースに入ってからが本番みたいなところあるのでもう一回スレ立てて垂れ流していきますね
14721/04/02(金)21:07:29No.789143775+
リアルで有馬突破して怪文書まで書くとか
こんなのがimgに居ていいの…?
14821/04/02(金)21:08:13No.789144059+
生殺し!
14921/04/02(金)21:08:20No.789144105+
まさか夕食食べずに書き溜めてたのか…!?
15021/04/02(金)21:08:21No.789144112+
にんじんハンバーグ食ってこい!
15121/04/02(金)21:08:28No.789144160+
>気付けばまだ夕飯食べてなかったのでおなかぺこぺこです!
もしやこいつ一度書き上げてそのままの勢いでここへ…!?
15221/04/02(金)21:08:31No.789144187+
楽しみにまってるよ
15321/04/02(金)21:08:35No.789144209+
にんじん生で齧れ!
15421/04/02(金)21:08:54No.789144330+
そりゃその熱量にもなるだろうよ…俺もいつかは…きっといつかは
15521/04/02(金)21:08:54No.789144333+
さっさとゆっくり食ってこい
スレが落ちる前には戻ってこいよ
15621/04/02(金)21:09:02No.789144376+
ウワーッ続きが!気になる!
15721/04/02(金)21:09:04No.789144389+
たくさん食べてたくさん文を書いて欲しい
15821/04/02(金)21:09:10No.789144427+
>にんじん生で齧れ!
+20
15921/04/02(金)21:09:27No.789144541そうだねx4
ウワーッ美味しい人参ハンバーグ食べてね!!
16021/04/02(金)21:09:29No.789144556+
面白い
16121/04/02(金)21:09:38No.789144607+
文章からバカ高い熱量を感じるし成し遂げたのは本当に凄い
最近はチームレースに勝つのにお熱になってたけどまたウララで有馬一着目指してみようかな
16221/04/02(金)21:09:57No.789144711+
こんなところで劇場版が始まるなんて思わなんだ
16321/04/02(金)21:10:09No.789144778+
ちなみに完結まで書き切ってます!
次のスレでどばーっと…投稿しきれたらいいなぁ(4割程度消化)
16421/04/02(金)21:10:12No.789144789+
面白い
ウララを勝たせるために何人も何人も育ててるんだもんな…
16521/04/02(金)21:10:32No.789144910+
やったーまだ6割もあるぞー!
16621/04/02(金)21:10:40No.789144969そうだねx4
>次のスレでどばーっと…投稿しきれたらいいなぁ(4割程度消化)
まだ半分以上あんの!?
16721/04/02(金)21:10:43No.789144985そうだねx2
これがハルウララがんばるっ!ですか
16821/04/02(金)21:10:49No.789145017+
ウララに狂った「」レーナーは多い
16921/04/02(金)21:10:49No.789145018+
次スレまでの間にスッペンペンの攻略でも読んでくるか
17021/04/02(金)21:10:50No.789145023+
>ちなみに完結まで書き切ってます!
>次のスレでどばーっと…投稿しきれたらいいなぁ(4割程度消化)
よんわり…
17121/04/02(金)21:10:50No.789145024+
やったー!まだ半分も終わってないぞー!
17221/04/02(金)21:11:01No.789145097+
面白いけど本当に長くて駄目だった
17321/04/02(金)21:11:01No.789145101+
情熱がほとばしる怪文書いいよね…
17421/04/02(金)21:11:12No.789145169そうだねx6
とりあえず何時からやるか教えてから飯に行ってくれ!
17521/04/02(金)21:11:43No.789145362+
専用二つ名は取れた?
有馬と別のベクトルで難しいと思うんだけど
17621/04/02(金)21:11:51No.789145405+
俺も風呂入ってくるからゆっくりでいいぞ
17721/04/02(金)21:12:06No.789145521そうだねx2
ちゃんとゲーム内でやったことも織り交ぜてるあたり賢さSSを感じる
17821/04/02(金)21:12:16No.789145587+
クレーンゲームのミッションでウララを諦めさせていた俺に刺さる…頼む許してくれ
17921/04/02(金)21:12:23No.789145630+
オイオイオイ
眠れねーわ今日
めっちゃ面白いわこれ
18021/04/02(金)21:12:42No.789145761そうだねx3
ちょっともう泣く
18121/04/02(金)21:13:07No.789145912そうだねx5
ネイチャの「その先へ」がまた別の意味で意味深になってくるな…
18221/04/02(金)21:13:09No.789145924そうだねx3
俺今日これを見つけただけでもだいぶ項羽だと思うよ
18321/04/02(金)21:13:45No.789146162+
継承4にんしかいないけど残り2人は仕事しなかったんです?
