>魔力持て余した妹ちゃんがちょっとした事故で生やしちゃって >戻すためには抜き切らないといけないからのわちゃんがしょうがなく手とかで始めたけど >我慢しきれなくなった妹ちゃんに押し倒されちゃってあまりに苦しそうで受け入れたものの >小柄なのわちゃんに妹ちゃんの魔法の杖はちょっと大きすぎて >魔法で痛みを緩和したら同時に快感が強くなり過ぎて >イキっぱなしで頭おかしくなりそうな快感に翻弄されながらも >妹のためと必死に抜き続けながらいつしか自分が快楽を貪ってるのわちゃんの薄い本はありませんか というレスを見て勝手に書きました。ごめんなさい。 薄い本じゃなくてごめんなさい。だれか描いて。 ちょっと長いですが、もし楽しんでもらえたなら幸いです。 前置き終わり。 * * * 『魔法ちんこ プルミエ・ノワールの妹』  いきなり部屋のドアが開いたと思ったら、魔法少女姿の妹が勢いよく飛び込んできた。 「……どうした変身したままで――」 「お兄ちゃ~んっ! 私おちんちんが生えちゃった~~!」  ……?  聞き間違いかな?  妹の口からおちんちんが生えたって言葉が聞こえたような気がしたが……まさかそんな事起こるはずないよなハハハ。 「どうしよう、私、どうすればいいのかな……」  あっ、これマジなやつだ。 「……マジなのか?」 「うん……」  うぐぅ、今にも泣き出しそうな顔しやがって……。  いや、お前を疑ったわけじゃないんだ妹よ。お兄ちゃんはただちょっと現実逃避をしただけなんだ。  分かってたうん分かってたよそういうことが起こっても不思議じゃないよな。だって男なのに魔法少女に変身してしまう俺がいるんだから、おちんちんの生える魔法少女がいたっておかしくは……おかしくは……。  ……いやおかしいだろ魔法『少女』なのにちんこが生えるってどういうことだよ!?  魔法少年なのか!?  兄が少女化なら妹は少年化ってことなのか!?  タマぁ!!  タマはどこだあ!!   「……タマは一緒じゃないのか?」 「うん」    ……。  てっきりまたタマの仕業かと思ったが……違ったのか?  いや。タマが関わっていようが関わっていまいが、何かを知っている可能性は高いはずだ。  なんせ普通の女の子を魔法少女にするのがタマの仕事で。  俺を魔法少女にしたのもタマの仕事だからな。  うん。  とりあえずタマを探し出すべきだな! 「ちょっとタマを探してくる」  泣きそうな顔をしてるこいつを一人にさせるのは心配だが……。  とりあえず変身だ。  魔法少女の身体能力で可及的速やかにタマをとっちめてやる。 「すぐ戻ってくるからな。少し待ってろ」  ひとの妹をこんな目に合わせやがって、どこに居ようと全力で見つけ出してベアクロー喰らわせてやるからなタマぁ!! * * * 妹視点  おちんちんが生えてしまってた私はパニックになった。  頭が真っ白になって。  気づけば、変身した姿のまま家に帰りお兄ちゃんの部屋に駆け込んでお兄ちゃんに助けを求めていた。  ……今思えば、偶然お兄ちゃんしか家に居ない時で本当によかった。 「……マジなのか?」  お兄ちゃんは何も言わず、すぐに信じてくれた。  それからお兄ちゃんは、私がタマと一緒にいないという事を確認すると。 「ちょっとタマを探してくる」  そう言って魔法少女に変身し、窓を開けてサッシに足を掛ける。 「すぐ戻ってくるからな。少し待ってろ」  のわちゃんの後ろ姿でそう言い残すと、風を残して外へと飛び出していった。  そのあまりの行動の早さに、私はただ呆気にとられていることしかできなかった。  風で、カーテンが揺らめいている。  カーテンの動きが収まって、我に返る。 「……お兄ちゃんはすごいな」  タマを探しに行くなんてこと私は思いつかなかった。  いや、思いつけなかった。おちんちんが生えて、パニックになってしまっていた。  落ち着いて考えてみれば、まずタマを探して私の状態を確認してもらうのが一番なはずだ。  いくらおちんちんが生えたからって、そんなことも思いつけないとは……我ながら情けない。  お兄ちゃんは、男なのに魔法『少女』に変身してずっと魔物と戦ってきたというのに。それも、その事は誰にも言わず秘密にして、たった一人だけで……。  お兄ちゃんに……のわちゃんに助けられた魔法少女は、この街にはいっぱいる。  それこそ、魔法少女の組合みたいなものができるくらいに。  私だって助けられた。何度も、助けられた。  そして今日も……。 「はぁ……」  助けられてばっかりだなぁ、私。  けど……。 「お兄ちゃんがいてくれてよかった」  ありがとうお兄ちゃん。  お兄ちゃんのおかげで、今は気持ちが落ち着いているよ。  不安な気持ちが無いと言えば嘘になるけど、でも、とりあえず大丈夫。  私もタマを探しにいこうかな……。  それだとすれ違いになっちゃうかもしれないか。  ……ごめんねお兄ちゃん。ありがとうお兄ちゃん。  私は一人、ベッドの上で膝を抱えて、お兄ちゃんがタマを見つけて戻ってきてくれるのを待っていた。 * * * 兄視点  魔法少女に変身して全力で探したおかげで、タマはすぐにとっちめる事ができた。  問答無用で頭を鷲づかみにして俺の部屋まで連れてきて、妹の状態を確認させる。 「これは……どうにも魔力が股間で固定化されてしまってるみたいタマね」  なるほど、全く意味がわからない。  「股間で固定化って……。魔力が固定化というのがまず意味が分からないけど、それはまあいいとしよう。……何でちんこになるんだよ!」 「知らないタマ。そういう風になってるってだけで、タマも初めて見たタマよ」  初めて見たってお前……。  本っっ当に頼りにならないなタマは! 「泣きそうな顔の妹を部屋に一人置き去りにして、わざわざ変身までして本気で街中を探し回ってようやく見つけて引っ張ってきたっていうのに……」 「タマも把握してない事態が起こってしまったみたいで本当に申し訳ないタマ。すぐに原因を調べるタマ。……でも普段からちょこちょこ私用で変身してるタマよね?」  タマが何か言っているが今はどうでもいい。  しかし、タマにも分からない事態となるとこれから一体どうすればいいんだ……くそっ! 「お兄ちゃん、私がドジったのが悪いんだから、タマを責めちゃ駄目だよ」  え? ドジッた? 「タマは別に気にしてないタマ。お兄ちゃんは君のことが心配でたまらないだけなんだタマ。タマもどうにか治せないか調べてみたいから、もう少し魔力の流れをしっかり分析させて欲しいタマよ」 「タマ、ありがとう。お願い」  あれ? いつの間にか兄の俺より妹のこいつのほうが落ち着いてない?  ……一番不安になってるはずの当事者本人に諭されるなんて。  兄として恥ずかしい…。  ……そうだな、うん。  妹が俺と同じ苦しみを味わうことになるかもしれないという事態に俺は、少し心の平静を失っていたかもしれない。  確かに、全然関係無いタマを責めても仕方ないよな。  ちょっと落ち着こう。 「……少し取り乱していたようね。別に、タマを責めてたわけじゃないの。でも、ごめんなさいねタマ」 「気にしてないタマ。でも絶対に責めてたタマよね?」 「……私という前例があるのがいけないのよ」 「それを言われると弱いタマっ」  でも、今回タマは本当に全く関係ないのか……。  いやー若干申し訳ない。 「……私、お兄ちゃんの気持ちを考てなかったかも。ごめんね」  えっ、俺の気持ち? 「……なんのことかしら?」  「ふふっ」  えっ、笑われた?   あれ?  さっきまで泣きそうだったはずの妹が、心配しすぎて熱くなった兄の気持ちを慮っているよ?  ひょっとして俺だけ頭に血が上りすぎていたのか?  なんか恥ずかしい……! 「そういえば、急にしゃべり方がのわちゃんモードになったねお兄ちゃん」 「……この姿の時は、この喋り方のほうが落ち着くから」 「そ、そっかー」  ……そう。  どんな魔物と戦うときでも、こうやって魔法少女として振舞って戦ってきた。  だからこれは、俺にとっての一種のルーティンってやつなのかもしれない。野球選手とかラグビー選手が試合中に決まった動作やポーズをやるあれだ。  常に魔法少女として完全なパフォーマンスを発揮するためのルーティン。  そう……だから落ち着け……。  ここで動揺する姿を見せたら、余計に恥ずかしくなるだけだ……。  落ち着け……! 平静を装うんだ俺……! * * * 妹視点  「泣きそうな顔の妹を部屋に一人置き去りにして――――  「タマも把握してない事態が起こってしまったみたいで――――  ……。  何故だかお兄ちゃんがタマにきつく当たっている。  タマが悪い訳じゃないのに、そんなにきつく当たったら理不尽だ。  それに、そんなお兄ちゃんを見るのは少し悲しい。 「お兄ちゃん、私がドジったのが悪いんだから、タマを責めちゃ駄目だよ」  そう言うと、お兄ちゃんは少し驚いた顔で私を見た。  タマがすぐにお兄ちゃんを庇った。  「タマは別に気にしてないタマ。お兄ちゃんは君のことが心配でたまらないだけなんだタマ」  ついさっきまで責められていたはずなのに。  タマは本当にいい子だなあ……。 「タマもどうにか治せないか調べてみたいから、もう少し魔力の流れをしっかり分析させて欲しいタマよ」 「タマ、ありがとう。お願い」  でも、私のことが心配でたまらない、かあ。  そっか。  私はお兄ちゃんに相談して勝手に落ち着いてしまったけど……。  私、泣きそうな顔をしてたってお兄ちゃん言ってたし、すごく心配掛けちゃったよね。  私が心配掛けたせいで、お兄ちゃんはあんな風にタマに。  そういえば私が駄目だよって言ったら、驚いた顔してた……。  心配だけ掛けて、お兄ちゃんの気持ちを考えてなかったかもな……。 「……少し取り乱していたようね。別に、タマを責めてたわけじゃないの。でも、ごめんなさいねタマ」  やっぱり、お兄ちゃんがタマにきつく当たってるように見えたのは、私のことが心配だったからなんだ……。 「気にしてないタマ。でも絶対に責めてたタマよね?」 「……私という前例があるのがいけないのよ」 「それを言われると弱いタマっ」  もう冗談を言い合ってる。さっきの雰囲気が嘘みたい。  さすがに長年の付き合いなだけはあるなあ。  でも、お兄ちゃんという前例、かあ……。 「……私、お兄ちゃんの気持ちを考てなかったかも。ごめんね」  お兄ちゃん、誰にも言えないままずっと魔法『少女』として戦ってきたんだもんね。  きっと、私が女の子なのにおちんちんが生えたことについて、私なんかよりもずっと思うところがあったのかも。 「……なんのことかしら?」  お兄ちゃんったら、とぼけちゃって。  格好つけなんだから。   「ふふっ」  あ、お兄ちゃんが停止した。  だいたいこういう時は頭の中で言い訳を考えてるんだよね。  私、最近気づいたんだよお兄ちゃん。  私以外の魔法少女と会話する時にも、こういう独特の間が生まれるのを見て、気づいちゃったんだ。  その独特の間は、お兄ちゃんが頭の中で言い訳を考えてる時の間なんだって。  だってお兄ちゃん、微妙に返答に困ることを聞かれたとき、いつもちょっと間を空けてから、もっともらしく話をはぐらかするんだもん。  でもその間が、知らない子から見たらとても大人っぽい雰囲気に感じるんだよね。  昔は私ものわちゃんがそんな風に見えてたし、今でもお兄ちゃんがそんな風に見えてしまうことがある。  小さい女の子の見た目とは不釣合いな戦いの巧みさ。的確な判断力。  見た目の幼さには似合わない氷みたいに冷たくて端整な顔立ち。突き放した言動とは裏腹に、たくさんの魔法少女を助けてきた。  助けを求めたらすぐ、私の気持ちになって考えてくれる。  そんなのわちゃんの正体を知ったとして、受け入れない魔法少女なんていないと思うんだけど……このお兄ちゃんにはそれが無理なんだよねぇ。 「そういえば、急にしゃべり方がのわちゃんモードになったねお兄ちゃん」 「……この姿の時は、この喋り方のほうが落ち着くから」 「そ、そっかー」  ちょっとだけ手遅れなところもあるけどね……。 * * * 兄視点 「……そういえば、何がどうなってそんな状態になったのかしら?」  なんかさっきドジったとか言ってたが……まずはそれを聞かないとだよな。何か解決の糸口が見えてくるかもしれないし。  しかし、こんな根本的なことさえ聞くのを忘れていたとは。  やっぱり相当取り乱していたのかもしれないな……。 「……街に魔物が現れてね。私が戦ってたの」 「ああ。その魔物の能力で……」  妹が首を横に振っている。  違ったらしい。 「それでね、魔力を収縮させたビームを撃って、それで魔物は退治できたんだけど、魔法を撃ちながら転んじゃって……」  魔法を撃ちながら……転んだ?   「……それで?」 「撃とうとした魔力が体の中に返ってきた感じがして……気づいたらこうなってた……」 「……そう」  ああー、なるほどね。  なるほど……。  どういうことだよタマ!? 「いや、こっちを見られても分からないタマ」  そんなんばっかだなお前!! 「あなた、魔物が現れたのにその場にいなかったの?」 「向かってはいるところだったタマよ? でも、魔物の気配はすぐ消滅してしまったし、到着した時には誰もいなかったから、問題なく倒せたのかと思ってタマね」 「ふうん……。まあ、そういうことなら仕方ないかしらね」 「お兄ちゃん」 「……分かってるわよ。別に、タマを責めてるわけじゃないわ」 「責めてたタマよね?」 「でも、魔法の力が固定化してちんこが生えたのだとすると……変身を解けば元に戻るんじゃないかしら?」  なんで魔法の力が固定化してちんこが生えるのかは分からないが、原因が魔法の力だというなら変身を解けばいいだけのではないだろうか。 「うん。変身を解いたら元に戻ったんだ」 「じゃあ、解決じゃない」  よかったよかった。 「でも、念のためもう一度変身てみしたら、まだ生えてて……」 「……タマ?」  一体どうなってるの?  返答如何によってはその卵みたいな頭がヒビ割れるまで握りしめるぞ? 「おそらくタマ。デフォルトの変身姿が、暴走した魔法の力で捻じ曲げられているのかもしれないタマ。だから怖い目で見るのは止めて欲しいタマ」 「捻じ曲げられて……?」 「分かりやすく言うと、変身のシステムが誤作動を起こしてるのかもしれないってことタマね」 「誤作動ね……」  ちんこが生えるとかどんな誤作動だ。  変身のシステムにそもそも根本的な欠陥があるんじゃないのか?  というかそもそもで言うと、男の俺が女の子の姿になることも誤作動なんじゃないだろうな。 