そんなある日の事、座学が終わった昼に
キングヘイローはセイウンスカイに呼び止められた
「キング。今日は何食べんの？」
「ああ、ごめんなさい。今日はトレーナー室で彼と一緒にお弁当を食べる予定なの」
「え？なになにキングそれキングが作ったの！？」
「珍しい事もあるものデース！これは午後雨がふるかもしれませんネ！」
「エル」
「素敵ですね！でも何を作ったんですか？」
「サンドイッチにしたわ。本当はもう少し凝ったものにしたいんだけどまだ習い始めたばかりだし何より悔しいけど彼の方が上手なのよ…でもちょっと聞いて頂戴！
『キングが作ってくれたなら何でも美味しいよ』は無いと思わない？
私としては正直な感想が欲しいのよ。レースで入着出来なかった時と同じように
次の糧にしたいのにニコニコ食べるのね。嬉しくない訳ではないの
でもね分かる？彼の食べさせてくれたお弁当のオカズは本当に美味しくて
その上で私の不格好なお弁当を食べられるというのはどうにも…」

そこで漸く皆がこちらを興味津々に見ているのに気づいた
いけない。だがバレてはいないだろう
落ち着きなさいキング。あくまで優雅に彼女達と別れましょう
「…コホン。ごめんなさいね、誘ってくれてありがとう。じゃ、また後で会いましょう」
「お、いたいたキング」
「トレーナー！」
ぴん、と耳を立てキングヘイローはパタパタと顔を見せたトレーナーの元へと駆けていく
「急にどうなさったの？ひょっとして私の顔を見たくて待ちきれなかったのかしら！」
「少し早めに仕事が切りあがったから一緒にトレーナー室まで行こうかと思って」
「まあ！うふふそうそう聞いてくれる？今日のは自信作なのよ」
「おおいいね。俺も君の好物作ってきたよ」
「結構な事だけど油断しない事ねトレーナー。私好きな物程妥協できない性質なのよ」
「知ってる」
会話しながら二人はトレーナー室へと連れだって歩いていく
キングの手が当たり前であるかのようにトレーナーへと回されそして掴んだ

あっという間であった
呆気に取られていたセイウンスカイがまず我に返り頬をかくと
眩しそうに眺めていたスペシャルウィークの肩を叩く
「ほら行こ。邪魔しちゃ悪いし」
「…そうだね」
食堂へと二人が振り向くと既に口を開けたままのエルコンドルパサーをグラスワンダーが搬送していた
これにセイウンスカイ達が合流し食事へと急ぐ
今はそっとしておけばいい
詳しい話は後で。バ群として包囲して聞けばいいのだから

いい…

あのキングトレーナーの事になると早口になるよな

>笑ってしまいルームメイトのハルウララからにこにこされるのだが、気づかない
ﾆｺﾆｺ(こいつらやることやったんだな)

エルちゃん色々と弱い…

エル･･･。

マスクつけててもこういうのには弱いんだな…Vほどじゃないにしろ

(気付にデスソースをぶち込まれるエル)

浮かれお嬢様すぎる

まああのトレーナーと恋人になって本格的に甘えれるなら受かれるよ

お義母様急に気振りすぎでは？

不器用ながらも料理に励むお嬢はいいものだ

何かにつけて「でも、そんな所が好きなの」ってはにかんで言いそうなウマ娘1番人気、キングヘイローです

お母様は娘が幸せになるならいくらでも気振るからな…

お母様も現役時代に理解ある彼に出会ったんだろうし…

>お義母様急に気振りすぎでは？
才能無くて泣いて帰ってくると思ってた娘を本当に一流にしたトレーナーだし…

>お義母様急に気振りすぎでは？
レースの道が娘の幸せに繋がらないと思ってたから帰ってこいって言ってたけど、
キングに理解ある彼君捕まえたって話になったら外堀を埋めに連れて帰ってきなさいってなるよ

一流とはなんぞやの人だ！

振り返るとキングはこの頃から自分のために何かされるときゅーんとなるお方だから…
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バ群包囲はやめて！