18421/04/02(金)21:14:04No.789146279そうだねx4
攻略読まして貰ったけどニシノクリークターボ完凸使ってるの見てあれっ!?随分話のレベルが高いな!?ってなりましたよ!
18521/04/02(金)21:14:04No.789146280+
ウララは相性の関係で因子継承もし辛いのが運ゲー感を加速させる
18621/04/02(金)21:14:39No.789146511+
継承を女神像じゃなくてこういう解釈でやっていくのは凄い
賢さSSだわ
18721/04/02(金)21:14:41No.789146527+
>とりあえず何時からやるか教えてから飯に行ってくれ!
このスレ落ちたら続き始めようかなと
>専用二つ名は取れた?
>有馬と別のベクトルで難しいと思うんだけど
むちゃをいうなあ
二回目の継承が終わってようやくBBになるレベルなんですよ!しかも有馬に向けて練習するからレース出られません!
18821/04/02(金)21:14:53No.789146614+
流れの早い時間だから油断すると見落としそう
18921/04/02(金)21:15:08No.789146713そうだねx3
>俺今日これを見つけただけでもだいぶ項羽だと思うよ
汝が項羽か
19021/04/02(金)21:15:12No.789146731そうだねx1
やっぱりスッペンペンに怪文書コーナー欲しいよ
19121/04/02(金)21:15:17No.789146760そうだねx1
>継承4にんしかいないけど残り2人は仕事しなかったんです?
是非スッペンペンを読んでください!
19221/04/02(金)21:15:18No.789146763+
>俺今日これを見つけただけでもだいぶ項羽だと思うよ
さしずめスレ「」レーナーは劉邦というところか
19321/04/02(金)21:15:42No.789146925そうだねx1
>>俺今日これを見つけただけでもだいぶ項羽だと思うよ
>汝が項羽か
劉邦きたな…
19421/04/02(金)21:15:50No.789146966+
>ウララに狂った「」レーナーは多い
でもここまで酔狂な奴はそうは居ない
19521/04/02(金)21:16:01No.789147030+
塩にtxtで置いといて
19621/04/02(金)21:16:06No.789147051そうだねx1
>やっぱりスッペンペンに怪文書コーナー欲しいよ
あったような…編集者があんまいないだけで…
19721/04/02(金)21:16:11No.789147093そうだねx8
なんかどの子も再現度高くて並々ならぬ愛を感じる
19821/04/02(金)21:16:16No.789147126+
重みがすごい
19921/04/02(金)21:16:17No.789147132そうだねx1
>やっぱりスッペンペンに怪文書コーナー欲しいよ
少なくともお外の盛り上がりが落ち着くまでは我慢して欲しい
20021/04/02(金)21:16:25No.789147199そうだねx1
>>ウララに狂った「」レーナーは多い
>でもここまで酔狂な奴はそうは居ない
狂っても折れざるを得ない難易度だからな…
20121/04/02(金)21:16:36No.789147265+
ウラキチさんって呼ばせてほしい
20221/04/02(金)21:16:51No.789147351+
怪文書ならnetkeiba.comでいっぱい見れるよ
20321/04/02(金)21:17:20No.789147530+
スレ「」には敬意しか無い
20421/04/02(金)21:17:46No.789147712+
一応あったけど消し飛んでるね
お外が落ち着くまではしょうがない
20521/04/02(金)21:18:15No.789147893+
愛が足りてるぜ
20621/04/02(金)21:18:19No.789147908そうだねx8
>怪文書ならnetkeiba.comでいっぱい見れるよ
本当の怪文書はやめて下さい!