「……私が女の子の姿になるのもひょっとして」 「誤作動じゃないタマ」 「そうだと思ったわ」  うん知ってた。 「しかし……そうなると、この子はこれからずっと変身するたびにちんこが生えるということになるのかしら……」 「うぅ……、お兄ちゃんには悪い気がするけど、やっぱりそれは嫌だなぁ……」 「私のことは気にしないでいいから」  むしろ触れないでくれ。 「う~ん、今はなんとも言えないタマ。もう少し分析してみるから待っててタマね」  分析ねぇ。  妹の周りをふよふよ飛んでるだけにしか見えないけど……そんなんで本当に何か分かるのか? 「何か分かりそうかな……?」 「ちょっと待っててタマ。頑張るタマ」 「頑張りなさいよタマ。今のところあなたの分析結果に掛かってるんんだからね」 「分かってるタマ。でも先に謝っておくけど、何も分からなかったらごめんねタマ」 「そうね。何も分からなかった時は仕方ないわね。その時はあなたの股間にも魔法の短剣を生やしましょうか。それとも、もぐのがいいかしらね。タマあなたのちんこってどこについてるの?」 「タマは妖精だからそういうのはないけど、考え得る限りの方法で手を尽くして戻し方を調べるからそれはやめて欲しいタマ」  女の子なのに男のものが生えるのはさぞ辛かろうに……。  俺も男なのに女の子の振りをしているのがいかに辛いか……。  もし、誰かにバレたらと思うとどんなに心が折れそうになるか……。  そんな思いをするのは俺一人で十分なのに、なんで妹まで。 「……あの、お兄ちゃん」 「不安? 大丈夫よ、元に戻す方法は絶対に見つかるわ。もしタマがダメでも、私が……何としてでも……」  もし、タマが元に戻す方法を見つけられなくても、俺がなんとか探し出してやる。  まずはタマをひっ捕まえてタマの上司のところに乗り込んで……。 「ううん。そうじゃなくて、その……、こんな時にこんなことを言ってる場合じゃないのは分かってるんだけど……」 「何かしら?」 「のわちゃんの姿で、その、あまり女の子らしくない単語を言うのはやめた方がいいんじゃないかな、って……」 「……何のことを言ってるのかしら?」  ……女の子らしくない単語? 「だから、その、のわちゃんの口からそういう言葉が出ると、なんだか恥ずかしくなっちゃうって言うか」 「そんな恥ずかしい言葉、何か言ったかしら?」  何だろう。ううむ?  「その姿でちんこって言うのはやめたほうがいいんじゃないかってことタマ?」  ええっ!? いや、確かにさっきからちんこちんこ言ってたかもしれないが……って、妹は妹でこくこく頷いてるし! 「……そうね。妹の前で、というより、女の子のいる場であまり使うべき言葉ではかったかしらね」  俺が少女の姿になっているのは、全く関係ないとして。うん。  そうだよな。妹のいる前でちょっとはしたなかったかもな。うん。  俺の妹は年頃の女の子だ。兄がちんこちんこ言ってるのを聞いたら恥ずかしくなってしまうのだろう。  のわちゃんの口からってのは、言葉の綾で、俺が魔法少女の姿になっていることとは別に関係ないよな。うん。  そう思いたい。  * * * 妹視点 「……そういえば、何がどうなってそんな状態になったのかしら?」  ふと、お兄ちゃんがのわちゃんモードになったままそんなことを聞いてきた。  そういえば、まだ説明してなかった。  とはいえ、説明してもとても信じてもらえないかも……ううん。お兄ちゃんなら大丈夫だよね。  「……街に魔物が現れてね。私が戦ってたの」  不安にならなくても大丈夫だ。  「ああ。その魔物の能力で……」  お兄ちゃんの言葉に、私は首を横に振る。  原因は、魔物の能力では無い。  原因は、私の魔力だ。 「それでね、魔力を収縮させたビームを撃って、それで魔物は退治できたんだけど、魔法を撃ちながら転んじゃって……」  原因はただの私のドジである……。  お兄ちゃん呆れるかな?  それとも怒るかな? 「……それで?」  ……先を促された。  お兄ちゃんのことだから、ちょっと説教モードに入るかと思ったけど。  説教はあとでのパターンかな? 「撃とうとした魔力が体の中に返ってきた感じがして……気づいたらこうなってた……」  説明すると、自分でも要領を得ないのが分かる。でも、本当にこれだけだからどうしようもない。  自分の身に起きたことなのに、私にはこんな説明しかできない。  そしてこれ以上何かを聞かれても、きっと私には答えられない。  情けないなぁ……。 「……そう」  お兄ちゃんは何も言わずにタマを見た。  無言で問いかけているように見える。  冷たく見えるくらい端正な顔立ちをしているのわちゃんだから、口を閉じてタマをじっと見つめる姿には少し迫力がある。  私はのわちゃんから何も聞かれなくて……説教をされたり色々問い質されたりしなくて、正直少しほっとしてしまった。  けど……普通。こんなことを言ってもすぐには信じられないと思う。  だから信じてもらうために、おちんちんを見せなきゃいけないのかな……、なんて不安に思ってもいたんだけど。  お兄ちゃんはそんなことをせずとも信じてくれた。  ありがとう、お兄ちゃん。 「いや、こっちを見られても分からないタマ」 「あなた、その場にいなかったの?」  ……。  やっぱりお兄ちゃん、タマを責めてるみたいに見えるけど……。  のわちゃんの冷たい顔立ちのせいかなあ……? 「向かってはいるところだったタマよ? でも、魔物の気配はすぐ消滅してしまったし、到着した時には誰もいなかったから、問題なく倒せたのかと思ってタマね」 「ふうん……。まあ、そういうことなら仕方なそうね」 「お兄ちゃん」  やっぱりタマを責めてない……? 「……分かってるわよ。別に、タマを責めてるわけじゃないわ」 「責めてたタマよね?」  ……。  お約束のやりとりなのかなこれ? 「でも、魔法の力が固定化してちんこが生えたのだとすると……変身を解けば元に戻るんじゃないかしら?」  それは、私もすぐに試した。 「うん。変身を解いたら元に戻ったんだ」 「じゃあ、解決じゃない」  そうならよかったんだけど……。 「でも、念のためもう一度変身してみたら、また、生えてて……」  確かめるんじゃなかった……。と、ちょっと思ってしまう。  けど、次に魔物が現れた時、変身したらおちんちんが生えたままだった。ということになるよりはマシなはずだ……。 「……タマ?」 「おそらく、変身したデフォルトの姿が暴走した魔法の力で捻じ曲げられているのタマ。怖い目で見るのは止めて欲しいタマ」  ふうん、暴走かあ。  見ただけなのにそんなことまで分かるなんて、タマに見てもらって正解だなあ。 「捻じ曲げられている……?」 「分かりやすく言うと、変身のシステムがバグったって感じタマね」 「バグった、ね……」  バグったかあ。  それって、私が魔力をちゃんとコントロールできてないから変身がバグったってことなのかな……。  うう……情けない……。 「ひょっとして、私が女の子の姿になるのも」 「バグじゃないタマ」 「そう」  ……そういえば、お兄ちゃんは体全部が女の子になっちゃうんだよね。  そう考えると、ちょっとおちんちんが生えるくらい、私も受け入れて魔法少女に……。 「しかし……そうなると、この子はこれからずっと変身するたびにちんこが生えるということになるのかしら……」  ……これからずっと。  ……魔法少女に変身するたびに。  実はスカートの下ではおちんちんが生えてるんだ私ー。  ってことになるのかぁ。  …………。 「うぅ……お兄ちゃんには悪いけど、やっぱりそれは嫌だなぁ……」 「私のことは気にしないでいいから」  うう、お兄ちゃん優しい……。  お兄ちゃんも今まで辛かったんだね……。  お兄ちゃんの気持ちがちょっと分かったよ……。 「う~ん、今はなんとも言えないタマ。もう少し詳しく分析してみるタマね」 「何か分かりそうかな……?」 「ちょっと待っててタマ。頑張るタマ」  おそらく、固定化されているという魔力の状態を分析し始めたのだろう。  タマが私の周囲をゆっくりと飛び回る。  私は祈るような気持ちでその様子を見守る。 「頑張りなさいよタマ。私の妹がちんこの生えた魔法少女になったら許さないから。兄なのに妹より年下西か見えない魔法少女になるってだけでも性質の悪い冗談なのに。それが今度は妹にちんこが生えるとか、……面白すぎて笑えないわね」  お兄ちゃん、おちんちんのことを連呼しすぎだよぅ……。  これがお兄ちゃんの時だったら、怒りやすかったんだろうけど。  今は、のわちゃんだからなんかこう……普通に照れてしまう。 「タアだってそんなの望んでないタマ。でも、そうなったら申し訳ないタマ」 「そうなったらあなたの頭にも魔法の短剣を生やしましょうか。それとも、もぐのがいいかしらね。タマあなたのちんこってどこについてるの?」 「タマは妖精だからそういうのはないけど、考え得る限りの方法で手を尽くして戻し方を調べるからそれはやめて欲しいタマ」  のわちゃんの口からそんな言葉が出ると、すごくいけない事っぽいというか、犯罪的というか。  普段の女性口調とのギャップがすごくて、聞いてるほうが恥ずかしくなるというか。  私、顔赤くなってないかな……? 「……あの、お兄ちゃん」 「不安? 大丈夫よ、元に戻す方法は絶対に見つかるわ」  うう……、お兄ちゃんは私のことを純粋に心配してくれてるのに……。  私は何を考えてるのだろう……。  でも恥ずかしいものは恥ずかしいし……。 「ううん。そうじゃなくて、その……、こんな時にこんなことを言ってる場合じゃないのは分かってるんだけど……」  でも、のわちゃんのイメージというものがあるし。  いや、今は他の魔法少女もいないしそんなことを気にする必要は無いのだけど。  いやでも大事なことだし。  ……いやいや違う違う。聞いてて恥ずかしいだけだから気まずいだけだから。 「何かしら?」 「のわちゃんの姿で、その、あまり女の子らしくない単語を言うのはやめた方がいいんじゃないかな、って……」 「……何を言ってるのかしら?」  つ、伝わらなかった……!  うう、言い直すの恥ずかしいな……。 「だから、その、のわちゃんの口からそういう言葉が出ると、なんだか恥ずかしくなっちゃうって言うか」 「何を言っているのかしら?」  まだ伝わらないの……!?  も、もう直接おちんちんって言っちゃうしかないのかな……ちょっと恥ずかしいけど……。 「その姿でちんこって言うのはやめたほうがいいんじゃないかってことタマ?」  タ、タマ……!   ありがとうその通りだよ! 「……そうね。妹の前で、というより、女の子のいる場であまり使うべき言葉ではかったわね」  ……私の言いたかった事と若干ずれてるような気がするような?  まあとりあえずこれで、ノワちゃんの口からおちんちんの名前を聞いて変にドキドキしなくて済みそうだ。  はぁ、よかった。 * * * 兄視点 「分析が終わったタマ。どうにかできるかもしれないタマ」 「本当!?」  ああ、よかった。  妹に俺と同じ想いをさせなくて済みそうだな。 「それで、どうすればいいのかしら?」 「固定化された魔力を直接抜けばよさそうタマ」 「? 魔法を撃ちまくればいいのかな……?」  なるほど。  魔法の力でそうなったんだから魔法の力を抜けばいいってだけの話か。  分かってみれば簡単な話じゃないか。 「いや、それだと。普通に魔力を消費するだけで終わってしまうタマ。 特に君は魔力量が多いから、固定化している魔力をその方法で無理矢理消費するのは難しいと思うタマ」 「じゃあ、どうすればいいの?」 「だから直接抜くタマ」 「……?」  妹が頭の上に?を浮かべた顔をしているが、正直俺にもよく分からないぞタマ。 「具体的に言うと、何をすればいいのかしら」 「どうやら固定化されてしまった魔力が塊となって体内に形成されてるみたいなんだタマ」 「私のおなかの中に、魔力の塊ができてるってこと?」 「物理的な塊ができてるわけじゃないけど、そういう感じタマ」    妹が不安げな顔で自分の下腹部を撫でている。  なんだかこっちまで不安になってくるな。 「そして、その魔力の塊にまで繋がっている道が、バグって体の一部として現れた部分に穴として空いているみたいなんだタマ」 「穴が……」 「穴……?」  ……ん?  ……穴ってお前ちょっとタマ。  「だから、その穴から固まっている魔力をどうにかして抜くことができればいいと思うんだタマ」 「つまり、その穴から魔法を撃てばいいのかな?」  いやいや。  いやいやいや。 「……それはどうなのかしら」 「え?」  いや妹よ。  その穴から魔法ってお前。  お前の魔法ってあのビームだろそれを尿道から撃つってことだろ?  こいつ気づいてないのか?  ヤバイぞどうにか止めなくては。 「うーん。完全に固まってしまっているから、普通に魔法を撃っても多分駄目タマ」 「あっ、そうなんだ……」  ナイスだタマ!  ああ、よかった……。  妹がちんこから魔法ビーム撃つ魔法少女にならずに済んで……。  今回はグッジョブだったぞタマ。 「おそらく、体に現れた部分に外部から直接刺激を与えればあるいは……タマ」 「外部から直接刺激を……」  タマあああああ!??  何を言い出すんだよお前ふざけんなよ!!? 「そうタマ。言い難いことだけど、多分それしかないタマ」 「そうなんだ……。言い難いことって……外部から直接刺激って、どういうことをするの……?」 「それは――――」 「そこまでよタマ」  言わせるかよタマぁ!! 「それじゃあ、あとの説明は任せるタマ」 「え」 「ここまで言えば、男の君ならもう分かっているはずタマ。おしっこのことではないと念を押しておくタマ」 「ちょ」 「タマはちょっと用事があるのでここでお暇するタマ」 「ちょっと、タマ! 待てっ!」 「どんな方法でするにしろ、タマがいないほうが二人にとってもきっとやりやすいタマ」 「タマああああああ!!」  くそっ!!  言うだけ言って逃げやがったあの野郎!! 「お兄ちゃん」 「あっ……」  やばい。 「私は何をすればいいの?」  タマああああああああああ!!!!  戻ってきてえええええ!!! * * * 妹視点 「分析が終わったタマ。どうにかできるかもしれないタマ」 「本当!?」  よかったぁ……!  やっぱりタマは頼りになるね! 「それで、どうすればいいのかしら?」 「固定化された魔力を直接抜けばよさそうタマ」 「? 魔法を撃ちまくればいいのかな……?」 「いや、それだと。普通に魔力を消費するだけで終わってしまうタマ。 特に君は魔力量が多いから、固定化している魔力をその方法で無理矢理消費するのは難しいと思うタマ」  私の魔力の量が多すぎるのが駄目なんだ……。  