アカデミアにより誘拐された柊柚子と同じ顔を持つ少女達────黒咲瑠璃とリンの保護の為融合 次元へと侵入するズァーク(ファントム)とプロミストブラッドの魔法少女達。 無事2人を解放する事に成功するが、ファントムの前にアカデミア最強の兵士ユーリが立ち塞が る。 「キミ、いきなりアカデミアに侵入してきた挙句誘拐だなんてナメた真似してくれるじゃん」 「…………」 「別に僕にとっちゃ彼女達はどうでもいいんだけど、プロフェッサー的に重要みたいだから返して 欲しいんだよね。キミもカードになりたくないでしょ?」 「……断る」 「あ〜あ、せっかく僕が親切心から忠告してあげてるのにそれを無下にするなんて……後悔させ てあげるよ!」 「……我(オレ)は魔法カードペンデュラム・フュージョンを発動し、自分のPゾーンに存在する星読 みの魔術師と時読みの魔術師の2体で融合召喚する!」 「!?」 (Pゾーンのカードを使って融合!?) 「星と時を詠む二対の魔術師よ、今ひとつとなり毒を以て毒を制せ!融合召喚!現れろ、レベル 7!スターヴ・ヴェネミー・ドラゴン!」 「スターヴ・ヴェネミー……だって!?」 (なんだこのドラゴン……僕のスターヴ・ヴェノムと瓜二つじゃないか!) 「スターヴ・ヴェネミーの効果発動!相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動 し、エンドフェイズまでこのカードはそのモンスターと同名カードとして扱い同じ効果を得る! その対象のモンスターの攻撃力と守備力は500ダウンし、効果は無効化され相手に500ダメー ジを与える!我(オレ)が対象にしたのはスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!」 「なっ……効果まで似ているなんて!?」 「バトルフェイズに突入!我(オレ)はスターヴ・ヴェネミー・ドラゴンでスターヴ・ヴェノム・フュー ジョン・ドラゴンに攻撃!」 「ぐうううっ……!でも甘いよ!この瞬間、スターヴ・ヴェノムの効果発動!相手フィールドの特殊 召喚されたモンスターを全て破壊しその攻撃力の合計分のダメージを相手に与える!」 「我(オレ)はスカル・マイスターを手札から墓地に送り効果発動!相手の墓地で魔法・罠・モンス ターの効果が発動した時その効果を無効にする!」 「なんだって!?」 『────ファントム。聞こえるか?』 「……!」 (赤馬零児!) 『2人のスタンダード次元への移動は無事完了した。作戦は成功だ。キミもすぐ帰還しろ』 「───了解した」 「ふ……フフフフフッ。アハハハハハ!いいねぇ!なかなか面白いじゃんキミ!でもスターヴ・ヴェ ノムの効果を封じたぐらいで調子に乗ってもらっちゃ困るよ。僕はまだ全然本気を出してないから ね!それを今から証明────」 「────いや。ここまでだ」 「えっ?」 「我(オレ)の役割はもう終わった。じゃあな」 「は?まだデュエルは終わってな────おい!待ちなよ!」 「ユーリ様!侵入者は……」 「逃げられた」 「逃げられた……って、もしかして、負け───」 「は?僕が負けるワケないだろ。あっちが勝手に途中でデュエルを切り上げたんだよ」 「も、申し訳ありません!」 「チッ……んで、そっちの方の侵入者は?確か聞くところによると2人いたって話だよね?」 「は!我が隊で発見した侵入者はとてつもない速さで移動し、別動隊の方の侵入者はなにやら不 可思議な力で増援を呼んだらしく、どちらもその対処で精一杯だった為捕縛も排除も出来ず…… 」 「アカデミアきっての精鋭部隊のオベリスク・フォースが少人数の侵入者にまんまと一杯食わされ たってワケだ。笑い話にもなりゃしない」 「ぐ……」 「ま、瑠璃とリンについては問題ないさ。ドクトルが仕掛けた趣味の悪い発信機(パラサイト・ フュージョナー)で居場所は特定出来るし、ヤツらの本拠地を突き止めて奪還すれば済む話だ」 「し……しかし、プロフェッサーのお怒りが───」 「彼女達の護衛はキミらの管轄だろ。それを失敗してどう処分されようが僕の知ったこっちゃな い。せいぜい苦し紛れの言い訳を考えたら?」 「せ……折角の昇進が……」 「…………」 (ペンデュラム召喚とか言う見たことない召喚法……スターヴ・ヴェノムにそっくりなドラゴン。あの フードのヤツ、悪くない) 「クククッ……最強のリコリスさん以外にも愉しみが増えて嬉しいよ……!」 「ご苦労だった、ファントム。キミの座標いらずの次元移動能力と紅晴結菜が立案した煌里ひかる と鈴鹿さくやによる撹乱と言う陽動作戦が功を奏した。このどちらもなければ実現は不可能だっ ただろう。感謝する」 「……件の少女達は今回の2人だけでなくまだもう一人アカデミアにいるんだろう?その少女はい いのか?」 「彼女については心配いらない。ある人物に迎えさせようと思っている」 「誰だ?」 「最強のファーストリコリス────錦木千束」