20721/04/02(金)21:18:47No.789148102+
見えてる難易度高すぎてとっくに諦めたけど
ウマ娘プレイし始めたきっかけはウララの有馬が鬼畜すぎる事に対するお気持ち表明ついぷりスレだった俺
競馬には1ミリも興味なかったけどウララに興味持って手をつけた
20821/04/02(金)21:19:42No.789148463+
ほかならぬ自らの手で育成を重ねて思いを継がせて書いた文章は濃いな…
今は担当ではない彼女たちの言葉とそれに被せるようなトレーナーの言葉がどれもずしりと重い
20921/04/02(金)21:19:46No.789148493+
ウララURA優勝今日初めてできた自分にはナウなヤングにバカウケの怪文書だ
21021/04/02(金)21:19:53No.789148539+
シラオキ様の神通力がどんどん盛られていく
21121/04/02(金)21:20:03No.789148595+
・最後方集団かつ初速が遅いので抜錨の無限加速を最大限使う
・一人でも抜けばシューティングスターで第一弾ロケット
・当然敗北必至エリアなのでネイチャ固有で第二弾ロケット
・首位射程圏内に入れば貴顕発動で最終点火

芝適性の不利を速度スキルガン積みで埋める
唯一、差しAだけが他に劣らぬ武器なのでスキル発動率は担保されるし
コース選択も支障ない
育成ボーナスもパワーと根性だからスタミナもちょこっと上がる
これらを全部束ねた上で競バの神に祈る
21221/04/02(金)21:20:05No.789148606+
スズカさんと同じく誰も見たことない景色を見に行っている…
21321/04/02(金)21:20:55No.789148899そうだねx2
実際のプレイから書き出した文章はTRPGのリプレイ小説みたいな趣があるな…
21421/04/02(金)21:20:56No.789148904+
>ウララURA優勝今日初めてできた自分にはナウなヤングにバカウケの怪文書だ
マルゼンの意志が…
21521/04/02(金)21:21:36No.789149167+
>唯一、差しAだけが他に劣らぬ武器なのでスキル発動率は担保されるし
この後の展開楽しみにしていてください(にっこり)
21621/04/02(金)21:21:37No.789149171そうだねx2
スペ読んだけどゴルシ長距離⭐︎⭐︎じゃねーか!話盛ったな!でも面白いから許ーす!
21721/04/02(金)21:21:58No.789149296+
>これらを全部束ねた上で競バの神に祈る
しかもこれだけ重ねた上でたのみの目覚ましは鳴らないもんな
本当に誰も見たことがない場所だ
21821/04/02(金)21:22:00No.789149305+
因子かき集めして継承されることを祈ってそれまでにある単距離マイルもちゃんとクリアしたうえで有馬は一発勝負だからね
21921/04/02(金)21:22:01No.789149310+
読ませる文章だ…
22021/04/02(金)21:22:04No.789149333+
最後尾からの多段ロケットは決まった時気持ちいいだろうなぁ
22121/04/02(金)21:22:12No.789149391+
>スペ読んだけどゴルシ長距離⭐︎⭐︎じゃねーか!話盛ったな!でも面白いから許ーす!
面白いものになったと思うので許してくれ
許された…
22221/04/02(金)21:22:24No.789149477+
ネイチャとの対話で他の誰でもなく自分自身が勝ちたいから走るって思いに言及させるのいいなあ
22321/04/02(金)21:22:26No.789149490+
有馬チャレンジも大分苦行だけどそのうちウララで(とれるだけの)トロフィーコンプとかも出てきそうで怖い
みんなハルウララに情緒をやられている…
22421/04/02(金)21:22:38No.789149568+
>これらを全部束ねた上で競バの神に祈る
やるだけやった上で神に祈るしかないんか…
修羅の道すぎる…
22521/04/02(金)21:23:11No.789149772+
スッペンペン見たけど本当に敬意を表するよ
俺は途中で諦めてここまで本気になることが出来なかった
22621/04/02(金)21:23:11No.789149773+
やっぱりシラオキ様はいるんじゃねえか?
22721/04/02(金)21:23:37No.789149953+
>やるだけやった上で神に祈るしかないんか…
まあ普通にやってもたまに祈る時あるし祈ると通る時あるもんな…
なんでそんな位置についているんですか…
22821/04/02(金)21:23:49No.789150034そうだねx5
でもガチガチに計算づくの狂気で詰めに詰めて
最後の一手は神頼みってのはめちゃくちゃに燃える
22921/04/02(金)21:24:02No.789150109+
許すよ…
23021/04/02(金)21:24:16No.789150191+
>やっぱりシラオキ様はいるんじゃねえか?
ハイ!
23121/04/02(金)21:24:44No.789150361+
この長さをimgで…?
23221/04/02(金)21:24:47No.789150380+
フニャラカ
23321/04/02(金)21:24:51No.789150414そうだねx2
よし!ご飯食べ終わりました!
このスレが消えたら次行きます!ゲートイン完了です!
23421/04/02(金)21:24:52No.789150422そうだねx1
>でもガチガチに計算づくの狂気で詰めに詰めて
>最後の一手は神頼みってのはめちゃくちゃに燃える
ブラックラグーンのロックの言葉思い出すな…
23521/04/02(金)21:25:58No.789150800+
すべて手を尽くして努力を根性を工夫を積み重ねて後は勇気で補うという
23621/04/02(金)21:25:59No.789150809+
脳内の茂木さんに実況させようぜ!


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