いつもは助かっているのになあ。 「じゃあ、どうすればいいの?」 「だから直接抜くタマ」  なるほど直接……。  直接……。 「……?」  うう~ん……どういうことをするのか全く思い浮かばない。 「具体的に言うと、何をすればいいのかしら」  あ、よかった。  分かってないのは私だけじゃなかった。 「どうやら固定化されてしまった魔力が塊となって体内に形成されてるみたいなんだタマ」 「私のおなかの中に、魔力の塊ができてるってこと?」 「物理的な塊ができてるわけじゃないけど、そういう感じタマ」    私のおなかの中に……。  特に何も感じないけど、大丈夫なのかな? 「そして、その魔力の塊にまで繋がっている道が、君の体に現れた部分に穴として通っているみたいなんだタマ」 「穴が……」 「穴……?」  おちんちん、あまりよく見てないけどそんな穴が開いてたんだ。  大丈夫なのかな……。 「だから、その穴から固まっている魔力をどうにかして抜くことができればいいと思うんだタマ」  穴から魔力を……ということは。 「つまり、その穴から魔法を撃てばいいのかな?」 「……それはどうなのかしら」 「え?」 「うーん。完全に固まってしまっているから、普通に魔法を撃っても多分駄目タマ」 「あっ、そうなんだ……」  そういえばついさっき、いくら魔法を撃っても私の魔力量が多すぎて消費しきれないってタマが言ってたところだった。  うっかりしてたね。 「おそらく、体に現れた部分に外部から直接刺激を与えればあるいは……タマ」 「外部から直接刺激を……」  ……おちんちんに直接何かをしないといけないのかな? 「そうタマ。言い難いことだけど、多分それしかないタマ」 「そうなんだ……。言い難いことって……外部から直接刺激って、どういうことをするの……?」  言い難いってことは……手術とかかな……?  だとすると、お医者さんとかに今の私のおちんちんを見せないといけないのかな……。 「それは――――」  でも、聞かなくちゃ。 「そこまでよタマ」  え? お兄ちゃん? 「それじゃあ、あとの説明は任せるタマ」 「え」  え? 「ここまで言えば、男の君ならもう分かっているはずタマ。おしっこのことではないと念を押しておくタマ」 「ちょ」  え、それって……? 「タマはちょっと用事があるのでここでお暇するタマ」 「ちょっと、タマ! 待てっ!」  どういう事だろう。  男のお兄ちゃんには分かるって……? 「どんな方法でするにしろ、タマがいないほうが二人にとってもきっとやりやすいタマ」 「タマああああああ!!」  手術とか、そういうのではなさそうなのかな。  じゃあ一体……。 「お兄ちゃん」 「あっ……」 「私は何をすればいいの?」  ……お兄ちゃんが固まってしまった。  そんなに言い難いことなのお兄ちゃん……?  本当に私は、何をすることになるんだろう……。 * * * 兄視点 「じゃあ、言うわよ」 「うん」 「オナニーをするのよ」 「……うん?」  オナニーって言い方じゃ伝わらなかったか? 「そうね……一人エッチって言えば分かるかしら?」 「いやいや、そこは分かってる! 分かってるから!」 「そうなの?」  それはそれで可愛い妹がどこかでそういう事を覚えてきてるんだなと思えて、複雑な心境になるな。  「え? でも、え? それ、本当に間違いないのお兄ちゃん?」 「……私も信じたくはないけど」  っていうか、間違ってて欲しいんだけど。  いや、間違ってたら間違ってたで恥ずかしい勘違い過ぎて、これから妹とまともに顔を合わせることができなくなってしまうかもしれないけどね。 「……それ以外に何かを出すようなことはないはずよ」  体に現れた部分を直接刺激するって言ってたしな。 「そう、なんだ……。そういえば、タマがおしっこじゃないって言ってたね」 「ええ、きっちり逃げ道を塞いでいったわね……」  おしっこではないちんこの穴から出るもの。  精液しかない。  先走りとか我慢汁とかあるにはあるが、それも精液の一部だし。  ……何か他に無いかな?  何か……ああくそ何で人類はちんこからおしっこと精液しか出さないんだろう。  魔力くらい小便と一緒に出せるように進化しておけよ。  いやまあ、そもそも今回は精液じゃなくて魔力を出す訳だけど……。  オナニーで精液の代わりに魔力が出るって、なにそのエロゲー……。 「そっか……」  再びの沈黙。  暗い顔。どうすればいいのか分からないって顔だ。  まあ、そうなるよな。 「大丈夫よ。私がしてあげるから」 「え?」 「あなたは何も見なくていい。目を瞑っていればいいから」 「そ、それって」 「……言わせないで頂戴」 「あ、うん……」 「私も恥ずかしいのよ」 「ごめん……」 「……ごめんなさい。あなたのほうがもっと恥ずかしいわよね」 「それは、その、えっと、私……よく分からないから……男の人の……。すごく、助かるかもだけど……でも」 「……」  強がりやがって。   「そうと決まれば、さっさと済ませてしまいましょうか」 「あっ、うん。えと……」 「ベッドに座って、目を瞑って」 「えっと、こ、こう?」 「ベッドに座るだけで緊張しすぎよ。落ち着きなさい」 「う、うん」  すぐに、終わらせてやるからな。 「……スカートだけ自分で捲くっててもらっていいかしら」 「はひっ!」  やばい……、覚悟を決めたはずなのに。  いざするとなると、緊張と気まずさで吐きそう。 「私は向こうを見てるから」  ばれないように後ろ向いて深呼吸しておこう……。 「お兄ちゃん。いいよ」  妹よ、もっとゆっくりでもいいんだよ……? 「…………。じゃあ、振り向くわよ」  わあ。  妹が目を瞑ってスカートを捲り上げて俺にパンツを見せつけてる。  ええい、覚悟を決めろ。  これくらいで逃げ出したくなってどうする。  これからあのパンツを下ろさないといけないんだぞ俺。  ……パンツを先に下ろしといてもらえばよかった。 * * * 妹視点 「じゃあ、言うわよ」 「うん」  どんな辛いことを言われても、絶対に動揺しない。  私は心に決めて、お兄ちゃんの言葉を聞いた。 「オナニーをするのよ」  聞こえた言葉を、私の頭はちゃんと認識していたと思う。 「……うん?」  ただ、あまりに予想外すぎて、どう反応すればいいのか分からなかっただけで。  思わず固まってしまった私は、それでも頭の中ではものすごい速度で話の流れを理解していった。  オナニー、って……これ、えっちな話だったんだ……!  お兄ちゃんとタマはオナニーの説明を押し付けあってたんだ! 「そうね……一人エッチって言えば分かるかしら?」  固まった私を見て、オナニーという言葉の意味が分からなかったのだと勘違いしたらしいお兄ちゃんが、真面目な顔でそんなことを言ってくる。 「いやいや、そこは分かってる! 分かってるから!」 「そうなの?」  妹をなんだと思ってるのかなお兄ちゃんは!  きょとんとした顔でいるのわちゃんを見るに、女の子を天使か何かと勘違いしていそうである。  だとすると、お兄ちゃんの夢を壊してしまっただろうか。  私はちょっとだけお兄ちゃんを心配してしまってから、今はお兄ちゃんの心配をしている場合じゃなかったことを思い出す。  お兄ちゃんに現実を教えてあげるは、ゆっくり優しく、これから段々とでいいだろう。それが妹の務めなはずだ。 「え? でも、え? それ、本当に間違いないのお兄ちゃん?」  色んな意味で予想外すぎて、つい聞き返してしまう。 「……私も信じたくはないけど」  言い難そうに目を逸らすお兄ちゃんを見て、オナニーというのが確信を持った言葉だったのだと私は悟った。 「……それ以外にちん……あれから何かを出すようなことはないはずよ」  お兄ちゃんが忘れず言葉の配慮をしてくれて、ちょっと和んでしまった。 「そう、なんだ……。そういえば、タマがおしっこじゃないって言ってたね」 「ええ、きっちり逃げ道を塞いでいったわね……」  しかし、和んでいる場合ではない。  本当は、おしっこ以外に出すものが……オナニーしかないということを、私はそこまではっきり知っているわけではなかった。  でも、男のお兄ちゃんがそう言うのならそうなのだろう。 「そっか……」  どうやら私は、おちんちんでオナニーをしなくてはならないらしい。  それは、受け入れるしかないのだろう。  どんなことでも、落ち着いて受け入れると決心したことを忘れた訳ではない。  しかし、一つの問題のせいで、私は途方に暮れてしまった。  私は、男の人のオナニーの仕方をよく知らなかった。  なにかこう、手で弄るんだろうなということは何となく想像がつくけれど……具体的な方法は全く分からない。  それに正直、自分に生えたものだとはいえ、おちんちんに触るのには抵抗があった。  私は女の子だ。  女の子の私が、男の人のオナニーで感じて、男の人の絶頂を迎えるということは……考えるだけでも大きな抵抗がある。  興味が全くないと言えば、それは嘘になるけど。  想像だけするのと実際にするのとでは全く別だ。  女の子なのに、自分に生えたおちんちんを握って、気持ちよくなって、射精をする。  ……そんなの、心の中の女の子としての何かが、折れてしまいそう。  お兄ちゃん……、本当は男だって他の魔法少女にバレてしまう怖さ、私ちゃんと分かってなかった。  ごめんね、お兄ちゃん。 「大丈夫よ。私がしてあげるから」  心の中でお兄ちゃんに謝ったとき、当たり前のようにそんなことを言うのわちゃんの声が聞こえた。 「え?」  何を言われているのか、理解はできていた。 「あなたは何も見なくていい。目を瞑っていればいいから」  でも、自分以外の誰かにしてもらうなんて考え、思いつきもしなかった。 「そ、それって」  お兄ちゃんに、そんなことをしてもらうなんて、考えもしなかった。 「……言わせないで頂戴」 「あ、うん……」  そんなこと、してもらっていいのか。分からなかった。 「私も恥ずかしいのよ」 「ごめん……」  だけど、心の底から助かったという気持ちになった。 「……ごめんなさい。あなたのほうがもっと恥ずかしいわよね」 「それは、その、えっと、私……よく分からないから……男の人の……。すごく、助かるかもだけど……でも」 「……」  でも、こんなことまで頼ってしまっていいのだろうか。   「そうと決まれば、さっさと済ませてしまいましょうか」  迷っている私を、お兄ちゃんは見透かしていたのかもしれない。  有無を言わせないきっぱりとした言い方に、私は流されるように頷いてしまっていた。 「あっ、うん。えと……」  本当にいいのだろうかと、頭のどこかでそう思いながら。 「ベッドに座って、目を瞑って」 「えっと、こ、こう?」  でも、自分でする方法なんて分からないのだから、お兄ちゃんに頼るしかないのは同じなはず。  誤魔化すように、自分に言い聞かせる。 「ベッドに座るだけで緊張しすぎよ。落ち着きなさい」 「う、うん」  本当にいいのだろうか。  もっと他に、方法はないのだろうか。  助かるけど、でも。  えっちなことをするんだよ? 「……スカートだけ自分で捲くっててもらっていいかしら」 「はひっ!」  慌てて自分のスカートを握りしめた時、急に恥ずかしさがこみ上げてきた。  スカートを上げて欲しいなんて言われて、言われた通りスカートを持ち上げようとして、今更のように私はこれからえっちなことをしてもらうのだと実感が湧いてきたのだ。 「私は向こうを見てるから」  私がスカートを握ったまま止まってしまうと、お兄ちゃんが背を向けてくれた。  お兄ちゃんのその心遣いが、今はとても有難かった。  体は緊張でカチコチになっていたし、胸がドキドキして、顔だって熱くなっていた。  私は深呼吸をして、覚悟を決める。  私はお兄ちゃんにしてもらうのだ。  流されてではない、自分の意思でお兄ちゃんにしてもらう。  そう覚悟を決めると、体が少し軽くなった。  私は静かに目を瞑り、思い切ってスカートを持ち上げていく。 「お兄ちゃん。いいよ」 「…………。じゃあ、振り向くわよ」  確かに今からしてもらうのはえっちなことかもしれない。  でも、今はそれが必要なことだ。  それに兄妹なんだから、こんなの全然えっちなことではないだろう。  しかも、今のお兄ちゃんはのわちゃん……女の子の姿になっているのだから、女の子同士で、だから、何の問題も無い。  ……問題、ないよね?  ああ、もう。考えてたら何だかよく分からなくなってきちゃった……!   * * * 妹視点 「脱がすわよ。目は瞑ってなさい」 「お、お願いします……!」  私の下着に指がかかる。  細い指だった。のわちゃんの細い指が、わたしの腰のあたりに触れていた。  緊張で胸がドキドキし、体が固くなる。 「…………」  先に自分で下着を下ろしておくんだったとちょっと後悔したが、もう遅い。  私は目を瞑ってスカートを持ち上げたまま、下着を下ろしてもらうのをじっと待つしかない。 「いくわよ」 「ん」  緊張で乾いた喉は張り付き、うまく声が出なかった。  するりと下着が下ろされた。  おちんちんが外気に触れる感触がして、それがお兄ちゃんの目に触れているのだと感じて、恥ずかしさのあまり頭がぐるぐるしてくる。 「……ど、どう? お兄ちゃん?」  聞いておきながら、何についてどう聞きたいのか自分でも分からなかった。 「まあ、普通かしら」 「ふ、普通……?」  何が普通なの!?  そう混乱しつつも、普通なら大丈夫なのだろうとよく分からない納得をする。  いや。お兄ちゃんは男だから、おちんちんくらい別にどうとも思わない、という意味での普通だったのかもしれない。  そう考えてみれば、確かにお兄ちゃんはそういう意味で言っていたように思えてくる。   お兄ちゃんにとっておちんちんなんて気持ち悪かったり恥ずかしかったりするものではない、自分の体に付いている普通のものであるはずだ。 「でも、当たり前かもしれないけど、気持ち悪かったり恥ずかしかったりはしないのかな……?」 「しないわね。そんなの当たり前でしょう」  やっぱり、そうだったようだ。  とはいえ、のわちゃんの女の子の声でそんな風に言われると、分かっていてもなんだかちょっと可笑しかった。 「あはは。のわちゃんの声で言われても、説得力無いよ」 「言ってなさい」  あの小さくてか細い女の子の見た目で、おちんちんを見てもまるで平然としているのわちゃん。  きっと、小さな見た目とは似つかわしくない大人びた雰囲気と相まって、それはとても格好良く見えるのだろう。  