二次元裏@ふたば

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123228 B25/07/15(火)23:02:37No.1333640762そうだねx3 00:34頃消えます
621戦場騎士くんが記憶を失うまでの怪文書2話序盤です
予告のところまでたどり着くまでChapter4か5までかかりそうですね
なおオウリアモンはまだ出ません
2話Chapter1:fu5306978.txt
2話Chapter2:fu5306980.txt
1話:fu5306976.txt
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/07/15(火)23:03:52No.1333641255+
デジモンイモゲンチャー外伝The Knight's Lost Memories
 2nd MEMORIAL『嵐の舘』
 Chapter1『嵐からの逃亡』

1.1『穏やかなりし列車旅』


 窓に額を寄せると、ひんやりとしたガラスが触れた。
 デジタルワールドの風景が、柔らかな緑の波となって目の前を流れていく。
 リズミカルな車輪の音が心地よく響き、揺れに身を任せながら、騎士はただその景色に目を奪われていた。
 窓の外には、広大な草原が広がっている。陽光がデジタルデータの粒となってきらめき、風がそよぐたびにポリゴンで出来た草が波のように揺れる。
 遠くの丘では、トリケラモンがのんびりと草をはんでいる。
 角の生えた巨体がゆっくりと動き、口元で草をむしゃむしゃと噛む姿は、どこか牧歌的で微笑ましい。
 時折、首を振って鼻息を鳴らすと、近くのフラウモンたちが驚いて花びらを散らし、色とりどりの花弁が風に舞う。
225/07/15(火)23:04:08No.1333641362+
 やがて、視界に川が飛び込んできた。
 ピヨモンたちが水辺で羽をぱたぱたさせ、キラキラと輝く水しぶきを上げている。
 少し離れたところでは、ゴマモンが水面を滑るように泳ぎ、楽しげにくるりと回転する。
 川辺にある公衆トイレに急いで駆け込むエアドラモンの姿もあった。
 自販機でジュースを買って飲んだが味が不味かったのか苦い顔をしているテイマーと、どうやら悪戯が成功して笑っているピコデビモンも見える。
 おそらく彼らは騎士とズバモンのようにパートナーなのだろう。
325/07/15(火)23:04:27No.1333641494+
「平和だな……」
 つい口をついて出た。デジタルワールドは、こんなにも穏やかな場所だったか。
 戦いの記憶も遠く、ここではただ時間がゆっくりと流れている。
「いやぁレッシャモンあってよかったぁ!! 少年、こんな移動手段初めてでしょ?」
 ディエースは座席にふんぞり返り、足を組んで得意げに笑う。
 赤いボディスーツは、窓から差し込む明るい光に映え、彼女のボディラインを強調していた。
425/07/15(火)23:04:49No.1333641639+
 レッシャモンは、乗換アプリから生まれた蒸気機関車のような姿をしたアプモンだ。
 黒いボディに、煙突から白い蒸気を吐き出し、車輪が地面をガタゴトと力強く叩く。
 客車をつけたその車体は、このデジタルワールドを疾走するために生まれたかのような威容を誇る。
 車内は未来的な雰囲気に満ちており、壁には青を基調とした幾何学的なデジタル迷彩が複雑に走っている。
 天井には鮮やかな青い発光ラインが交錯し回路のように浮かび上がり輝いている。
 窓からは明るい光が差し込み、車内のハイテクな内装を際立たせている。
 座席は赤い背もたれに鮮やかなピンクの発光ラインと、金色の枠が施されており、全体的に先進的かつダイナミックな空間を演出している。
525/07/15(火)23:05:07No.1333641761+
「まぁ悪くない」
 騎士はまた窓の外に目をやる。
 ティラノモンが一頭、こちらをちらりと見て、まるで挨拶するように首を傾げた気がした。
 ズバモンは座席の上で飛び跳ね、頭の剣をキラリと光らせながら無邪気に笑う。
 彼らは今、宛もなく気ままな旅をしている。
 騎士はディエースに自らの仲間を探さないのかと聞いたが、GPSの能力を持つサテラモンがあるのだから、そのうちあちらから迎えにくるだろうとのことだ。
「全部アプモン頼りだったから電話番号もメールもその他連絡手段も覚えてないしさ。ま、それまでは休暇と思って楽しめばいいじゃん」
 ディエースはケラケラ笑いながら、座席の背もたれに体を預けた。
 そうして進む中、豊かな平原に反して、段々とデジモンたちの姿が少なくなっていく。
 騎士が不審に思ったその時、レッシャモンの車体が大きく揺れ、けたたましい警笛が響き渡った。
625/07/15(火)23:05:42No.1333642007+
1.2:『黒い嵐』

