棒立ちになった熱血指導王に幻魔皇ラビエルの攻撃が突き刺さる…! 天界蹂躙拳により強化された一撃はライフポイントを一気に削りきったのだ! 「ぐぁぁぁー!」 「ふぅ…熱血指導王さんではなくホルスさん達で攻撃されてたらちょっと厄介でしたね…対戦ありがとうございました」 私は対戦していただいた事に感謝を申し上げました 「いやーそうなんだけどね、あそこで何か他にいいカード引けるかも…って思っちゃうんだよね」 この人目を引く怪しい仮面の男性はMr.GGさん その怪しい見た目と胡散臭さからは想像出来ませんが本物のゲートキーパーであり別世界からの門番としてのお仕事をなされています 「今回の予定聞いてもいいかな?」 ゲートキーパーとして目的を聞くGGさん 「カードの補充と買い出しですね、夕方には戻ると思います」 今回の目的を告げる私 「あっ!ちょっと待って!」 GGさんとの対戦も終わり私が歩き出そうとすると呼び止められてしまいました 「ラビエル君はちょっと大きすぎるからカードに戻っててくれるかな?」 「……」 無言ながらもわかったと返答するかのように頷くとラビエル君はカードに戻っていきました 「ねぇ…GG…私は…?」 「クラリアちゃんは〜…まぁそのままでもいいか!でも靴は履いてね、変な目で見られちゃうから」 そういう問題なのでしょうか…? GGさんからの注告を聞き私達はカードショップへ向かいます、近頃は強い対戦相手が多く今のデッキですと多少不安が残る所、マスターが残してくれたとはいえ強化が必要でした 「やぁティファちゃん、お久しぶり、今日は何か必要な物でもあるのかな?」 私を出迎えてくれたのは、このカードショップの店員さんであるナミトさんでした 「少しカードの補充をしようかと、こちらのカードの在庫はありますでしょうか?」 私は事前に必要としていたカードのリストをナミトさんに手渡しました 「えっーと…ヴァルドラス、ドロゴン、ガルーラ、スターヴ、リトルナイト、ダブルワイルドだね、全部在庫あるはずだからちょっと待っててね」 ナミトさんがカードを探してくれる間、ショーケースの上で寝ている羊トークンさんを見たり触ったりしているクラリアちゃん 羊トークンさんは気持ち良さそうに寝ていて、それだけこのお店の居心地が良いのがわかります 丁寧に毛繕いされているのかその毛並みはもふもふのふかふかで一目見て大事にされている事が伝わってきます 「私も少し触って…」 手を伸ばそうとすると在庫確認が終わったのかカードを持ったナミトさんが戻ってきました 「このカードでいいかな、確認してもらっていい?」 ナミトさんに持ってきていただいたカードを確認する私、プレイ用なのでさっと目を通すだけでしたが 「はい、大丈夫です、ありがとうございます」 私はナミトさんにお礼を言い、頭を下げお店を後にします 「ばいばい…羊トークン…ナミトも…ばいばい…」 羊トークンさんとナミトさんに手を振るクラリアちゃん 「また来てねー」 お店を出てしばらくするとクラリアちゃんが私の袖を引っ張りました、こういう時は何かしら言いたい事がある時なので私はクラリアちゃんと目線を合わせる為少ししゃがみます 「どうしました、クラリアちゃん」 「あのね…お姉さん…そろそろおやつの時間…」 時計を確認するともうおやつの時間でした 「あら、もうそんなお時間でしたか…今日はどこか喫茶店で済ませますか」 「なら私…パンケーキがいい…!」 私達はパンケーキが置いてある喫茶店を目指す事にしました しばらく歩いていると優雅さを感じる金髪のお嬢様がベンチに座って 「ぁ〜…今月も金欠ですわ〜…」 と呟いているのが聞こえました そちらの方を見るとベンチの後ろで心配そうに金髪のお嬢様を見つめる古代の機械巨人さんの姿が 「お姉さん…あの人、精霊付いてる…でも見えてないみたい…」 とクラリアちゃんが教えてくれました 精霊持ちな上にクラリアちゃんが興味を持った これも何かの縁でしょう、私はその方に声を掛ける事にしました 「あの…もしよろしければこれからこの子と喫茶店に行くのですがご一緒にどうですか?」 