組合の魔法少女の中には、そんなのわちゃんを見たら益々憧れてしまう子も出てくるかもしれない。  見せてあげられないのが惜しいかも。なんて考えてから、いやいや私もおちんちんを見せることになるから惜しくない惜しくないと思い直す。 「触るわよ」 「うん」    気づいたら、少しだけ心に余裕ができている気がする。  お兄ちゃんに……。とそこまで考えて思い直す。  のわちゃんに、感謝だな。  心の中で少しだけ笑い、そしてふと気づく。  お兄ちゃんに触ると言われてから、少しの間が空いていた。  おちんちんには、まだ触れられていない。 「……お兄ちゃん?」  どうしたのだろう? と思っていると、不意におちんちんに触れられた。 「んっ……」  全く未知の感覚がして、少し体がびくっとしてしまう。  柔らかいおちんちんが、柔らかい手の平で優しく握られ包み込まれていた。  そして、手の平がおちんちんを優しく握ったまま、小さく揺するように動き始めた。 「痛くない?」 「うん」  痛くは無かった。  むしろちょっとだけ気持ちいいような感覚があって、恥ずかしいくらいだった。  包み込まれた手の中で、おちんちんの存在感が膨らんでいく。  存在感だけではない、見えないから分からないけど、多分、本当にどんどん大きくなっている。  おそらく勃起という現象が始まっているのだ。 「気持ちいいかしら」 「……それは、うぅ……」  気持ちよかった。  おちんちんはその存在感を増していくほどに、気持ちのいい感覚を私に訴えてきている。  でも、それを口にするのは何故だか恥ずかしかった。  急におちんちんを擦る手の動きが弱くなる。  お兄ちゃんが私の様子を伺っている気配を感じる。  気持ちいいかを聞いたのに私が言い淀んだから、気持ちよくなかったのではないかと心配になったのだろう。  気持ちいいよお兄ちゃん。大丈夫。気持ちよかった。それは間違いがない。けど、恥ずかしい。恥ずかしいけど、でも、言わないと、気持ちよくしてもらえない……。  恥ずかしくて恥ずかしくて、顔が熱い。 「気持ち、ぃぃ……」  なんとか、そう言うことができた。  顔が熱くて仕方が無い。  目を閉じていてよかったと心から思った。  ちょっと今はお兄ちゃんの顔をまともに見れそうに無い。 「気持ちよくなるようにしてるのだから、恥ずかしがらなくていいのよ」 「だって……そんなこと言われても……」  恥ずかしいものは恥ずかしい。  でも、さすがはお兄ちゃんだ。  私はすごく恥ずかしくて堪らないのに、平然としていてくれて、有難い。  きっと、お兄ちゃんが恥ずかしそうにしてたら私ももっと恥ずかしくなっていたから。  握っている手の平を押し返すみたいに膨らんで、今やもう、手の平からはみ出すくらいに大きくなっているみたいに感じる。 「……えっと……その……お兄ちゃん……」  目を瞑っているから、実際にどうなっているのかは分からない。 「……何?」  どうなっているんだろう。 「聞いていいかな……?」 「……何をかしら?」  どう聞けばいいのだろう。 「私の、それ……変じゃない?」     「……さっき普通って言わなかったかしら? 変な心配してないで、扱いには慣れてるから安心して任せなさい」 「はい……」  さっき言ってた普通って言うのは、そういう意味での普通だったんだと、私はここで初めて気づいた。  変な心配をするなと言われてしまった。    おちんちんが大きくなるほどに、刺激する手の動きも大きくなっていく。  棒状の物を布で握って磨くみたいにおちんちんを手の平で擦っているみたいだった。多分。気持ちよい刺激がずっと続いていて、細かい感覚はよく分からないけど。  扱いには慣れてるって言ってたけど、お兄ちゃん、やっぱり一人の時にしてるのかな……?  してるんだろうな。  私はおちんちんで感じる気持ちよさに少し頭がぼーっとなりながら、妙に確信できてしまった。  だって、気持ちいいのだから。つまり、扱いに慣れているのだ。  なんだかえっちだ。少し気恥ずかしい気持ちになってしまう。 「……とりあえず、まずは勃たせるわね」 「うん……」  頷いてから、心の中でちょっと驚く。  おちんちんはまだ立っていないようなのだ。  私には最初に比べてとても大きく膨れ上がっているように感じるのに、まだ、勃起した状態ではないらしい。  ここから、まだ、大きくなるのだろうか。  不意におちんちんの下の方、袋の部分に触れられた。 「んっ」  そこは、感覚が鈍く、触れられても特に気持ちよいということはない。  でも、なんだかむずむずする。  袋の皮が抓まれる。 「ふっ、ぅ……」  抓まれた皮が伸ばされる。  ずいぶん伸びるみたいで、知らない感触にやはりむずむずする。 「んんっ……?」  すると、袋の全体をやさしく包み込まれるように握られた。 「んんぅ……?」  こりこりとされて、くすぐったい。  そのままつぶれてしまうのではないかと、心細い。 「ぁ……ひぅぅ……」  しかし、そうやってコリコリと揉まれているうちに。  奇妙な感覚が芽生えてくる。 「ぁ、ふぅぅ……んぅぅ……」  気持ちいいわけではないが、心細くて、居ても立ってもいられないぞわぞわとする感覚。  私はぞわぞわしていると、急におちんちんを握っている方の手が、おちんちんの皮を根元に引っ張った。   「あぅ……っ!」 「あっ。す、すまん」  引っ張られる感覚で少し痛かったけど、大した痛みではなかった。  痛みが残っている感じもない。 「ううん、大丈夫……」 「そ、そう。……よかったわ」  おちんちんの先端の、裏側の部分を指でぐりぐりとされる。 「んっ……あ……そこっ……」  その部分をぐりぐりされると、とても気持ちよかった。  甘い疼きが、際限なく湧き出てくるみたいで、気持ちいい。   「ん……ふぅ……はぁ、ぁ……」  ぐりぐりが終わり、再びおちんちんが上下に擦られ始める。   「はぁ……ぁ、んっ……ふ、ぅっ……ふぅぅ……」  とても気持ちよかった。  さっきぐりぐりされたところが一番気持ちよくて、そこをもっと刺激して欲しくなる。 「ふぅ、ぅ……は、ぁぁ……はっ、ぁ……んっ、ふぅぅ……」  最初は恥ずかしがっていたはずなのに、今はもう、気持ちよさで頭がいっぱいになっていた。   「はっ、ぁぁ……んっ、ぁ……ふっ……ぅんっ……」    お兄ちゃんにされているのだという恥ずかしさも忘れて、私はおちんちんの快感に夢中になっていた。 「ぁ……んんっ……ぅ……ふぅぅっ……」  なんだか、おちんちんの根元のもっと奥で、何かが膨れ上がりるような気がした。  それは快感を伴っていて、おちんちんから何かが漏れ出してしまいそうで。  気づけばそれを抑えるために息を整えようとしていた。  しかし、おちんちんを擦る手の動きが、それまでより激しいものに変わってしまう。 「あっ、んぅっ……! それっ……!」  抑えていたものが、おちんちんの根元で止めようもないほど膨らんでいく。 「そろそろ射精しそうに見えたから、少し激しくするわね」 「わっ、わかっ、たっ……っ……んんっ!」  そうか、これが射精しそうな感じなんだ。  私はようやく理解したのだった。 「はっ、あっ、あぁっ、お、お兄ちゃ、あっ、あっ、お兄ちゃんっ」 「何かがせり上がってくる感じがあるかしら?」  私は何度も頷いた。 「……もう射精そう?」 「分かんっ、ないっ、んっ、分かんないけど、たぶ、んっ、もうっ、もうっ」    根元で膨らむ何かが、今にもおちんちんをせり上がってきそうで、いつ射精するのか本当に分からなかった。 「出そうになったら言っ――――いいっ!?」  おちんちんから、快感の塊が噴き出した。  頭の奥で閃光が走ったような気がした。  快感が稲妻のように背筋を駆け巡って、おちんちんがびくんびくんと何度も跳ねた。 「あっ! うあっ! うあっ!」  おちんちんが跳ねり快感の塊を噴き出する度に、私の口からは信じられないほどの情けない声があがっていたと思う。  それは、腰が震えるほどの快感だった。 「あっ、あっ……。あぁぁ……はぁ、はぁぁ……」  噴出する快感はすぐに落ち着いて、私は快感の余韻を感じながら乱れた呼吸を整える。 「はぁ……はぁ……」 「ぉぉぉぉ……」  とても、とても気持ちよかった。 「はぁ……はぁぁ……」  体に少しの脱力感があり、それもまた心地よかった。 「はぁぁ……、はぁ……ふぅ……」  これで、おちんちんは無事に消えるのかな。  私は、瞑っていた目を開いてしまった。  そして、のわちゃんの顔を見た。 「……ぁ…………」  のわちゃんの顔に、粘性の高い、どろどろとした白い液体がかかっていた。  頭の中で、何かの導火線がバチリと火花を散らせたような気がした。 「のわ、ちゃ……すごっ……」  白濁液が、どろりと、のわちゃんの顔の上にぶちまけられていて、糸をひいている。 「すごい……?」  その光景のすごさを、本人は分かっていないようで。  純粋に不思議そうな表情で私を見上げていた。 「ぁ……はぁ…………はぁ……はぁ……はぁ……」  心臓がどくんどくんと早鐘を打って苦しいほどになる。  息を吸い込むのが難しくなってしまってた。  まるで視界が狭くなってしまったみたいに、のわちゃんの白く汚れた顔しか見えなくなる。 「な、なに……? どうしたの……?」  どうしたのか、自分でも分からなかった。  ただただ、のわちゃんを見て、私は訳が分からなくなっていた。 「あ、ぁぁ……うぁ、あぁ……」 「え? え?」  訳が分からないまま、私は手を伸ばしていた。  のわちゃんに触れたかった。  頭は訳が分からないまま、触れたい理由が本能で分かって、理性がそれを必死に止めていた。 「どうした? 苦しいのか?」 「ぁ……」  握るのわちゃんの手があまりに柔らかくて、私はつばを飲み込んでいた。 「……んくっ……」  そこからは、本当にもう、よく分からない。 「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」  息を荒くして、のわちゃんを見て。 「おい! 大丈夫か! タマを探してくるから、とりあえずベッドに横に――――って、うぇっ?」 * * * 兄視点 「脱がすわよ。目は瞑ってなさい」 「お、お願いします……!」  お願いしますってなんだ妹よ……。  しかし、この歳になって妹のパンツを脱がす日が来るなんてな……。  しかも魔法少女に変身した姿で……ああいや男の姿より女の子の姿で脱がせたほうがまだ合法的か。  いや合法的ってなんだ俺……。 「…………」  これ……脱がせていいんだよな?  ……ああもうっ!! 「いくわよ」 「ん」  わあ。  思ったよりも、立派なものが。  俺より……いや、今俺は変身中で体が小さくなってい。だから、普段よりも視界に映るものが大きく見えているということ忘れてはいけないな。  つまり、今の姿だから、ちょっと大きく見えてしまってるだけかもしれない。  いやしかし、これは……。 「……ど、どう? お兄ちゃん?」 「まあ、普通かしら」 「ふ、普通……?」  …………。  まあ、大きさはいいとして。  いや、マジなやつじゃんこれマジなやつじゃん。  せめてさあもっと魔法少女らしくファンシーな可愛らしいやつをさあ。  いや、ちんこが生えるって時点で魔法少女らしさ何もないけどね。  だけどさあ。  こんなの見たら、そりゃあこいつも泣きそうになるだろうよ。 「でも、当たり前かもしれないけど、気持ち悪かったり恥ずかしかったりはしないのかな……?」 「しないわね。そんなの当たり前でしょう」 「あはは。のわちゃんの声で言われても、説得力無いよ」 「言ってなさい」  いや内心めっちゃ恥ずかしいけど。  妹のパンツ脱がせるのめっちゃ恥ずかしいんだけど。  下半身すっぽんぽんの妹の股間と睨めっこしてるのめっちゃ恥ずかしいんだけど。  恥ずかしすぎてなんか気持ち悪くなってきたんだけど。  ……こいつに目を瞑ってもらってて良かった。  絶対顔が赤くなってるわ俺。顔がめっちゃ熱い。  とはいえ……。  ここで俺が恥ずかしがってたら、こいつはもっと恥ずかしい思いをするだろうからな。  堂々としてなきゃいけない。  いつも通りに。  そう。いつも通り、冷酷な魔法少女然として振舞えばいいだけのこと。 「触るわよ」 「うん」    ……他人のちんこなんて生まれて初めて触るな。  しかもそれが妹のちんこだなんてな。  妹のちんこを触る兄(魔法少女)なんて俺が人類初だろうな。  ギネス載れるかな。いや申請しないけど。 「……お兄ちゃん?」  いかんいかん。  ちょっと現実逃避してた。  早くしないとこいつを不安がらせてしまう。  どこから触ろう。  とりあえず竿か?  竿なのか?  というか、まだ勃ってないしな。  まずは勃たせないと。  普通に扱くか。 「んっ……」 「痛くない?」 「うん」  なら大丈夫そうだな。  このまま上下に扱いていこう。 「気持ちいいかしら」 「……それは、うぅ……」  あれ? 気持ちよくなかったか?  見上げて様子を伺うと、真っ赤な顔を伏せて「気持ち、ぃぃ……」と消え入りそうな声で言われた。  恥じらう妹をちょっと可愛いと思ってしまったが、セーフだよな……?  自分の妹を可愛いと思うくらいセーフだよな?  誰かセーフだと言って……。 「気持ちよくなるようにしてるのだから、恥ずかしがらなくていいのよ」 「だって……そんなこと言われても……」  こんなことされて恥ずかしがるなって言うほうが難しいのは分かってるが……。  あまり恥ずかしがられると、こっちもどんどん恥ずかしくなってくるからな……。 「……えっと……その……お兄ちゃん……」 「何?」 「聞いていいかな……?」 「……何をかしら?」  おいおい待て待て。  妹から性に関する質問なんてされたら兄としてどんな風に答えればいいか分からんぞ。   「私の、それ……変じゃない?」  変じゃない? ってお前。  そもそもこんなのが生えてきたこと自体が変なんだろう!? 「……さっき普通って言わなかったかしら? 変な心配してないで、扱いには慣れてるから安心して任せなさい」 「はい……」  いや扱いには慣れてるって何言ってるんだ俺。  まるでオナニーに慣れてるって言ってるみたいじゃないか。  いやまあ普通に慣れてるけどさあ。  気持ち悪いとか思われてないかな心が折れそう……。  うああああ……。 「……とりあえず、まずは勃たせるわね」 「うん……」  既に半勃ちは超えてる感じではあるがな……。  たぶん亀頭は触っても痛いだろから触れないでおくとして……。  とりあえず裏筋を意識して扱いてればいいよな。 「んっ」  ……って。