 窓の外では、雲が厚みを増し、紫電が空を裂く。デジタルワールドの天候が急変し、データが乱れ空間にノイズが走りだす異様な空気が漂い始める。
 周辺にいた僅かなデジモンたちは何かを察したのか、全速力で走り出していく。
「な、なんだ!?」
 騎士がディーアークを握りしめ、窓に飛びつく。
 ディエースも慌てて立ち上がり、アプリドライブDUOを手に持つ。
 レッシャモンの車内スピーカーから低く響く声が答える。
「前方に高エネルギー反応。黒い嵐が接近中。エリア崩壊の危険有り」
 騎士の顔が強張る。ズバモンは窓に張り付き、外の様子を覗き込む。
725/07/15(火)23:06:17No.1333642255+
「ナイト、ヤバいぞ! あれ、見てみろよ!」
 遠くの地平線では、黒い渦が地面を抉りながら迫ってくる。地面は砕け散り、草や岩が吸い込まれるように消えていく。
 逃げ遅れたデジモンは容赦なく飲み込まれ、その体のテクスチャを剥がされ、ワイヤーフレームからポリゴンが奪われ存在を失っていく。
 まるで世界そのものが解けていくような光景だ。
「なにこれー!? えーっとえーっとガッチモンはないし……ジショモンなら分かるかなー!?」
 ディエースはアプリドライブにアプモンチップをセットし、素早く操作する。
「アプモンチップ! レディ! アタクシ注入!」
825/07/15(火)23:06:41No.1333642414+
『スリー! トゥー! ワン! アプリアライズ! ジショモン!』

 巨大な本の形をしたアプモン、ジショモンが車内に現れる。
 ページが自動でめくれ、輝く文字がホログラムのように浮かび上がる。
「デジタルストーム。特殊な地域、青嵐エリアで自然発生する現象。
 一定期間ごとにエリアを崩壊させ、その後、新たなる環境を再生することでデジモンの新たな進化を探る実験的エリアと思われる。
 このエリアを記したデジタルワールド百科事典にある記録によれば、近くにはデジタルストーム現象を凌ぐための避難所及び宿泊施設として機能する『青嵐の館』が存在。
 座標は……」
 ジショモンの落ち着いた声が、座標データを投影する。ディエースが目を輝かせる。
「よっしゃ! レッシャモン、ジショモンをアプリンクしてこの座標に全速力で向かって!」
「ラジャー。レッシャモン、急行列車として運行を開始します。次は青嵐の舘〜青嵐の舘〜」
 レッシャモンの車体が唸りを上げ、煙突からさらに勢いよく蒸気を噴き出し、荒れ狂う風の中を突き進む。
 騎士はディーアークを握りしめ、窓の外の嵐を見つめる。
925/07/15(火)23:07:06No.1333642616+
「青嵐の館、か……。こんな嵐の中、無事にたどり着けるといいんだが……」
 ズバモンが肩を叩き、ニヤリと笑う。
「ナイト、そう不安になるなって! ディエースのおかげでなんとか逃げ切れそうじゃん!」
「その通り! Sランクアプリドライバーのア〜タクシ、ディエースちゃんと一緒なら、どんな冒険も楽勝よ!」
 ディエースがウインクしながらその豊満な胸を張る。
 だが、その瞬間、レッシャモンが再び大きく揺れ、車内に緊張が走る。
 デジタルストームの咆哮が、すぐそこまで迫っていた。
1025/07/15(火)23:08:42No.1333643282+
プレビューここまで〜
1125/07/15(火)23:09:47No.1333643749+
あらかわいい
>なおオウリアモンはまだ出ません
毎回これ聞いてる気がする!
1225/07/15(火)23:10:03No.1333643848+
ドットだ!!!
1325/07/15(火)23:14:17No.1333645468+
投稿ペースに対して文章量がすごい…!
1425/07/15(火)23:24:33No.1333649126そうだねx2
今回は密室ミステリーの冒頭でこれから死んだりする愉快な奴らのキャラ紹介で終わりです
まともな戦闘はおそらく無理やり戦闘挟んだ1話でしか起きないでしょう
1525/07/15(火)23:36:15No.1333653288そうだねx2
騎士公式ですが騎士君怪文書ありがたい…
かわいい子とか尊敬出来そうな剣士さんが増えて嬉しいこのミステリーを生き残って欲しいね
生き残ったら記憶喪失になった騎士君に…誰?って言われて欲しい
1625/07/16(水)00:00:15No.1333661375そうだねx4
ちなみにレッシャモンの客車はちゃんとアプモンアニメで存在するんですよね
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あれ!?客車あるつもりで書いたけどレッシャモン客車無くない!?ってなったけど助かった……

>生き残ったら記憶喪失になった騎士君に…誰?って言われて欲しい
そうだね
1725/07/16(水)00:27:48No.1333668888そうだねx1
赤字出た〜そろそろ消える〜
読んでくれた「」ありがとうございます


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