突然声を掛けられた事に驚きつつも 「それは良いお誘いなのですが私、今金欠でございまして…」 「大丈夫…お姉さんの奢り…!つまり食べ放題…!」 クラリアちゃんはサムズアップしお嬢様を見つめます 「は、はぁそれでしたら御相伴に預からせていただきましょう、私、古木地代と申し上げますわ」 お嬢様の名は古木地代さん、自己紹介を終えるとカーテシーで挨拶をしていただきました 後ろでは古代の機械巨人さんがカードイラストの通りのポーズで自分をアピールしていました、かっこいい 「私は深風ティファ、この子はクラリアちゃんです」 私も同じくカーテシーで挨拶するとクラリアちゃんも真似しますがしっくりこないようでした、可愛い 「私こちらの方面は疎いのですがどこかおすすめのお店はありますでしょうか?」 お店は決めていなかったので地代さんのオススメを聞きたいと思い声をかけました 「それでしたら、あちらのお店がオススメですわ!あちらのお店はクーベル印のお店なのですがその分お値段も高く…でもその分の価値はあると女性決闘者の間でも話題のお店ですわ!」 な、なるほど…若干早口な地代さんのオススメのお店との事で私達はそのお店に向かう事にしました お店に入り、席に着き注文が届くと女子会の始まりです テーブルの上にはお菓子モンスターを模して作られたお菓子達が並んでいます、少し食べるのがもったいなく感じてしまう程の出来です 「大丈夫…私と地代で盤面の制圧は可能…!」 クラリアちゃんはサムズアップして私を見つめます 地代さんも優雅な佇まいではありますがものすごい勢いでお皿のお菓子達が無くなっていきます このままでは本当にお二人で盤面制圧されてしまいそうです ふとガラス窓の外を見ると古代の機械巨人さん地代さんを見ながら頷いていたのですが、 私の視線に気付くとダブルバイセップスでアピールしています、あなたそんなキャラでしたっけ…? 一通り食べ終わると談笑が始まります 地代さんから身の上話や最近のデッキの流行りや傾向、対策等を教えていただきました そんな私達のお話が退屈だったのかクラリアちゃんは寝はじめてしまいました 寝言なのか 「ふふ…私はデカパイ…シトリスより…アロメルスよりデカパイ…元から…セラよりデカパイ…」 「楽しそうな夢を見ていられますね…」 と寝ているクラリアちゃんを見て微笑む地代さん 短い間でしたがクラリアちゃんとお二人で盤面制圧したおかげか地代さんとクラリアちゃんは随分と仲良くなられたようです 喫茶店を後にするともう辺りは夕暮れ、日が傾きはじめていました 「そろそろ寮の門限がございますので私はこの辺りでお暇させていただきますわ」 地代さんの寮の門限が近いようですので私達は解散する事にしました 「そうですね…お時間がお時間ですしそろそろ解散としましょうか」 「今日は本当にありがとうございましたわ、おかげでお腹いっぱいな上に楽しい時間まで過ごせて…それに小さなお友達さんも出来ました」 私の背で寝ているクラリアちゃんの頬をつつく地代さん 「すぅ…デカパイ…くぅ…」 寝言をもらすクラリアちゃん 「それでは、ごきげんようティファさん」 「またお会いしましょうね、地代さん」 地代さんの隣にいる古代の機械巨人さんも腕ぶんぶんと振ってくれていました こうして私達はそれぞれの帰路につきます 異世界への門まで戻ってくると 「おかえりー、カードの補充だけって話だったのに随分遅かったね」 「ええ、ショップで買い出しの後、少し喫茶店で女子会を…」 クラリアちゃんを背中からおろし寝かせる私 「いいなー俺も誘ってくれたら行ったのに」 少し残念そうにするGGさん 「それはちょっと…また不審者情報流されちゃいますよ?それに一応ゲートキーパーなんですからあまり持ち場離れちゃダメですよ」 「一応ってひどいなー…っと…我が名はMr.GG!ここは異世界に通じる門!力無き者は立ち去れ!通りたくば力を示せ!」 談笑から一変、お仕事モードに入るGGさん 「マスターを探す為、美味しい物を食べる為、深風ティファ参ります!」 まだまだ私の旅は終わりそうにありませんからね…! 「「決闘‼︎」」