うわあー、これ、玉もちゃんとしたのがついてるんだな。  袋のしわしわ具合も完璧だわ。  こりゃ泣くわ。  女の子なのにこんなもんが急に股間にぶら下がってたら泣きたくもなるわ。 「ふっ、ぅ……」  おぉぅ……、これ……。  ……おいおい、これ、この皮の分厚い感触。  ちょっとリアルすぎない?  うわあ、伸びる伸びる。  何これ。  もしかしてちゃんと玉二つ入ってるの? 「んんっ……?」  ……入ってるわ。  玉二つ入ってるわこれ。 「んんぅ……?」  わあ、こりこりしてるう。  自分の金玉なんてこんな風に触ったことないからな。  こんな感触なのか。うわぁ。 「ぁ……ひぅぅ……」  何これ。  本当に魔力の塊なの?  ちょっと金玉すぎるだろ。  ええぇ~~……。 「ぁ、ふぅぅ……んぅぅ……」  付け根どうなってるんだろ。  どんな風に生えて……。  うわっ! わわっ!   「あぅ……っ!」 「あっ。す、すまん」  竿を思いっきり下まで扱いてしまった。 「ううん、大丈夫……」 「そ、そう。……よかったわ」  そうとう引っ張っちゃった気がしたが、裏筋切れてないよな……? 「んっ……あ……そこっ……」  ふぅ、よしよし。  大丈夫そうだな。  ……それにしても、気づいたらガチガチに固くなってるな。  というかこれ、もう完全に勃起してるんじゃないのか?  まあいいか、扱くのを再開しよう。   「ん……ふぅ……はぁ、ぁ……」  しかし、まさか……。  女の子の部分は女の子の部分としてちゃんと残ってるとはな……。  めっちゃ焦った。  いや、違うんだ妹よ。  お前の大切な部分を見る気は無かったんだ。  だって俺を見てみろよ。  男の部分なんて欠片も残らず女の子になってるんだぞ?  まさか、お前のほうには女の子の部分が残ってるなんて思わないじゃん?   「はぁ……ぁ、んっ……ふ、ぅっ……ふぅぅ……」  いや、まあ、胸の膨らみがそのままって時点で、気づけたかもしれなかったが……。  うん、マジですまん妹よ。  見ちゃったのバレてないかな?  目を瞑ってるから、意外と気づいてなかったりしないか? 「ふぅ、ぅ……は、ぁぁ……はっ、ぁ……んっ、ふぅぅ……」  あわわ気づいたら妹がめっちゃできあがった顔してる!  めっちゃ色っぽい息してる!  えっ、えっ。  どうしよう。  いや、どうしようって、扱き続けるしかないんだけど。  いや、想定外だよこれ。  こんなに息を乱すとか思わないって。  もっとこう淡々と『あ、何か、おしっこが出ちゃいそうかも、お兄ちゃん』『それが射精感よ。おしっこじゃないからそのまま出しなさい』『わ、分かった……んっっ!!』『ふぅ。無事に出せたわね』『わーい。おちんちんが消えた! ありがとうお兄ちゃん!』みたいなさあ。  好奇心に負けて金玉をいじったのがいけなかったか?   「はっ、ぁぁ……んっ、ぁ……ふっ……ぅんっ……」    めっちゃ感じてんじゃんめっちゃ息荒いじゃん。  俺自分でやっててこんな息荒げたことないよ?  俺ってテクニシャンだったの?  いや、ちんこ弄るの上手くたって嬉しくないから! 「ぁ……んんっ……ぅ……ふぅぅっ……」  うう、恥ずい。  何これめっちゃ恥ずい。  俺の手で妹を感じさせてるって意識したら、めちゃくちゃ恥ずかしくなってきた……。  だけど、手を止める訳にはいかないし。  ……うう……こうなったら、こいつには悪いがちょっと強めに扱かせてもらうか。 「あっ、んぅっ……! それっ……!」 「そろそろ射精しそうに見えたから、少し激しくするわね」 「わっ、わかっ、たっ……っ……んんっ!」  いや、本当は早く終わらせたいだけなんだけどね!  でも、射精せばいいんだから。  なら早いほうがいいよな! 「はっ、あっ、あぁっ、お、お兄ちゃ、あっ、あっ、お兄ちゃんっ」 「何かがせり上がってくる感じがあるかしら?」  どうやらもう射精そうな感じだな。  ……しかし、他人のちんこだと射精るタイミングが全く分からんな。 「……もう射精そう?」 「分かんっ、ないっ、んっ、分かんないけど、たぶ、んっ、もうっ、もうっ」    本当に分からん。 「出そうになったら言っ――――いいっ!?」  わっ、出っ!!? 「あっ! うあっ! うあっ!」  わっ!? ちょ、うわっ!? 「あっ、あっ……。あぁぁ……はぁ、はぁぁ……」  お、おおぉ……。  思いっきり顔面に掛かっちまった……。  う、うへえ……。 「はぁ……はぁ……」 「ぉぉぉぉ……」  うわあ……。  顔に掛かったのどうしようこれ。  俺の顔、今どんな状態だこれ。前髪にもついてる感じだけど……。  っていうか、射精す瞬間のこと考えてなかったな。  ティッシュの備えすらしてないとは、不覚……。  それでも男か俺は……。 「はぁ……はぁぁ……」  はぁ……。  でも、まあ。  とりあえず、出すものは射精させてやったし。 「はぁぁ……、はぁ……ふぅ……」  これで解決だな……。  …………。  ……全然消える気配ないぞこのちんこ? 「……ぁ…………」  え? ひょっとしてオナニーじゃなかったのか……?  考えが間違ってた?  え、え、どうしよう。  こいつになんて言おう。  って、もう目を開けてるし!? 「のわ、ちゃ……すごっ……」 「すごい……?」  何だ?  かなり大量に出たから驚いたか? 「ぁ……はぁ…………はぁ……はぁ……はぁ……」 「な、なに……? どうしたの……?」  何か様子が変じゃないか?  魔力を出した影響?  だとすると、やっぱりこの方法で間違ってなかったってことになるが? 「あ、ぁぁ……うぁ、あぁ……」 「え? え?」  なんだなんだどうした?  手を伸ばして。  震えてるな……握って欲しいのか? 「どうした? 苦しいのか?」 「ぁ……」  安心させるために、震える手を握ってやる。 「……んくっ……」  喉がやけに大きく鳴ったな。  握った手がどうにも熱ぼったい。  熱?  固定化していた魔力が体に流れ出して、体内で熱を発しているとか? 「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」  息がますます荒くなっていく。  熱で意識が朦朧としてきているのか?  まるで俺の声が聞こえていないみたいだ……。  これは……何かまずい気がする。 「おい! 大丈夫か! タマを探してくるから、とりあえずベッドに横に――――って、うぇっ?」  慌てて立ち上がり妹をベッドに寝かそうとその肩に手を伸ばしたら。  伸ばした手を逆に掴まれて、俺のほうがベッドに正面から押し付けられた。  妹は入れ替わるように俺の背後に立って、後ろから俺の腕をベッドに押さえつけてくる。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」    背中越しに、妹の荒い息遣いが聞こえる。  というかさっきからこの妹、荒い息しかしていない。  あれ?  俺ひょっとして妹に犯されそうになってる? * * *  妹視点  私は、気づいたら、のわちゃんの体ををベッドに押し付けていた。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」    のわちゃんの小さな体を背後からベッドに押し倒していて。のわちゃんの腕を掴んでベッドに押さえ付けていて。のわちゃんの柔らかいお尻に腰をぐいぐい押し付けていて。  私は、訳が分からないまま、多分、頭がおかしくなりそうなくらい興奮していた。 * * *  兄視点  落ち着け。  落ち着いて状況を整理しよう。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」  息を荒げた妹が、俺の尻に固いものを押し付けている。  ぐいぐい擦り付けてくる。  俺は背後から妹に覆い被さられて、ベッドに腕を押さえつけられている。  妹の力は強くて、俺が全力を出してもびくともしない。  以上のことから導き出される答えは一つ。  妹が俺を犯そうとしている。 「ぁ……わたし……はぁ……ぁ……ぅあ……」  尻に固いものがますます擦り付けられてくる。  ……さて、どうしよう。  マジでやばいかもしれん。  こいつ力強すぎる。  押さえ込まれた腕がびくともしない。  なんだこれ。  これが魔力量の差なの?  妹に力負けするとかちょっと凹んじゃうよ? 「って、悠長なこと考えてる場合じゃないな……おい! しっかりしろ!」  ぼすっと背中に圧し掛かる柔らかい感触。  耳元に荒い息が掛かる。 「ちょ、くすぐったいから」 「はぁ……あぁ……はぁ……はぁ……」  くそっ。  どんなに身をよじっても、本当にびくともしない。  どんだけ馬鹿力いや魔力量があるんだ。  あと、おそらく胸が背中にもろに当たってるが、妹の胸なんて当たってもちっとも嬉しくない!  柔らかいけど!  もっと健全に甘えてくれてる状況なら……じゃなくて、こんな状況では素直に喜べない……でもなくて。  ああもう! そんなことはどうでもいいんだ! 「おい! 本当にどうしたんだ!」 「ぁ……ちが……わたし……はぁ……はぁ」  尻の間には相変わらず、固いものがぐいぐい擦り付けられてれているし。  耳元にはぁはぁ荒い息を吐かれてるし変な感じだし。  なんか頭の臭い嗅いでない? 「なあ。興奮しちゃったのは分かる。でもな、それは一時の感情であってな」 「わたし……ちが……だめ……だめっ……」 「ほら、また手で抜いてやるから。とりあえず、腕を離してくれ」 「離す……離れなきゃ……こんなのっ……だめだから……」 「……」 「だめっ……だめっ……離れ……離れる……」  なんというか。  自分の妹ながら、辛そうだな……。  慣れないちんこ……いや、慣れない男の性欲に負けて、俺を押し倒してしまったのだろうな。  一回抜いてスッキリするどころか、益々興奮してしまって、訳が分からなくなってしまったのだろう。  体の中で固定化した魔力の塊が、ちんこの……性欲の発生源だと考えるのなら、こいつの馬鹿みたいな魔力量を考えるに、それは相当な強さの性欲を生み出したはずだ。  ひょっとしたら、刺激を受けたことで、溜まった性欲……いや、魔力の塊が一気に溶け出してきたのかもしれない。  なんにせよ。こいつの理性を吹っ飛ばすには十分すぎるほどの衝撃だったんだろう。 「うぅ……ごめん……ごめんなさい……お兄ちゃん……ごめんなさいっ……」 「…………」  ……そして、一時的に理性が吹っ飛んで、俺を押し倒したのはいいけど、幸か不幸かこれ以上はまずいと理性が働いてくれて、なんとか踏みとどまっているのだろう。  俺の尻の間に固いものをぐいぐいと擦り付けながら、泣きそうな声で謝ってくる。  離れないといけないと分かっているのに、腰が勝手に動いて、固くなったもの擦り付けてしまう。  ギリギリで耐えている状態なんだろう。 「止めなきゃ……離れなきゃっ……離れっ……はぁ……はぁ……うぅぅぅっ……」  泣きそうな声でちんこを押し付けてきやがって……。  そんなんじゃ、抵抗できねーじゃねーか。  抵抗しても全く意味無いけど。  俺の尻でいいならそのまま擦りつけ続けて、射精してくれて構わないんだがな。  それで落ち着いてくれたりしないかな。  ……いや、妹の魔力量を考えて、そして今の様子を鑑みるに、一回射精したくらいで興奮が収まるかどうか分からないな。 「……なあ、言い難いが。お前も女の子なら分かるだろう? 無理やりは良くないって」 「はぁ、はぁ、うぅぅ……分かる……分かってるぅ……」  ああ、そうだったな頭では分かってるんだよな。 「お前が満足するまでちゃんとスッキリさせてやるから。我慢することの辛さは男である俺にもよく分かる。だから、とりあえず一旦離れよう、な?」 「はぁ、はぁ……うぅ、うぅぅ、お兄ちゃ、ごめっ……腰、止まらなっ……」  こいつは俺の妹だから、本気で止めようとしているのが、本気で泣きそうになりながら謝っているのが、俺には分かる。 「ごめっ、お兄ちゃん、うぅぅ、ごめん、ごめんっ」  妹の辛そうな声が、まるで脳みそに直接響いてくるみたいだ。 「……辛いのか?」 「うぅぅ、ごめん、お兄ちゃん、ごめん、ごめん」  辛いに決まってるよな。  だったら俺がするべきことは……。  ……俺は何を考えてるんだろう。  兄妹でそんなことを、しかも、妹が兄をだなんて、そんな話聞いたことが無い。  間違ってるとかそういう話ですらない。  馬鹿げた話だ。 「はぁ、はぁ、ごめん、お兄ちゃん、ごめん、ごめん」  馬鹿げた話。  おれが魔法少女として女の子になって。  妹が魔法少女の魔力でちんこを生やして。  俺の尻に妹がちんこを擦り付けている。  本当に、馬鹿げた話だ。 「ごめん、お兄ちゃん、ごめん、ごめん、ごめん」 「……そんなに辛そうにするなよ」  心臓がドクドクと大きく鳴って、今にも破裂してしまいそうだ。  緊張で吐き気がしてくる。  今、声を出せば、喉が震えてしまうだろう。  落ち着かなければいけない。 「は、ぁ……はぁ、ぁぁ……ふぅぅ、ぅ……」 「はぁ、はぁ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」  落ち着け。  冷徹な魔法少女然として、いつも通りに振舞えばいい。  それだけの話だ。 「辛そうね」 「はぁ、はぁ、はぁ、ごめん、ごめん」 「いえ、辛いのでしょう? だったら私の……」  こういう時、女の子の部分はなんて言えばいいだ?  ええい勢いだ! 「私の膣に全て吐き出してしまいなさい」 「あ、それは、ぁ、う、うぅぅ……」 「……ここまでしておいて、何を躊躇っているのかしら?」    こっちは心臓が破裂しそうなほど恥ずかしいのを我慢してるってのに!  ここまで言わせて何が不満なんだ妹よ!  ああ顔から火が噴きそう。  よかった押さえつけられてるのが後ろからで。 「だって、だって、嘘吐いてるもん」 「嘘? ……私は本当にされていいと思っているのよ?」  俺の気持ちに嘘は無い。  いや、しないでくれるのならそれに越したことはないが。 「だって、のわちゃんモード、お兄ちゃん、言い訳考えてた、もん」  えぇ~、なにそれ……? 「はぁ……まったく。……最初に言っただろ、覚えてないのか?」 「耳……真っ赤だし……」  聞こえなかった!  俺は何も聞こえなかった!   っていうか耳って、耳が赤いっておまえ……!  赤面してんのばればれとかやめて恥ずかしい! 「兄としてお前一人に辛い思いをさせるような事は絶対にしない。辛い時はいつだって俺を頼ってくれ。ってさ」 「あ、あぁ、でも、それは、でも、うぅぅ……」 「辛いんだろ? いいさ。