ある日熱心に祠に祈っていたウマ娘が担当トレーナーと共にフクキタルに駆け寄って来た。
「フ、フ、フクキタルさん！！」
「こんにちは！どうされました？」
「レースにか、勝ったんです！」
「ｵｵｯおめでとうございます〜。シラオキ様のお陰ですね！ﾅﾑﾅﾑ……。」
ウマ娘より早く担当トレーナーは興奮気味に語る。
「いやしかしGIですよGI！？人気順だってだいぶ下の方だった、なのに二着の娘に大差をつけて勝ってしまった……。」
「私デビュー以降勝った事が無くて……このレースを最後にしようと思ってたんです。」
「良かったですねぇ……シラオキ様のお陰であなたにも道が開けてきたと言う事ですよ！」
……それからだった、学園の祠を参拝すれば御利益がある。出るべきレースを占って貰える。体の悪い場所が治る。レースに勝てる。センターを取れる。GIに勝てる。噂が噂を呼び、祠を参拝する者は更に増えつつあった。レースの勝利報告の為に訪れた際に賞金の一部を奉納したいと言うウマ娘まで現れ出し、フクキタルはこう言った。
「皆さんのシラオキ様への信心を無駄には出来ません！シラオキ様を祀る大きな神社を建立する為にありがたく使わせて頂きましょう！」

「……なぁフクキタル。実家が神社だって言ってたけど良いのか？」
「ﾊｲｯ、シラオキ様を祀る場所は何社あっても良いですからね！」
小さな祠だったそれはあれよあれよと言う間に本殿や社殿の整備がなされ、学園の敷地を広げる形でシラオキ神社が建立された。

「私、今度メイクデビューなんです！勝てるでしょうか？」
「ﾊｲｯ、シラオキ様のお導きがあります！ご加護がありますよう祈りましょうっ！」

「フクキタルさん……この間シラオキ様に占ってもらったレース負けちゃいました……。」
「ﾑﾑｯ、シラオキ様へもう少しだけ祈ってみましょう！これは次に勝つ為のステップアップ！シラオキ様は裏切りませんから！」

「ウワーッ！神頼みなんて性にはあわねえけど、俺ホントに日本ダービーに出て良いのか分からなくなってきた！！」
「シラオキ様にお任せです！どうすべきか決めて頂きましょうっ！！」

「私、スズカさんみたいになれるでしょうか？後お賽銭忘れたので3000円貸してください！」
「シラオキ様に祈ればきっとなれます！それとシラオキ様を崇める気持ちがあれば、お賽銭は別になくても大丈夫です！」

フクキタルの執り行う神事の手伝いとトレーナーとしての仕事をこなす毎日。二足の草鞋を履き多忙を極めていたが順調な日々であった。気味が悪いほどに。
フクキタルの引退後に俺が担当したウマ娘達も数々のレースで優秀な成績を残していたが、俺個人の考えでは実力不足なのに勝ってしまう事もしばしばあった。
『運だけのトレーナー』
上からの評価は上々だが、トレーナー内での俺の評価は芳しくない。運も実力の内と自分に言い聞かせていたが、その運とは俺が引き寄せているものなのかそれとも……。
「トレーナーさん！今幸せですか？」
フクキタルの問いかけで我に戻る。二人で囲む食卓に時計のチクタクと言う音だけが暫く響いていた。
いつにも無く不安げな顔でこちらに目を向けてくる彼女に俺は答える。
「……もちろんだ。フクキタルのお陰で俺自身の評価もいいし、神社に参拝する皆は幸せそうだからな。」
「なら良かったです！私もとっても幸せですから！でも私のお陰ではなくシラオキ様のお陰ですよ？」
「……ああそうだな全てはシラオキ様の思し召しだ。」

彼女に笑みが戻る。俺の幸せとはフクキタルが幸せである事。もし俺が運によって生かされているのならば運を引き寄せているのは俺自身ではなくフクキタルのお陰だ。そしてフクキタルは全てはシラオキ様のお陰と言っている。ならば俺のすべき事は……。
「……シラオキ様、シラオキ様。どうか俺とフクキタルを幸せにしてください。なんの実力もない俺には彼女しか……彼女しかいないんです！どうか……どうか！！」
その日、俺の夢枕に立ったシラオキ様は何故か少し悲しそうな顔をしていた。


特殊エンド達成条件
・URAファイナルズの優勝
・バ場、距離、いずれかの適正がB以下のレースへの出走
・出走する全てのレースで四番または七番人気かつ一着で育成を終える。
(出典:ウワーッ！ザップ)

すげー見るのめんどくさいうえにいざ見てもモヤモヤするだけのエンディング！

DODのEエンドみたいな…

でもねお告げを出すシラオキ様も悪いんですよ

バッドエンドにしても辿り着くのが難しすぎるしスタッフは何を考えてこんな変なエンディングを作ったのかユーザー間で物議を醸すやつ

URA優勝と適正B以下はともかく人気指定が狙っても難しそうで

>(出典:ウワーッ！ザップ)
ダメだった

最も運のある馬が勝つあのレース関係者から少しずつ運を吸い取ってるんじゃないのかな…

フクキタルにとって一番大切なものを更新できなかったエンドか…

救いが無さすぎる…

大凶なエンドだ…

いやまあみんな救われてはいるんだけどさ…
「みんなそれでいいの？」ってシラオキ様は複雑だろうな

実力ありきで後押しをしたつもりがかえって不幸な結果を生んでしまったお話

シラオキ様に本格的に見放されて神通力無くなったら
二人とも居場所が...