それに、このまんまじゃ、大切な妹が他の魔法少女に手を出す変態になっちまいかねないからな」 「ひどい、ひどいよ、お兄ちゃん、はぁ、はぁ」  こいつの息が荒いせいで、自分で言っておきながら冗談に聞こえなくなってきたな。 「ほら、パンツ下ろすから、腕を離してくれ」 「う、ううぅ、だめ、そんなの、だめだよっ」  ふ~む、我が妹ながらへたれな奴め。  誰に似たんだか。 「……だったら、こっちのほうがいいかしら?」 「はぁ、なに? はぁ、はぁ」 「お兄ちゃんじゃなくて、のわちゃんとして、あなたの物を受け入れてあげるわね」 「のわちゃん、として?」 「そう。私はあなたの兄ではない。魔法少女『プルミエ・ノワール』」 「そんなの……ぁ、はぁ」 「まったく、呆れたへたれね……」 「へたれっ……!」 「私がこれだけ誘ってあげてるのに……。する気が無いんだったらさっさとそこをどいてくれないかしら」 「だって……うぅぅ」 「はぁ……、情けない」 「うぅぅ、反論できない……」 「ほら、分かったらさっさと腕を離して!」 「はいぃ!」  はぁ……やっと腕が自由になった。  さて、よいしょっと。 「お兄ちゃん、何して……」 「何度も言わせないで」 「え?」 「プルミエ・ノワール」 「のわちゃん。何してるの?」 「パンツを下ろしてるのよ」  ついでにスカートも捲り上げて尻を出しておこう。 「あっ、うぁ。のわちゃっ、直接当たって……っ」 「あなたが当ててる側でしょうに……」  当てられてるのよ。って言うべきだったか……? 「そ、そうだけどっ」 「また息が荒くなってきたわよ」 「はぁ、ぁ、だって、だって直接当たって」 「ガチガチじゃない。一回射精しただけじゃ、余計に興奮させてしまうだけだったみたいね」 「う、うぅぅ、分かんない、そんなの分かんないよう……」 「そうだったわね。初めてだものね。それも、生来付き合ってきたものではなく、突然自分の体に現れてしまったもの」 「はぁ、あ、あぁ、ああ、うぅ」 「いつまで押し付けるだけにしてるつもりなの? それとも、熱い蜜を貪る前に果ててしまうのが望みなのかしら」 「うぅ、……だめだよ、そんなの、だめ」 「全く、自分よりも小さな女の子の背中にすがり付いて泣きじゃくるなんて」 「泣いてないもん、私、泣いてない」 「はいはい。それじゃあ、泣かない強い子には、ご褒美をあげないとね」 「ご褒美って……ひぁあっ!」 「あらあら。掴まれただけでずいぶん可愛い声をあげるのね」 「やっ、だめ、そんな握っちゃ」 「掴まれただけでそんな声を上げるのなら、ここに挿れたら、どんな声を出しちゃうのかしらね」 「あ、あ、のわちゃん、当たって、先っぽが、当たって、ぬるぬるして、入っちゃう、入っちゃうよ」 「……そうね。すぐにでも挿れられそうね」 「でも、だめ、だめ、だめ。だめなの。だめだよ。こんなの……だめぇぇ……」 「さすがにちょっとへたれすぎない?」 「のわちゃんに……お兄ちゃんに言われたくないっ!!」 「ごもっともで」  よかった。  俺の妹は、どうやら鋼の精神力を持っているみたいだ。  しかし……ぬるぬるになってるとか。  俺も興奮してたのかな。  納得し難いが、まあ、結果オーライだな。 「じゃあ、仕方ないわね」  俺は、身をよじり、掴んだ固いものの先端をそこへと導きながら、尻を後ろに突き出していく。 「えっ、あ、お兄ちゃ、のわちゃん、はいって、あ、あ、ああっ」 「んうっ……、やっぱりお前のでかいかも」  どれくらい挿れられたのか分からないが、とりあえず抵抗を感じるところまでは挿った。 「も、もう……、だめ……だめ……だめ、だめ……」    ゆっくりと、妹が腰を動かして、それを膣内に押し込んでくるのが感触で分かる。 「とま、だめ……だめ、だめ、だめ、だめ」  だが結局、抵抗を突き破ることなく進入は止まってしまった。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」 「へたれめ」  今日妹にへたれって言うの、これで何回目だろう。 「てい」  ベッドに突っ伏していた妹の両腕を、前に向かって思いっきり突き飛ばす。  だが妹の腕は、びくともしなかった。  逆に俺の体が勢いよく後ろに下がってしまう。 「うぐっ」 「うぁっ」  俺の膣が、妹のちんこを完全に飲み込んだ。 「っっ……」 「ぁ、あぁっ」  妹の体が前に倒れこむと予想してたのに……。  結果的に妹のちんこが俺の膣内に深々と挿入ってきたのだから、よしとするが……。   「い、痛ぁ……」  破瓜の痛みって、思ってたより痛いな……。 * * *  兄視点  うう、いっつぅ……。 「あっ、お、お兄ちゃん、う、あ、だめ、だめ、だめ、だめ……」 「いい加減……っ我慢してない、で、動きなさいよ……」  痛い上に、かなりキツイ。  やっぱ、こいつのちんこでかいんじゃないか?  いや今の俺の体が小さいからそう感じるだけかもしれないけど。  どっちにしろこの小さい体にとってしたら、十分大きなちんこだったということか。  体格の差を失念してたな……。  正直、苦しいが……。  そんな素振りを見せたら、こいつがまた心配してしまう。 「ふぅ、ふぅぅ……そっちが動かないならこっちから動くわよ」  痛さときつさを無視して、無理やり尻を揺する。  大きくは動けないが、膣内をちんこに擦りつける。  うぅ、じんじんするっ! 「あっ、だめっだめ……も、もう……もうぅ~~~……」  腰が、少し動いた。  まず、それでも耐えようとするようにほんの少しだけ前後に揺すり。  それから、堤防が決壊していくかのように、腰の動きが徐々に早く大きくなり、あっという間に激しく腰を振り出した。  腰が尻に強く打ち付けられる音が、繰り返し響く。 「ごめっ、ごめんお兄ちゃん、私、腰が、止まらない、止められないっ」 「っく……だから、我慢しないで、んっ、好きに動きなさいって、んぅ、さっきから言っているでしょう」  遠慮の無い動きで膣内がかき回されている。  正直、痛みと苦しさになんとか耐えるのが精一杯で、こっちから何かをしてやる余裕はないが、しかしそれで十分そうだな。 「は、ぁ、すご、お兄ちゃん、お兄ちゃんの中、すごい、あ、うぁ」 「うぅ……ぁ……んぅ、うぅ……」  人生初体験の射精が手コキで。  それから間をおかずの本番。  オナニーだってしたことがなかったのだ。  気持ちよすぎて腰が止まらなくて当たり前だろう。 「だめ、止まらない、もう止まらないよ、うぅぅ……」 「いいのよ……んんっ……好きなように、動いて」 「あ、はぁ……うぁ……うぁ、はぁ、ぁ、はぁ、はぁ」 「んっ……くっ……っ……うぅ……ふぅ……ふぅぅ……」    くっ……激しすぎる。  やっぱりもう少し遠慮してもらおうかな……?  とはいえ、好きなだけ動いていいってもう言っちゃったしな。  それに遠慮してって言ったところで無理だろうし。  うう……ナカがすげえじんじんする。  それに、やっぱきつい。  この体の小ささが恨めしい……。  うぅ……。  早く終わらないかな……。 「んっ、んっ、んっ、のわちゃん、のわちゃんっ、」  せめて表面上は何でもないことのように振舞わないと。 「はいはいっ、聞こえてるわよ」 「のわちゃん……のわちゃんっ……のわちゃんっ……」  いつも通りに。  魔法少女然とした振る舞いを。 「何? んぅっ、言いたいことがあるなら言いなさい」 「ごめん、私、動くのが、我慢できなくて、こんな乱暴でっ」  痛がってるのがバレてるのか? 「平気よ。そんなことに気を遣わないで、んっ、いいからっ」 「ごめんね。ごめん、ごめん」 「謝らないで」 「ごめっ……う、うぅ……ごめん……」  謝るくらいならするなよ! と言いたいところだが……。  俺が痛がってるのが完全にばれてしまっている感じだな。  いや、それとも俺が初めてだから気を遣ってるだけか?  処女膜を突き破った感触はこいつも分かっただろうし、あくまで知識として初めてなら痛くて当然と思っているのかもしれない。  まあ実際、痛いしな。そして、きつい。  じんじん痛む。  きついのはともかくとして、せめて痛みだけでも消えてくれれば。  ……あっ、そうだ。  魔法で破瓜の傷を癒せないかな?  試してみるか。 「ふぅ、ぅぅぅぅ……ふぅぅぅ、ぅぅ……」  集中だ。  痛みを覚える箇所に意識を集中しろ。  そこに魔力を集まっていくのをイメージするんだ。 「…………んっ」 「のわちゃん?」  ……うん。  あっさり痛みが治まっちゃった。  破瓜の傷にも魔法は普通に効くんだねびっくり。  「……魔法で痛みを消したから、もう遠慮はいらないわよ」 「のわちゃん、本当に魔法、上手だよね」  腰を打ちつけながら感心するな妹よ……。 「そんなの……――――」  ぇあ――――?  膣内がきゅうきゅう収縮する――――  ゾクゾクとしたものが腰から背中から広がっていく――――  膝が震えす――――  足に力が入らない―――― 「……のわ、ちゃん?」 「――――っ、んぁっ」  ……あ、れ? 何だ、今、なんか、一瞬、意識が遠のいてた? 「イっ、た…………の……?」 「ぁ、はぁ……はぁ……」  なんで息が上がってる?  呼吸が止まってたのか?  あれ俺、いつの間にこんなシーツを握り締めてたんだ?  あ、あれ?  膝が笑ってる? 足に、体にも、上手く力が入らない。 「私の、おちんちんで……イっちゃっ……た……?」 「はぁ……はぁ……」  上がった息が、全然落ち着いてこない。  あれ?   いつの間にか、腰の動きが止まって―――― 「――――のわちゃんっ、のわちゃんっ、のわちゃんっ!」 「――――んぁんっ!! あっ、んっ、はんっ、んんっ!!? ん、んぅ……んっ、んんっ……んぅぅっ……!」  な、なんだ?  声が、女の子みたいな声が、女の子の喘ぎ声みたいなのが、口から出てくる、止まらない。  いや、女の子に変身してるんだから、女の子の声が出るのは当たり前だけど、こんな声。  ちがう、違う、そんなことより、すご、これ、すごい気持ちよすぎる。  なんで、急にこんな、やばっ、これ、気持ちよすぎて、こんな、こんな。 「あっ、のわちゃん、腰振ってるのっ? のわちゃんも、気持ちいいの?」 「んっ……んんぅ、んんっ……ふっ…………んぁっ、ふぅっ、あぁっ、うあっ……」  腰? 腰を振ってる?  分からない、もう、気持ちよすぎて、分からない。 「のわちゃん? のわちゃんっ、私も、気持ちいい、気持ちいいよ」  分からない。分からない。  でも、何か、何か言わないと、妹が、心配する。 「あっ、あっ、私もっ、気持ちっ、いいっ、いいっ」 「嬉しい、のわちゃっ、私、嬉しいっ、のわちゃっ、のわちゃんっ」 「あっ、がまんっ、んっ、しないでっ、あっ、もっとっ、動いて、好きなようにっ、してっ」 「のわちゃん、のわちゃん、一緒に気持ちよくっ、気持ちよくっ」 「気持ちよく、なりなさいっ、私のっ、膣内でっ、あっ、あぁっ、っっん……っ~~~~~~」  体にふわふわした感覚が広がってきて、頭が真っ白になるほどの悦びで脳髄が痺れていく。 「ぁ――――」  意識がまた、快楽の波に飲まれてしまった。 * * *  妹が腰を打ち付けるたび、プルミエ・ノワールの体が繰り返し揺れる。  絹のような黒髪の毛先が踊り、あるいは、汗で濡れて顔にぴたりと張り付いている。  プルミエ・ノワールの口は、もはや甘い嬌声を上げるためだけに開かれていて。  とろんと陶酔した目で中空の一点を見つめている様は、その意識を快楽の波の上にたゆたわせるのを覗わせていた。  「はぁ、はぁ、はぁ……」  「あっ、んっ、んぁっ……」  二人の間にはもう言葉は無かった。  お互いに快楽だけを求めて、お互いの体を貪っていた。  激しい息遣いと、嬌声だけの会話。 「はぁ、はぁ、ぁっ」 「んんっ! んっ、ん~~っ、あっ、ああっ」  腰を打ち付ける音が小さくなり。  擦り付けるような動きに変わる。 「はぁ、はぁ……んっ、んん……」 「ふっ、んんっ、ふぅ……ふぅぅぅぅ……」  シーツを握り締めた手に、手の平が重ねられて、黒の背中に白の布地が覆いかぶさる。  小さく震える小さな体を包み込むように懐に抱いて、甘えるようにその黒髪に唇を埋める。  妹は目を閉じて、腰をぐりぐりと動かす。  プルミエ・ノワールは顎を引き、顔をベッドに押し付けて、一層強くシーツを握りしめた。  小さく身悶えるその仕草を慈しむように、また、妹は黒髪に唇を埋める。 「ふぅぅぅ……はぁ……はぁぁぁ……はぁ……はぁぁ……」  やがて、プルミエ・ノワールの呼吸が落ち着き、ベッドに押し付けていた顔を再び上げた。 「んっ……」   妹の腰が、小さく前後に動き出す。 「はぁ……はぁ……」 「ぁ……はぁ……はぁ……」  次第に、プルミエ・ノワールも尻を揺すり出した。 「んっ……はぁ……はぁ……」 「はぁ……あぁ……あっ……」  お互いにぶつけ合うように、腰を、尻を、揺すり合い。  動きはどんどん激しさを増していく。  妹は、プルミエ・ノワールに覆い被さっていた体を起こして、さらに腰を強く打ち付けた。 「はぁ、はぁ、はぁ……」 「あっ、あっ、んんっ……」  お互いに呼吸を合わせたように揺すり合っていた動きの、拮抗が次第に崩れていく。  次第に、腰を打ち付ける動きの激しさだけが増し続けていく。  とうとうプルミエ・ノワールは、尻を上げたまま待ち構えるようにして、ひたすら打ち付けられる激しさを受け入れるだけになっていた。 「はぁ、はぁ、くっ、ぁ」 「んっ、んっ、あっ、んっ」  いよいよ箍の外れた獣じみた激しさでもって、妹はひたすら腰を打ち付ける。  プルミエ・ノワールは全身をがくがくと揺さぶられるようにして、開いた口から嬌声を垂れ流す。  とろんと陶酔した視線が、中空を漂い始める。 「んんっっ! んっんんっ!!」 「ぁ、ぁっぁっあっ」  一際つよく腰が打ち付けられた。  プルミエ・ノワールの尻に押し付けられた妹の腰がガクガクと震える。 「はっ、くっ、んっ……」 「はぁ、はぁ、はぁ……」  妹が、腰を揺する。  膣内で最後の一滴まで絞り出すように、ぐいぐいと押し付ける。  ぼたっ。ぼた。と滴り落ちるものが二人の足元、カーペットを濡らす。  ぐしょぐしょに塗れたのカーペットの上に立つ細い足と、それよりも細い濡れそぼった足。   捲り上げられた白と黒のスカートの間に、眩しいほどの白い肌を曝け出していて。  濡れたくるぶし、ぬらりと跡が伝うほっそりとしたふくらはぎ、いくつもの水滴を垂らす柔らかな太股。  スカートの余りで半ば翳るその奥には、暗く内股が覗いていて、白く泡立ち混ざり合う濁液をどろどろに滴らせていた。 「ぁ、はぁ、はぁ、ぁぁ……」  妹がゆっくりと、プルミエ・ノワールの背中に倒れ込んでいく。 「はぁ、はぁ、はぁ……」  シーツの上、小さな頭のすぐ横に妹は顔を埋める。  ひたすらに荒い息を吐いて、シーツを湿らせる。  荒い息遣いは二人分。   「はぁ、はぁ、はぁ……」 「はぁ、はぁ、はぁ……」  一つに繋がったままで。  お互いが、呼吸の音だけに耳を澄ませている。 「はぁ……ぁ……はぁ…………はぁぁ……………………」  先に落ち着いたのはどちらの呼吸だっただろう。  妹が、ゆっくりと体を起こした。  プルミエ・ノワールは待っているようにじっと動かない。  そうしてまた、お互いに快楽を貪る動きが始まる。 * * * 妹視点  気づいたら、窓の外にタマがいた。 「へぁっ?」  思わず変な声が出てしまった。  タマが窓を開けて部屋に入ってくる。 「あっ、あっ、んっ、あっ」  のわちゃんはまだ気づいてないみたいで、甘い声を出している。  ど、ど、どうしよう、見られ、なんて説明すれば。 「え、えっとねタマ、これは違くてっ」 「あっ、んっ、んっ、んんっ」 「これは、魔力を抜くための……、そう! 魔力を抜くための行為であってそういうあれじゃないんだよ!」  無理がある!  でも、魔力を抜くためなのは本当だし、つまりそういうあれでは……ダメだどう考えてもそういうあれだよ認めざるを得ないよ……。 「あっ、あっ、んっ、あっ」 「大丈夫タマ。タマはちゃんと分かっているタマ」 「そ、そっか! よかったー! あははは……」  ……ちゃんと、ちゃんとって。 「んっ、ぁっ、うぁっ、んっ、んっ」 「固定化された魔力があとどれくらい残ってるか確認しとこうかタマ?」 「あっ、そうだね! 確認しないとだね!」  私はのわちゃんから慌てて腰を離す。 「んぅぅっ……はぁぁ、はぁぁ、はぁぁ……」    おちんちんがのわちゃんの中からずるりと抜ける。 「こ、こんなのが、のわちゃんの中に入ってたんだ……」  改めて見ると、大きい。  こんなの、本当に入るのかな。  まあ入ってたんだけど、のわちゃんの中に……。 「今初めて見たみたいな言い方タマね?」 「ええと、最初は目を瞑ってたし、途中からは頭がいっぱいいっぱいだったしで……」  ずうっと入れっぱなしだったしね……。 「とりあえず、ちょっと魔力の状態を分析してみるタマ」  そういえば、……ぼっき、したおちんちん見るの初めてだな。  初めて見たのが自分のって、女の子として複雑な気分だなあ……。  お兄ちゃんも……お兄ちゃん、のわちゃん状態で自分の性器を確認したりしてないよね?  まあ、お兄ちゃんならしてなさそうかも。 「うん。魔力の塊は無くなってるみたいタマ」 「えっ、本当!」 「まだ残ってるのが不思議なくらいタマ。多分、しばらくするか、変身を解くかしたら消えるんじゃないかなタマ?」 「そっか~、よかったぁ……」  ああ、よかった。  おちんちんの生える魔法少女にならなくて。  …………でも。  ちょっとだけ――――。 「――――いやいや、惜しくない何も惜しくないよ!」 「惜しいタマ?」 「違うの! 惜しくないから!」 「とりあえず、もう大丈夫そうタマね。あれこれ調べものをしてくる必要もなかったみたいタマ」 「あ、逃げたわけじゃなかったんだね」 「それについては二人きりのほうがいいだろうからってちゃんと言ったはずタマだけど……君も誰かに似て結構言うタマね」 「あ、ごめん」 「いいんだタマ。気にしてないタマ」 「その、ありがとう。でも、せっかく調べてもらったのに無駄になっちゃってごめんね」 「解決したならそれが一番タマ」  タマって本当にいい子だなぁ。 「じゃあ、僕は帰るタマ」 「あ、うん。今日は本当にありがとう」 「困ったことがあったらいつでも言ってねタマ」  行っちゃった。  ……思いっきり見られちゃった。  ど、ど、どうしよう。  別に変に思われてはいなかったみたいだけど、大丈夫かな?  タマは魔力を抜くためにしてるって思ってたみたいだったし。  大丈夫だよね?  いや、魔力を抜くためにしてたんだけどね!  そう!  あれは魔力を抜くためだけの行為で……。 「うぅ……」  冷静になって思い返したら、顔が熱くなってきた。  あれだけ激しくやってたんだから、どう考えても言い訳のしようがない。  タマ、いつから見てたんだろう……。 「うぅぅ……」  だって、だって、気持ちよかったんだもん。  のわちゃんも、すごく可愛くて、色っぽくて……って、のわちゃんは!? 「はぁぁ……はぁぁ……はぁぁ……」 「の、のわちゃん? 大丈夫……?」 「はぁぁ……はぁぁ……はぁぁ……」  だ、駄目そうだ……。 * * * 兄視点  今思い出しても、あの日は大変だった。  しばらく足腰は立たないし、床はびしょびしょだし、気まずいし、気まずさを誤魔化すためか妹は変なテンションで体を拭いてくるし。  後片付けを全てしてくれたのはまあ正直ありがたかったが……。  ちょうど家に俺と妹しかいなかったのが救いか。 「ふぅ……こうやって魔物を倒すことのほうが気が楽ね」  街に現れた魔物をさっさと倒してしまい、遅れてやってきていた魔法少女達と出来るだけ顔を合わせないように背を向けたところで、一人だけ駆け寄ってくる足音がする。 「あのね……のわちゃん、その、また……」 * * * 妹視点  結論として、あの日以来、私はおちんちんを自分の意思で生やせるようになった。  勿論、魔法少女に変身した時だけだ。  体の下腹部のあたりに魔力を集めるイメージをすると、おちんちんが生えるのだ。  たぶん、変身のバグはまだ残ったままで、そこに魔力を集めることでまた生えてきてしまうのだろう。  あの時タマが言っていた、「まだ残ってるのが不思議なくらいタマ」という言葉。  きっとあの日、初めての日、私は既にもう、無意識に自分でおちんちんに魔力を込めておちんちんを維持していたのだ。  あの日はあれからすぐおちんちんは消えてしまった。  私はそれを素直に喜んだ。  喜んだのに、しばらくすると、あの感覚を思い出してしまって、頭の中であの感覚をなんども思い返してしまっていて。  ある日、街に現れた魔物を倒して、組合のみんなとも別れて、一人で家に帰る途中。  自分でも冗談のつもりで、おちんちんが生えないかなって魔力を下腹部に込めてみた。  呆気なく。下着の内側におちんちんが現れた感覚がした。  慌てて人目の無い所へ駆け込んで、スカートの中を確認すると、確かにおちんちんが生えていた。  一瞬、背筋が冷えた。  落ち着いてそこに集めた魔力を霧散させるイメージをすると、すぐにおちんちんは消えてくれた。  私は大きく息を吐いて、その場にへたり込んだ。   へたり込んだまま、また、魔力をそこに集めるとおちんちんが現れる。  私は、おちんちんを自分の意思で生やせる魔法少女になっていた。  おちんちんを生やせるようになったからと言って、お兄ちゃんに頼ろうとは思わなかった。思いもしなかった。  ただ、あの時の、おちんちんは痛いほどに固くなっていて、私はその場で、自分の手でおちんちんを慰めていた。  のわちゃんの手の感触を思い出して。  のわちゃんの中の感触を思い出して。  自分の手で慰めれば十分だった。  魔物が現れて、魔法少女に変身してやっつけて、組合の子達と別れて、一人家に帰る途中、絶対に人目につくことの無い場所を選んで、自分を慰めてから家に帰る。  そんなことを繰り返した。  それで、十分だった。  本当に十分だった。  だけど。  その日。  街に現れた魔物をやっつけに向かうと、のわちゃんが先に魔物と戦っていた。  思えばそれは、私が自分でおちんちんを生やせるようになってから、初めて見たのわちゃんだった。  おちんちんで自慰をするようになってから、初めて会うのわちゃん。  のわちゃんはあっという間に魔物をやっつけてしまって、私はその後ろ姿を見ていることしかできなかった。  魔物の消滅を確認して、私を振り返ったのわちゃんの人を寄せ付けない冷然とした目を見た瞬間。私の頭の中で、あの日見た光景がカメラのシャッターを切ったみたいに一瞬浮かんで、消えた。  一瞬だけで、もう無理だった。  顔中に白くドロドロとしたものを垂らしながら不思議そうな表情で私を見上げるのわちゃんが、目の前にいるどこか冷たい眼差しで私を見ているのわちゃんの顔と重なって、間違い探しに失敗したみたいに視界が揺れた気がした。  心臓がどくんと跳ねて。どくん、どくんと、勝手に大きな音を立て始めて。  気づいたら、私は無意識の内に魔力を下腹部に集めていたみたいで、スカートの下におちんちんが生えていて。  気づいたらもうおちんちんは痛いほどに固く張り詰めていて、ぴりぴりとした疼きで私の頭を甘く痺れさせて。  その日は偶然他の組合の子はいなくて私が一人で魔物をやっつけに来ていてそこに居るのは私とのわちゃんの二人だけだったから。  私がふらふらと近くに寄っていってものわちゃんは何も気づいていなくて少し冷たさを感じさせるいつもの顔で私を待っていて。 「今日は一人みたいね」    のわちゃんの声がどこか遠くのほうから聞こえていたような気がする。  私は何か返事をしようとしていて、なのに、返事もせずに何故かのわちゃんの袖をちょこんと引っ張っていた。 「……どうしたのかしら?」  「あ、えと……えと……」  頭が真っ白になった。  私は何をしてるんだろう。  何をお願いしようとしてるんだろう。  のわちゃんが私の様子を訝しがっている。  何か、何か言わないと。 「その……ま、また、生えてきちゃって……」  とっさに、そう言ってしまった。  何を言っているんだろう。  黙っているつもりだったのに。  誰にも言わないつもりだったのに。  それも、のわちゃんに言ってしまうなんて、そんなの。 「だから……あの……」  私は何を言おうとしてるの?  私は何を期待してるの? 「また……あの……」  今ならまだ、間に合う。  やっぱり何でもないって言えば、まだ間に合う。 「また……また……」  そんなの駄目だ。  駄目。  第一、受け入れてもらえるはずがない。  怒られるだけ。  いや、呆れられてしまうかもしれない。  嫌われてしまうかもしれない。  言ってしまえば、俺の妹はそんな変態だったんだって、幻滅されるかもしれない。  なのに、なんで。  そんなこと分かっているのに。  なんで私は。  お兄ちゃんならって。なんで。そんな期待を。 * * * 兄視点  あんなことがあって、一ヶ月くらい経った頃の事だったか。  真っ赤な顔で、変身した姿の俺の袖を遠慮がちに引くと、「あ、えと……えと……その……ま、また、生えてきちゃって……」と言ってくる妹。  何を頼もうとしているのか、すぐに分かった。  一人でも処理できるんじゃないだろうかと、そう思わなくもなかったが……。  でも、こんな顔で頼られては、突き放すことなんてできない。  とはいえ、セックスまでする必要は無いはずだ。  抜けばいいのだから。  俺が協力するにしたって、手でも済ませられる。  前回はあんな風になってしまったけど、ちゃんとお互いに分かっていればあんな事にはならないはずだ。  なのに。  妹の震える声が、「だから……あの……また……あの……」俺の思考を揺さぶる。  俯いて、袖を引いて、今にも泣き出してしまいそうな声が、「また……また……」俺の頭を熱くさせる。  だから。  「それならまたしましょうか」  いつでも冷静な魔法少女然として、何でもないことのように、妹にそう言ってやった。  後悔はしなかった。 * * * 妹視点 「それなら、またしましょうか」 「……ぁ」  いつも通りの平然とした声。  いつの間にか俯いていた私は、何も言えずに固まってしまった。 「……どうしたの?」 「えと……」  そんなの、やっぱり駄目だ。  今からでも間に合う。  やっぱり大丈夫と言って、それで、おちんちんは自分で慰めてしまえばいい。 「別にいいのよ?」 「その……」  早く、早く言わないと。 「……先に帰って待ってるから。準備ができたら部屋に来なさい」  のわちゃんは、そう言うと私に背中を向ける。  私の指から簡単に裾が離れてしまう。  のわちゃんが飛び上がり、私は慌てて俯いていた顔を上げる。  近くの家の屋根に飛び乗ったのわちゃんがそのまま屋根を伝って去っていく。  あっという間にその背中は見えなくなった。  私はしばらく呆然と立ち尽くした。  それから、熱い顔を手で押さえてしゃがみ込む。   「……帰らないと。のわちゃんが待ってる……」  立ち上がり、帰路へと足を踏み出す。  スカートの中ではおちんんちんが苦しいほどに固くなり突っ張っていた。  甘い疼きで先端からだらだらと涎を垂らし続けて下着を濡らしている。  多分、その下、膣口も下着を濡らしている。  恥ずかしさと気持ちよさが、家々の屋根を伝って飛び跳ねていく風の中、私の顔を沸騰しそうなくらいに熱くさせていた。  心臓が破裂しそうなほどにドキドキしていたのは、恥ずかしさのせいか、期待のせいなのか、よく分からなかった。 * * * 兄視点  今思い出しても、あの日は大変だった。  しばらく足腰は立たないし、床はびしょびしょだし、気まずいし、気まずさを誤魔化すためか妹は変なテンションで体を拭いてくるし。  後片付けを全てしてくれたのはまあ正直ありがたかったが……。  ちょうど家に俺と妹しかいなかったのが救いか。  あれからというもの。  月に一回程度の頻度で妹にちんこが生えるようになった。  変身のバグがそのまま残ってしまっているのかもしれない。  おそらく、一ヶ月ほどで魔力が溜まってしまい、ちんことして現れてしまうのだろう。  冗談みたいな話だけど、実際に生えてきてしまうのだから困ったものだ。  そして困り果てた妹は、また俺に相談をしてきたという訳だ。  恥ずかしくてタマにも言ってないらしい。  まあ、ちんこが生える事なんて他人にはできるだけ秘密にしておきたいよな。解決方法は分かってる訳だし。  その気持ち、俺には痛いほど分かるぞ妹よ。  現在。俺は月に一度ほどの頻度で、妹のちんこを処理する手伝いをしている。  こんなことになって別に後悔はしていない。放っておけるはずなんてないしな。 「ふぅ……こうやって魔物を倒すことのほうが気が楽ね」  街に現れた魔物をさっさと倒してしまい、遅れてやってきていた魔法少女達と出来るだけ顔を合わせないように背を向けたところで、一人だけ駆け寄ってくる足音がする。 「あのね……のわちゃん、その、また……」  妹だ。  恥ずかしそうに、小声で言葉を濁しているから……どうやらまた、あれのようだな。 「……またあれかしら?」  離れた所にいる魔法少女達に聞こえないくらいの小声で確認する。 「うん……」  やっぱりそうだったか。 「じゃあ先に帰って待ってるわね」 「うん……その……」 「なに?」 「ごめんね……」 「はぁ……まったくあなたは、何度言わせるの? 謝らなくていいのよ」 * * * 兄視点  あれから何度、妹と交わっただろうか。  ……いや、この言い方じゃとんでもない語弊があるな。  何度、妹のちんこを味わっただろうか。  ……おかしいなまるで俺が妹のちんこを貪ってるみたいだぞ?  何度、魔法少女の姿に変身したままで妹に生えたちんこの処理に付き合ってあげただろうか。  よし。  これだ。  過不足なく説明できた!  そんなことを考えていたら誰かが部屋のドアをノックする。 「お兄ちゃん、入るよ」 「どうぞ」  変身していない妹が部屋に入ってくる。  一旦変身を解いて、玄関から家に帰ってきたのだろう。  俺もそうだから分かる。 「相変わらず、準備早いね……」  既に俺は変身していて、上半身だけをベッドに突っ伏した姿勢を取っている。  確かに、いつもこうやって待っているけどさ。 「別に、あなたが来るのが遅いのよ」 「そうだね。ありがとう」  ありがとうってお前。  ひょっとして……俺が早めに変身したまま待ってる理由バレてる……?  早めに変身してこの体勢で待っているのは、膣内を濡らすためだ。  でもそれは濡れてないと痛いからであってあと事をスムーズに運ぶためでもあってつまり兄の真心なのですよ妹よ?  脳内で懊悩してる間に、変身を済ませた妹が俺の尻に腰を押し付けてくる。  既に妹のものはガチガチに固くなっていた。これもいつものことだ。 「あなたも。変身して早々、準備万端じゃない」  そっちだって興奮してるんじゃないか、いや俺は別に至って冷静だけどねいつも。 「うん……」  ちょっと恥ずかしそうに頷かれたら逆に困っちゃうんだけど!  まあいい。今更、細かいことを気にしても仕方がない。  俺は自分のスカート中に手を突っ込みごそごそとパンツを下ろした。  パンツのそこは既に濡れている。  スカートの下、ひやりと糸が引いた感触をパンツの端でささっと拭う。  こうして濡れているのは、できるだけすぐ妹がちんこを突っ込めるようにしてあげようという兄の真心である。  別に、触ったりいじったりはしていない。  ただベッドに体を投げ出してじっと一人で待ちながら、妹のちんこを処理してあげることを考えているだけだ。  それだけで勝手に濡れてくれる。  それだけで濡れるという方がいじって濡らすより何かがいけない気もしなくはないけど。  まあ。さすがにそれだけで濡れるなんてことまでは妹にもバレてないだろうし大丈夫だよな。  ……早めに変身してる理由は薄々感づかれてそうだけど。  妹も女の子だからな。  なんとなく察しがつくのかもしれない。  ……早めに変身してる理由がバレてるかもしれないって考えたら、顔が熱くなってきた。絶対顔が赤くなってるなこれ。  一応この体勢、バックからなら顔を見られないから大丈夫だと思うけど、やっぱりこの体位以外は無理だな……。   「じゃあお兄ちゃん……」 「いつでもどうぞ」  妹が自分のスカートを捲り上げてちんこを取り出す気配がする。  それから俺のスカートを捲くり上げて、ちんこを膣の入り口を擦りつけ始める。  まだ、挿入はしない。  素股するように、ぐにぐにと入り口に押し付けて擦るだけである。  ……てっきり、俺の膣内がまだ濡れてなくて、濡らすために前戯をしてるんだと思っていたが。  既に膣内が濡れていることに気づいているのだとしたら、普通に好きでやってるのか?  それとも、バレてないと思ってる俺に付き合って、わざとそうしているのか?  だとしたら、ますます恥ずかしくて死にそうなんだけど……。 「……入れるね」  どっちだ。どっちなんだ妹よ。いや、やっぱり知りたくない聞くのが怖いそのまま何も言わないで。  なんて考えてるうちに、入り口にちんこの先端がぴたりと当たる感触がして冷静になる。顔はまだ熱いが。  膣口を押し広げるようにしながらガチガチに固くなったちんこがゆっくりと膣内に進入してくる。  閉じていたそこに割り入ってくる感覚が、もどかしいくらいにはっきりと感じられる。 「んっ…………ふぅ……」 「全部、入ったよ」  そう言った妹は、いつも通り俺に覆いかぶさってくる。  そうやってしばらくは腰を動かさない。  ぬいぐるみにでも甘えるみたいに俺の体を抱きしめて、俺の頭をやさしく撫で始める。俺は為すがままされるがまま。  それからは会話があったりなかったり、そんな時間が過ぎる。  なんですぐ動き始めないのかを聞いことがある。「すぐに動いたら、もったいないじゃん」という答えが返ってきた。  何がもったいなのか尋ねたら、「その方が、たくさん感じられるんだよ」と言われた。  どういうことかその時は分からなかったが、今はなんとなく分かる。  こうやって抱きしめられていると、次第にお互いの体温が馴染んでくる。  体から余計な力が抜けていき、柔らかく、心地よくなっていく。  膣内でガチガチに主張し続けるそれの存在を、静かに確かめることができる。  それは、時折、膣内でびくびくと元気に震えている。  挿入れてるだけで気持ちよくなっているのだろうか。  妹は特に何も言わない。  静かだ。  お互いの呼吸も、まだ、静かなものだ。  今日は会話の無い日みたいだ。 「……静かだな」 「……そうだね」  そこからは、他愛もない話をいくらかして、それからその日も幾度とない絶頂の快感をむさぼり合った。 * * * 妹視点  そうしてそれからは、月に一度くらいだけ、のわちゃんにおちんちんの処理を手伝ってもらうようになった。 「あのね……のわちゃん、その、また……」  その日、街に現れた魔物を倒しに行くと、先にのわちゃんが居て、あっさり魔物を倒してしまった。  今日は、私は一人ではなく、他の組合の子も一緒だった。  だから、魔物を倒し終えたのわちゃんに近づくと、他の子には聞こえないように小声でこっそり話しかけた。  のわちゃんもすぐに何のことか気づいてくれた。 「……先に帰って待ってるわね」  小声で、少し冷たい調子の声。  これは別に怒ってるわけじゃないというのは分かるけど、嫌われてるのではないかと少しドキリとする。 「うん……その……」 「なに?」  それに後ろめたさもある。 「ごめんね……」 「はぁ……まったく。謝らなくていいのよ」  ううん、そんなことは無い。  だって、おちんちんを処理する手伝いなんて、本当は必要ないのだ。  私が自分で生やしているのだから。 * * * 妹視点    お兄ちゃんの部屋のドアをノックして、声を掛ける。 「お兄ちゃん、入るよ」 「どうぞ」  返ってきたのわちゃんの声を聞いて、部屋の中に入る。  いつも通り、のわちゃんはベッドに横から上半身だけ倒れこんで、お尻を突き出すポーズで待っている。 「相変わらず、準備早いね……」 「別に、あなたが来るのが遅いのよ」 「そうだね。ありがとう」  多分、早めに変身して、膣内を濡らして挿入の準備をしているのだろう。  自分でいじってるのかな……?  お兄ちゃんにそんなことできると思えないけど。  私もすぐに変身する。  変身を解いて帰ってくる前におちんちんは生やしていたから、変身するだけでもうスカートの中で大きく立ち上がり固くなっている。 「あなたも。変身して早々、準備万端じゃない」 「うん……」  ちょっと恥ずかしい。  そそくさと、お兄ちゃんの背後に近づき、お尻に腰を近づける。 「じゃあお兄ちゃん……」 「いつでもどうぞ」  自分の白いスカートを捲くっておちんちんを出し、次にのわちゃんの黒いスカートを捲くってかわいいお尻を出す。  のわちゃんは私が変身している間に下着を下ろしていた。  一応、すぐには挿入せず、固くなったおちんちんを擦り付けるようにしてのわちゃんの柔らかい入り口を刺激する。  もし、最初から濡れていることをお兄ちゃんが隠したいのだとしたら、あまりすぐおちんちんを入れては可哀相だ。  膣内が最初から濡れているのが分かっちゃうからね。  おちんちんが、のわちゃんの膣内から溢れた愛液で濡れていく。  なんだか、のわちゃんの耳が赤くなっているけど、何を考えているんだろう?  えっちなことでも考えてるのかな? 「……入れるね」  のわちゃんの濡れた入り口におちんちんの先端を宛がう。  柔らかな陰部を割り開く感触。  固い先端にまとわりつく感触をゆっくりと味わい、そのままゆっくりと挿入を続けていく。  のわちゃんの小さな体の中に、大きなおちんちんがどんどん沈み込んでいき、とうとう最後まで飲み込まれてしまった。 「んっ…………ふぅ……」 「全部、入ったよ」  のわちゃんの背中の上に折り重なるようにゆっくりと倒れこむ。  小さな体は、抱きしめるのに丁度いいくらい。  頭を撫でると、つやつやの黒髪が滑らかに指を滑らせる。  細い体だけど、柔らかくて、暖かい。  感じる体温と花のよういい匂いで、とても落ち着く。  気分は穏やかなのに、おちんちんはとても興奮していて、柔らかなのわちゃんの膣内で固く張り詰めている。  ゆったりとした体の中で、おちんちんだけが緊張しているみたいに固い感じで、そこだけがやけに強く感じられて、とてもえっちだ。 「……静かだな」 「……そうだね」  のわちゃんの息遣いが静かに聞こえている。  おちんちんが、早く動いてほしいと、甘い疼きを訴えては震えているけど、この時間をまだ味わっていたいからもう少し我慢だ。  前に、どうしてすぐ動かないのかのわちゃんに聞かれたことがるけど、あまり早く動いてしまってはもったいない。 「……のわちゃんは、挿入したらすぐに動いて欲しくなる?」 「ん? どうかしら……別にそういうこともないかしらね。こうしているだけでも心地いいわよ」 「そっか。よかった」 「あなたは? 動きたいのを我慢してたりしないの?」 「してないよ? なんで?」 「だって、時々膣内でびくって動くから」 「ああそれ。勝手に動いちゃうんだよね」 「そう。まあ、そういうものよね」 「やっぱりそういうものなんだ」 「そういうものね」 「そっか」 「……急に膣内でびくびくし始めたけど、わざと?」 「うん。わざと」 「動きたいならさっさと動きなさいよ……」 「こうやってびくびくさせるだけでもちょっと気持ちいいんだよね」 「まあそういうものよね……」 「うん……気持ちいい…………ん……」 「……このまま始めるのかしら?」 「うん……我慢できなくちゃった……」 「やっぱり我慢してたの? ……あっ……ん……」 「入れてるだけなのも、好きだから……」 「そういうことね……んっ……んっ……あっ…………」 「ん……はぁ……ぁ……ふっ……」 「あっ、あっ、ふっ、んっ、んんっ……」 おわり * * * おまけ  書いたけど挿入する場所がなかったエロシーン   プルミエ・ノワールの尻に、妹が腰を叩きつけるようにぶつけていく。  妹の腰にぶつけるように、プルミエ・ノワールは尻を何度も押しつける。  肉と肉のぶつかり合う音がして、妹の腰が下がり、プルミエ・ノワールの尻も引かれる。  それから、プルミエ・ノワールの膣内から妹のものが抜けきらないうちに、また、腰と尻がお互いを求めて近づいていく。  そうやって、同じ動きが繰り返され続けた。 「あっ……んっ……あっ、あっ」 「んっ、んっ、あっ、もう出そう、のわちゃん、もうっ、もうっ、出そうっ」 「好きにっ……好きに、射精していいからっ……射精してっ、んぅっ……頂戴ぃっ……」 「んっ、出る、出すよっ、また、のわちゃんに、私の出すからねっ」  そう言うと、妹の腰の動きが更に激しさをました。 「出すよっ、出すよっ、のわちゃんっ、またっ、出るっ!」 「んっ、あっ、あっ、んあっっ!!」   一際大きく腰が打ち付けられて、妹はプルミエ・ノワールの際奥に己の性欲の奔流を叩きつける。 「んっ、あっ、ああ、また、射精てる、射精されてる、ちんちんが膣内で震えて、膣内に、感じる……」    プルミエ・ノワールは陶酔した表情で睫毛を震わせる。己の膣内でびくびくと震える陰茎の長い脈動に、長く長く口から吐息をもらす。  透けるように真っ白な頬を桜色に上気させ。目元を濡らしながら目は遠くを見ていて。  熱い飛沫が膣内で爆ぜるのが嬉しいのか。  己を貫いては滾り震える固い存在を悦んでいるのか。 「っ、はぁ……ぁ、んっ、ふぅっ……はぁ、はぁ……」  妹はプルミエ・ノワールの膣奥の奥に陰茎の先端をぶつけたまま、迸る精液の最後の一滴まで絞り出すように腰をがくがくと震わせた。   「あっ、はぁ……はぁ…………はぁぁぁ……」  それから大きく息を吐き出して、プルミエ・ノワールの小さな背中の上にその身を投げ出す。  絹のような黒髪に鼻先を押し付け、かわいらしい耳元を鼻先でかすめて、桜色に美しく上気した透き通る頬を唇で軽く撫でながら、べっどに顔を埋めていく。   「のわちゃん。いい匂い」 「ふぅ……はぁ……何度目かしらね、それ」 「出すたびに言ってる気がするから……何度目だっけ?」 「そうね……五度目くらいじゃないかしら」 「どうりで、のわちゃんの中から私が出したのがどんどん溢れてくるわけだ」 「多分、垂れるだけなら二回目してる時から垂れてきてたわよ」 「あれ? そうなの?」 「太ももに垂れてくるから、分かるのよ」 「そっか」 「ええ」  妹は心地よい眠りへと落ちていくようにうっとりと目を瞑り、大きく鼻から息を吸い込んだ。  プルミエ・ノワールも、つかの間の午睡を楽しむように、静かに目を閉じていた。  しばらく、妹が大きく呼吸をする音だけが二人を包んでいた。 「すぅぅぅぅ……はぁぁぁぁ…………よしっ」  妹が目を開く。 「……休憩は終わりかしら」  プルミエ・ノワールも瞼をぱちりと開いた。 「うん。のわちゃん成分は十分に充電できたから」 「少し休んで体力が回復しただけでしょう」 「こうしてるの好きなんだもん。何だかとってもくっついてる感じ」  プルミエ・ノワーロの背中で、妹は脱力しきった体をもぞもそと動かす。 「そのままね……まあ、分からなくはないけど」 「うふふ」  妹は楽しそうに笑って、プルミエ・ノワールの黒髪に口付けをして静かに息を吸う。  「ひとの頭の臭いを嗅ぐのがそんなに楽しいのかしら?」 「うん。なんだか嬉しくて」 「変態ね」 「今だけだもん……」 「……そうね」  プルミエ・ノワールは気だるげに目を閉じて、夢の続きにまどろむように優しく呟いた。 「今は、いいか…………」